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わたしのいるところ の商品レビュー

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55件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2024/07/01

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB28741845

Posted byブクログ

2024/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

インド系アメリカ人、ジェンパ・ラヒリの長編、とのことだがどちらかというと掌編集。 何気ない日常の風景を淡々と綴った作品。 掌編集のように、場面場面でしっかりと区切られる。その中でも、ずっと恋焦がれている既婚者の友人との関係、世界中を転々とする友人、母親との関係などは一つのストーリーとして盛り込まれる。 他の小説の合間にも読める、良い作品。

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2024/03/29

日常の様々な場所で自分の孤独と向き合う。主人公には離れて暮らす年老いた母親以外に守るべき家族はいないが、友人や知り合いも多く決して孤立はしていない。が、不意に孤独や悲しい記憶や抑えられない思いはやってきて苦い痛みを残していく。ごく短い短編が訥々と続く。居心地の悪さ、自己嫌悪、後悔...

日常の様々な場所で自分の孤独と向き合う。主人公には離れて暮らす年老いた母親以外に守るべき家族はいないが、友人や知り合いも多く決して孤立はしていない。が、不意に孤独や悲しい記憶や抑えられない思いはやってきて苦い痛みを残していく。ごく短い短編が訥々と続く。居心地の悪さ、自己嫌悪、後悔、悲しみ、落胆、虚しさ。それらを抱えて生きていかなければならないが、これまでもどうにかやってきたし、これからも何とかやっていけるだろう。それが生きてきた証なのだから。色々とあるけれどもこの町の居心地は悪くない。 男性の自分には十分に理解できていない部分もあるとは思うが、男女問わず誰しもナイーブにならざるを得ない時期がある。そんな時ラヒリの文章はほんの少し心を軽くしてくれる。彼女の小説は4冊目だが読んでよかったなと毎回思う。

Posted byブクログ

2024/03/01

一人の女性がある街で暮らし、日々の中での出来事、思ったことを日記のように綴る物語。 その時々の心の動きが暗い部分も含めて淡々と語られることで、生活の生々しさ、根底にある淡い寂しさを感じる。

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2023/11/29

孤独な女、神経質な女、不満を抱える女 主人"わたし"はそんなイメージ でもその"わたし"が見ている世界、纏っている雰囲気が嫌いじゃなくてむしろ心地よくて落ち着く "わたし"の不安感に私は共感したんだけど、そこには暗さはな...

孤独な女、神経質な女、不満を抱える女 主人"わたし"はそんなイメージ でもその"わたし"が見ている世界、纏っている雰囲気が嫌いじゃなくてむしろ心地よくて落ち着く "わたし"の不安感に私は共感したんだけど、そこには暗さはなくて

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2024/01/12

表面的には大きな起伏のない出来事を文章にして、それを読ませるのは難しいと思う。日記を人に楽しく読ませるような難しさ。少し違うか。 でも読めてよかったと思う。日常っていうのは本来そんなにドラマティックではない。一番身近にあるのは日々の感情の揺れ。小さいこともあれば大きな揺らぎも起こ...

表面的には大きな起伏のない出来事を文章にして、それを読ませるのは難しいと思う。日記を人に楽しく読ませるような難しさ。少し違うか。 でも読めてよかったと思う。日常っていうのは本来そんなにドラマティックではない。一番身近にあるのは日々の感情の揺れ。小さいこともあれば大きな揺らぎも起こるけど、わかりやすい表面での出来事は少ない。人の内側の動きを大袈裟に表現せず、あくまでも淡々とした日常生活の中で描くのはとても胆力と技術がいるのではないかと勝手に想像しながら読んでいました。

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2023/09/14

イタリア語で書くと、どんな感じなのかなと思いつつ、翻訳されたものを読む自分にはあまり関係ないかとも思う。 拙い言葉がもしあったとして、翻訳者がそのニュアンスを加味して訳すわけでもないから。 何度もそんなことを思いながら読んだ。 ともあれ、ジュンパ・ラヒリのファンとしては、彼女...

イタリア語で書くと、どんな感じなのかなと思いつつ、翻訳されたものを読む自分にはあまり関係ないかとも思う。 拙い言葉がもしあったとして、翻訳者がそのニュアンスを加味して訳すわけでもないから。 何度もそんなことを思いながら読んだ。 ともあれ、ジュンパ・ラヒリのファンとしては、彼女の書くものを読めるだけで幸せ。 ずいぶん長いこと、本棚に飾ってあったが笑

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2023/09/13

削ぎ落とされた文章で淡々と静かに日常の瞬間にある孤独と情景が描かれていて、文章から漂ってくる「どこにいても親しい道連れのようについてくる孤独」の静かな気配がとても良い。「わたし」は主人公でもあり誰のことでもあると思う。 「わたしはわたしではなく、わたしが去った後もわたしが残る。...

削ぎ落とされた文章で淡々と静かに日常の瞬間にある孤独と情景が描かれていて、文章から漂ってくる「どこにいても親しい道連れのようについてくる孤独」の静かな気配がとても良い。「わたし」は主人公でもあり誰のことでもあると思う。 「わたしはわたしではなく、わたしが去った後もわたしが残る。駅に道端に公園にお店に」 「わたしたちが通りすぎるだけでない場所 などあるだろうか」

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2023/08/17

本というのは本当に不思議なもので節目節目に必要としているものが降ってくる この作品は私にとって「今」読むことが重要で、読み終わった時に胸がいっぱいになった 後書きを読むとラヒリがローマへの移住後、アメリカに戻る際に書き始めたらしい もしこの「わたし」がこの住んでいた場所に戻って...

本というのは本当に不思議なもので節目節目に必要としているものが降ってくる この作品は私にとって「今」読むことが重要で、読み終わった時に胸がいっぱいになった 後書きを読むとラヒリがローマへの移住後、アメリカに戻る際に書き始めたらしい もしこの「わたし」がこの住んでいた場所に戻ってきたときにはどういう心境になるのだろうと思う あまりにも自分を投影してしまうので客観的に評価できない 久しくこれほどまでに、これは私のための本だと思ったことはない

Posted byブクログ

2023/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仕事場で p12 わたしがここにいるのは給料のためで、心を捧げてはいない。 自分のなかで p33 わたしに愛着を感じてはいるが、わたしの考え方には関心がない。その隔たりがわたしに本当の孤独を教えてくれる。 目覚めに p135-136 衝動に従おう。 不思議なリズムで読む長編。大好き。 初めて読む作家さんでしたがいろいろと賞を受賞しているのをあとから知り、他のも読んでみたいなと。イギリス生まれだけど、カルカッタ出身のベンガル人の両親を持っている移民2世(?)で、イタリア語で書かれた小説ということで、アイデンティティどこ、となる。そういったどこか寄るべのない感じ、定着、安心とは程遠い雰囲気が出ていていいなと。

Posted byブクログ