川っぺりムコリッタ の商品レビュー
幸せとは?生きるとは?愛とは? その全てを知らないまま罪を犯し、出所後も無気力な中、同じアパートに住む住人たちとの関わりの中で少しずつ自分なりの答えを見つけていく。 そんな切なくて温かい、人間の再生物語でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何かで知って読もうと思った本。めったに読まない純文学系。でもないのか。映画「彼らが本気で編むときは、」「かもめ食堂」の監督さんだそうだ。面白かった。社会のメジャーどころをはずれた人たちがハイツムコリッタで出会い、暮らす。死んでもいいと思って、川沿いのアパートで暮らしたのに、何だかんだ仲良くなっていくという。塩辛会社で黙々とイカをさばく。ただただ手を動かす。余計なことを考えない。社長に「今、辞めんな」「頭使わずに手を使え」と言われたとこは涙が出た。何も言わず働くベテラン・中島さんのようになりたい。
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たまたま手に取った本だが大好きな「かもめ食堂」の監督の作品だった。 何でもない日常のささやかな何かに喜びを感じ、丁寧に生活する様子は「かもめ食堂」と変わらず心地良い。加えてこちらの作品は人の生死も描かれていた。是非こちらの作品の映画も見たい。
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しみじみな、そして最後は少し希望が見えるそんな読了感だった。結局人は人に生かされて、そして生と死は隣り合わせ。大切に1日を過ごしたいと感じるいい作品だった3.5
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生まれて消える時間の流れ、単調な暮らしのなかでほんの少しの幸せをみつけると暖かな気持ちになる。 図々しくって、おせっかいで、ダメ人間で、落ちこぼれで、繊細で暖かくて人間らしい。隣に住む島田はそんなキャラだった。 自分が死んだとき、寂しいって思ってくれる人がひとりいたらそれでいいと...
生まれて消える時間の流れ、単調な暮らしのなかでほんの少しの幸せをみつけると暖かな気持ちになる。 図々しくって、おせっかいで、ダメ人間で、落ちこぼれで、繊細で暖かくて人間らしい。隣に住む島田はそんなキャラだった。 自分が死んだとき、寂しいって思ってくれる人がひとりいたらそれでいいと。それがかなり幸せなことだと、島田は充分キャラ濃いから思い出してくれる人多いと思うけどね。 印象に残ったのは2つのシーン 墓石売りの親子の部屋から漏れるすき焼きの臭いに群がるアパートの住人達、テーブルを囲みながら賑やかに話しやがて亡くなった住民の思い出にしんみりするシーンと。 もう一つは、主人公の父の弔いに列を作り歩いてる住人達。男の子のピアニカにあわせ、女の子は縄跳びの縄を空に向かって回す。銘旗を持つもの、木魚を叩くもの、花束を持つもの、しんがり喪主は砕いた遺骨の入った塩辛の瓶を抱えて歩いて行くシーン。 1人悶々と考えてるより、不思議な距離感だけど仲間がいた方がいいよね。 滑稽だけど沁み込んでくる世界観。 悲しくって、せつなくって、イライラするトリプルコンボ、これはムズ痒いけど自分では手の届かないところにある刺激。背中にあるイボのような。 そっと掻いてくれると嬉しくなるかな。
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主人公と重なる部分があって、刺さりました。私も何もかもうまくいかなくて、今ももがいてる途中だけど、少しずつ生活に楽しみを見出して、それなりに満たされた日々を送れるようになった。人生を見つめ直せる一冊。
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この作品好きだぁ〜‼︎ ブク友こっとんさんのレビューで知りました♪ 感謝です\(//∇//) 刑務所を出てひっそりと暮らすつもりで働き出したイカの塩辛工場。 社長に紹介された川沿いのボロアパートは変わり者の住人が暮らす「ハイツムコリッタ」だった。 美しいけど無表情の大家さんと...
この作品好きだぁ〜‼︎ ブク友こっとんさんのレビューで知りました♪ 感謝です\(//∇//) 刑務所を出てひっそりと暮らすつもりで働き出したイカの塩辛工場。 社長に紹介された川沿いのボロアパートは変わり者の住人が暮らす「ハイツムコリッタ」だった。 美しいけど無表情の大家さんとひたすら二重飛びの練習をする小学生の娘 何故かお揃いの黒スーツの父親と小学生の息子 夕飯時に勝手に入り込む隣人 訳アリ住人達との触れ合いが固まった主人公の心を溶かしていきます。 みんな切なくて可愛くて最高でした\(//∇//)
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「刹那」 淡々と綴られた189頁の短い物語を読みながら何度もこの言葉が脳裏を過った。 詐欺の罪で入った刑務所で30歳を迎えた山田は、出所後に海の近くの塩辛工場で働き始める。 風景描写から私が生まれ育った富山県の情景が浮かび、更に刹那の思いが強くなる。 生に対して消極的、いや...
「刹那」 淡々と綴られた189頁の短い物語を読みながら何度もこの言葉が脳裏を過った。 詐欺の罪で入った刑務所で30歳を迎えた山田は、出所後に海の近くの塩辛工場で働き始める。 風景描写から私が生まれ育った富山県の情景が浮かび、更に刹那の思いが強くなる。 生に対して消極的、いや、死ぬ事に対して何の躊躇いもなさそうに思えた山田が住み始めた古びた木造アパート。 そこで出会った大家と住人達によって少しづつ心に変化が生じる。 生きる事に不器用な人達の繊細な心情や言葉の端々に胸が切なくなる。 要領が悪くても良い。 存在意義は必ずある。
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知られたくない過去 大なり小なり みんなあるよね。 日々の生活の中の小さな幸せを噛みしめて 生きていこうと思いました。
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足を踏み外してしまったけど、ここが居場所であってほしいな。 住み始めたアパートの住人は訳ありの人ばかりだけど、今の主人公にとっては必要な人だったと思うから。
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