短編画廊 絵から生まれた17の物語 の商品レビュー
恥ずかしながら私自身は本書を読むまで作品と名前が一致していなかったのだけれど、米国では誰もが知る巨匠エドワード・ホッパー。 様々な作家の作品からなる『短編回廊』とは違って、一冊丸ごとエドワード・ホッパーの絵画から紡がれた物語はどこか懐かしく、登場人物とはこれまでもドラマや映画、小...
恥ずかしながら私自身は本書を読むまで作品と名前が一致していなかったのだけれど、米国では誰もが知る巨匠エドワード・ホッパー。 様々な作家の作品からなる『短編回廊』とは違って、一冊丸ごとエドワード・ホッパーの絵画から紡がれた物語はどこか懐かしく、登場人物とはこれまでもドラマや映画、小説などで出会っていたような不思議な既視感と絵そのものから漂う危うい気配にゾクゾクした。おもしろかった!
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編集者ローレンス・ブロックが選んだエドワード・ホッパーの絵について、旧知の作家に短編を依頼。作品はどれも2016年に書かれている。 「夜鷹ナイトホークス」マイクル・コナリー シカゴ美術館にある「NIGHTHAWKS」(1942作)という絵についての「夜鷹ナイトホークス」という...
編集者ローレンス・ブロックが選んだエドワード・ホッパーの絵について、旧知の作家に短編を依頼。作品はどれも2016年に書かれている。 「夜鷹ナイトホークス」マイクル・コナリー シカゴ美術館にある「NIGHTHAWKS」(1942作)という絵についての「夜鷹ナイトホークス」という短編。ボッシュが出てくる。ここに出てくるボッシュは1人で少女を見張って、雰囲気がフィリップ・マーロウみたいだった。なかなかよかった。 シカゴ美術館にある「NIGHTHAWKS」の絵の前でしきりにメモをとる少女をボッシュは見張っている。絵の前にある長椅子の端に少女は座り、一方の端にボッシュが座ると、その間に引率された日本人高校生3人がすわる、などという場面がある。 少女に気づかれ、あなたはこの絵の中の誰? と問われ、一人奥を向いてる男かな、と答える。 シカゴの寒さに慣れていないボッシュ、少女、そして依頼人は少女の父であることなどが明かされる。 後半でボッシュの現在の立場が明かされ、私立探偵になってまだ日が浅く、ロス市警をやめてから1年にもなっていなかった、とある。 フランク・モーガンが「ララバイ」を演奏しているのを聴くと仕事がはかどる、というか所もあり、「ヒーローの作り方」で明かされた、マイクル・コナリーの言葉を思い出し、ああ、出て来たとうなずいた。 コナリーはボッシュ・シリーズ第1作を書いている途中で、この「ナイトホークス」の絵を知り、作品の最後にこの絵を登場させた、とある。 表紙は「HOTEL LOBY」1942 「その出来事の真実」リー・チャイルドが書く。 「ROOM IN NEW YORK]1932作 では スティーブン・キングが「THE MUSIC ROOM」を書く。 これはキングらしい、残酷ホラー。 部屋の一室で男は新聞を読み、女はピアノに手をあてている。奥には別な部屋に通じるドアがみえる絵。このドアの奥からドスンという音が聞こえてくるのだ。 2019.6.17第1刷 図書館
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エドワード・ホッパーの絵をテーマにしたアンソロジー。著者によって作風が全く異なるが、ミステリ多めの17篇。 〝キャロラインの話〟、〝海辺の部屋〟、〝夜のオフィスで〟が好み。 ボッシュシリーズのマイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァーやスティーブン・キングの短篇を読めたのもミ...
エドワード・ホッパーの絵をテーマにしたアンソロジー。著者によって作風が全く異なるが、ミステリ多めの17篇。 〝キャロラインの話〟、〝海辺の部屋〟、〝夜のオフィスで〟が好み。 ボッシュシリーズのマイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァーやスティーブン・キングの短篇を読めたのもミステリ好きとしては嬉しい。
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エドワード・ホッパーという一人の画家が残した17の作品に対して別々の作家が絵から着想を得た話を展開する。作家による作風というのが現れるのがなかなか面白い。映写技師ヒーローが話としては面白かった。
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1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短...
1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短編集だ。 アイデアを思いつき、物語をつくることに参加を呼びかけたのは、ローレンス・ブロックである。ローレンス・ブロックは私の最も好きな作家の一人なので、読んでみることにしたのだが、ローレンス・ブロックが書いた短編だけではなく、面白い短編が多かった。ローレンス・ブロック以外にも、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー、スティーブン・キングなどの有名な作家が短編を寄せている。 エドワード・ホッパーという画家は知らなかったが、とても独特なタッチの絵を描く作家だ。アメリカでは名の知れた画家なのだろう。 また、絵を題材に物語をつくるという試みは成功している。思いもよらない物語を寄せている作家も多い。
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読まないと絵との関連がわからない「アダムズ牧師とクジラ」(クレイグ・ファーガソン)がよかった。あと「夜鷹」(マイクル・コナリー)は流石にこなれている…
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本書はエドワード・ホッパーの 絵画から着想を得た物語を集めた短編集です。 ローレンス・ブロック氏の呼びかけで、 本人を含め17人の作家が原稿を寄せています。 観るものに物語を感じさせるホッパーの絵は、 この企画にぴったりですね。 というか、 ホッパーが数々の作品を残したからこそ、...
本書はエドワード・ホッパーの 絵画から着想を得た物語を集めた短編集です。 ローレンス・ブロック氏の呼びかけで、 本人を含め17人の作家が原稿を寄せています。 観るものに物語を感じさせるホッパーの絵は、 この企画にぴったりですね。 というか、 ホッパーが数々の作品を残したからこそ、 この企画が生まれたといっていいのではないでしょうか。 エドワード・ホッパーは、 20世紀のアメリカを代表する画家です。 アメリカの日常風景を独自の視点で切り取った絵は、 まるで映画のワンシーンのようです。 都会の街角やガソリンスタンドや劇場、 下町の裏窓や人影のない岬、田舎家などが、 単純化された構図で描かれています。 ホッパーは、 工業化が進んだ都市に出現した 孤独のリアリズムを追求したといわれていますが、 孤立感や喪失感、疎外感が、 独特の筆遣いと色彩、大胆な明暗で表現されています。 ノスタルジックな雰囲気と共に、 なんとなくハードボイルドな感じがして、 物語を紡ぎだすのに インスピレーションを得やすい画風だといえます。 それにしても17人の作家によって生み出された物語は、 内容も多彩で、読みごたえがありました。 それぞれの作家の着眼点にも興味を惹かれました。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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それぞれの作家の個性が存分に発揮されているので、読者側がホッパーの絵をどう見るかによって、意表をつかれたり、違和感があったり、またぴったりとハマったり感想が分かれるだろう。 個人的にはホッパー研究者の作品が(これは半ばノンフィクションかもしれないが)最も印象に残った。
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20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。 そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリ...
20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。 そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリカ探偵小説の雄ローレンス・ブロック。ホッパーの作品から発想された短篇小説を創り出すというアンソロジーの企画に賛同したのは、彼と交友関係のある多彩なアメリカ人文筆家達。 18枚のホッパーの作品に、ブロックを含め、17人の作家が描く17編の短編は、ミステリー、サスペンス、ハードボイルド、スパイモノ、ホラー、ヒューマンドラマ、コンゲーム、ラブロマンスと幅広いジャンルの作品が揃う。 翻訳陣もニクイ。スティーブン・キングには白石朗、マイケル・コナリーには古沢嘉道と、過去に夫々の作家の翻訳を手掛けた人を起用している。 贅沢な一冊。 個人的にはロス市警を退職し私立探偵となったハリー・ボッシュが登場するマイケル・コナリーの『夜鷹 ナイトホークス』が一押し。
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アメリカのホッパーの17枚の絵画にインスパイアされた物語を17人の作家が其々紡ぐと言うアンソロジー。一編が短いので、どこからでもすぐ読めるし、絵を見ながらどのように物語を膨らませるか、どんなストーリーになるか想像するのもワクワクする。一石三鳥くらいに楽しめた。
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