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居るのはつらいよ の商品レビュー

4.4

181件のお客様レビュー

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2020/03/28

精神科の慢性期病棟で勤務していた時の懐かしい気持ちを思い出した。 ケアの重要性を思い出したい時にまた開くと思う。

Posted byブクログ

2020/03/27

「野の医者は笑う」に次ぐ著作。京都大学で臨床心理士資格と博士号を取得した著者が「ケアではなく、セラピーがしたいんだ!」と意気込んで就職した沖縄でのデイケアセンターで働きながら得た知見。 ケアの本質とは何か? を考える本。 ケアはお金に換算されず、労働としてもらっているとあから...

「野の医者は笑う」に次ぐ著作。京都大学で臨床心理士資格と博士号を取得した著者が「ケアではなく、セラピーがしたいんだ!」と意気込んで就職した沖縄でのデイケアセンターで働きながら得た知見。 ケアの本質とは何か? を考える本。 ケアはお金に換算されず、労働としてもらっているとあからさまに提供されず、そっとなにげなく関わる(この著書ではそれは居るという部分にもつながる)ことによって親密さや信頼や癒やされるという場面がでてくる(本書P116キティの指摘)。 そのため、ケアがそのような本質を含むために低賃金で評価をされにくいし、ケアが「デイケアセンター」などと利益と経営のなかに飲み込まれていくとケアの本質が脅かされることになる。

Posted byブクログ

2020/03/26

本書は臨床心理学の学術書であるとともに,初めて職を得た臨床心理士の,精神科デイケア施設での悪戦苦闘の日々が綴られた極上の物語でもあります。「居る」ことの意味を考え抜いた筆者の,あらゆるコミュニティに通じるその答えがここにあります。

Posted byブクログ

2020/03/08

「ただ 居る だけ」 デイケアでの日々を通して「居る」ということについて書かれた本。 「ただ 居る だけ」ということがもつケアとしての価値、難しさについて考えさせられた。 教師という立場から考えても 子どもたちが教室に「居る」ということは当たり前として捉えがちだ。 だけど、「居...

「ただ 居る だけ」 デイケアでの日々を通して「居る」ということについて書かれた本。 「ただ 居る だけ」ということがもつケアとしての価値、難しさについて考えさせられた。 教師という立場から考えても 子どもたちが教室に「居る」ということは当たり前として捉えがちだ。 だけど、「居る」ということが苦しくなる子どもたちや教師はいる。 それが何故なのかは本書の終章に描かれている部分と少なからず重なる部分はあるだろう。

Posted byブクログ

2020/03/06

「こらだ」や「中動態」の話が出た時点でこれは「淡い」に関する論考であり物語であると認識した。松岡正剛の「フラジャイル」のテーマとも根底で地続きになっている。後者が論考であるのに対し、この作品は「物語」として意識的に再構成されている点が大きな魅力だと思う。映像の仕事をしている身とし...

「こらだ」や「中動態」の話が出た時点でこれは「淡い」に関する論考であり物語であると認識した。松岡正剛の「フラジャイル」のテーマとも根底で地続きになっている。後者が論考であるのに対し、この作品は「物語」として意識的に再構成されている点が大きな魅力だと思う。映像の仕事をしている身として、この本で描かれているような所謂「ケ」の部分を描くことに非常に興味があるが、その方法論が見つからない。一概には言えないけれど映像表現の多くは「ハレ」で出来上がっているんだよなと改めて。

Posted byブクログ

2020/03/01

疲れた高学歴新米母は本屋でなんとなくこの本に出会いました、多角的にいろいろ刺さるよ…今この本に出会えてよかったよ。

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2020/02/14

いゃあ 面白かった 沖縄の  とある精神科デイケア施設での その場所で いろいろな人たちがいて いろいろな時に何も起きていない 「ただ、いる、だけ」 を 描写する ただ、そのだけのことが どれほど 難しいこと か そこに いたものでしか わからない ムード が 見事に 伝わっ...

いゃあ 面白かった 沖縄の  とある精神科デイケア施設での その場所で いろいろな人たちがいて いろいろな時に何も起きていない 「ただ、いる、だけ」 を 描写する ただ、そのだけのことが どれほど 難しいこと か そこに いたものでしか わからない ムード が 見事に 伝わってくる そして 「いま、を生きていく」 を 考えさせてもらえる いろんなヒントが ぎっしり 詰まっている しかも この一冊は 心理療法士から見た デイケアの現場に関する ガクジュツショ(学術書)である ことが また素晴らしい このような「学術書」が もっと 世に出てきて欲しいものだ

Posted byブクログ

2020/01/24

著者が「これは学術書」と文中、何度もお断りしています。専門的なもの言葉もたくさん登場しますが、1つの物語として楽しみながらわかりやすくその意味を知ることができます。ケアとセラピーの違いもストンと納得。そして改めて「ただ、居る、だけ」の難しさ、今の社会での問題点を痛感しました。

Posted byブクログ

2020/01/22

著者が体験した事柄を、名前を変え、事例もこまごまと変更しつつ、でも事実に基づいて再構成し、小説のようにしたてた、物語風学術書。小説として読んでもおもしろく、わたしは最後のほうでちょっと涙した。 そして「ケア」と「セラピー」の違いに目からうろこの思い。そこを理解していなかったから、...

著者が体験した事柄を、名前を変え、事例もこまごまと変更しつつ、でも事実に基づいて再構成し、小説のようにしたてた、物語風学術書。小説として読んでもおもしろく、わたしは最後のほうでちょっと涙した。 そして「ケア」と「セラピー」の違いに目からうろこの思い。そこを理解していなかったから、家族と軋轢が生じた部分があったのだなと反省した。理解したからといって、今かかえている問題が解決するわけではないのだけどね。 まだ把握し切れていないところもあるので、またいずれ読み返すことになろう。

Posted byブクログ

2020/01/15

物語としても、すごく面白かったけれど、著者がいっているようにこれは「学術書」。参考文献の多さでもそれは一目瞭然だ。 「いる」と「する」や、心と体の「こらだ」、円と線、「暇と退屈未満のディケア」、アジールとアサイラム「居るのはつらいよ」など、生きるということの意味を、再度見つめ直し...

物語としても、すごく面白かったけれど、著者がいっているようにこれは「学術書」。参考文献の多さでもそれは一目瞭然だ。 「いる」と「する」や、心と体の「こらだ」、円と線、「暇と退屈未満のディケア」、アジールとアサイラム「居るのはつらいよ」など、生きるということの意味を、再度見つめ直しての読書だった。いや、仕事のありかたも含めて、だ。 著者の「これはただデイケアという限局された場における医療行為について語ろうとしたものではないということだ。そうではなく、これはケアしたりされたりしながら生きている人たちについてのお話だ。あるいは、ケアしたりされたりする場所についてのお話だ。そう、それは「みんな」の話だと思うのだ。職場、学校、施設、家庭、あるいはさまざまなコミュニティでの「居る」を支えるものと、「居る」を損なうものをめぐって、本書は書かれた。」こんな言葉を読むと、カタイ本に思われるかもしれないけれど、ユーモァセンス抜群の著者で、思いっきり笑いながら、楽しくかつ、深く学べる本、という点でもタイコバンを押します。

Posted byブクログ