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短編画廊 絵から生まれた17の物語 の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

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2020/07/01

17枚の絵を題材に、そこからインスピレーションを得た物語が、やはり17人の作家たちによって生み出される…。何とも洒落たコンセプト。テーマとなる絵はすべて、エドワード・ホッパーの手によるもの。20世紀前半に活躍したアメリカの画家で、人物を都市や風景に溶け込ませる、といったタイプの作...

17枚の絵を題材に、そこからインスピレーションを得た物語が、やはり17人の作家たちによって生み出される…。何とも洒落たコンセプト。テーマとなる絵はすべて、エドワード・ホッパーの手によるもの。20世紀前半に活躍したアメリカの画家で、人物を都市や風景に溶け込ませる、といったタイプの作品が多い。それぞれの短編の冒頭、まずその「モトネタ」とも言うべき絵が提示される。「ここから、どんな物語が生まれるのだろう?」と、そのワクワクした心地を楽しめる。読み終わってからまた眺めると、初めに見たときとは違った感触でとらえることができ、これがまた楽しい。同時に、これまでこのホッパーという画家を知らなかったのだが、なんとも魅力的な絵の数々、これからシンプルに彼の作品に接してもみたい、なんて欲求も生まれた。 特にお勧めはランズデールという作家による『映写技師ヒーロー』。映画館で映写技師を務める若者をめぐる話で、映画館とその脇に立つ案内係を描いた絵から、よくこれほど物語をふくらませられたなと感服、話の内容も爽快で良かった。他にも有名どころのスティーヴン・キングの短編もあったりで、いろいろなテイストの話を楽しめる。それぞれの冒頭の絵を眺めて、気に入ったものの短編から読んでもいいかもしれない。 絵から生まれる「想像力」。人が持つこの豊かな力を感じずにはいられない、そんな作品集だ。

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2020/02/28

作家17人による「画家エドワード・ホッパーの作品を主題にした短編」アンソロジーなので、さまざまな文体・内容の作品がおさめられているのだが、全体として強烈に【アメリカ】を感じた。 行ったことのない国だが、長く暮らして骨を埋めるのはつらいかもしれないな・・ それぞれに印象的でしたが...

作家17人による「画家エドワード・ホッパーの作品を主題にした短編」アンソロジーなので、さまざまな文体・内容の作品がおさめられているのだが、全体として強烈に【アメリカ】を感じた。 行ったことのない国だが、長く暮らして骨を埋めるのはつらいかもしれないな・・ それぞれに印象的でしたが、なかでも『海辺の部屋』『夜のオフィスで』が好きです。どちらも本質として慈愛をかんじる美しい話でした。 好き、とは違うのですが『音楽室』はぎゅっとつまって短く、きりりと怖く、よかった。

Posted byブクログ

2020/02/23

エドワード・ホッパーの絵画から生まれた十七の短編。 それぞれ全て異なる作家の手によって物語が編み出されており、短編好きも、絵画好きも、うまく取り込まれてしまう。 正直なところ、絵画を眺めているだけでも楽しい。 絵画は、18枚修められている。一枚は、読者が自分で話を作ってみてね、と...

エドワード・ホッパーの絵画から生まれた十七の短編。 それぞれ全て異なる作家の手によって物語が編み出されており、短編好きも、絵画好きも、うまく取り込まれてしまう。 正直なところ、絵画を眺めているだけでも楽しい。 絵画は、18枚修められている。一枚は、読者が自分で話を作ってみてね、という序文の心憎さよ。 翻訳物なので、独特のクセがある。 決して変な日本語ではないし、つまらないわけでもない。 翻訳者も12人(贅沢!)いるので、この翻訳者だと合わない、といったことがあるわけでもないのだが、やはり「ニュアンス」「空気」という見えないものを取り入れることは、難しいのだろうか。 「キャロラインの話」はある老婦人の物語だ。 視点が変わっていくところ、また、老婦人の秘密がポイントだ。 老婦人の心の中にあったしこりは解消されただろうか。また新たなしこりを生んだだろうか。 願わくば、ハッピーエンドに、と思うが。 家族の問題は近しいだけに問題も起こりやすいことも、必ずしも皆が幸せにはならないだろうという、ざらついた余韻の残る物語であった。 「映写技師ヒーロー」 映写室にいる、少し引っ込み思案な男性の物語。 いかにもアメリカらしい展開だ。 小さな映画館にみかじめ料を求めてやってきた男たちから映画館と、経営者と、受付嬢を守るため、映写技師は立ち上がる。 でも、その「誰かのため」は表に出ることなく、消える。 そしてまた日常に戻る。 アメリカらしい解決方法だが、アメリカンヒーローらしからぬヒーロー。 いや、スーパーマンも普段は冴えない、んじゃなかったっけ。 だとすれば古典的なヒーローがここにいる、のかもしれない。

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2020/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一枚の絵画から、著名な作家たちが物語(短編)を作っていく手法。 時間がなくて、スティーブンキングのしか読めなかった。 でも、キングはやっぱり長編が好きかも。 時間がある時にじっくり読みたい本。

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2020/02/03

アメリカの書評で話題だったので気になっていましたが、和訳が出たので早速読みました。これを手に取るのはやっぱりみんなホッパー付きの人だと思うのだけれど、私もその一人で、で、読んでいる中で、お、と思うタイミングでホーッパー作品が出てくるので読んでて心地よかったです。いろんな作家さんの...

アメリカの書評で話題だったので気になっていましたが、和訳が出たので早速読みました。これを手に取るのはやっぱりみんなホッパー付きの人だと思うのだけれど、私もその一人で、で、読んでいる中で、お、と思うタイミングでホーッパー作品が出てくるので読んでて心地よかったです。いろんな作家さんの短編小説が入っていて、初めて知る人もいて、それも良いです。ただちょっとこじつけじゃないの?と思ってしまう組み合わせもありましたが、それもまあ楽しみかと。なによりこういう本を企画し実行した編集さんがすごい。

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2020/01/26

エドワードエドワード・ホッパーの絵を題材にした短編集。 絵と物語を楽しめる。 「オートマットの秋」「牧師のコレクション」「音楽室」が面白かった。

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2020/01/18

エドワード・ホッパーの絵をもとに 17人の作家の17つの短編。 序文でローレンス・ブロックも言っているけど、本当にバラエティ豊かだ。 色白で、表情が虚ろにも見える人びと。 (そのせいなのかちょっと死体と犯罪が多い) スウェーデンの映画監督、ロイ・アンダーソンの作品にでてくる人みた...

エドワード・ホッパーの絵をもとに 17人の作家の17つの短編。 序文でローレンス・ブロックも言っているけど、本当にバラエティ豊かだ。 色白で、表情が虚ろにも見える人びと。 (そのせいなのかちょっと死体と犯罪が多い) スウェーデンの映画監督、ロイ・アンダーソンの作品にでてくる人みたい。

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2019/12/02

ローレンス・ブロック、粋な企画カマすなぁ!いずれも面白かったけど、ジョー・R・ランズデールが久々に楽しめたのが嬉しかった!

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2019/11/05

米国を代表する名画家、エドワード・ホッパー(1882‐1967)。作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。(e-honより)

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2019/10/11

米国の画家エドワード・ホッパーの絵にインスパイアされた掌編集。様々な作家が感じたホッパーの絵。どれも古き良き(?)米国という感じ。

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