厳寒の町 の商品レビュー
レイキャビック警察5作目。今回は過去ではなくリアルタイムで起こった殺人事件捜査。移民の少年が殺された事で、人種差別主義者や小児性愛者などが捜査される。さらに少年の兄も行方不明となる。 読後は、え!そうなの?!という感じ。うーん…複雑な気持ちになりました。
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10歳くらいの男の子が学校帰りに自宅そば腹を刺されて死んでいた。エーレンデュルたちは悲惨な状況に心を痛めるが、タイ人の母親とアイスランド人の父親を持つ子シンドリだった。少年の学校では移民の子が1割くらいはいるといい、教師の中にも移民に敵対心を持つ者がいる、などがわかってくる。今か...
10歳くらいの男の子が学校帰りに自宅そば腹を刺されて死んでいた。エーレンデュルたちは悲惨な状況に心を痛めるが、タイ人の母親とアイスランド人の父親を持つ子シンドリだった。少年の学校では移民の子が1割くらいはいるといい、教師の中にも移民に敵対心を持つ者がいる、などがわかってくる。今から18年前の作品だが、著者がこういう作品を描くということは、現実のアイルランドでも移民とのあつれきがあるということなのか。 シンドリは移民の子だから殺されたのか? 多文化共生、言うは易し、行いは難し。その中で揉まれる、受け入れ側とやってくる側、それぞれの思惑をインドリダソンは描きだす。だが着地点は「移民だから」というふうにはインドリダソンはしなかった。移民の子シンドリの死、という設定の中で、インドリダソンは移民問題を描いたのだと思う。 集会でアイスランドの国民的詩人の歌を歌おうとした教師は、民族主義的だと言われ反移民的だとレッテルを張られる。が、聞き込みをすると、彼の意図は、アイスランドに来るのは拒まない。だけど俺たちアイスランド人の文化と言語は大切に育てるのは最低条件だ、というものだった。・・なかなかたいへんだ。 2005発表 2019.8.23初版 図書館
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うーん、果たしてこれはミステリーなんだろうか 今回も物語は暗くどんよりとした雰囲気のなか進みます なんでしょうかね、なぜこの感じをキープし続けられるんだろう?この文体の謎を解き明かしたいものです そしてどうやら今回は移民がテーマのよう 物語の舞台アイスランドでは当初移民受け入...
うーん、果たしてこれはミステリーなんだろうか 今回も物語は暗くどんよりとした雰囲気のなか進みます なんでしょうかね、なぜこの感じをキープし続けられるんだろう?この文体の謎を解き明かしたいものです そしてどうやら今回は移民がテーマのよう 物語の舞台アイスランドでは当初移民受け入れに積極的だったものの短期間に増加したことなどもあり、色々な問題が起きていることで現在はかなり規制されているようです 物語に登場する人たちも移民反対やら条件つき賛成、無条件で賛成など様々 翻ってわが日本の状況はというと移民は未だ認めていません あくまで外国人労働者といった種々カテゴリで期限付き滞在と言い張ってます 日本もそろそろふわっとした状態を脱して、はっきりとした態度を世界から求められているような気がします 個人的な考えを言わせてもらえば、いやいや世界の人に助けてもらわなかったら日本はこの先立ち行かないでしょ つまりは移民おねがーしゃす!の考えの人なんですが、そこに世界的な富の再分配的な考えを持ち込むのは反対なんですね なんで日本人がコツコツ積み上げてきたもんを無条件で食い散らかせなならんねん!というね そのかわり平等にチャンスをあげられる国、苦しい中でも精一杯前向きに努力を続けている人を助けてあげられる国であって欲しいなぁと思うのです なかなか 見極めが難しいし、日本人の意識というか土壌も変えていかないとねとは思うんで簡単な 話ではないんだけどね 要するに移民を受け入れるのはボランティアではなく、共に進む尊敬しあえる仲間を得ることだと思いたいのよね なんか物語の筋と直接関係ないこと語ってますが、物語に 触発されて色んなことを思う これが読書だ!
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前作はアイスランドの過去の歴史に絡めた話だったけど、本作は現在(と言うか21世紀)のアイスランド。人口30万人なら移民も入れざるを得ないだろと思ったら、それでも移民反対の人がいるという事実。そしてどの国も移民反対者は同じことを言ってる。 マリオンの性別に関して、原作は性別が不明...
前作はアイスランドの過去の歴史に絡めた話だったけど、本作は現在(と言うか21世紀)のアイスランド。人口30万人なら移民も入れざるを得ないだろと思ったら、それでも移民反対の人がいるという事実。そしてどの国も移民反対者は同じことを言ってる。 マリオンの性別に関して、原作は性別が不明な書き方をしてるそうで、訳者さんはそれを分かった上で男性寄りに描いた、からの鏡の話は驚いた。 確かにあのタイミングの鏡は男性はどう思うのか。 仮に女性だとしても果たして今際の際に鏡を見るのか…?と。元々ルックスやファッションに意識が向いてるような人として描かれている描写はなかったと思う。
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北欧ミステリ沼に浸り込むきっかけとなったこのシリーズ。新作が読めて嬉しい限り。移民問題という非常にリアルでセンシティブな題材を扱っていて、まさにアイスランドの今を見せつけられた感があります。しかし、事件としてはちょっと浅め。何よりこれまで作品に漂っていた闇が全く感じられなかったの...
北欧ミステリ沼に浸り込むきっかけとなったこのシリーズ。新作が読めて嬉しい限り。移民問題という非常にリアルでセンシティブな題材を扱っていて、まさにアイスランドの今を見せつけられた感があります。しかし、事件としてはちょっと浅め。何よりこれまで作品に漂っていた闇が全く感じられなかったので、むしろ茫然としてます。学校や生徒たちに尋ねていく過程はスリリングでしたが、こんなことある?と言わざるを得ない真相。救い、とはとても思えないのですが。6作目の凍てつく夜に期待してます。
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アイスランドのレイキャヴィク捜査官エーレンデュルシリーズ第4段(邦訳)です。 今回は、移民の子供が下校途中に刺殺されて居た。シングルマザーのスニーはタイ人で元夫がアイスランド人でアイスランドに移住していた。 殺された子供エリアスは、タイ人で人種差別者達に殺害されたのか、...
アイスランドのレイキャヴィク捜査官エーレンデュルシリーズ第4段(邦訳)です。 今回は、移民の子供が下校途中に刺殺されて居た。シングルマザーのスニーはタイ人で元夫がアイスランド人でアイスランドに移住していた。 殺された子供エリアスは、タイ人で人種差別者達に殺害されたのか、ドラッグに関わって居たのか、人種差別者で学校教師キャルタンも容疑者の1人だった。 エーレンデュルは、この事件の他に行方不明の女性の消息も追って居た。 移民受入れが、社会問題となっているアイスランドでタイ人の子供が殺害され人種差別主義や移民反対派の社会背景が暗いアイスランドを更に陰湿に暗く寒くしている。少年の殺害と失踪した女性の捜査に加え、弟を亡くしてしまった責任に苛まれ、娘エヴァや息子シンドリからも信頼されず、かつての上司は病死し心の拠り所も無く不安定なエーレンデュルの心境が手にとる様に伝わる。
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犯罪捜査官エーレンデュルシリーズ4作目。タイ人の母を持つ男児が殺害される。現在のアイスランドにおける移民問題を背景に、鋭く掘り下げていく。結局、殺された理由はあまりにやるせなく、現代社会が抱える闇を目の当たりにする。
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ミステリ。シリーズ5作目。 アイスランド。移民。家族。 このシリーズの特徴として、ストーリーの進行が遅いと感じる。 捜査の過程で、登場人物の苦悩や葛藤を濃密に描いている印象。 あまりにも考えさせられることが多く、気楽には読めない。 当然、それがこのシリーズの魅力。 今作では、犯人...
ミステリ。シリーズ5作目。 アイスランド。移民。家族。 このシリーズの特徴として、ストーリーの進行が遅いと感じる。 捜査の過程で、登場人物の苦悩や葛藤を濃密に描いている印象。 あまりにも考えさせられることが多く、気楽には読めない。 当然、それがこのシリーズの魅力。 今作では、犯人の犯行動機に、無力感を感じた。 これは若い頃に読まなくて良かった。大人向けの作品だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今作は珍しく、今現在のアイスランドの問題を背景に書かれた作品だった。 10歳くらいのアジア系の少年が路上で刺殺される。 真っ先に上がる声が「人種差別なのか?移民差別なのか?」 そうか。 アイスランドでも、そういう偏見は日常茶飯事なのか。 すべてのアイスランド人が偏見の持ち主ではもちろんないが、本筋とは関係ないところでの、「アイスランドにあるアメリカ軍基地には黒人を派遣しない」と契約されているという描写には、偏見の根深さが感じられる。 自国民以外を下に見て、「手が足りない時には働きに来てほしいが、それ以外の時は姿を見せないでほしい」とまで言う純血主義者。 こんな教師、私もであったことがある。 「アイヌ人と結婚するやつはバカだ」と授業中に力説する教師は、どんなに教え方が上手くても尊敬の対象にはならなかった。 また、国際的に開かれた社会にするために、自国の文化や歴史をないがしろにするっていうのはいかがなものか。 もちろん他国の文化や歴史は尊重すべきとして、同じくらい自国の文化や歴史を大切にするべきと思うが、これもまた行き過ぎるとヘイトになってしまうので難しい問題だ。 タイトルの「厳寒の町」というのはもちろんレイキャビクのことだけれど、タイから移り住んだ被害者一家にとって、この町は私が思う以上に厳しく寒い街なのだろう。 心にも体にも。 ところで、主人公エーレンデュルの同僚(部下?)の一人の名前がシグルデュル=オーリで、被害者の祖母の名前がシグリデュル。 「まぎらわしいわ!」と思ったものの、例えば日本人の名前でもヒロシとヒロコなどは外国の人からしたら紛らわしいのかもしれない。 吉野朔実のマンガを読む木村佳乃と来た日には、「ヨシノってファーストネームなのか、ファミリーネームなのかわからん!」ってなるかも。 人名に文句を言うのはやめておこう。
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アイスランドと言う国は、知ってはいるが こんなにも移民が多い国だとは、この小説 を読んで知った。東南アジアの人々が地球の裏側の 全く気候の違うアイスランドに行き、環境に慣れる のは、四季のある日本と違いより難しい気がする。 この移民問題を背景にしたミステリーは、表題の 厳寒の町と...
アイスランドと言う国は、知ってはいるが こんなにも移民が多い国だとは、この小説 を読んで知った。東南アジアの人々が地球の裏側の 全く気候の違うアイスランドに行き、環境に慣れる のは、四季のある日本と違いより難しい気がする。 この移民問題を背景にしたミステリーは、表題の 厳寒の町と言うのを人々の孤独や差別的な社会の 冷たさをよく表現している。 アイスランドの冷たい風が、読み手にも深く吹き付ける。
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