Iの悲劇 の商品レビュー
短編各話の謎解きは割とライトになっていてテンポよく読み進められます 逆にあっさりしすぎでは思ったりもしましたが、一冊の最後にはちゃんと落とし所があり、面白かったです
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タイトルからは考えづらい内容。まさかIターンのIとは。それぞれの移住者の定着が難しいことを謳いつつ、最後に仕掛け。それぞれの移住者がいられなくなる理由のトリックが込み入ってる感じはあったけど、面白い本でした!
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人が住まなくなった集落に人を呼び戻すため、Iターン支援プロジェクトを担当することになった「蘇り課」の職員が経験する移住者とのあれこれの連作短編集。第一陣で十二世帯が転入してくるが、移住者の間では次々と問題が発生し‥ 一つ一つのエピソードはインパクトが弱いが、読了すると地方行政のま...
人が住まなくなった集落に人を呼び戻すため、Iターン支援プロジェクトを担当することになった「蘇り課」の職員が経験する移住者とのあれこれの連作短編集。第一陣で十二世帯が転入してくるが、移住者の間では次々と問題が発生し‥ 一つ一つのエピソードはインパクトが弱いが、読了すると地方行政のままならなさが苦い思いを残す。公務員という範疇で住民のために奮闘する語り手の万願寺はいいキャラだと思う。
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なんとなく東北地方なのかなぁと思わせる山間部、冬になると雪で埋もれるほどの集落箕石を復活させるためのIターンプロジェクト。 メンバーは仕事をしない課長、西野と学生気分の抜けない新人観山、そして幾ばくかの出世欲がありながら、この得体の知れないプロジェクトに抜擢されたことは左遷なのではとうなだれながらも日々孤軍奮闘する万願寺。 移住者どおしのいざこざやトラブルが頻発し、その解決をめぐる過程で繰り広げられる日常のミステリ集。 まぁそういう畳み方になりますよね。
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そこそこ真面目に公務員として勤務していた万願寺が異動を言い渡されたのは、昼行灯な課長と自分、そして新人の観山の三人だけで構成された“蘇り課“だった。南はかま市のはずれにある蓑石村は最後の住人が去ってから六年が過ぎようとしていた。村はそのまま廃村になるはずが、新しく市長に就任した飯...
そこそこ真面目に公務員として勤務していた万願寺が異動を言い渡されたのは、昼行灯な課長と自分、そして新人の観山の三人だけで構成された“蘇り課“だった。南はかま市のはずれにある蓑石村は最後の住人が去ってから六年が過ぎようとしていた。村はそのまま廃村になるはずが、新しく市長に就任した飯子市長肝煎のプロジェクトとして、その村への移住者を募るIターン計画が始動したのだった。蘇り課はその全てを請け負う課であり、移住者も決まり、すべては動き出したはずだった。しかし、移住者たちはそれぞれ一癖ある人物ばかりで… うわああああ…(絶望)万願寺くん、よく頑張ったよ…一生懸命頑張った……よねぽがお仕事小説書くか?と懐疑的だったしこのあらすじでミステリーに?とも思っていたけれども、よねぽはやはりよねぽだったよ……公務員的挙動もあるあるだし、移住者たちの問題もほどほどに現実的で、地方ならではの問題もよくわかるし、ミスリードからの謎解きもあり、面白い。面白いけど、ああ、とにかく万願寺くんがこのあとも心穏やかに仕事が出来ますように……
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IとはIターンのことだったのか。 さびれた村にわずかに残っていた人々は、亡くなったり出て行ったりして誰もいなくなった。 そこに人を呼びこもうと立ち上げられた「甦り課」 しかし移住者たちの間には様々なトラブルが起こり・・・
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エラリー・クイン「Yの悲劇」、夏木静子「Wの悲劇」と来れば「Iの悲劇」も本格長編推理小説と思いきや、米澤穂信らしい(って言っても「本と鍵の季節」しか読んでいないのですが…)短編を重ねて、最終章に秘密を隠しておく、本鍵スタイル。目次の段階で序章 Iの悲劇で終章 Iの喜劇になっている...
エラリー・クイン「Yの悲劇」、夏木静子「Wの悲劇」と来れば「Iの悲劇」も本格長編推理小説と思いきや、米澤穂信らしい(って言っても「本と鍵の季節」しか読んでいないのですが…)短編を重ねて、最終章に秘密を隠しておく、本鍵スタイル。目次の段階で序章 Iの悲劇で終章 Iの喜劇になっていることをオープンにしているので全体構成がポイントなんだな、と最初から匂わせています。もちろん、本としての構築もそうなのですが、それ以上に「本と鍵の季節」からの連続感は、主人公っていうか語り部の饒舌なモノローグに感じます。前著は、自意識過剰系高校生の男子のつぶやきに乗って進行していきましたが、今回は、超真面目気を使いすぎ公務員いじけ独り言が主旋律です。「甦り課」の主人公の痛々しい気働きと各章のIターン住民である登場人物の痛いキャラ設定が相乗して、悲劇といっても、もはや戯画化された悲劇の数々。なんか変、がじわじわくる奇妙な味を楽しみながらエピソードを積み重ねているうちに、その変な話が、なんか突然リアルに思えてしまいました。蓑石地区って日本の現在のミニチュアなのでは。社会とうまくコミュニケーションできない人々と仕事のための仕事に翻弄されるお役所の人。そう思うとこの悲劇って、本当に悲劇なような気がしてきたのです。そしてIの喜劇へ。一生懸命真面目くんをヘイスティングスとしてリクルーティングする陰に隠れているポアロ役の存在がやっぱりな。でもイノセントだったからこそのヘイスティングなのでは?と思うといいコンビにはなれないような予感。喜劇は悲劇へ、悲劇は喜劇な、なんともトリッキーなお話でした。
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何となく釈然としない話だった。ミステリーとしての仕掛け等は、一級品なのだろうが、本当にそれしか方法はなかったのかと考えてしまう。表現が全体的に暗い感じがするのも嫌だった。それでも、⭐️は5つかな?
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最後まで読んで、なるほどそうだったのかという小説。 人がいなくなってしまった村を再生させようと、Iターンプロジェクトが始まる。 希望者はたくさん集まって、お試しで生活を始めることになったのだが、結局はまた誰もいなくなってしまった。 現実でも実際に多くの市町村で、同じようなプロジェクトが行われているが、実際お金をかけるのそこじゃないでしょ...ということがあるのかもしれない。 本書は、過疎村あるあるなのかもしれない。 今まで考えたこともなかったが、人を誘致することによってその地域には新たに投じなければいけない資金が発生する。 それにより、その他の地域にしわ寄せがくることもある。 町村を維持するためには、人が必要だが、その人を誘致するために必要なのは資金だ。 本書に登場する蓑石村が、田舎町のリアルなのかもしれない。 「王とサーカス」とは全然違う雰囲気に、同じ人が書いたのかと疑問に思ったくらいだ。 本書は、なんとなく赤川次郎を思わせるような感じだった。
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悲劇、と書いてるだけあって 暗めの話になります。 まぁ、プロローグ部分から 不穏な感じはしてるんですが。 Iターン誘致とか新生活を営むとか もっと楽しい雰囲気を感じたかったのが 正直なところです。 実際、なんだかんだ地域を活性化させていくのって 難しいんだろうなぁと思いまし...
悲劇、と書いてるだけあって 暗めの話になります。 まぁ、プロローグ部分から 不穏な感じはしてるんですが。 Iターン誘致とか新生活を営むとか もっと楽しい雰囲気を感じたかったのが 正直なところです。 実際、なんだかんだ地域を活性化させていくのって 難しいんだろうなぁと思いました。 細々謎解きな感じあり、人間味ありなお話です。 面白いし読みやすいとは思うけど 今の心情的には明るい話が読みたかったです。笑
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