かか の商品レビュー
きらっきら光る感性の独り言
独り言は何言ってんだか分からんね。ぶつぶつぶちぶつ……と。でも、この作者のモノの捉え方が瑞々しいっていうの? キラキラしてるし、ピカピカしてる。とってもハジけてる。 「かか語」だとか「かか弁」だとか言う人がいるようだけど、どこかの方言をもとに、100%それだとほんとに読みに...
独り言は何言ってんだか分からんね。ぶつぶつぶちぶつ……と。でも、この作者のモノの捉え方が瑞々しいっていうの? キラキラしてるし、ピカピカしてる。とってもハジけてる。 「かか語」だとか「かか弁」だとか言う人がいるようだけど、どこかの方言をもとに、100%それだとほんとに読みにくいし、何を書いているのかほんとに分からんので、いくらかマイルドにした感じ。九州か瀬戸内海のどこかの方言だろうと思っていたが、著者は静岡県生まれの神奈川県育ち、ということなので、うーん、違うか。でも地の文もセリフもそれに近いがなあ。 退屈していた作品は終盤、おもしろくなる。話が動き出すからだ。独り言が物語化してくる。それまでは星2つかな、と思っていたが、挽回だ。4つにしようと思った。 読みにくさのもう1つの原因は、セリフがあまりないこと。地の文の中にセリフを散りばめているので、どこまでが地の文で、どこからがセリフなのか、またその逆なのかがよく分からんで混乱しがちになる。当然、改行も少なくなる。言葉遣いが元々読み慣れない様式なので、読みにくさの倍々ゲームになってしまう。 つまり、著者は読者のことなんか考えてないのだ。だって、独り言だもんね。賞が獲れたのはこれが良かったのかな。
ぶっち
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なぜか最近、読了済みのことを忘れて2冊目を購入。 1回目はなんだかよくわからなかったのに、今回は内容がするすると入ってきて、痺れた、面白かった。 「信仰」と、「老い」。実体のない神様は歳を取らないけれど、うーちゃんにとっての神様はかかという実体のある人間だったから、本来存在しえない神の老いという、とても恐ろしいものを目の当たりにしたんだよね。いっそ明子の母親みたいに、神様のまま死んでくれたらなんて思ったりした。悲劇もなく、ただゆっくりと日常を重ね、人が老ていくこと。うーちゃんにはそれが耐えられなかったけれど、世間からすれば「可哀想に」なんて言ってもらうような話じゃない。みんな同じ。そのギャップが辛くて、普通のことだよって処理してほしくなくて、だって神様が変わっていくんだもん「可哀想な子」になりたくて、最後にあんなことをしたうーちゃん。その気持ちが、どこまでもわかってしまうのでした。 「毒親」、「女性性への嫌悪」あとは文体とか、この本を語る切り口はさまざまあるけど、私は特に「信仰」と「老い」というテーマに魅了されて、この本が改めて大好きになった。何度も読み返したい本。
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「いとしさは抱いたぶんだけ、憎らしさに変わる」 かかを憎む反面、どうしようもなく愛しさも感じるうーちゃんの心境が正確に文章化されていて一気読み。 ただ、表現が難しくてあまりのめり込めなかった部分もあった。 文章から血と泥の匂いがした気がする。
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宇佐見りんという作家は、小説作品を味わうというより、“作者の感性を味わう”、そんな作品を書く。 鋭い感性で日常を切り取り、そこには新しい視点もあれば、絶妙な共感も存在する。 本作においても、それが随所にあった。 『かか』を読んだきっかけは、芥川賞『推し、燃ゆ』が傑作だったから...
宇佐見りんという作家は、小説作品を味わうというより、“作者の感性を味わう”、そんな作品を書く。 鋭い感性で日常を切り取り、そこには新しい視点もあれば、絶妙な共感も存在する。 本作においても、それが随所にあった。 『かか』を読んだきっかけは、芥川賞『推し、燃ゆ』が傑作だったから。 しかし、まぁなんとも言えないほど、読みにくい文体、文調だった。 大抵、こういうのは読み進めるうち、慣れてくるものだが、最後まで読みにくかった(ひらがなが多いのが特に)。 内容について。 思春期を描いたといわれても、とても共感はできなかった。いや、共感なんてできなくても小説は成立するのだが、私の理解力では追いつけない部分が多かった。 内向的な作品、世界観ーーその輪郭は、ふれることは許しても、中に入ることについては非開放的。 「おもしろい!」とは思わなかったが、これは評論したくてたまらない作品。 色々、ああだこうだ言いたい。これはもう、いわゆる芸術である。日本に留まらない、国際的にも評価されるんじゃないかと思う。 結果的に、読んでよかった。
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うーちゃんとは考え方も全然合わないのに なぜか共感してしまう。 本に没頭できた。 よくわからない形にできないような感情を 言葉で捉えられていてすごかった。 母親に信仰心を抱いたことはないんだけど 自分も遠い昔感じてたんじゃないかと 思わせる力があった。
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推し、燃ゆがすごく良かったのでこちらも読みました。19歳浪人生のうーちゃんは大好きなかかのことで思い悩み、SNSを心の拠り所にしている。母と娘の愛情と自立の物語。女性同士の親子の絶妙な関係性の描かれ方が見事でした。心を抉られるけど、最後の決別とも思えるシーンは爽快でした。
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母を誰よりも愛していて、誰よりも憎んでいる。うーちゃんに共感する長女は多いんじゃないかな。私がそうなので。何もかもおまえのせいだぞと詰ってやりたい一方で、母を抱きしめて背中を撫でてやりたいとも思う。不安定な愛憎、心の叫びをずっと浴びてる気分だった。
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終始『かか弁』で語られる文体はとにかく読みにくい けんど、徐々に慣れてきゆるもんです そして、気がついたときにや、自分もかか弁で語っとうかもしれんのです 19歳の心の痛みがかか弁によって深く抉られました 人間の弱さと醜さと親を見捨てれない愛の深さ 読み終えてもしばらく苦しかった...
終始『かか弁』で語られる文体はとにかく読みにくい けんど、徐々に慣れてきゆるもんです そして、気がついたときにや、自分もかか弁で語っとうかもしれんのです 19歳の心の痛みがかか弁によって深く抉られました 人間の弱さと醜さと親を見捨てれない愛の深さ 読み終えてもしばらく苦しかったです
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すっごい本を読んだ。 女の身体、家族の単位、母との関係、文体 それとなく未映子ぱいせんの「乳と卵」を彷彿とさせるけれど、筆致の熱量が他に類を見ないくらい凄まじい。 この押し寄せる表現がうーちゃんの葛藤をより際立たせる。 愛したい人をストレートに愛せない、 壊れていく過程を...
すっごい本を読んだ。 女の身体、家族の単位、母との関係、文体 それとなく未映子ぱいせんの「乳と卵」を彷彿とさせるけれど、筆致の熱量が他に類を見ないくらい凄まじい。 この押し寄せる表現がうーちゃんの葛藤をより際立たせる。 愛したい人をストレートに愛せない、 壊れていく過程を一番近くで見ることの残酷さ。 一度読んでいただかないとこの熱量は伝わらない。 母と娘は難しい。
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なんとなくさくさくとは読み進められないけど 心の葛藤や魂で叫んでる感じはする また読んでみたい作家さん
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