トヨトミの野望 の商品レビュー
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日本企業の典型であり頂点であるトヨトミの内部は豊臣家の排他的な思惑の中で浮き沈みをしていた。武田剛平のような敏腕経営者に憧れは抱くが、社長が過労死しそうなほど激務だとは思わなかったし、自分にはそんな覚悟はできないと思った。 2/3くらいまで難しい経営戦略の話や苛立ちを覚えるような人間関係で読み進めるのに時間がかかったが、後半になり時代が進むとイメージがしやすくなり、最後の統一社長の会見は晴れやかな気持ちで読むことができた。
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フィクションかノンフィクションかとても気になる。 ただ、いずれにしろ登場人物がとても魅力的で素晴らしい。一気に話に引き込まれます。
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愛知県在住の自動車産業メーカー勤務として、いろいろ勉強にもなったし、面白かった。 剛田社長(奥田)の敏腕っぷりは知らなかったし、めちゃくちゃカッコよかったけど、ああやっぱ豊田家には勝てないのねと。
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愛知在住経験があるとより面白いなと思いました 陰謀論者の気づく・目覚めるってこう言う感覚なんだろうなというたのしい読後感笑
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かなり事実に近い内容なんだろうなぁ。 前社長がそういう人物、過去があったとは知らなかった。 トヨタについて知れた良作
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99%実話で名古屋の書店から一時消えたという話題作。 登場人物のページにモデルとなった人物と肩書をメモして読み始めた。 実話だと思うと非常にスリリングに読み切った。続編を読むのが楽しみ。 現社長の美人局の件で暴力団事務所に乗り込むシーンでは、その対応も一流を感じた。 ワシントン...
99%実話で名古屋の書店から一時消えたという話題作。 登場人物のページにモデルとなった人物と肩書をメモして読み始めた。 実話だと思うと非常にスリリングに読み切った。続編を読むのが楽しみ。 現社長の美人局の件で暴力団事務所に乗り込むシーンでは、その対応も一流を感じた。 ワシントンのロビイストも美人局的な詐欺に遭っており、恐怖を感じた。 絵画を利用した裏金作りなど、読んでいて著者の身の危険を感じた。 奥田さんの功績は大きすぎる。
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「トヨトミ」という名前を使った小説ですが、本を読めばそれが日本を代表する「トヨタ自動車」のことを指していることは読者なら容易に想像できます。筆者の梶山氏は十分な取材を通して、自動車業界に起きている激変と、創業家における出来事を読み物として興味深く読めるように工夫されています。 ...
「トヨトミ」という名前を使った小説ですが、本を読めばそれが日本を代表する「トヨタ自動車」のことを指していることは読者なら容易に想像できます。筆者の梶山氏は十分な取材を通して、自動車業界に起きている激変と、創業家における出来事を読み物として興味深く読めるように工夫されています。 35年にわたる社会人生活を一区切りつけた私ですが、長年自動車業界に携わってきた者として、平成初期から自動車の課題は「燃費向上」でした。30年間以上もやってきて、もうやり尽くしたと感じたところで、世の中は「電気自動車」になりました。 この本は、トヨトミシリーズ・三部作の一作目に当たりますが、大変楽しく読ませていただきました。今後の自動車業界の動きにも注目していきたいです。 以下は気になったポイントです。 ・中国は共産党の国家である、経済システムは市場経済への移行状態にあり、金融・為替政策・外資導入などは、党中央が最終的な判断を下す。それは地方政府においても同様で、主要なビジネスは全て共産党の管轄下にある。その意思決定に際しての情報収集および人脈形成は日本人には想像もつかないほどの重みを持つ。それゆえ中国全土に張り巡らされたパイプは今後のトヨトミのビジネスに測り知れない恩恵をもたらす(p105) ・とても中国に力を割く余裕はなかったとされているが、これは表向きの理由で、実は日本に残った幹部連中が、発展途上国とみなしていた中国市場を敬遠し、中国政府ごときが合弁生産の打診とは片腹痛い、とばかりに人員と資本の投下を拒否したのである(p175)代わりに中国政府が接触、事業化を推進したのがドイツのDF(VWを想定)であった、中国人は「最初の井戸を掘った人を忘れない、メンツを何より重視する中国の一つの顔である」トヨトミは決定的な失敗を犯した(p115) ・俺(トヨトミの社長)は絶対に無駄な投資はさせない、日本経済を牽引してきた家電や電機、エレクトロニクスなどの大規模メーカが衰退してきたのは、生温い自己満足の投資のせいである(p170) ・2009年の販売目標としてぶち上げた1000万台に生産体制は到達したものの、リーマンショックの悪影響が尾を引いて、車の需要は世界的に激減、生産体制を一気に拡大した分、そのダメージも大きかった。完全に裏目に出てしまい、創業以来の苦境に陥る、悪夢の始まりである(p382) ・なぜ2%の株式しか持たない豊富家が重要な人事権を保ち続け、27兆円の企業を支配しているのか。豊臣家が絶対的に尊敬されているわけでも、皆が無条件に従っているわけでもない。ここに出現するのは、サラリーマンの自己利益と組織利益の葛藤である、優秀なビジネスマンほど会社の利益を第一に考えるというのは実は大きな間違いで、まずは自分の利益を第一に考え、会社の利益は二の次である。欧米の会社組織はそのことを前提に制度設計が組まれており、ストックオプション(個人利益のためには企業業績を上げ株価を上昇させる必要がある)という仕掛けがある。豊臣家を担ぐことで利益になる社員、役員が豊臣家を担いでいる。会社の将来や競争力強化といった理念はなく、結果が出ていればどんな大勢でも肯定される(p511) ・リーダーのあるべき姿として多くの言葉(ビジョン・哲学・信念、人望・ネットワーク、人使いの巧みさ、度胸・勇気、迅速さ)が象徴されるが、これらの特徴を最初から合わせ持っている人は皆無だし、成功した経営者が全員素晴らしい人物評価を受けているわけではない、それでも共通することは「ビジョン・哲学・信念」である。どんなに部下から嫌われようが、専制君主と言われようが、まともなビジョンを持ち、生き方の哲学があり、信念を持ってそれを遂行する経営者のもとで社員は結束する、血筋・学歴は全く関係ない。信念を持っているかは、むしろその年限の生き方そのものに近い(p512) 2024年4月26日読破 2024年7月21日作成
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現役の社員ですが 少なくとも社内や街の独特な雰囲気については事実だと感じました。 その他についてもあながち間違ってはいないだろうと思わされます。
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あまりにもスケールのでかい話。大企業ともなると世界の政治などにも左右される。自分の日々の悩みが可愛く感じれる。 どんどんページめくって、のめり込める作品
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この小説は30年以上サラリーマンを続けてきた人にはささりますね。覆面作家になってでも出したかった作品だと思うほどリアルで深い。奥田さんのTOYOTAは強かった!
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