変半身 の商品レビュー
変半身 村の奇祭から炙り出される偽りの歴史、常識の脆さ、信仰する人々の寄生虫の様な生態。 私たちは真実を信仰しているわけじゃない。 都合のいいものを信仰しているだけだ。 私たちの信仰は、大人や何か大きなものに信じ込まされているのでなく、必ず自分自身の選択で行われている。 だから...
変半身 村の奇祭から炙り出される偽りの歴史、常識の脆さ、信仰する人々の寄生虫の様な生態。 私たちは真実を信仰しているわけじゃない。 都合のいいものを信仰しているだけだ。 私たちの信仰は、大人や何か大きなものに信じ込まされているのでなく、必ず自分自身の選択で行われている。 だから都合の悪い真実を知ると、人は簡単に次の都合のいい信仰に寄生虫の様に移っていくのだろう。 満潮 俗の性と聖なる性 俗の性は繁殖していくために必要だ。 だけど聖なる性も個としてのアイデンティティを確かめるために必要なものだろう。 自慰行為や、この作品でいう潮を吹くことは、自分の身体に向き合うこと。 人間は聖なる時間(生きる意味を問う、死を考える、自身の体と向き合う)を持つことで、集団のしての自分(繁殖としての人類の一部)だけでなく、個としての自分(他の違う個性のある一つの生命)を知ることが出来ると思う。
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面白かった!が、特に満潮は終盤「??」となってしまいました。 高城くんが滑稽でもあり可哀想でもあります。引きこもりになっているし、頭では理解し内心で気に病んでいたのでは…?家族ぐるみでの信仰が当たり前の環境になっていて逃げ場がなかったのかなと考えてしまいます。 全くついていけてませんが、私は好きでした。もっと村田さんの作品を読みたくなりました。
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隔絶された離島で行われる奇祭と、それにまつわる言い伝えに人生を翻弄され、大人になり島へ戻る機会を得た主人公。 そこにはかつての島の面影はなかった。 相変わらずの価値観揺さぶり村田沙耶香!本当に実はこんなものかもしれないな、信仰なんて。 同時収録の満潮は適度にバカバカしさも混じっ...
隔絶された離島で行われる奇祭と、それにまつわる言い伝えに人生を翻弄され、大人になり島へ戻る機会を得た主人公。 そこにはかつての島の面影はなかった。 相変わらずの価値観揺さぶり村田沙耶香!本当に実はこんなものかもしれないな、信仰なんて。 同時収録の満潮は適度にバカバカしさも混じっていて、気持ち悪さ(褒め言葉)が薄まって良い。
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彼女の作品は気持ち悪いと評価されがちだけど、 私は気持ち悪さを感じるのではなくて、こういう世界もあるのだと安堵することが多い おそらく自分も世間からすれば共感されることのない人間だからかもしれない 友達や家族に悩みを話しても、一見は寄り添うような顔をして迎合するように話を進め...
彼女の作品は気持ち悪いと評価されがちだけど、 私は気持ち悪さを感じるのではなくて、こういう世界もあるのだと安堵することが多い おそらく自分も世間からすれば共感されることのない人間だからかもしれない 友達や家族に悩みを話しても、一見は寄り添うような顔をして迎合するように話を進められる 誰も今のままでいいとは言ってくれない 相談には結論が必要であるという一般認識のせいなのか、私が世間に迎合する未来の話、時間に全てを委ねた解決がどれほど素晴らしいかを解説され、私はその有難い話に救われたことになり、相手が気持ち良くなって終わるのが関の山 一方で私の心は、素手で掻き乱され、ぐちゃぐちゃに黒くなり、ネトネトと溜まっていく 村田沙耶香の作品は、周りの言う通りに迎合することが正しいのだと思い込んで自分を殺して楽になろうとする私を引き止めてくれる だから安堵する 私はこのままでいていいんだと肯定してもらった気分になる 彼女の書く世界は真実で、この世界が存在しないと私はきっと殺されてしまう 毎回読み終わったあと、よくこんな世界が思いつくな……とは感じるけど、実際あるのではないか、彼女が見た世界を実際に記録しているのではないかと信じて救われたい
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信仰心と今信じていることは本当なのか?と問いかけられる。もしかしたら、私たちの住む地域の伝統やお祭りも人工的に作られたものかもしれない。 終盤の島に帰省する辺りからの焦燥感がすごい。この村田さん特有の気持ち悪さが大好きだ。
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この著者の作品には、怒りというか、悪意というか、とにかく攻撃性のようなものをいつも感じる。 そして、たまらなく愉快になる。
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『消滅世界』に続いて、3連続での村田沙耶香san。 人間は変態する。ニンゲンを脱ぎ捨てろ。ポピ原人、ポーポー様、秘祭モドリなど。歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていくー。 1話目「変半身」は、冒頭の記念式典に提出する絵を「海で溺れる家畜の絵にしよう」と...
『消滅世界』に続いて、3連続での村田沙耶香san。 人間は変態する。ニンゲンを脱ぎ捨てろ。ポピ原人、ポーポー様、秘祭モドリなど。歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていくー。 1話目「変半身」は、冒頭の記念式典に提出する絵を「海で溺れる家畜の絵にしよう」という中学生の会話から、閉ざされた小さな島(千久世島)の掟、秘祭からの緊迫した脱出、中盤からの島の変化、最後の「ニンゲン」の真実まで、好きな世界観でした(がちゃ)。 2話目「満潮」は、、うーん、ごめんなさい。性や身体の欲求という、深くて大切なテーマではあるとは思うのですが、私には合いませんでした。ただ、後半の海辺にいる老婆を「匹」で数えるところが、村田sanの厚み。 ちょっと休憩して、またこの世界に帰ってきます!
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表題作は、歴史への懐疑。 もうひとつの、満潮が素晴らしい。性のあり方に一つの光明を指し示した意欲作。
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変半身 最後??ってなった。だからもう一度通して読んだが、やっぱり??ってなった。 突拍子もなかったけど、自分の信じてるものが崩れることって全然起きうるよなあって思った。 潮 これは自分には良さがよくわからなかったです。
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ポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポー あの見開き1ページを見た時は 鳥肌が立った。 ポピ原人やらポーポー様やら ポーポ、ポハピピンポボピア星人など、 村田沙耶香は「ポ」が好きなのだろうか。 でも、確かに「ポ」には少し魅力を感じてしまう。...
ポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポーポー あの見開き1ページを見た時は 鳥肌が立った。 ポピ原人やらポーポー様やら ポーポ、ポハピピンポボピア星人など、 村田沙耶香は「ポ」が好きなのだろうか。 でも、確かに「ポ」には少し魅力を感じてしまう。 変半身を読んで、ハッとした。 私も洗脳されているのかもしれないと。 私だって家畜だ。 いや、 人間より家畜の方が綺麗か。 満潮を読んだということを 誰かに知られたら、かなりまずい。 この、文章を 真面目に語っている感じが 気持ち悪い。 でも、読む手は止まらなかった。
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