かか の商品レビュー
きらっきら光る感性の独り言
独り言は何言ってんだか分からんね。ぶつぶつぶちぶつ……と。でも、この作者のモノの捉え方が瑞々しいっていうの? キラキラしてるし、ピカピカしてる。とってもハジけてる。 「かか語」だとか「かか弁」だとか言う人がいるようだけど、どこかの方言をもとに、100%それだとほんとに読みに...
独り言は何言ってんだか分からんね。ぶつぶつぶちぶつ……と。でも、この作者のモノの捉え方が瑞々しいっていうの? キラキラしてるし、ピカピカしてる。とってもハジけてる。 「かか語」だとか「かか弁」だとか言う人がいるようだけど、どこかの方言をもとに、100%それだとほんとに読みにくいし、何を書いているのかほんとに分からんので、いくらかマイルドにした感じ。九州か瀬戸内海のどこかの方言だろうと思っていたが、著者は静岡県生まれの神奈川県育ち、ということなので、うーん、違うか。でも地の文もセリフもそれに近いがなあ。 退屈していた作品は終盤、おもしろくなる。話が動き出すからだ。独り言が物語化してくる。それまでは星2つかな、と思っていたが、挽回だ。4つにしようと思った。 読みにくさのもう1つの原因は、セリフがあまりないこと。地の文の中にセリフを散りばめているので、どこまでが地の文で、どこからがセリフなのか、またその逆なのかがよく分からんで混乱しがちになる。当然、改行も少なくなる。言葉遣いが元々読み慣れない様式なので、読みにくさの倍々ゲームになってしまう。 つまり、著者は読者のことなんか考えてないのだ。だって、独り言だもんね。賞が獲れたのはこれが良かったのかな。
ぶっち
推し、燃ゆがすごく良かったのでこちらも読みました。19歳浪人生のうーちゃんは大好きなかかのことで思い悩み、SNSを心の拠り所にしている。母と娘の愛情と自立の物語。女性同士の親子の絶妙な関係性の描かれ方が見事でした。心を抉られるけど、最後の決別とも思えるシーンは爽快でした。
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母を誰よりも愛していて、誰よりも憎んでいる。うーちゃんに共感する長女は多いんじゃないかな。私がそうなので。何もかもおまえのせいだぞと詰ってやりたい一方で、母を抱きしめて背中を撫でてやりたいとも思う。不安定な愛憎、心の叫びをずっと浴びてる気分だった。
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終始『かか弁』で語られる文体はとにかく読みにくい けんど、徐々に慣れてきゆるもんです そして、気がついたときにや、自分もかか弁で語っとうかもしれんのです 19歳の心の痛みがかか弁によって深く抉られました 人間の弱さと醜さと親を見捨てれない愛の深さ 読み終えてもしばらく苦しかった...
終始『かか弁』で語られる文体はとにかく読みにくい けんど、徐々に慣れてきゆるもんです そして、気がついたときにや、自分もかか弁で語っとうかもしれんのです 19歳の心の痛みがかか弁によって深く抉られました 人間の弱さと醜さと親を見捨てれない愛の深さ 読み終えてもしばらく苦しかったです
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すっごい本を読んだ。 女の身体、家族の単位、母との関係、文体 それとなく未映子ぱいせんの「乳と卵」を彷彿とさせるけれど、筆致の熱量が他に類を見ないくらい凄まじい。 この押し寄せる表現がうーちゃんの葛藤をより際立たせる。 愛したい人をストレートに愛せない、 壊れていく過程を...
すっごい本を読んだ。 女の身体、家族の単位、母との関係、文体 それとなく未映子ぱいせんの「乳と卵」を彷彿とさせるけれど、筆致の熱量が他に類を見ないくらい凄まじい。 この押し寄せる表現がうーちゃんの葛藤をより際立たせる。 愛したい人をストレートに愛せない、 壊れていく過程を一番近くで見ることの残酷さ。 一度読んでいただかないとこの熱量は伝わらない。 母と娘は難しい。
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なんとなくさくさくとは読み進められないけど 心の葛藤や魂で叫んでる感じはする また読んでみたい作家さん
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自分にはこの作品を「面白い」と捉える度量がない。人間に対する描写が深すぎて、しがみついて振り落とされないようにするだけで精一杯だったから。それでも星5をつけたのは、ただただ圧倒されたので。二十歳前後でこの文章、敬意を込めて怪物と称さずしてなんと呼べば…って言いたくなるけど、怪物な...
自分にはこの作品を「面白い」と捉える度量がない。人間に対する描写が深すぎて、しがみついて振り落とされないようにするだけで精一杯だったから。それでも星5をつけたのは、ただただ圧倒されたので。二十歳前後でこの文章、敬意を込めて怪物と称さずしてなんと呼べば…って言いたくなるけど、怪物なんて言葉使って必要以上に距離取ろうとするのもよくないんかな。 タイトルの通り「母親」という存在を力強く書き切った作品だと感じた。作者さんの性別は知らないけど、これは男性には書けないんじゃないかな…とも。読み始めた時は方言のような独特な文体を単純に読みにくいな…と感じて、ちょっと古い時代の話だったりするのかな、なんて誤解もしていたけれど、読み進めていくうちにこの小説はこの文体じゃなければ成り立たないんだな、と自分の中で納得がいったのが不思議だった。自分も小学校の真ん中くらいまで、両親のことを「おっとぉ」「おっかぁ」と呼んでいたので、ある時期までの親子の中だけで成立する言葉の温度感を信じたくなるというか、なんというか。 定期的に出てくるSNSの解像度も怖いくらいに鮮明で「こんな投稿最近見たな…」ってのがうじゃうじゃ出てくる。そして何より、こういう作品を久しぶりに読んだことで、自分はこのレベルになるくらい人間に深く興味を持ててないんだなぁ…と突きつけられたような気がした。
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文体が独特だが読みやすい。 愛情に飢えた母親の痛みに共感できてしまうし、甘えられるのをうざったいとも思う19歳の娘うーちゃんの心情が描かれている。
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最初はひどく読みにくく感じた。だけどだんだんと、うーちゃんの取り巻く世界にどっぷりハマったような、なんだろうこの読後感。得体の知れない世界を見せられた気がする。わからないのに、誰もが経験している世界のような…
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大好きだった かか(母)が夫の不倫を契機に精神を病んでいき、家族も崩壊していく。少女はある願いを叶えてもらう為に熊野に向かう。21歳で芥川賞を受賞した宇佐見さんの20歳でのデビュー作。最初、文体に戸惑ったが、それに慣れると、ラストまで一気読みできた。三島由紀夫賞(2020)。 ...
大好きだった かか(母)が夫の不倫を契機に精神を病んでいき、家族も崩壊していく。少女はある願いを叶えてもらう為に熊野に向かう。21歳で芥川賞を受賞した宇佐見さんの20歳でのデビュー作。最初、文体に戸惑ったが、それに慣れると、ラストまで一気読みできた。三島由紀夫賞(2020)。 芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』が良かったので手に取りました。エンタメ系ではないですが、予想外に良かったです。『推し、燃ゆ』もそうですが、物語へのSNSの取り入れ方が巧みです。次作が楽しみです。
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