ムゲンのi(下) の商品レビュー
上巻を読み、どのような謎解きをしてくれるのか楽しみにしていたのだけれど、 推理の前提というか、材料までを虚構とする、作者の「必殺ウルトラC」みたいな…(笑) 私的には、あくまで前半に与えられたヒントとかファクターを使い、巧みなミスリードによって視点をハズされたり、またはそのトリ...
上巻を読み、どのような謎解きをしてくれるのか楽しみにしていたのだけれど、 推理の前提というか、材料までを虚構とする、作者の「必殺ウルトラC」みたいな…(笑) 私的には、あくまで前半に与えられたヒントとかファクターを使い、巧みなミスリードによって視点をハズされたり、またはそのトリックのクオリティが高かったりした時に「やられた」と…。 今回は、「そゆことね…」 という感じでした。 ニ人のマブイグミに成功し実家に帰った愛衣は、祖母から、患者達がイレスを引き起こした原因…四人のマブイを吸ってしまったサーダカンマリの存在を教えられ、華先輩の担当する四人目のイレス患者を調べようとするが、特別室の異常とも言える警戒によって全く手掛かりが掴めない。 そんな中、救急搬送で血塗れの小学生が運ばれて来るが、その身体には酷い虐待の痕跡が見られた。 愛衣はレントと言うこの少年の担当を袴田に依頼し受諾されるが、四人目のイレス患者については固く口を閉ざされるのだった。 苛立った愛衣は急いで三人目の患者・加納環のマブイグミに取り掛かる。 ピアニストを目指しながら挫折し、生きる目的まで失った環を救ったのが昔の同級生・久米だったのだが数年後に再会した久米は恋人・優香に支配され廃人のようになっていた。 やがて、優香殺害容疑で久米は逮捕、そして無罪判決を経て同棲に至るのだが、不気味な不審者の影、そして咄嗟に捨てられた郵便物の異常な内容…。 次第に久米に対する疑惑が膨らみ距離を置く環だったが、そんな中、第二の殺人事件の決定的な被疑者として久米が指名手配される。そして久米が過去の通り魔事件の犯人・少年Xという可能性を知った愛衣はパニックを起こしマブイグミに失敗する。 依然として明かされない特別室の患者情報…増幅する違和感…そして何の前兆もなく父と祖母が忽然と姿を消す。 父の残した手掛かりから突き止めたアパートからは少年Xと思しき久米を追う父の痕跡が… すると混乱する愛衣に、初めて現実世界でのメッセージの共有が起こり久米の視点を辿り本人の遺体を発見するのだった。 久米の無実を知り二度目のマブイグミで環を救った愛衣だったが、連続殺人の捜査中の刑事から父と祖母の失踪について衝撃の事実を聞かされ、混乱と恐怖の中ケリをつける為に特別室へと向かう。 そこで寝ていた患者は何と・・・ 少年クサナギレントの正体、そして少年Xはいったい誰なのか? 特別室に眠る第四の患者の謎、さらには、連続殺人事件の犯人とは… ◯識名愛衣・・自らもPTSDを抱える神経内科科医。祖母のユタの血を引き継ぐ。 ◯杉野華・・同じ職場の一つ上の先輩。 四人目のイレス患者を担当しているが患者とは深い繋がりが? ◯袴田聡史・・精神科医にして病院長。交通事故により現在車椅子の生活に。 愛衣のPTSDの主治医。 ◯おばあちゃん・・父方の祖母。沖縄の優秀なユタだった。愛衣にマブイグミのやり方を教える。 ◯片桐飛鳥・・イレスに罹患した愛衣の担当患者。パイロットを目指し猛勉強中だったが父親の操縦する飛行機の事故により右目の視力を失う。 ◯羽田将司・・飛鳥の父。飛鳥の憧れのパイロットだったが、アル中により資格を失った事に。 愛衣との約束を果たすべく飛び立った二人だったが… 指の震えの原因とは。 ◯佃三郎・・愛衣の担当するイレス患者の一人。弁護士。主に冤罪事件の弁護を担当。 ◯久米隆行・・元彼女の佐竹優香を殺害、強酸にて死体を溶かすと言う凄惨な事件の容疑者。一度は容認するも一転して否認。 ◯ 佐竹優香・・久米の元彼女。自宅浴槽から強酸で溶けた状態で発見される。精神疾患が… ◯加納環・・久米の現在の恋人。久米の冤罪を晴らす為佃に弁護を依頼。実は愛衣の担当する三人目のイレス患者。 ◯クサナギレント・・救急搬送で運ばれできた小学生。酷い虐待の痕跡が。 病院から姿を消す。 ◯ククル・・それぞれの持つ魂の具現化された形態。
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目覚めた二人のイレス患者。次に挑む三人目と、そして謎の四人目。さらには愛衣に関わる謎の解明もあって、さらに読む手の止まらない続編です。 愛衣自身が抱える強烈なトラウマを生んだ過去の事件とその犯人である「少年X」。彼の正体とイレスの原因、という大きな謎がようやく明かされるのですが。...
目覚めた二人のイレス患者。次に挑む三人目と、そして謎の四人目。さらには愛衣に関わる謎の解明もあって、さらに読む手の止まらない続編です。 愛衣自身が抱える強烈なトラウマを生んだ過去の事件とその犯人である「少年X」。彼の正体とイレスの原因、という大きな謎がようやく明かされるのですが。……うわー、この展開は読めなかった。上巻で感じていたあれやこれやの違和と少年Xの正体については予想が当たったのだけれど。まさか四人目のイレス患者があの人だったなんて……! ああでも思えば伏線は他にもあったんですね。 ラストはもう感動路線一直線の大団円だろうという予想はつきましたが。それでもはらはらどきどきさせられっぱなしでした。しかしこの夢幻の世界、美麗なアニメーションとかCGで観てみたいなあ。
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図書館で借りた本。担当のイレス患者は残り1人になり無事目覚めさせた。そして特別室にいる謎のイレス患者と対決。その患者は実は……後半は怒涛の展開。上巻の話を覆すビックリ展開。少年Xの正体は途中から予想はできる流れではあるが、ミステリーファンタジーの作品としても、読了感は悪くない。
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もう、現実と無限の世界の区別がつかなくなる。 ラストでやっと、謎が解けていく感じ。 あっと驚くラストには、感服。 著者は、何でこのようなストーリーを考えつくのか。 ある意味、のめり込み、一気に読み終えた。 家族愛が溢れている。⭕️
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イレス患者3人目~の夢幻の世界はあまり楽しいところもなく、愛衣のトラウマである少年Xが起こした事件も関わってきて一気に怒涛の展開に。 色々考えつつ読んで真実がわかる直前に真相を閃いてスッキリしたものの、少年Xがクズ過ぎて、愛衣の被害が壮絶過ぎて。虐待を受けた人が全員猟奇殺人犯になるわけじゃないからね。結局は本質だったんですよ 自分なら絶対許せないわ。 ククルの正体がわかるところは暖かかった 家族の愛情をちゃんと受けてきたんだなってわかる一方、現実に戻るとみんながいないのが悲しくもあり…
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上巻の2人に続いて、愛衣は3人目の眠り続ける患者の夢に入り込み、弱っているマブイを回復させて、眠りからさます。 だが、4人目の患者はとんでもない人物で、おまけに今までのは全部夢だなんて! 4人目を回復させることなく、5人目のマブイと対決して勝利する。テーマも展開も面白いのだが、読...
上巻の2人に続いて、愛衣は3人目の眠り続ける患者の夢に入り込み、弱っているマブイを回復させて、眠りからさます。 だが、4人目の患者はとんでもない人物で、おまけに今までのは全部夢だなんて! 4人目を回復させることなく、5人目のマブイと対決して勝利する。テーマも展開も面白いのだが、読者としては急激についていけなくなる。
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上巻は、様々なことが起きて、どう一つにまとめるのか楽しみでした。上巻での余韻が残ったまま読み始めたので、すぐにグッと引き込まれ、スラスラ読めました。 全体的にファンタジー色が強く、どちらかというと映像化、特にアニメ化が実現しやすい世界観がありました。どうしても文字にすると、イメー...
上巻は、様々なことが起きて、どう一つにまとめるのか楽しみでした。上巻での余韻が残ったまま読み始めたので、すぐにグッと引き込まれ、スラスラ読めました。 全体的にファンタジー色が強く、どちらかというと映像化、特にアニメ化が実現しやすい世界観がありました。どうしても文字にすると、イメージがしにくい印象がありました。 犯人は誰なのか、謎の患者とは誰なのか、一番気になることが、ぼやける表現となっているので、歯痒さがありました。 あの人が○○など自分の予想は当たっていたが…そこまで複雑なんだと。一つに集約になったときは、うまくまとめたなと思いました。 しかし、推理小説として読むと、うーん…と消化不良な感じがありました。ファンタジー小説として読むと、楽しめるかと思います。 それでもどんどん真実がわかっていくどんでん返しには、圧倒され、衝撃をうけました。ニュートラルな感じで、何も考えずに読んだほうが良いかと思いました。
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最後は純粋な感動の涙だった。 絶望、恐怖からの、安心、決意、旅立ち。 私おかしいかも?の伏線がなかったので、唐突な感じがしたが、めでたしで終わり良ければまあいいいのかな。 引き継ぎファンタジー要素が強く、映像が頭に浮かびにくい。
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ミステリーとしては反則気味の急展開。如何にもといった感じのベタな終わり方。でも読後感は悪くない。タイトルがすべてを語っている感じだった。
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上巻からさらにハテナ、深みを残しながらも、読み進めるにつれ、明らかになる事実。 主人公同様に巡るめく夢幻の世界に引き込まれる。 終盤は先が気になってページを捲る手が止まらない。 幻想的な世界観、ミステリー要素に家族愛が加わり、ほんとうに素敵な作品だった。 読み終わって、内容を知っ...
上巻からさらにハテナ、深みを残しながらも、読み進めるにつれ、明らかになる事実。 主人公同様に巡るめく夢幻の世界に引き込まれる。 終盤は先が気になってページを捲る手が止まらない。 幻想的な世界観、ミステリー要素に家族愛が加わり、ほんとうに素敵な作品だった。 読み終わって、内容を知ってからまた読みたい感も出てくる。
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