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僕のなかの壊れていない部分 の商品レビュー

3.3

29件のお客様レビュー

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2024/02/04

年末年始の怒涛の読書から一転、通常営業モードが戻ってきたのとがっつり低下したメンタルで、読了に1ヶ月弱かかってしまった… さらにクズ気味の主人公にさほど共感できず、でもきっとわたしはこういう人が目の前に現れたら惚れるんだろうな、なんて思いながらたらたらと読む。 読み進めていくと...

年末年始の怒涛の読書から一転、通常営業モードが戻ってきたのとがっつり低下したメンタルで、読了に1ヶ月弱かかってしまった… さらにクズ気味の主人公にさほど共感できず、でもきっとわたしはこういう人が目の前に現れたら惚れるんだろうな、なんて思いながらたらたらと読む。 読み進めていくと、主人公がなぜ孤独や寂しさを抱えているのかが、じわじわと描かれる。でも彼の表現の仕方、相手への伝え方がすんんんごい下手くそで。でもたぶん、触れてほしくないところに入って来てほしくないからこそ、こういう表現しかできないんだろうな、とも思う。だけど、相手を大切にしていない物言いや自己中な人付き合いが、一緒にいたらすごく大変な人なんだろうな。 そんな主人公と上手な距離感で近くにいるのが、彼女の枝里子だ。すごくいい女で、でもこういういい女と一緒にいるのがしんどくなる主人公の気持ちもよくわかる。だけど、やっぱり主人公が枝里子を大切にしていなさすぎる。 そして、家の近くに住んでいるスナックのママ・朋美とも交際し、セフレの大西夫人とはびっくりするくらい激しいセックスをし、基本的には、家に鍵を閉めずに日々を過ごしている。やばすぎる。 窪美澄さんの解説がすごくいい。 窪さん同様、というかみんなもそうだと思うんだけど、「僕の中の壊れていない部分てどこなんだろう」と、思いながら読み進めるはずだ。 複雑な生い立ちから、自分は無価値で生きている意味なんてない、と思いながら生きている主人公。話も偏屈で長い。だけど、彼が昔懐いていた真知子さんや、朋美の息子の拓也のことになると、突然ハスっている感じがなくなる。きっと、彼の壊れていない部分は、そこにあるんじゃないかと思うんだ。 とはいえ、この作品は著者の白石一文さんが20代の頃に描いたものだそう(帯より)。きっとその頃に「生きるとは何か」ってことに全力で向き合って描ききったものなんだろうなと思う。偉人の作品の引用部分も含め、当時の白石さんが「生きるということ」に全力で向き合って、必死に自分なりの答えを見出そうとしているように感じた。

Posted byブクログ

2024/02/04

現代文学小説の様な複雑な人間の心理を細かく表現されている。主人公直人との特殊な育ちから独特の個性と男女関係の複雑な複数、枝里子、朋美、大西昭子の関係が重い小説だった。色気グロさも一般的にはきつい部分も。最後のエンドレスの雷太の行動には驚いたが、その後このストリートが落ち着いて終わ...

現代文学小説の様な複雑な人間の心理を細かく表現されている。主人公直人との特殊な育ちから独特の個性と男女関係の複雑な複数、枝里子、朋美、大西昭子の関係が重い小説だった。色気グロさも一般的にはきつい部分も。最後のエンドレスの雷太の行動には驚いたが、その後このストリートが落ち着いて終わっていく。

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2023/08/29

偏屈で臆病な主人公。 まっすぐで人間らしいエリコが眩しくて苦しくて。 家庭環境のせいで記憶力がみについたり、、、。それでも活かせる特技なのはある意味うらやましい。 給料がいいからというシンプルかつめちゃくちゃ羨ましい理由で選んだ職場にすんなり入れるのは記憶力のおかげ?それとも、面...

偏屈で臆病な主人公。 まっすぐで人間らしいエリコが眩しくて苦しくて。 家庭環境のせいで記憶力がみについたり、、、。それでも活かせる特技なのはある意味うらやましい。 給料がいいからというシンプルかつめちゃくちゃ羨ましい理由で選んだ職場にすんなり入れるのは記憶力のおかげ?それとも、面接官は彼のどこの何を見て彼を採用したんだろ。と思いましたけど。 拓也への想いも、必要とされる喜びというエゴと感じてしまい、とことん不器用。でも、ちょいちょいでてくる偏屈な持論がわからないでもないし、共感できる部分もあった。 もちろん、彼の哲学に追いつけない部分も多々、本当に多々あったのでエネルギーある時にまた読み返したいとも思いました。

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2023/07/01

この作者の本は好きで数冊読みましたが、コレはダメ。自己中というか、自分勝手というか、主人公が全く理解できない。自分が女性だからなのか。 男性は共感できるのだろうか。

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2023/03/27

主人公はとても奇妙な人間だった。無機質で、物事を判断する際に人間の感情の部分を考慮していないようだった。しかし論理的で筋は通っていた。 対して枝里子は反対の性質を持っていて、かなり感情的。その二人が論じる“愛”、“恋”、“死”、“生”に関する言葉たちがとても素敵だった。

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2023/03/04

幼少期の出来事が主人公の人格を歪め、また自分自身を殺してしまいそうな危うさがある。 自分の立ち位置を定め、考え続けて年を重ねていく、これから変化していく未来を見据えながらも、今を生きるという物語で、生々しい人間観があり、生きるとはなにかを深く考えさせされる作品でした。

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2023/01/22

悲しい人間。感情を押し殺し、他人の思想や知識で自分を納得させて、人を冷めた目で見て、常に孤独や絶望を感じながらも今を生きている。 それでも無条件に子供に優しく、自分の時間を投資するところもあり、彼なりの愛はどこで境界づいているのだろう、と。 2歳の頃のエピソードも心打たれた。限界...

悲しい人間。感情を押し殺し、他人の思想や知識で自分を納得させて、人を冷めた目で見て、常に孤独や絶望を感じながらも今を生きている。 それでも無条件に子供に優しく、自分の時間を投資するところもあり、彼なりの愛はどこで境界づいているのだろう、と。 2歳の頃のエピソードも心打たれた。限界まで追い詰められるにはあまりにも小さすぎた、その衝撃ゆえの記憶力、知識量なのだ、といった流れにもすごく納得感があった。 ラストの衝撃もなかなかだが、彼以外の人の絶望さも丁寧に描いていて、とても良かった。 性的描写は突如として出てきて多めなのでそこは覚悟が必要。 110/140

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2023/01/17

★育つために人は生まれさせられた。育つためには、相反するふたつを組み合わせて調和をとることですね★ 過去に囚われて、現在を生きていない感じがして、苦手だったな。過去の出来事に縛られているから、更生していない。どんなに辛いことがあったとしても、それを言い訳にしていいんじゃない。事...

★育つために人は生まれさせられた。育つためには、相反するふたつを組み合わせて調和をとることですね★ 過去に囚われて、現在を生きていない感じがして、苦手だったな。過去の出来事に縛られているから、更生していない。どんなに辛いことがあったとしても、それを言い訳にしていいんじゃない。事実は変えられないけれど、過去の捉え方を今更新していくことはできる。“悲劇のヒーロー”演じてる感じ。

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2022/10/11

傷付けないように 傷付かないように かつ自分を納得させながら生きるには こうなるしかない こうするしかない おかしくなんかない 壊れてなんかない 一番考えて向き合って 壊れないようにした結果だと思う よかった気がする

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2022/05/27

今持っている本の中で最優秀賞のダークサイド愛書。かつインパクト大。 哲学派でもあり 手元において何度も読見返してみたい一冊。

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