変半身 の商品レビュー
「変半身 KAWARIMI」 村田沙耶香(著) 2019 11/25 (株)筑摩書房 2019 12/25 読了 現在 村田沙耶香強化週間です^^; この世界で自分の事を本当に理解出来るのは 自分しかいないはずなのに 人は共感したがる。 正直で純粋で傷ついている女性に...
「変半身 KAWARIMI」 村田沙耶香(著) 2019 11/25 (株)筑摩書房 2019 12/25 読了 現在 村田沙耶香強化週間です^^; この世界で自分の事を本当に理解出来るのは 自分しかいないはずなのに 人は共感したがる。 正直で純粋で傷ついている女性に 無理しないで、もっと自分を大切にして。 と村田沙耶香はメッセージを送り続けているのかもしれない。
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僕がこよなく愛する村田沙耶香の最新刊『変半身』を読みましたよ。 非常に興味深く読ませていただきました。 この新刊『変半身』は『変半身』『満潮』の中編2編で構成されています。 特に僕は『変半身』が好きですね。 僕の村田沙耶香歴と言えば『コンビニ人間』から始まって『消滅世界』、そし...
僕がこよなく愛する村田沙耶香の最新刊『変半身』を読みましたよ。 非常に興味深く読ませていただきました。 この新刊『変半身』は『変半身』『満潮』の中編2編で構成されています。 特に僕は『変半身』が好きですね。 僕の村田沙耶香歴と言えば『コンビニ人間』から始まって『消滅世界』、そして処女作の『授乳』『マウス』『ギンイロノウタ』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』と上梓順に読み進めてきたのですが、未読の『しろいろの街の、その骨の体温の』『殺人出産』『地球星人』『生命式』の4冊をすっ飛ばして、この最新刊に手を出してしまいました(笑)。通算すると本作は僕にとっては9作目となる村田沙耶香作品になりますね。 本書に収録されている『変半身』はさすがに「クレイジー沙耶香」の最新刊ということもあって、キレッキレです。そしてカップリングの『満潮』は村田沙耶香得意の男女の『性』についてがテーマですが、またもや誰も考えつかないような視点から物語を展開させていきます。 それぞれについてのレビューです。 『変半身』 「…ついに人間終了…」 これが本書『変半身』を読み終わった後に僕の口から出た最初の言葉ですね。本書は、村田沙耶香が「『家族』の究極最終形態」を描き切り、2012年の三島由紀夫賞を惜しくも逃した怪作『タダイマトビラ』の別バージョン、あるいはスピンオフ版と言ってしまっても良いのではないでしょうか。 『タダイマトビラ』が「狂気」に振りきった作品だとしたら『変半身』は、世間に騙され続ける人々の姿の究極の「滑稽さ」を描き切った作品だと思います。両極端に分かれている2冊ですが、どちらも方向や道筋は違っていても、究極の到達点は同じ場所だということですね。 そのことを如実に示すヒントが本書には隠されています。 『タダイマトビラ』で象徴的に描かれた交換し続けられる『蟻』の『アリス』が本書でも成功者の妻を演じ続けさせられる主人公・陸(リク)のペット(?)としてひっそりと登場しているのです。 ここには重要なメッセージが隠されていると言って良いのではないでしょうか。 『タダイマトビラ』を未読の方は、本書を読む前でも後でもいいので、ぜひ読んでみて欲しいと思います。 『タダイマトビラ』に登場した「アリス」を飼う美女・渚さんの家に集まる女の子たちの中に、本書の主人公・陸がいたのかと思うとちょっと胸熱です。 『満潮』 『満潮』は、村田沙耶香の過去の作品で『女性の性』をテーマとした『ハコブネ』や『星の吸う水』と同じ系列のお話ですが、今回は女性の性だけでなく、主人公の夫が男性としての『性』にこだわっているお話です。 しかも、この夫は「男性も『潮』を吹くことができる」と主張し、日々、浴室にこもって「『潮』を吹くため」に努力する情景が真摯に描かれています。 男の僕が言うのもなんですが、この夫が実際に何をしたいのか訳が分かりません(笑)。 しかしながら、主人公の夫婦ふたりが協力してなにかに打ち込む姿は、なんとなく「ああ、そういうものなのだろうな」と読まされてしまうのです。 村田沙耶香恐るべしですね。 以上が、本書『変半身』のレビューですが、『変半身』『満潮』の2編どちらも村田沙耶香ファンをうならせる珠玉の2編だと思います。
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表題作、「絶対の真実なんてどこにもないのでは?」という問いがテーマになっていて、とてもおもしろかったけど、えっこれで終わり…?という物足りなさを感じた。舞台設定もキャラクターも盛りだくさんなのに、もったいない……。もっと続きが読みたかった。
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変半身。 話に深みを感じることができず、印象に残らない映画を観たあとみたいな気分になってしまった。中編ではなく長編にしてもう少し哲学的な話を盛り込んでくれたら好みだったかもしれない。 とは言え、全くつまらなかったわけではない。秘祭「モドリ」の始まりの秘密を読んで、伝統の儀式や昔か...
変半身。 話に深みを感じることができず、印象に残らない映画を観たあとみたいな気分になってしまった。中編ではなく長編にしてもう少し哲学的な話を盛り込んでくれたら好みだったかもしれない。 とは言え、全くつまらなかったわけではない。秘祭「モドリ」の始まりの秘密を読んで、伝統の儀式や昔からのしきたりなんてものの最初は、案外こんな感じなのかもなぁと妙に納得。
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久しぶりにクレイジー沙耶香の異名を持つ著者の怪作にハマった。 表題作の「変半身」は、千久世島と言う小さな島で行われるポーポー祭で行われる謎の秘祭モドリについて描かれている。この島にはポーポー様と言う神様がいたという伝説があり、伝説にはポピ原人という種族も出てくる。怪しい。モドリ...
久しぶりにクレイジー沙耶香の異名を持つ著者の怪作にハマった。 表題作の「変半身」は、千久世島と言う小さな島で行われるポーポー祭で行われる謎の秘祭モドリについて描かれている。この島にはポーポー様と言う神様がいたという伝説があり、伝説にはポピ原人という種族も出てくる。怪しい。モドリの最中、そんな島から逃げ出した陸と花蓮が大人になり島に戻ってみた現実とは?何が真実で何が嘘なのか、それはあなたの心次第。 「何かを知るということは快楽なのだ、それが大嘘であっても」 「新しい真実を信じるとき、人間の頭はクラッシュする。その瞬間だけが、本当に「無」になれるときなのよ。次の瞬間には、新しい信仰が始まってしまうんだから」 ファンタスティック! そしてもう1篇「満潮」では潮だったり夢精だったり男女の性の常識が崩壊した世界が描かれていた。
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村田沙耶香さん、底知れなすぎて…苦笑。 今回も面白かった。これ、舞台すごく見たい!!! 笑えるほど狂ってて、でも真面目で、なんでこんな世界を考えることができるんだろうとドキドキしてしまった。 変半身も面白かったけど、満潮もすごかった。 ある日妻が夢精した。夫とはもう随分とレスで...
村田沙耶香さん、底知れなすぎて…苦笑。 今回も面白かった。これ、舞台すごく見たい!!! 笑えるほど狂ってて、でも真面目で、なんでこんな世界を考えることができるんだろうとドキドキしてしまった。 変半身も面白かったけど、満潮もすごかった。 ある日妻が夢精した。夫とはもう随分とレスで、あるとき突然夫が潮を吹くための努力を始めた。 もうおかしすぎる! けどみんな真面目だから、こんな世界来るかもって思っちゃうところがいい。
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捏造された島の歴史と神話。 地球と人間の歴史だって、実際はそんなものかもしれない。 ニンゲンは、自分で物語を作り上げて、それを神様のせいだということにして、 そう周りに解釈させて、そうして自分たちの存在を肯定してきたのだ。 歴史とは、物語と解釈の積み重ねなのではないだろうか。 ...
捏造された島の歴史と神話。 地球と人間の歴史だって、実際はそんなものかもしれない。 ニンゲンは、自分で物語を作り上げて、それを神様のせいだということにして、 そう周りに解釈させて、そうして自分たちの存在を肯定してきたのだ。 歴史とは、物語と解釈の積み重ねなのではないだろうか。 もしこのままニンゲンが終わっていくのだとして、 我々は、この歴史をどんな物語として遺していくのだろうか? そして、次の文明では、それがどのように解釈されるのだろうか? それから、どんなふうに作り変えられていくのだろうか?
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表題作は企画モノ?の中編作品。舞台設定に村田沙耶香さんらしさは十分に感じるけど、いつもよりも文章が軽めというか表面的な表現に留めている感じも。新しい表現方法への挑戦なのかな? テーマは少し前の文學界(2019年2月号)に掲載されてた『信仰』にも感じた「信じるって何なのか?」と通...
表題作は企画モノ?の中編作品。舞台設定に村田沙耶香さんらしさは十分に感じるけど、いつもよりも文章が軽めというか表面的な表現に留めている感じも。新しい表現方法への挑戦なのかな? テーマは少し前の文學界(2019年2月号)に掲載されてた『信仰』にも感じた「信じるって何なのか?」と通じるものがある。このテーマはコンビニ人間などの「普通とのギャップ」を更に推し進めたような感じで面白い。色んな設定でこのテーマの作品が出てきたらいいなと思う。 『満潮』は『星が吸う水』のような感じ。このスタイルは男の自分にはちょっと共感できないというか、よくわからないかな。
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2019.12.14 変半身、潮の2作を収めた本。 率直な感想を言うと、いずれの話もグロテスク過ぎて気持ち悪く、読後吐きそうである… 変半身については、気持ち悪いながらも信仰や狭い世界で生きる事の恐ろしさみたいなものを感じ取れたとは思う。 設定のすごさという意味では間違いなく星...
2019.12.14 変半身、潮の2作を収めた本。 率直な感想を言うと、いずれの話もグロテスク過ぎて気持ち悪く、読後吐きそうである… 変半身については、気持ち悪いながらも信仰や狭い世界で生きる事の恐ろしさみたいなものを感じ取れたとは思う。 設定のすごさという意味では間違いなく星5つなのだけど、私はこういう感じの話が苦手な事もあり、読後の不快感を差し引くと星3つかな…
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『変半身』 この世界の真実がわからなくなる。 なにが本当でなにが嘘か。どこにその境目はあるのか。すべてが嘘だしすべてが本当である。わからない。どこかにポンと答えがあるのか。そこにたどり着いた人たちがこの世界を支配しているのかもしれない。プロデューサー。そいつらさえも何かに操られて...
『変半身』 この世界の真実がわからなくなる。 なにが本当でなにが嘘か。どこにその境目はあるのか。すべてが嘘だしすべてが本当である。わからない。どこかにポンと答えがあるのか。そこにたどり着いた人たちがこの世界を支配しているのかもしれない。プロデューサー。そいつらさえも何かに操られている。 どこに終着点はあるのか。上の上の上の…下の下の下…。無限ループがこの世にはあってそれを意識すると正気を保てないからみんな仕方なく無視している。無視した方が楽。嘘か本当かわからないけど何かを信じていた方がニンゲンとして生きることができる。ニンゲン。ニンゲンとは、なんなんだ。そのバケモノは、美しくもあり醜くもあり、愛らしくもあり憎くもある。なんなんだ。 そうやって考えても仕方がない、悩むことに時間を割くことは無駄であるとニンゲンは判断する。生存本能としてそれを遺伝子に組み込んでいる。遺伝子。私たちは遺伝子の奴隷なのか。そもそも遺伝子というのが本当に存在するのか。わからない。わからない。ほらまた、そうやって無限の沼にはまる。沈む。さようなら。
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