神様の暇つぶし の商品レビュー
大恋愛ですね。 こんな恋愛はちょっと大変だな。 主人公の周りの人が亡くなっていくので孤独。 ごはんを美味しく食べられているのが強くて良い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
*夏の夜に出会った父より年上の男は私を見て「でかくなったなあ」と笑った。女に刺された腕から血を流しながら。―あのひとを知らなかった日々にはもう戻れない* 痛々しい。その一言に尽きます。 若さゆえの潔癖さ、頑なさ、傲慢さ、自意識過剰さ。 今から芽吹き花開く命と、消えゆく命の対比。 ‘‘みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してようが、歳の差があろうが、略奪しようが、自分たちの恋愛だけが正しくて、あとは汚くて、気持ちが悪い‘‘ 本当にそれを体現したような物語。 素晴らしい筆力とは思うけど・・・‘気持ちが悪い‘に軍配が上がってしまい、残念。生々し過ぎるのかな・・・
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フジコと表記されると、別の本を思い出してしまう(笑) 生の根っこは食と性、っていう感じの物語だが 藤子の潔癖な感じと媚びない無垢さが この食のシーンに表れてていい 父を亡くしたところに そのくらいの年齢差の男が現れたとして それが恋愛に発展するものだろうか と思うが 最初から全さんに対して色気描写あった(笑) 勝手に豊川悦司で脳内変換されてたけど 藤子は思いつかないな… 里見くんは生きててほしかった アウティングのシーンはつらかった
Posted by
「透明な夜の香り」がなかなか良かったので、他の作品も読んでみたくなり手に取りました。 繊細で美しく独特な世界観を持つ「透明な夜の香り」とは違った、烈しく濃密な恋を描いたお話。2人が過ごしたひと夏に、どんどん引き込まれて行きました。 こういう雑なのに優しくて、懐にスルッと入ってく...
「透明な夜の香り」がなかなか良かったので、他の作品も読んでみたくなり手に取りました。 繊細で美しく独特な世界観を持つ「透明な夜の香り」とは違った、烈しく濃密な恋を描いたお話。2人が過ごしたひと夏に、どんどん引き込まれて行きました。 こういう雑なのに優しくて、懐にスルッと入ってくるのに心には孤独を抱えてる…みたいなおじさんって、危険だけどとにかく魅力的なんだよなぁぁぁ〜〜。こりゃ全さんが魅力的じゃないと成り立たないお話ですね。 恋は盲目とか言うけれど、盲目になるくらいの恋愛は人生を振り返った時に良い経験だったと思えるものなのかもしれないですね。
Posted by
若く傲慢で痛々しいと本文にある。 その通り。 大学生の藤子が出会った全さんは亡くなった父より年上で、有名な写真家で、既婚者で、女癖が悪くて、けれど惹かれていく様が痛々しい。 藤子が大人になる。生と性。 里見くん、よかった。
Posted by
ヒリヒリする恋の話。 父親を亡くした女子大学生。 残された時間の少ない、父の友人であるカメラマンの男。 女子大生は次第にこの男に惹かれ、のめり込んでいく。 二人が伴にした時間は、とても短く、濃密。その分会えなくなってしまったあと、もがき苦しむ。 でも、かわいそうか?と言...
ヒリヒリする恋の話。 父親を亡くした女子大学生。 残された時間の少ない、父の友人であるカメラマンの男。 女子大生は次第にこの男に惹かれ、のめり込んでいく。 二人が伴にした時間は、とても短く、濃密。その分会えなくなってしまったあと、もがき苦しむ。 でも、かわいそうか?と言われたらやはりそれは違うのかなと思う。 出てくる食べ物がおいしそう。
Posted by
視覚的なイメージだけではなく、匂いとか音、手触り、味、果ては第六感的なものまで使ってんじゃないかと思うくらい、感覚の全てにガツンとくる作品だった。 タイカレー食べたい。
Posted by
父親が亡くなり、空っぽの日々を送っている藤子。ある時父親の友人(父親より年上)に心惹かれてしまいます。ワイルドで小汚くて、細やかでガサツな有名カメラマン。彼の出現によって父親の隙間が埋まっていきますが、それ以上の感情が藤子の体からあふれてしまいます。 当然男は死んだ友人の娘として...
父親が亡くなり、空っぽの日々を送っている藤子。ある時父親の友人(父親より年上)に心惹かれてしまいます。ワイルドで小汚くて、細やかでガサツな有名カメラマン。彼の出現によって父親の隙間が埋まっていきますが、それ以上の感情が藤子の体からあふれてしまいます。 当然男は死んだ友人の娘としてしか見ていません。高まっていく思いを押さえつけられなくなっていく藤子の姿が見ものです。 大柄で女らしさにかける藤子がムードもへったくれもない店で、毎日毎日大盛りの食事をがっついている姿がとてもいい。それを見守る男もすごくいい。 こういうワイルドで一見こわもてで笑顔が少年のようなおっさん、僕自身の近辺でも思い当たる節があるのですが、年関係なく滅法もてるんですよ。こんなにもてるの?って思うかもしれませんが、実際に居ますこういう人。自分自身でいること自体で人が引き寄せられるという事は、男からも人気が出るし、女性も引き寄せられます。何しろ厄介な男であります。 生々しい表現頻出ですが、生命力に溢れていていやらしさではなく命という意味でのエロスを感じます。若くて命そのものの藤子と峠を越えて下ってくだけの男。求めあう事に年なんて関係ないよなあ、と納得させるパワーがある小説です。 この男、映画なら誰がこの役嵌るかなあなあ、と想像させる魅力が有ります。僕なら誰を配役するか・・・。 あと5年経っていれば内野聖陽、今なら佐藤浩市、渡部篤郎もありだな。演技的には渡部さんが嵌る気がする。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終えてみて「えー!!全さんただのひどい奴やんこれ…!!」 と思ったのはわたしだけじゃないはず…。 (いや、物語の主題はそこではないのはわかるんだけど、あまりにも身勝手すぎてそこが気になってダメだった…。) 歳の差恋愛は性癖なので手に取ってみたんだけど(「センセイの鞄」とか「おとこの一生」とか)これはハマれず。 たくさん食べる主人公・藤子は「生」の象徴であり、病に侵されごはんを食べずに酒ばかり飲み「死」に向かう全さんと対比されていたのね。 「生」「若さ」と「老い」「死」の残酷なまでの対比。 読み進める上で里見と藤子の友情が癒しだったんだけど、 なぜ里見は物語上死んでしまう必要があったのかも謎が残る。 里見のことば「みんな自分の恋愛だけが正しいと思ってる」は心に残った。
Posted by
何で表紙の写真は桃じゃなくて林檎なんだろう…トマトでもなく…アダムとイブ…?何でだろう…桃だとセンスなさすぎる?何でだろう。誰かに解説してほしい… 久しぶりに真っ直ぐな純愛小説を読んだ。 喪うものが多すぎて辛いけれど、最後は一瞬先の光が確かに見えた。良かった。 映画化してほしい。
Posted by