急に具合が悪くなる の商品レビュー
「急に具合が悪くなる可能性がある」と医師から言われた哲学者と人類学者の往復書簡。それは単なる偶然の集積なのか必然なのか。 今年公開予定の濱口竜介監督の映画、どんなものになるのかまったく想像ができないけど、これを映画にするのは、濱口竜介いないんだろうな…とも思う。めちゃくちゃ楽しみ...
「急に具合が悪くなる可能性がある」と医師から言われた哲学者と人類学者の往復書簡。それは単なる偶然の集積なのか必然なのか。 今年公開予定の濱口竜介監督の映画、どんなものになるのかまったく想像ができないけど、これを映画にするのは、濱口竜介いないんだろうな…とも思う。めちゃくちゃ楽しみ。
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濱口竜介監督が映画化するとのことで。まさしく濱口映画のモチーフである「他者との対話と関係性」の究極のような書簡集で、完全にくらってしまった。奇しくもアルモドバル監督作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』にも通じる思想を感じた。 がんに侵された哲学者・宮野真生子と彼女に伴走することとな...
濱口竜介監督が映画化するとのことで。まさしく濱口映画のモチーフである「他者との対話と関係性」の究極のような書簡集で、完全にくらってしまった。奇しくもアルモドバル監督作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』にも通じる思想を感じた。 がんに侵された哲学者・宮野真生子と彼女に伴走することとなった人類学者・磯野真穂。哲学者ならではの緻密な視線で生死や己の思考を見つめる宮野さんと、驚異の真摯さと引き出し力で相対する磯野さん。お互いの知性や人間性への信頼と尊敬がなければ構築し得ない関係性。一年足らずの間にこの出会いのわくわくと喪失の恐怖が急降下しながら同時にやってくる稀有な体験を走り抜き、文字にし続けた「運命的姉妹」に心底頭が下がる。
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映画化すると聞き、積読になっていたものを急いで読んだ。 プロジェクトヘイルメアリー然り原作知っておきたいタイプ。 とにかく「すごいものを読んだ」という気持ちになった。 あれを読んでこんな激浅な一言でしかまとめることができない自分の語彙力、表現力の無さを恨みたくなる。 哲学...
映画化すると聞き、積読になっていたものを急いで読んだ。 プロジェクトヘイルメアリー然り原作知っておきたいタイプ。 とにかく「すごいものを読んだ」という気持ちになった。 あれを読んでこんな激浅な一言でしかまとめることができない自分の語彙力、表現力の無さを恨みたくなる。 哲学に生きる人が、人類を研究する人が、研究人達が、死を身近なものとして捉えたとき こんな発想や考え方になるんだなというのを見せて頂いたような感じがした。 哲学者や人類学者の引用もよく出てくるのだけれど、理解・共感できるものもあれば 私の知識では全く解釈が難しいものもあった。 往復書簡の中でこんな重厚感のあるやり取りをしてただなんて信じられない。すごすぎる。 恐怖に飲み込まれそうになる時、そんな時にこそ自分の人生を考え、言葉にする。 真に哲学者で、本当にかっこいい生き様だ。 本書を読んで思ったのは、人間は死に近づいた時こそこれまでの生き様が出るのだろうということ。 私の生き様は、どんなだろう。 全てのことは自分が選択したものである あの日あの場所に行こう、会ってみようと選択したのは自分 “自分だから”その選択をしたのではなくて、“選択したから”今の自分がいる 解釈があっているのか分からないけれど、 本書を読んで私が心に留めておきたいと思ったこと。
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死は確かにやってくる、しかし今ではないのだ。 そうだよね、、、死は必然なのに、存在しないかのように生きている。 まるでずーっと生きていられるかのように思っちゃってる。 余命わずかな哲学者と人類学者の書簡。 賢いお二人なので、ちょこちょこ難しい話が出てきて立ち止まって調べた...
死は確かにやってくる、しかし今ではないのだ。 そうだよね、、、死は必然なのに、存在しないかのように生きている。 まるでずーっと生きていられるかのように思っちゃってる。 余命わずかな哲学者と人類学者の書簡。 賢いお二人なので、ちょこちょこ難しい話が出てきて立ち止まって調べたりしつつ、、、でも書簡なので読みやすい。 ただ、全体的にずーっと考えさせられながら読んでた。 考えるんじゃなくて、考えさせられるって感じね。 約束って?多様性って?不幸って?不運って? 頭ん中も、心の中もゴチャ混ぜになるけれど、読み終えた後は清々しく幸せを感じる。
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その人が大切な存在になればなるほど、その人に「さようなら」をいう日の手触りがより確かになっていく がんに罹り、医者から「急に具合が悪くなるかもしれない」と言われた哲学者と、「偶然」にも彼女と意気投合した人類学者の往復書簡。哲学者が人生の終わりに何を語るのか、みたいな大それたもの...
その人が大切な存在になればなるほど、その人に「さようなら」をいう日の手触りがより確かになっていく がんに罹り、医者から「急に具合が悪くなるかもしれない」と言われた哲学者と、「偶然」にも彼女と意気投合した人類学者の往復書簡。哲学者が人生の終わりに何を語るのか、みたいな大それたものではなくて「どんな感じ?」みたいな問いかけから、理知とユーモアを交えた対話が始まる。 二人の関係性が徐々に変わっていく面もあって、なんや胸がきゅっとなる。このタイミング、この関係性の二人だからこそ交えることができた言葉の数々。 興味深い言説は色々あったんだけど、一番は関係性のラインの話。例えば病気の人に相対するシチュエーションにおいては「適切な受け止め方(否定しないとか、むやみに励まさないとか)」がたびたび推奨されるけど、そこには結局、カウンセリングのような点と点の関係性、害のない言葉の連結しか生まれない、と本書では説かれている。点と点ではなく、互いが変わり続け動き続ける「ライン」としての関係性を模索していくことで、そこには不和や戸惑いがあるかもしれないけど、新しい未来を創造する動きが生まれていく。本書自体がそれを体現しているので、説得力がある(252頁★4.0)
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余命わずかな哲学者と人類学者の手紙のやり取り。哲学の難しい議論もありつつ、なぜ(how でもwhy でもなくなぜこの人、この私が)この状況にいるのかが問われる。また病人という役割になってしまい、その他の自分が失われる危険について語られる。 この人の場合、哲学者という立場でのアウト...
余命わずかな哲学者と人類学者の手紙のやり取り。哲学の難しい議論もありつつ、なぜ(how でもwhy でもなくなぜこの人、この私が)この状況にいるのかが問われる。また病人という役割になってしまい、その他の自分が失われる危険について語られる。 この人の場合、哲学者という立場でのアウトプットを続けることに救われているようだ。でも何も語る手段を持たない一般人はこういう時どうしたらいいの、とも思ったが、人それぞれ病人以外の自分を保ち続けることを模索すべきなのかも。 冷静で論理的なやり取りの影に、友人としてのLINEや妄想に近い思い入れ、切迫した最期の様子が垣間見られ、感傷を許さない中で友情の深さが心を打つ。
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あまりレビューを見ずにタイトルからとっつきやすい印象だったので、もう少しカジュアルな書簡やりとりかと思えば全然違った。考えながら読む(ときにわからないことを調べつつ)必要を感じたのでいまは読むタイミングではないと判断。
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衝撃的な重さの本だった。哲学者の癌が悪化したところから始まる、哲学者と人類学者の往復書簡。後半でモルヒネも効かないくらいに病状が悪化するあたりから、お互いの言葉が魂から発せられるように感じて、読んでいて苦しいくらいだった。強烈なラブレターを読んでいるような気にもなった。死の間際に...
衝撃的な重さの本だった。哲学者の癌が悪化したところから始まる、哲学者と人類学者の往復書簡。後半でモルヒネも効かないくらいに病状が悪化するあたりから、お互いの言葉が魂から発せられるように感じて、読んでいて苦しいくらいだった。強烈なラブレターを読んでいるような気にもなった。死の間際にあっても言葉を紡いだ宮野さんと、それを全て受け止め、時には鋭過ぎると感じるような言葉も投げる細野さん、2人の逃げない覚悟に圧倒された。 「不運に見舞われても、自分の人生を手放さなければ不幸ではない」 「時間とは、物理的時間と、その人が残した踏み跡の深さを掛け合わせたものの厚み」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【目次】 1便 急に具合が悪くなる 2便 何がいまを照らすのか 3便 四連敗と代替療法 4便 周造さん 5便 不運と妖術 6便 転換とか、飛躍とか 7便 「お大事に」が使えない 8便 エースの仕事 9便 世界を抜けてラインを描け! 10便 ほんとうに、急に具合が悪くなる がんの転移により死に直面しながら生きる哲学者と、人類学者の往復書簡。 ほとんど交流がなくても、なぜか通じる人というのはいる。言葉を大事にする二人が、言葉を紡ぎ続ける。約束は相手への信頼。二人の出会いは僥倖かもしれない。
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相当体調が悪くなってからでも、あのような文章が書けるなんて、どんなに強く、明晰な人だってのだろう。この書簡自体が生きる支えになっていたことは間違いないと思う。そして亡くなられた後、こうして読まれ、心動かされる読者がいる。 出会えた期間は短くても、濃い出会いというのはあるのだなあ。...
相当体調が悪くなってからでも、あのような文章が書けるなんて、どんなに強く、明晰な人だってのだろう。この書簡自体が生きる支えになっていたことは間違いないと思う。そして亡くなられた後、こうして読まれ、心動かされる読者がいる。 出会えた期間は短くても、濃い出会いというのはあるのだなあ。20年の学者としての知識がぶつかり合った濃厚なやり取りで、生や死、偶然、運命、人生について考えさせられた。
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