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なにかが首のまわりに の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2022/12/11

どなたかの本棚にあったので読み始めたのだと思います。最初はほんとに何気なくのつもりで。 ナイジェリアの作家さんなんてもちろん初めてです。 短編が12,3ほど収められているのですが、どれをとってもナイジェリアで生まれた女性たちがどういう一生を送るのかというのがテーマだと思います。...

どなたかの本棚にあったので読み始めたのだと思います。最初はほんとに何気なくのつもりで。 ナイジェリアの作家さんなんてもちろん初めてです。 短編が12,3ほど収められているのですが、どれをとってもナイジェリアで生まれた女性たちがどういう一生を送るのかというのがテーマだと思います。ちなみにナイジェリアという国家は多民族で、よくでてくるスッカという大学街はアブジャ州内にあり日本政府の危険情報でもレベル3;渡航は止めてくださいレベルでした。私達が簡単に行ける国ではなさそうです。 ナイジェリアをでてアメリカへ渡る、キラキラした上位国アメリカに媚びるように生活するナイジェリア男性の3歩うしろで夫を敬い生活する、自国でも男性社会で女性の地位は低い、白人社会に出るとステレオタイプの黒人というひとくくりでイメージされる、日々レイシズムにさらされる海外生活、、などなどハッとさせられるテーマがナイジェリア女性の目線で描かれているように思います。なかなか厳しい風が吹く環境だと思うのだけど、小説のタッチはサラッとしていて重いテーマをそう見せない感じが素敵。 ただ、表題作はかなりハッとさせられました。これはなんというか物凄く悲しい。自分の事をきちんと理解してくれる素敵な人に出会ったのに、出自の違いが過ぎて自分をうまく解放できない女性。切ない、、。 この本を読んで思ったのは、ナイジェリアの女性であっても、日本で暮らすBBAな私でも内なる気持ちには何も変わりはないのだと。 異国の本もいいなと思える小説でした。来年はいろんな風や匂いを感じられるのでもっと海外小説にも挑戦していきたいなと思います!

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2022/10/16

アフリカ(ナイジェリア)に生まれること、黒人であること、女性であること、アメリカに暮らすこと。向けられる眼差しや、違和感。 物語を読んでほんの一時わかったような気になって、実際、一生本当の意味ではわからないままなのだろうなぁ…。 ひりひりとした当事者感情がそこにはあった。 ...

アフリカ(ナイジェリア)に生まれること、黒人であること、女性であること、アメリカに暮らすこと。向けられる眼差しや、違和感。 物語を読んでほんの一時わかったような気になって、実際、一生本当の意味ではわからないままなのだろうなぁ…。 ひりひりとした当事者感情がそこにはあった。 寝る前に『アメリカ大使館』を読んでしまったばっかりに、瞼の裏に鮮烈な赤いヤシ油の色が浮かんで、なかなか寝つけなかった。 表題作での、 「夜になるといつも、なにかが首のまわりに巻きついてきた。ほとんど窒息しそうになって眠りに落ちた。」 というところが印象的だった。初めて海外で暮らし始めた時、似たような気持ちを覚えていた気がする。 どこにも居場所なんて見つけられなくて、24時間常にコンフォートゾーンの外側。自律神経なんかぐちゃぐちゃだっただろう。 もうすぐアメリカに引っ越すので、自分も彼女たちみたいな感覚を味わうのかな。答え合わせしたい。

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2022/08/02

読書の醍醐味、 知らない世界を知る、 そんな作品でした。 自分もアフリカやアメリカの地に居合わせたような そんな感覚を抱かせるシーンが山ほど。

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2022/07/05

アフリカの小説、というだけで先入観があった。 読んでみたら、かわらない人間の悲喜こもごもの話だった。 明日には遠すぎて ってタイトルがいい。

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2022/05/24

セル・ワン イミテーション ひそかな経験 ゴースト 先週の月曜日に ジャンピング・モンキー・ヒル なにかが首のまわりに アメリカ大使館 震え 結婚の世話人 明日は遠すぎて がんこな歴史家

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2022/04/17

アフリカの作家による小説第2弾。今回は短編集で、一つ一つの話が長くなく、軽快でテンポもよく、読みやすい。どの小説にも共通しているのは、「人種差別」と「土着文化とアメリカ文化の大きな違い」。これは、なかなか無くならないもので、「なにかが首の周りにある」という不気味な表現(当事者には...

アフリカの作家による小説第2弾。今回は短編集で、一つ一つの話が長くなく、軽快でテンポもよく、読みやすい。どの小説にも共通しているのは、「人種差別」と「土着文化とアメリカ文化の大きな違い」。これは、なかなか無くならないもので、「なにかが首の周りにある」という不気味な表現(当事者には感覚なのだろう)は言い得て妙。自虐的でもあり、賞賛でもあり、戻りたいような、帰りたくないような、そんな複雑な感情に共感できることが多い一冊。

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2022/03/03

アフリカ/ナイジェリアのさまざまステレオタイプにまつわる短編集。 人種、ジェンダー、植民地支配の歴史、内戦、宗教/文化、移民などさまざまな観点でストーリーが描かれていてこまめに読みやすい作品。 とても豊かな表現で海外著独特の表現があり、海外図書不慣れな私にとってはやや理解に時間が...

アフリカ/ナイジェリアのさまざまステレオタイプにまつわる短編集。 人種、ジェンダー、植民地支配の歴史、内戦、宗教/文化、移民などさまざまな観点でストーリーが描かれていてこまめに読みやすい作品。 とても豊かな表現で海外著独特の表現があり、海外図書不慣れな私にとってはやや理解に時間がかかる部分もあったが、地域や時代、文化が異なるなかでも共感できる点があり、面白かった。 個人的には訳者あとがきで著者の背景や活動を知ることでさらに内容を深められた

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2022/03/01

あらゆる差別や偏見,戦争,階級闘争,断絶と断罪,信仰と信念…あらゆるものが混ざり合って出来上がっている世の中と言う「壺の底」から眺めた風景を擬似体験する様に読んだ. 無知と傲慢を,抉り出して曝け出されたような気分… アフリカ系の名前の馴染みのなさについて行けず,没入しきれなかった...

あらゆる差別や偏見,戦争,階級闘争,断絶と断罪,信仰と信念…あらゆるものが混ざり合って出来上がっている世の中と言う「壺の底」から眺めた風景を擬似体験する様に読んだ. 無知と傲慢を,抉り出して曝け出されたような気分… アフリカ系の名前の馴染みのなさについて行けず,没入しきれなかったか,また時間を置いて読み直したい.

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2021/12/26

アフリカ世界だけど(ナイジェリア)、フェミニズムな内容も含まれている。遠い世界だけど、この屈辱わかる、と共感を覚えることが多い。

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2021/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

彼女のTED Talksが好きで、〈The danger of a single story. 〉と〈We all should be feminists.〉を過去に何度も聴いていたのだけど、最近、友人がおすすめしていたこの本の筆者が彼女だと知って手に取った。 私もシングルストーリーしか知らずにアフリカを思い描いていたことを思い知らされる。 ナイジェリアの人の名前は「ン」から始まるものが多いのかな。そもそも日本語で「ン」から始まる単語はないし、その音を正しく捉えてはいないんだろうな。一体どんな響きなんだろう。 色んな短編があったけど、言葉にならない違和感の奥で、本当の私が死んでいくような感覚を覚えた。そこから個人個人がどう折り合いをつけていくか。 ____ 個人的な話、 デンマークに留学しているとき、「世界一幸福な国の幸福」について散歩しながらペアで話し合う授業があったのだけど、その時に、南アフリカ出身の友人が私に言った言葉を思い出した。 「ここは世界一幸福な国かもしれないけど、私にとっての一番の幸福はこの国では無い。と思ったかな。」「他の国の文化や価値観も知らない現地の人が、色んな国から来たわたし達に、デンマークの幸せを考えさせてるのって、なんだか馬鹿らしくない?笑」「あ。これ秘密ね(笑)」 ナイジェリアの物語を読んでいるのに、南アフリカ出身の子を思い出すのも、これまたアフリカのシングルストーリーかもしれないけど。

Posted byブクログ