巡礼の家 の商品レビュー
災害で祖父母を失い、両親も行方不明になった少女雛歩(ひなほ)が『さぎのや』という旅館の女将に助けられ、多くの人の優しさに包まれて前に進む力を得る話。 舞台が愛媛県の道後温泉ということもあり、四国八十八か所のお遍路さんもよく登場する。 「縁もゆかりもなくても困ってる人のために、汗を...
災害で祖父母を失い、両親も行方不明になった少女雛歩(ひなほ)が『さぎのや』という旅館の女将に助けられ、多くの人の優しさに包まれて前に進む力を得る話。 舞台が愛媛県の道後温泉ということもあり、四国八十八か所のお遍路さんもよく登場する。 「縁もゆかりもなくても困ってる人のために、汗をかける自分でいられるかどうか」「同じ時代、同じ世界を共に生きている者としての思いやりこそお接待の心」という文章が心に残った。気持ちとして「大丈夫かなあ」「何かしてあげたいなあ」と思っても実際に行動に移すのは難しい。こんなふうに当たり前に人助けができたらいいのになあと思った。
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ラストだけよかった、というか、作者さんここだけ書きたかったんと違うかな? 15歳の少女の設定が甘すぎてあまりに現実離れしすぎ。ハグとハゲを間違うとかありえなすぎるし他にもあまりに稚拙なオヤジギャグか?というような勘違いのわりに少女視線の説明が大人びすぎてるとか支離滅裂すぎてイライ...
ラストだけよかった、というか、作者さんここだけ書きたかったんと違うかな? 15歳の少女の設定が甘すぎてあまりに現実離れしすぎ。ハグとハゲを間違うとかありえなすぎるし他にもあまりに稚拙なオヤジギャグか?というような勘違いのわりに少女視線の説明が大人びすぎてるとか支離滅裂すぎてイライラ。 おっさんのギャグに突き合わされて最後まで読まされた感じで大減点。あとあまりに鷺を前面に出し過ぎてくどすぎてこれまた気持ち悪い。親戚の兄弟の後半の登場とセリフもありえなすぎて強引すぎる。強引といえば村人の紹介がひどすぎて読むのやめようかと思ったくらい。これなら道後温泉のパンフレットを隅から隅まで読んでた方がましである。 2ページ読むごとに寝てしまったので苦行でした。
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こちらもお久しぶりの天童作品。なのですが、ずいぶんと思っていたのとタッチが違っていてびっくり。 これはこれで良いのかもしれないけれど、文章のフランクさと、詳しすぎる祭りがアンバランスにも感じてしまいました。むむむ。 2020/1/31読了
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天童荒太先生の新境地。しみじみ良い話で私は好きです(悼む人より)。最初はややもたもたするのですが、舞台が道後温泉と分かり、現実味を増してきてからは快調。内容自体はファンタジーだと思うけれど、こういう共同体があったらいいなと、素直に思える良作でした。苦言を呈するならば、主人公の言葉...
天童荒太先生の新境地。しみじみ良い話で私は好きです(悼む人より)。最初はややもたもたするのですが、舞台が道後温泉と分かり、現実味を増してきてからは快調。内容自体はファンタジーだと思うけれど、こういう共同体があったらいいなと、素直に思える良作でした。苦言を呈するならば、主人公の言葉が幼すぎるのではないかと(いろいろな事情はあるにせよ)。こんな女子中学生いるかなあ。
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天童荒太の本を久々に読みました。絶望の中に光というような話が多い印象なので、徹頭徹尾いい人オーラで溢れている作品を読んだのは初めてかもしれない。 四国のお遍路文化と、人を癒す理想郷としての「さぎのや」が前面に出ていてほぼそれで終始しています。 寄る辺無い少女がさぎのやに導かれるよ...
天童荒太の本を久々に読みました。絶望の中に光というような話が多い印象なので、徹頭徹尾いい人オーラで溢れている作品を読んだのは初めてかもしれない。 四国のお遍路文化と、人を癒す理想郷としての「さぎのや」が前面に出ていてほぼそれで終始しています。 寄る辺無い少女がさぎのやに導かれるように現れ、傷を癒してもらうと共に、さぎのやの一員として不可欠な存在になっていくという話で間違いないかと思います。 いい話は好きなんですが個人的にはぐいっとは来ない感じでした。いい人が山盛り出てきて皆愛に溢れてという本なのですが、学芸会っぽいというかどうにもこうにも背中がかゆくなるような思いをしながら読んだのは僕の心が穢れているからか? さぎのやがどういう仕組みで成り立っているのかをもっと知りたかったです。
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道後温泉の「さぎのや」は巡礼者の救済宿、ともいうべき行き倒れの人や、心に抱えたものが重すぎ、これ以上足を進められない、というような人たちを温かく迎え入れ、心や体が癒えるまでお世話をするという宿だ。 その女将に助けられた雛歩という小学生の女の子、災害で両親を亡くし親戚の家でのつらい生活に耐えられず、逃げている途中行き倒れになった。 さぎのやに伝わる古くからの言い伝えや、現在に至る経緯、それにかかわる人たちの事情などが、雛歩を通して明らかにされていく。 そしてずっと胸に抱え込み、明かされなかった雛歩の秘密、すべてを聞きすべてを受け入れてくれた女将は次期女将として雛歩を手元に置くことにする。 人は皆それぞれ何らかの事情を抱え、それを受け入れつつ、一歩ずつ前に進もうと前を向いている、生きていくことはつらいけれど、それでも生きていればうれしいことも、明るいことも少しずつ感じられるんだよ。 そんな風に背中を押してもらえるような気がした。
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旧へんろ道で行き倒れた少女が目覚めたのは 道後温泉に古くから続く温泉宿。 そこは帰る場所を失った人を優しく迎え入れ癒す場所でもあった。 柔らかいお湯に浸かってるような優しい世界。 四国は未踏の地なのだが これを読んだらますます行ってみたくなった。 [図書館・初読・12月19...
旧へんろ道で行き倒れた少女が目覚めたのは 道後温泉に古くから続く温泉宿。 そこは帰る場所を失った人を優しく迎え入れ癒す場所でもあった。 柔らかいお湯に浸かってるような優しい世界。 四国は未踏の地なのだが これを読んだらますます行ってみたくなった。 [図書館・初読・12月19日読了]
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電車の中で、感涙。心が闇に包まれた時、寄り添ってくれるだけで、生きていける。ただ背中をさするだけでいい。
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少女が過ちを犯し逃げていた時に気を失い助けてくれたのが道具温泉旅館の女将さん。心にも体にも傷を負った少女は女将さんの旅館で宿で働く方たちの優しさにも触れ、徐々に心身共に癒されていった。お遍路さんが立ち寄るこの旅館は精神的に疲れた人たちが来る宿だった。お遍路さんたちは皆、気持ちが楽...
少女が過ちを犯し逃げていた時に気を失い助けてくれたのが道具温泉旅館の女将さん。心にも体にも傷を負った少女は女将さんの旅館で宿で働く方たちの優しさにも触れ、徐々に心身共に癒されていった。お遍路さんが立ち寄るこの旅館は精神的に疲れた人たちが来る宿だった。お遍路さんたちは皆、気持ちが楽になって旅館を後にする。精神が安定するこの宿で少女は自分の犯した過ちを語り、現実を知り前向きに自分らしさを取り戻していく。神秘的でお伽噺のようなストーリーでした。天童さんの作品は生と死について考えさせられる事が多く重たい内容が多い中、今回はふんわりした気持ちになった一冊でした。
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人の温かさに触れ変わっていく(成長する)主人公。元々持っているものも大事だが、それよりも環境がいかに大事かを再確認させられました。 いつか道後温泉に浸かりながら、この小説を思い起こしたいと思います。
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