厳寒の町 の商品レビュー
アイスランドってどういう国なんだろう。とにかく寒くて暗そうなのは伝わってくる。耳慣れない地名など、アイスランドそのものがだんだん分かってくるのもこのシリーズの楽しみ。本作については、世間は出来事に何かしら社会的な意味を持たせたがるものなんだなと思った。そういう意味で、意外な結末で...
アイスランドってどういう国なんだろう。とにかく寒くて暗そうなのは伝わってくる。耳慣れない地名など、アイスランドそのものがだんだん分かってくるのもこのシリーズの楽しみ。本作については、世間は出来事に何かしら社会的な意味を持たせたがるものなんだなと思った。そういう意味で、意外な結末で小説として面白かった。事件の真相そのものは肩透かし?だが、そのほうがやるせなさを感じるという余韻のある話でした。
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エーレンデュル捜査官シリーズ第5作目。 今回は移民がテーマになっていて、まさに現代の社会問題という感じ。 しかし、日本に暮らしていると「移民」という概念は受け入れにくい。 あとがきにも書かれているように、あくまでも「外国人労働者」や「在日外国人」という印象があって、固定観念とい...
エーレンデュル捜査官シリーズ第5作目。 今回は移民がテーマになっていて、まさに現代の社会問題という感じ。 しかし、日本に暮らしていると「移民」という概念は受け入れにくい。 あとがきにも書かれているように、あくまでも「外国人労働者」や「在日外国人」という印象があって、固定観念というか既成概念というか、視野が狭くなっていたことにハッとさせられた。 今や世界中で2億を超えるらしい移民について、この本から考えさせられるきっかけをもらった。 それにしても、悲しく、どうしようもない絶望感に襲われるような結末。 自分が親になったら…、ひとりの人間を育てることの責任…、いろいろ考えてしまった。 まさに、マリオンの墓の前で生死や人生の意味について考えるエーレンデュルのようで、 【人生は予告なしの偶然の出来事の混ぜ合わせで、それらはまさに予告なしに襲ってくる悪天候そのもので、危害や死をもたらすものだ。】 とは、なるほどなと思った。 もちろん悪天候ばかりじゃなく、快晴で、喜びや生をもたらすものでもあるのだろうけれど。 また、マリオンの死によって、エーレンデュルの新しい一面が垣間見えたことも印象的。 初めて殺人という行為が存在することを知った幼少期のこと、孤独死について考えるようになったこと、そして自分の人付き合いが悪いことを認めつつ、同僚に優しい気遣いを見せたこと。 エーレンデュルと一緒に少しずつ前に進んでいるようで、なんだか嬉しかった。 それにしても、マリオンに関する最後のあとがきはサプライズ。 こんなサプライズもシリーズものならでは。 次作「凍てつく夜」が待ち遠しい。
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アイスランドの小説は初めてで、移民を巡って人それぞれの思惑があることを知りました。 シリーズものなので登場人物が背負っているものが前提にあり、理解できない部分もあったけど他の作品も読んで見たいです
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アイスランドにおける移民問題を扱った1作。 失礼ながら、アイスランドに東南アジアなどからの多くの移民がいるということを知らなかった。日本でも東北など寒い地域は特に、家にいる時間が長いためによそ者に対して閉鎖的というイメージがあり、アイスランドのような寒くて暗そうであまり豊かそうと...
アイスランドにおける移民問題を扱った1作。 失礼ながら、アイスランドに東南アジアなどからの多くの移民がいるということを知らなかった。日本でも東北など寒い地域は特に、家にいる時間が長いためによそ者に対して閉鎖的というイメージがあり、アイスランドのような寒くて暗そうであまり豊かそうとも思えない国にも大勢の移民がいるということにまずびっくりしてしまった。 アイスランドというのは私にとってはとっても遠くて、人々の日常生活や性質など想像もできないような国だけれど、その国を舞台にした、その国の人が書いた本を読むことで、少しでも知ることができるというのが、翻訳小説を読む醍醐味だなと改めて思った。 訳者さんの後書きも興味深かった。
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エーレンデュルシリーズ第5作。 あらすじ 集合住宅で少年が刺されているのが見つかる。彼の母親はタイ人で、夫とは離婚していた。母親には前夫との間に息子が一人いて、アイこスランド人夫と結婚した後、呼び寄せたが、長男は言葉もあまり話せず、アイスランドに馴染めていない。エーレンデュルらは、人種差別問題や、学校内でのドラッグ問題も含めつつ事件を捜査する。 このシリーズで現在起きた事件を捜査するのって初めてなのかな?今回はアイスランドの社会問題が結構描かれていた印象。アイスランドでも移民問題があることも知らなかった。作品の雰囲気はやっぱり好きだ。冬は特に寒いんだろう。エーレンデュルの上司、マリオンの死に近づきつつあるところは、悲しかったけど、とても静かでこの作品らしいと思った。
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4月-14。3.0点。 アーレンデュル警部シリーズ。 タイからの移民の小学生が刺殺される。目撃者も無く、捜査は難航。アイスランドの移民に対する感情など、複雑な事情が。 解決はあっけないところから。でも哀しい。
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酷い話だった。 そんな理由で人を殺していいものか?! アイスランドだけじゃなくてもそんな人のいる可能性はあるのだろう。荒んでる… 厳しい寒さも人格形成に影響を及ぼすのか? 日本の爽やかな5月の気候の中、厳寒の町を思う。
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シリーズ第5作 今回は社会問題として移民を取り上げている 面白い そんなに複雑でなくシンプルな感じはする。 ラストは少々物足りなくと感じてしまった。
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アイスランドを舞台にした小説は少ない。アイスランドは北海道に毛が生えたくらいの国土で、北極に近く、それゆえ人口が30万と旭川市の人口ほどしかない。レイキャビクに多くの人口が集中しているのも北海道と同じ現象か。札幌が200万に手が届くほどの大都市であることを思えば、アイスランドが...
アイスランドを舞台にした小説は少ない。アイスランドは北海道に毛が生えたくらいの国土で、北極に近く、それゆえ人口が30万と旭川市の人口ほどしかない。レイキャビクに多くの人口が集中しているのも北海道と同じ現象か。札幌が200万に手が届くほどの大都市であることを思えば、アイスランドが如何に小さな国かがわかろうかと思う。 今年はラグナル・ヨナソンのアリ=ソウルのシリーズにも魅力を感じたがそちらは同じアイスランド小説でも北極海に面したシグルフィヨルズルという港町、インドリダソンの本シリーズは、アイスランド一の街レイキャビクが舞台であるから、雰囲気はだいぶ違う。 タイトルの通り冬は厳寒で、殺人事件の件数もさして多くないのに、二人も警察小説の書き手がいること自体奇跡に近い。インドリダソンという作家は、過去に現在に材を取り、この国の直面する現実を、ミステリーという世界に最も伝わりやすい表現で極東のぼくのもとにまで語り伝えてくれる。ガラスの鍵賞、ゴールド・ダガー賞、マルティン・ベック賞といくつものミステリ賞を獲得してきたことが本シリーズの世界進出の力になっている故だろう。 今回はアイスランドの採った移民政策とそれに纏わる住民間の軋轢、根強く残る差別といったところに作家の眼は向けられる。雪の上で刺殺された被害者は、タイとの混血少年。教育の場にも強く根を張るヘイト殺人なのか、はたまた移民家族の複雑な家庭環境が呼び起こした悲劇なのか。 エーレンデュル警部とその有能な配下であるエリンボルク、シグルデュル=オーリという三人の捜査官が、事件を追う。関係者への聴取場面が多く、そこにいくつもの疑念の根が張られてゆく。真相に近づくというよりも、より複雑な迷路へと迷い込んでゆく彼らの心境を通して、複雑な人間模様やそこに巻き起こる悲喜劇が描かれてゆく様相は、このシリーズの特色であり、それらが丁寧に描かれる繊細な筆致ことが作風の魅力だと言える。 エーレンデュル捜査官の私生活の面も常にどの作品にも付き纏う。別居する娘と息子が作品群の背景で常に成長や遠回りを繰り返し、父との葛藤を繰り返しては、遠からず近からず生活の中に滑り込んでくる。そして決して逃れることのできぬ謎めいた弟の事件、あるいは事故。吹雪の中で手を放したゆえに二度と見つかることのなかった幼き弟への罪悪感は本作でもまたエーレンデュルの心を苦しめる。雪が解けても見つかることのなかった弟の遺体。その謎は永遠に引きずりながらエーレンデュルの人生に影を落とし続ける。 そして何本かかかってくる謎の女性からの無言の電話が、本作では印象的である。まるで作品の途中途中に刺し込まれる鋭利なナイフの刃先のように。 アイスランドの直面する問題に敢えて向かい合うような事件を提供する作品シリーズでありながら、一方でエーレンデュルの生活の陰影の部分を事件以上に追跡してゆく点も、本シリーズの読みどころである。彼の心の動き。彼の動揺。そして彼の誤解。等々。 そして同僚たちとの距離感。共存するには疑わしい影ばかりの目立つ国や社会への不安感。それらを常に見据えながら、物語という主旋律を奏でてゆく作家の腕の冴えこそが、常に確かな読みごたえ、重厚な作品価値を産み出して続ける。地味ながらも信頼に値する良品シリーズと言ってよいだろう。
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あらゆる失踪事件に関心を持つエーレンデュルが女性の失踪事件を追うのは当然だけど、ミステリとして、それがミスリードの役割を果たしていたのか。 アイスランドって何代か遡るとみんな親類というのを聞いたことがあるけど、移民を嫌う人はそういうのが崩れるのが嫌なのかな。血統主義みたいな。 エ...
あらゆる失踪事件に関心を持つエーレンデュルが女性の失踪事件を追うのは当然だけど、ミステリとして、それがミスリードの役割を果たしていたのか。 アイスランドって何代か遡るとみんな親類というのを聞いたことがあるけど、移民を嫌う人はそういうのが崩れるのが嫌なのかな。血統主義みたいな。 エリンボルクの歌にエーレンデュルがイラつくけど、エーレンデュル自身思わず口遊むのに笑った。 アンドレスの義父は次作以降登場するのか。 アイスランド駐在の米軍兵はフェンスの中で暮らしているのか。アイスランドに米軍基地があるのも知らなかったが。日本でも特に沖縄では、米兵はフェンスの内に囲われるといいのに。
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