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わたしのいるところ の商品レビュー

3.9

57件のお客様レビュー

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2021/11/05

【あらすじ】 生まれ育ったローマと思しき町にクラス45歳の「わたし」。どんななじみの場所にでもついてくる、道連れのような孤独。自ら選んだイタリア語で書かれた、初めての長編小説。 【感想】 歩道で、バールで、本屋で、駅で、どこにいても孤独はつきまとう。でも、孤独はある種の人たちに...

【あらすじ】 生まれ育ったローマと思しき町にクラス45歳の「わたし」。どんななじみの場所にでもついてくる、道連れのような孤独。自ら選んだイタリア語で書かれた、初めての長編小説。 【感想】 歩道で、バールで、本屋で、駅で、どこにいても孤独はつきまとう。でも、孤独はある種の人たちにとっては拒絶すべきものではない。主人公である「わたし」は本質的に一人の時間を愛している。それは選択された孤独と言ってもいいかもしれない。そして、本当の孤独とはどんなに近しい人とも考えを共有することができない、ということだと「わたし」は思っている。昔から確執のあった母親は、孤独とは「欠乏」以外のなにものでもないと考え、その隔たりはわたしに本当の孤独を覚えさせる。この本には愛すべき静かな孤独と、心をかき乱す隔たりとしての孤独が散りばめられている。 私もきっと、静かな孤独を愛している一人なんだと思う。 今年読んだ本の中で一番好きな本だ。

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2021/10/11

変に明るくない主人公の性格や、浮き沈みのない日常生活が醸し出す何気なさがとても良かった。 親子関係によく考えを巡らせる主人公が、旅先で放ったこのフレーズが好き。 『夕食後は部屋にいてテレビを見る。両親のことをたくさん考え、どうしてこんな遠いところまで二人は執拗にわたしを追いか...

変に明るくない主人公の性格や、浮き沈みのない日常生活が醸し出す何気なさがとても良かった。 親子関係によく考えを巡らせる主人公が、旅先で放ったこのフレーズが好き。 『夕食後は部屋にいてテレビを見る。両親のことをたくさん考え、どうしてこんな遠いところまで二人は執拗にわたしを追いかけてくるのだろうと思う。』

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2021/10/09

とても静かな小説で、自分と似たような環境にいる主人公に親近感を感じながら、静かな気持ちで読めました。主人公が感じたであろう気持ちを推し量り読み進めるのが、とても心地良く感じました。こういう小説が読みたいなぁと思いました。とても素敵な作品に出会えて嬉しい!

Posted byブクログ

2021/09/30

40代女性の一人暮らし…その中で見えてくるもの、そして感じでいるものを46章綴っている。 わたしの状況は、「孤独」を感じではいないという強い意志が伝わってくるのだが… 自分の中で。母親との関係性を表現しているがある意味自分も理解できる。ずっと一緒でいることがベストだとは思わな...

40代女性の一人暮らし…その中で見えてくるもの、そして感じでいるものを46章綴っている。 わたしの状況は、「孤独」を感じではいないという強い意志が伝わってくるのだが… 自分の中で。母親との関係性を表現しているがある意味自分も理解できる。ずっと一緒でいることがベストだとは思わない距離感があってもいいと思う。 日だまりで。情景が浮かんでくる表現が素晴らしい。 心が晴々とする日常風景。

Posted byブクログ

2021/09/20

作品の主人公の感情はよく理解できる。多くの人はその感情に気づいてもくれず、本当に面倒だと思う。これからの時代はもっと自分を尊重して生きていきたいと思う。

Posted byブクログ

2021/08/22

ある程度以上の年齢の女性で独り身そして孤独,という状況を若い女性として想像していた昔,それはとても怖くて惨めだったのだけれど,歳をとって独り身の女性でいると孤独が与えてくれる豊さを驚きとと共に気付けるようになりました. この本の主人公もそんなところがあって,感性が豊かで自分を愛...

ある程度以上の年齢の女性で独り身そして孤独,という状況を若い女性として想像していた昔,それはとても怖くて惨めだったのだけれど,歳をとって独り身の女性でいると孤独が与えてくれる豊さを驚きとと共に気付けるようになりました. この本の主人公もそんなところがあって,感性が豊かで自分を愛し,嫉妬を拒絶しないところが印象的です.共感できることもあって,ひょっとしたら同情すべき場面なのかもしれないけれど,わかるわかると笑ってしまうこともありました. のんびりと少しずつ読むのをおすすめします.

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2021/07/28

主人公と共通項が多いからなのでしょうか、日頃感じていたことが、遠い国に住んでいる彼女に文章化されたような気持ちになりました。大いに共感。 同年代、子どもの頃から群れないタイプ。仕事をしているけれど心は捧げていない。ぶつからないよう気を使いながらキープしている親との距離感。 私...

主人公と共通項が多いからなのでしょうか、日頃感じていたことが、遠い国に住んでいる彼女に文章化されたような気持ちになりました。大いに共感。 同年代、子どもの頃から群れないタイプ。仕事をしているけれど心は捧げていない。ぶつからないよう気を使いながらキープしている親との距離感。 私は今は夫と子どもと暮らしているけれど、いつかは一人になるし、人は誰でも「個」としての部分を持って生きていくもの。 歳を重ね一人になったときに、再読したいです。そしてそのときは、感性を研ぎ澄ませて心を落ち着かせて、一人を味わいたいものです。

Posted byブクログ

2021/03/07

ページ数が決まっていない短編エッセイ…と思っていたら、なんと長篇小説だった! ちょっとした隙間時間で少しずつ読み進められた。 海外のシングルキャリアウーマンの生活の一部を垣間見たような。若干アンニュイだなぁと思うが、そんな生態も面白い。

Posted byブクログ

2021/03/03

村田さやかさんが紹介していたので読んだ。こういう本はなかなか読み終われないけど、気がついたら読み終わっていたので、面白かったんだと思う。等身大で共感できた。

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2021/02/23

小説という紹介が有っただけに読みはじめると異なる掌の文、しかもネガティブな気風に戸惑った。 「わたしのいるところ」における筆者のメッセはー自らに有る孤独感・・しかもアノニマス的物質の中で研ぎ澄んだ感覚にいる彼女が「ジンカン至る所セイザン有り」の感覚の境地に辿りついたもののような気...

小説という紹介が有っただけに読みはじめると異なる掌の文、しかもネガティブな気風に戸惑った。 「わたしのいるところ」における筆者のメッセはー自らに有る孤独感・・しかもアノニマス的物質の中で研ぎ澄んだ感覚にいる彼女が「ジンカン至る所セイザン有り」の感覚の境地に辿りついたもののような気がして仕方なかった。 「家の方が外より寒い」「優しく守ってくれる誰かの影が無いのが寂しい」一日の始まりで「消耗しきる」感覚になる彼女 子供の頃よりある「落ちる恐怖」・・読むものをどんどん疲弊させて行くようで時には不快感すら感じた読書だったが、こういった感覚を持っていないと小説を書けないのではとも思ってしまった。 「他の女の人と同じように」妻帯者と付き合った一文は特に否定感あり。

Posted byブクログ