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営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー

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95件のお客様レビュー

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2019/10/18

様々な怪異が宿る建物と営繕屋・尾端の修復。シリーズ第二弾。 ・芙蓉忌・・・壁の隙間から伺える女性は、幻か?それとも妖か? ・関守・・・通りゃんせ。あの背戸にいたのは本当に鬼だったのか。 ・まつとし聞かば・・・眠る息子に寄り添うモノ。死・死・そして。 ・魂たどりて・・・夢に出て怒る...

様々な怪異が宿る建物と営繕屋・尾端の修復。シリーズ第二弾。 ・芙蓉忌・・・壁の隙間から伺える女性は、幻か?それとも妖か? ・関守・・・通りゃんせ。あの背戸にいたのは本当に鬼だったのか。 ・まつとし聞かば・・・眠る息子に寄り添うモノ。死・死・そして。 ・魂たどりて・・・夢に出て怒る女。古い長屋でのリフォームと怪異。 ・水の声・・・溺死した友の思い出は今も。水の匂いと男の子の姿。 ・まさくに・・・天井裏には何がある。何かがいる。その正体とは。 古い家や町屋に漂う怪異と営繕屋・尾端の修復を描く 短編シリーズ第二弾。 古家の怪異と家族や人の繋がりが綾なすホラーな作品群です。 弟~手紙。夫婦~鬼。父子~猫。長屋のお隣さん~リフォーム。 恋人~水の匂い。祖母~秘密基地。 共有することで希望が生まれ、尾端の修復で改善へと向かう。 じわじわくる怖さにはゾッとするけど、穏やかに修復された 結末には温かい想いを感じます。尾端登場のタイミングも良し。 さすがに「水の声」の結末は背筋が凍りましたが。 だが、弟とあれを共有してしまった独りの「芙蓉忌」の主人公は 今後どうなるのだろうか? この一編だけは救いが感じられない、怖さでした。

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2019/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とあるお城がある街の旧市街。障りが起こる家がある。それを解決するのは「営繕屋」の第二作目。 怖いのだけれど哀愁も漂うのは、障りの原因が強い思いが切ないからだろうか。 一話目の「芙蓉忌」、障りがあるのは隣の家。 営繕屋の存在が垣間見えるだけで主人公と接点がないのが新鮮だった。 しかし姿は見えなくなっても声は聞こえ、しまいには手紙まで。不気味な終わり方でぞわっとした。 五話目の「まさくに」、視覚的にはいちばんインパクトがあって怖いがほっこりする話だった。 小さくなった正邦さんは新しい家でも座敷童としていてくれるといい。 童という歳ではないから「小さいおじさん」などと呼ばれるのかもしれない。 この世のものではない者は恐ろしいけれど怖いだけではない。 色々な人と家の話でもあるので様々な読後感が味わえる。 今後も楽しみにしたいシリーズだ。

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2019/09/26

前作より怖さがちょっとマイルドになった。 とはいえ、ふとした時に思い出すと シーンとしては凄く怖い。 やっぱ怖い。

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2019/09/29

古い建物、物に宿る怪異を綴った短編小説。静かで、ぞくりと怖い。百鬼夜行抄や蟲師の世界観、作風に通じるところ多いにあり。 因果応報によるものが多く、安心して読める反面、怖さがマイルド。因果律に乗っ取らない理不尽な恐怖や、もっといってしまえば生きてる人間が一番怖い物語も挿入して欲しい...

古い建物、物に宿る怪異を綴った短編小説。静かで、ぞくりと怖い。百鬼夜行抄や蟲師の世界観、作風に通じるところ多いにあり。 因果応報によるものが多く、安心して読める反面、怖さがマイルド。因果律に乗っ取らない理不尽な恐怖や、もっといってしまえば生きてる人間が一番怖い物語も挿入して欲しい。

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2019/09/16

図書館で借りた本。6話の短編集。ゆる〜い心霊現象が起こる建物の営繕をする主人公が最後に登場し謎の現象を改善する手助けをする話で、全体的にほっこりする内容。読みやすいのですぐ読了できる本。関守の猿田彦の話が好きかな。

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2019/09/16

心霊モノの本って、扱い的にとかくサブカルチャーに分類されがちだけれど、同氏の『残穢』同様、今作も充分メインストリームで勝負出来る作品だと思う。 何が言いたいかというと、ジャンルに囚われずに多くの人に読んで欲しい作品と言うこと! 『本屋大賞』とかにノミネートされたら良いのに…。...

心霊モノの本って、扱い的にとかくサブカルチャーに分類されがちだけれど、同氏の『残穢』同様、今作も充分メインストリームで勝負出来る作品だと思う。 何が言いたいかというと、ジャンルに囚われずに多くの人に読んで欲しい作品と言うこと! 『本屋大賞』とかにノミネートされたら良いのに…。 前作と同じく、物語は別段神がかった力は持っていない一人の大工が、世の理(ことわり)の埒外にいるモノに対して、あくまでもこの世の理をもって粛々と対応(解決!という感じではない)してゆくというお話。 特に『水の声』『まさくに』は秀逸だと感じた。 多くの人に読んで欲しい…と書いたけれど、読後に暗がりを歩けなくなっても責任は負いませんので、悪しからず。

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2019/09/11

2019.9.11読了 相変わらず、じわじわした怖さをくれます。が、その後の優しくなる気持ちが心地よいです。

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2019/09/09

かるかや、今回はアドバイザー的な関わりが中心。でも、押し付けない、立ち入らないさりげない寄り添いが感じられ、根底にあるのは怪談?なのに、ほんのりとした温かさが感じられました。尾端さんの話し方、素敵です。古い家、古いものには綿々と紡がれてきた人の思いがこもっているんですね。それをな...

かるかや、今回はアドバイザー的な関わりが中心。でも、押し付けない、立ち入らないさりげない寄り添いが感じられ、根底にあるのは怪談?なのに、ほんのりとした温かさが感じられました。尾端さんの話し方、素敵です。古い家、古いものには綿々と紡がれてきた人の思いがこもっているんですね。それをないがしろにしてはいけないな、と思えました。どの話にも趣があってしみじみ読めました。家の描写が奥深く、ビジュアルを思い浮かべながら読み進められるのも今作の良さの一つです。

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2019/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 傑作怪談集『営繕かるかや怪異譚』の第2作が届けられた。そして、その前作以来、5年ぶりの小野不由美さんの新刊でもある。  全6編、今回も舞台はいずれも古い家。古い家に、ああ何かいる!というフォーマットは共通しているが、尾端が営繕屋の守備範囲を超える知識を披露するなど、一ひねりも感じられる。前作を未読でも支障はないだろう。  最初の「芙蓉忌」が、実は最も印象深い。家族は皆鬼籍に入り、無人になった実家に戻ってきた青年。すると、隣家から…。シリーズとしては異例の展開。怪談としての完成度も高く、結末の不条理さが尾を引くだろう。  「関守」。少女時代の記憶に苦しめられる佐代。夫は、彼女のかつての住居を案内してくれという。昭和世代には、その空間は懐かしくもあり、怖くもあるだろう。自分は、その歌の意味を、特に深く考えることはなかったが。  「まつとし聞かば」。父子家庭に降りかかる、酷な災厄。父はどうすべきだったか。そして、自分がこの父の立場だったら、どうしただろう。そこに尾端がいてよかった。この一家が平穏に過ごせることを願う。  タイトルがややネタバレかもしれない「魂やどりて」。古い長屋に入居し、リフォームに励む育。彼女を悩ませたものの正体は、実に意外であった。尾端はどうして知っていたのか。当時を思えば、現代とは恵まれている。  「水の声」。怪談に水はつきもの。プロポーズを断った男性が、女性に語った少年時代の体験、そして現状とは。判明してみれば、実に迷惑な話なのであった。彼の負い目は一生続くのだろうが、前を向いてほしい。  最後の「まさくに」は、田舎の古い家の懐かしさやわくわく感を、うまく怖くアレンジしている。その親切さを、違う形で発揮できなかったのかという気がするが…。今回も堪能させていただきました。さて、『その参』を読むことはできるだろうか。

Posted byブクログ

2019/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

営繕かるかや怪異譚第二弾。「芙蓉忌」はどうなるんでしょう?あいにきて下さいの手紙は怖かった。「関守」に出てくる通りゃんせの唄は子どもの時恐かったことを思い出した。「まつとし聞かば」で尾端のしなやかな対応にほっとした。「魂やどりて」は道具の本来の姿を考えてから使うべきだと思った。「水の声」は幼なじみが必死に訴えていたのが届いてよかった。「まさくに」でも住んでいる人に伝えたかったということだった。ホラーは好きじゃなく読まないんだけど小野さんは別。怖いだけじゃなく優しさがあふれているから。このシリーズは夏の夜にぴったり。

Posted byブクログ