熱源 の商品レビュー
ゴールデンカムイでアイヌのことは興味あったから読み始めた。 けっこうなボリュームで重い話もあるが、出てくる人達が魅力的で読める。 南極点到達を断念した時にヨヤマネクフが1人で死を覚悟で行こうとするところを、シシラトカが全力で止めるところで泣いた。 「誰かが死なないと作れないところ...
ゴールデンカムイでアイヌのことは興味あったから読み始めた。 けっこうなボリュームで重い話もあるが、出てくる人達が魅力的で読める。 南極点到達を断念した時にヨヤマネクフが1人で死を覚悟で行こうとするところを、シシラトカが全力で止めるところで泣いた。 「誰かが死なないと作れないところで誰が生きていけるんだ」「俺たちはどんな世界でも適応して生きていく。アイヌ(人)ですから」のセリフがよかった。 プロニスワフもかわいそうだが、がんばってえらい。理想を実現してほしかった。
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アイヌ民族に関しては小中学校の歴史で少し学んだくらいだったがこの物語を通じてアイヌ民族や物語当時の歴史に興味を持つきっかけをもつことができた。 日本やロシアなど、自分たちの欲のままにアイヌの故郷を我が物顔で占領し、ましてや樺太に住む先住民が自国の臣下になる事こそアイヌは誇るべき...
アイヌ民族に関しては小中学校の歴史で少し学んだくらいだったがこの物語を通じてアイヌ民族や物語当時の歴史に興味を持つきっかけをもつことができた。 日本やロシアなど、自分たちの欲のままにアイヌの故郷を我が物顔で占領し、ましてや樺太に住む先住民が自国の臣下になる事こそアイヌは誇るべきといった思考だったことは悲しい。 滅んでいい文明なんてない。 進んでいる文明が必ずしも優れているわけではないし、それを真似しないといけないわけでもない。 自分の中での他国の見方を少し変えられたのではないかなと思う。
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戦争とは何か、民族とは何か、国とは何か。 重いテーマを扱っているし、多少グロテスクなシーン描写もあるのに、なぜか爽やかな印象を与える作品です。 普段純文学を読まない私でもグッと引き込まれておおいに影響を受け、自分の人生を見つめなおしたくなりました。
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図書館所蔵は以下をクリック↓ https://lib1.tamagawa.ac.jp/library?func=function.opacsch.toshoshozodsp&view=view.opacsch.newschdsp&shoshisbt=1&s...
図書館所蔵は以下をクリック↓ https://lib1.tamagawa.ac.jp/library?func=function.opacsch.toshoshozodsp&view=view.opacsch.newschdsp&shoshisbt=1&shoshino=1000243749&historyno=0&sParam=cuelibsch,/xapi/ice/,opcshoshi,in25shupannen,20,1,TEXT&sPinfo=in00shoshino,in14shoshisbt&sQuery=(,dr00keyword,MATCH,E786B1E6BA90)&sSort=in25shupannen&sCurrentRow=1
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直木賞も取ったし、本屋大賞も入賞したし、好評な書評も幾度か目にしたしってことで、いつかは読みたいと思っていた作品。タイトルからは内容が推し量れなかったけど、歴史小説だったんですね。意外。しかも樺太が舞台で、ゴールデンカムイを楽しく読んでいる身としては、興味もひとしお。緊張する日露...
直木賞も取ったし、本屋大賞も入賞したし、好評な書評も幾度か目にしたしってことで、いつかは読みたいと思っていた作品。タイトルからは内容が推し量れなかったけど、歴史小説だったんですね。意外。しかも樺太が舞台で、ゴールデンカムイを楽しく読んでいる身としては、興味もひとしお。緊張する日露関係に翻弄されつつも、あくまで島民の矜持をもって生きる人々の、熱源についての壮大な物語。沖縄の似たような状況が頭に浮かぶけど、現在領有するところの彼我が異なるせいか、樺太について語られる機会は少ない気がする。そんな意味でも、自分的にはちょっとした勉強にもなりました。
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あまりにアイヌのことを知らなすぎた “熱源”とは熱の源 寒い寒い極寒の地で、彼らの熱源は熱く熱く激っている 金田一京助、大隈伯爵、南極探検隊、二葉亭四迷…登場人物も素晴らしい 『ゴールデンカムイ』を読んでおくと、さらに世界観に近づける もっともっとアイヌのことを知りたくなっ...
あまりにアイヌのことを知らなすぎた “熱源”とは熱の源 寒い寒い極寒の地で、彼らの熱源は熱く熱く激っている 金田一京助、大隈伯爵、南極探検隊、二葉亭四迷…登場人物も素晴らしい 『ゴールデンカムイ』を読んでおくと、さらに世界観に近づける もっともっとアイヌのことを知りたくなった 「もしあなたと私たちの子孫が出会うことがあれば、それがこの場にいる私たちの出会いのような幸せなものでありますように」 「そして、あなたと私たちの子孫の歩む道が、ずっと続くものでありますように」
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すごく良かった。読み終わったあと胸にずっしりくる。いろんな人の視点から描かれるけど、各々が繋がっていく構成が圧巻。作者の力量に感嘆した。私は文化人類学を専攻しているので、テーマも非常に興味深く、また、「滅びていい文化など一つない」という訴えにとても共感した。調べてみると登場人物や...
すごく良かった。読み終わったあと胸にずっしりくる。いろんな人の視点から描かれるけど、各々が繋がっていく構成が圧巻。作者の力量に感嘆した。私は文化人類学を専攻しているので、テーマも非常に興味深く、また、「滅びていい文化など一つない」という訴えにとても共感した。調べてみると登場人物や出来事は事実である点も魅力的。めっちゃ調べたんだろうなぁ。ロマンを感じる。 ソ連の女性兵が出てきたけど、「戦争は女の顔をしていない」で描かれていた女性像よりもかなり強気で軍に適応した姿で描かれていたのが印象的だった(いろいろ苦労したんだろうなぁと想像させる記述は多々あったけど)。
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圧倒的な記述。アイヌを瑞々しく描いている。 アイヌは北海道と思いがちだが、実際には現在のロシア(樺太)にも住んでおり、実際小説の中ではロシア軍との交流(実際には利用される訳だが)も描かれており、アイヌ民族として「国境」に意味がないことがわかる。 日本に夜同化政策もなかなか酷いもの...
圧倒的な記述。アイヌを瑞々しく描いている。 アイヌは北海道と思いがちだが、実際には現在のロシア(樺太)にも住んでおり、実際小説の中ではロシア軍との交流(実際には利用される訳だが)も描かれており、アイヌ民族として「国境」に意味がないことがわかる。 日本に夜同化政策もなかなか酷いもので、そんな中でも必死で生き抜くアイヌの人たち。 アイヌの琴の音を聴きたくなる。youtubeでいろいろ探したけど素朴で素敵な音色。 よくぞここまで取材して、ある意味記録としての価値も高いのではないかと思います。 熱、を感じる小説でした。
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第一章はすごくつまらなくて、読むのが辛かったけれど、ニ章以降はのめり込むように一気に読んだ 人間は、文明、国、強者弱者、様々なものに振り回されてきた アイヌも同様で、アイヌの葛藤や苦悩を知ったし、共感した 今、アイヌと聞いて、土人だなどと言う人はいない しかし、差別だとか、民族だ...
第一章はすごくつまらなくて、読むのが辛かったけれど、ニ章以降はのめり込むように一気に読んだ 人間は、文明、国、強者弱者、様々なものに振り回されてきた アイヌも同様で、アイヌの葛藤や苦悩を知ったし、共感した 今、アイヌと聞いて、土人だなどと言う人はいない しかし、差別だとか、民族だとか、そういった色眼鏡で見てしまっていないか、心配になるときがある アイヌはアイヌ、日本人は日本人、そうやって、シンプルに見つめて、知っていきたいと思う 人が人を追いやることはなくならない なぜなのか 私には答えを見つけることも、それを止める方法もわからないけれど、物語に出てきた 「人が始めたことは人にしか止められない」「摂理と戦う」 この言葉を忘れず、人と世界と接していきたいと思った
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素晴らしい物語だった。「史実に基づくフィクション」というが史実も本作と同じくらい熱を帯びていたのではないかという気持ち。
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