夜行 の商品レビュー
こういう森見登美彦もとても好きだ。読んでいるうちに文章に絡めとられていつのまにか作品と同じ温度の生き物になっている。真夜中にひとり目覚めてしまったときのような当て所のない寂しさを、読んでいる最中ずっと感じていた。 気持ちに従うままに、夜行列車に揺られて全く知らない土地に行ってしま...
こういう森見登美彦もとても好きだ。読んでいるうちに文章に絡めとられていつのまにか作品と同じ温度の生き物になっている。真夜中にひとり目覚めてしまったときのような当て所のない寂しさを、読んでいる最中ずっと感じていた。 気持ちに従うままに、夜行列車に揺られて全く知らない土地に行ってしまいたい。
Posted by
一体何年ぶり?森見登美彦。 これはハードで1章立ち読みして止まらなくてやばい文庫化まで我慢しようと待ってた一冊。 いやこれは一気読みするしかないよ!!!!もう1章からぐわん!と本の世界に引きずり込まれた、この感覚久しぶりで嬉しかったな~~~本の世界から出られないこの感じ!布団に寝...
一体何年ぶり?森見登美彦。 これはハードで1章立ち読みして止まらなくてやばい文庫化まで我慢しようと待ってた一冊。 いやこれは一気読みするしかないよ!!!!もう1章からぐわん!と本の世界に引きずり込まれた、この感覚久しぶりで嬉しかったな~~~本の世界から出られないこの感じ!布団に寝転がりながら読んでると現実との境目がわからなくなってくるこの感じ!! どの章もすっごい不思議でわくわくぞわぞわした~~森見さんはこういう夢と現を行ったり来たりさせるの本当にうまいよね!こっちも安心して身を任せられる。 とにかく一気読みすべし。でないとこの本の9割損してる。は~~~~まだこんな風に本にどっぷり浸かれるとわかって嬉しかったな~~~!!!
Posted by
夜行電車。明るい社内。 真っ暗な外の闇。何も見えない。 だけど、無いわけじゃない。 そこにだって、世界がある。 ただ、見えないだけ。 夜の闇のように、 掴みそうで掴めない、 不思議だけど心地よいお話でした。
Posted by
森見さんの作品は初めてで直木賞&本屋大賞ダブルノミネート作品 ということで手に取りました。 十年前、鞍馬で同スクールに通う仲間と火祭りを 見物に出かけ、その時に女性が姿を消した。 その仲間が尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡の土地で 不思議な出来事を語り合い、 岸田という銅版画家の描...
森見さんの作品は初めてで直木賞&本屋大賞ダブルノミネート作品 ということで手に取りました。 十年前、鞍馬で同スクールに通う仲間と火祭りを 見物に出かけ、その時に女性が姿を消した。 その仲間が尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡の土地で 不思議な出来事を語り合い、 岸田という銅版画家の描いた「夜行」という 連作絵画を目にしていた。 果たして彼女がいなくなったことと絵画との関係から、 何か起こるのだろうかという今までにない物語。 普段あまりファンタジー、怪談というのをあまり読まないので このようなモヤモヤとした感じで良いのかと思って読んでいました。 けれど一つ一つの章では情景が細かく綺麗なので 想像しやすい所があったり、ホラーや怪談のような所では ゾクゾクと怖くなりそれでも読みたくなり一気にに読んでしましました。 岸田という銅板画家の描いた「夜行」ということが この作品ではキーポイントとなりますが、 作品からも分かるように 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 ということで自分にいる世界では夜であっても、 逆の世界から見ると昼であり、 それは「曙光」が始まった夜でもあり、 「夜行」が始まった夜でもあるということで この世はパラレルワールドで表裏一体なのかというのを 感じさせられました。 独特な雰囲気の中に紛れ込んで 少し頭の中も迷走状態になりましたが、 何とも不思議な世界に浸れて時には こうゆう作品も面白いなと思いました。 尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡などの 旅先での物語はかなり怖さがあるので、 旅先で読む場合には注意して下さい。 ファンタジーや怪談などが混ざっている作品というのは これという結末が無いのでレビューが難しく、 表現するのが難しいですが、時には日常を離れて 別の世界を味わうのも面白いかと思いました。 森見さんが他の作品ではどのような雰囲気なのか 気になる作品にもなったので、 他の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by
2019/12/22 京都が舞台であることが多い、なおかつクスッとくるエピソードが多い印象の森見登美彦作品ですが、今回は京都だけではなく色々な場所が出てきて、その情景を思い浮かべながら読む楽しさがありました。 また、今回の作品はいつもの小説に加えて少し余韻を残すミステリーチックな...
2019/12/22 京都が舞台であることが多い、なおかつクスッとくるエピソードが多い印象の森見登美彦作品ですが、今回は京都だけではなく色々な場所が出てきて、その情景を思い浮かべながら読む楽しさがありました。 また、今回の作品はいつもの小説に加えて少し余韻を残すミステリーチックなものも話に加わっていていい塩梅になっているように思います。 久しぶりに鞍馬の火祭りを見に行くと集まった人たちが語らうエピソードそれぞれに不思議なことがあり、それが一人の人物の1つの作品で繋がっている…。また、見方によって別の世界もあるみたいななんだか色々な世界観を行ったり来たりします。その中で尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡など実際にある場所もモチーフとして出てくるのでそこに行ったような気分になれる、そんな情景に引き込まれる不思議さがあると思います。 ミステリー要素が程よくからんでいて後味の良い余韻を残す話だと思いました。
Posted by
『きつねのはなし』をよく憶えていないが、多分同じ路線だった。『太陽の塔』『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』『有頂天家族』の路線が好きなので、別に買わなくても良かった。 『熱帯』はどうなんだろうか…。
Posted by
途中まで訳がわからず、その訳のわからなさ具合に苛立ちまで感じた。読み進めるうちにだんだん物語の世界に入っていき、なんとか読み終えることができた。帯やあらすじにファンタジーとあるので、ファンタジーと思って読むとよかったのかもしれない。広げた風呂敷をゆるく畳まれたような終わりだった。
Posted by
京都 鞍馬の火祭に行った夜 ひとりの女性、長谷川さんが姿を消した それ以来10年振りに仲間達と訪れた火祭の夜 長谷川さんと会えるのか? 長谷川さんはなぜ消えたのか? 物語を通して感じる不気味さと薄暗さ そして、不思議な印象を持ったまま終わりまで。 感想が難しい。けれど闇と光の...
京都 鞍馬の火祭に行った夜 ひとりの女性、長谷川さんが姿を消した それ以来10年振りに仲間達と訪れた火祭の夜 長谷川さんと会えるのか? 長谷川さんはなぜ消えたのか? 物語を通して感じる不気味さと薄暗さ そして、不思議な印象を持ったまま終わりまで。 感想が難しい。けれど闇と光の描写が印象的
Posted by
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅...
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。 腐れ大学生ものから有頂天家族やペンギンハイウェイを経て完全にファンタジーへと舵を切ったのかなあ?と最近の作風を見ていて思う森見先生ですが、水底にひたるようなひんやりした怖さが漂う作品でした。物悲しいような、だけど少し懐かしいような。夜の世界と昼の世界は表裏ですぐに乗り越えられてしまう危うさがある。私たちもいつあちら側へ連れていかれてもおかしくないし、誰もが長谷川さんになりうる。どの短編も曖昧な終わり方で後を引く感じ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。 ファンタジーでもあり、怪談めいた話も出てくるので、少し背筋がゾッとする話だった。どの人の不思議な体験の話でも絵画の中の少女が出てきており、それが共通のキーワードになるかたち。また、最後に主人公がいなくなっている世界線もあった、というのが、王道のファンタジーなかんじがした。
Posted by