この世の春(中) の商品レビュー
少しずつ謎が明かされていった中巻。 多紀と重興が互いの苦しみに寄り添い合い、打ち解けあうところが印象的だった。
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登場人物も増え、少しづつ謎が解き明かされる。 重興の中に住む者も皆姿を現し、病の原因も少しづつ晶間になる。 すべての謎は明らかになるのか?続けて下巻も読もう。
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少し謎が明かされつつ謎が増えていく中巻。馬好きとしては愛馬と女馬喰の存在が楽しい。馬セラピーだわ!と。彼女は馬喰というより名伯楽と言いたくなる。少年と少女の出会いもよいですね。
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「この世の春」中巻。 重興の側で仕えることでひかれていく多紀。数年前の子供たちの城下での失踪事件を調べるうちに重興や多紀にも危機が迫る。 さらに登場人物が増えるけど、物語として破綻していないのが宮部みゆきさんの凄い所。 重興の中の琴音の優しさに救われる。かれは重興にとっても多...
「この世の春」中巻。 重興の側で仕えることでひかれていく多紀。数年前の子供たちの城下での失踪事件を調べるうちに重興や多紀にも危機が迫る。 さらに登場人物が増えるけど、物語として破綻していないのが宮部みゆきさんの凄い所。 重興の中の琴音の優しさに救われる。かれは重興にとっても多紀にとっても大切な存在だと感じられる。 そして重興の愛馬の飛足もまた、本当に重興のことが好き。重興も良い殿様だったんだなとつくづく感じさせられました。 いつの時代もこどもたちがいなくなる事件というのは悲しい。
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元年12月9日読了。 謎はいよいよ確信に迫っていく。隠されていた悍ましい事件が、少しずつ剥がされるように 目の前に迫ってくる。 あーっ、早く下巻読まなきゃ〜!
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上巻の展開に少し触れています。 この巻でもっとも印象的だったのは、多紀と重興の邂逅のシーン。 二人がそれぞれに抱えている悲しみを、会話ややりとりの中にたゆたわせて、静かながらも、とても印象的なシーンになっています。改めて宮部さんスゴいなあ、とこの場面を読んで思いました。 そ...
上巻の展開に少し触れています。 この巻でもっとも印象的だったのは、多紀と重興の邂逅のシーン。 二人がそれぞれに抱えている悲しみを、会話ややりとりの中にたゆたわせて、静かながらも、とても印象的なシーンになっています。改めて宮部さんスゴいなあ、とこの場面を読んで思いました。 そして、この場面の会話が、粋というか、いなせというか、風流というか、情緒がすごいというか。(適当な言葉が見当たらないので、とにかく書き連ねている)重興の言葉が印象的なので引用。 「岩のような面構えの各務の娘が、砂のように空しいばかりの私に仕えてくれるというのなら、これも縁(えにし)だろう」(p45) 各務というのは多紀の名字なので、各務の娘というのは多紀のこと。この言葉を読んだとき、この二人の出逢いは政変や、多紀の出生による“運命の悪戯”ではなく“運命の導き”によって引き合わされたものだと、強く感じました。 ミステリ・サスペンスとしては、ゆっくりと展開していきます。上巻レビューで散々サイコサスペンスと、ぼかした言い方をしましたが、言ってみればこの小説は多重人格ものです。 多重人格ものは昔いくつか読んだのですが、ショックな出来事や過度なストレス、トラウマなどが原因で別人格が生まれる。また、その別人格はそうしたショックな出来事から逃避するために創り出されたもの、という話だった気がします。 城下で過去に起こった異変、そして五香苑の池の底から見つかったもの。重興に起こった悲劇と、それによって生まれた底知れぬ重興と藩が抱える闇。重興はなぜそうした人格を産み出さざるを得なかったのか。その理由をなんとなく匂わせつつ、物語は進んでいきます。 そして、この中巻の終盤でさらに急展開! 徐々に光が差し、照らされ始めた重興と藩の闇に対し、それが明かされることを良しとしない、また大きな力の存在……。松明を手に入れ洞窟の全景が分かってきたかと思いきや、その洞窟は思った以上に深く…… 登場人物それぞれ魅力的なキャラばかりだから、なおさらラストが気になるなあ。別にもの哀しい話がきらいなわけではないけれど、それぞれがほんの少しでもいいから、前を向いて歩き出せるようなものだといいなあ、ともついつい思ってしまいます。
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