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〔少女庭国〕 の商品レビュー

3.7

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2024/09/27

絶望的に面白くない。奇書!として紹介されており読んだが、良くも悪くもデスゲーム(あるいはその後)を丁寧に書いているだけの小説という感じで、特異感は全く感じなかった。昔読んで反吐が出た山田悠介みたいな感じ。ページを捲るのが面倒く読むのに期間がかかってしまったのも腹が立つ...。 ...

絶望的に面白くない。奇書!として紹介されており読んだが、良くも悪くもデスゲーム(あるいはその後)を丁寧に書いているだけの小説という感じで、特異感は全く感じなかった。昔読んで反吐が出た山田悠介みたいな感じ。ページを捲るのが面倒く読むのに期間がかかってしまったのも腹が立つ...。 ただ、星2にしたのは、同作者の「魔女の子供はやってこない」より文章が論理的に書かれていて、その点においてストレスを感じなかったからです。

Posted byブクログ

2024/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まあこのタイトルでこのイラストなら興味持たないわけないよね。で、 奇書が読みたいアライさん が勧める一冊に入っていたので、読んでみた。 すごかった……。 すでに熱量の高い感想はたくさんアップされている。たとえば、 物語はいかにして充足しうるか?――矢部嵩『〔少女庭国〕』における服従の論理、オタクの欲望、観測者不在の百合 というページ。 ので以下メモ。 ・映画「キューブ」。と思いきや。 ・筒井康隆の実験と、グロテスク趣味。 ・冗談の人類史。 ・ボルヘスとか……無限や迷宮といえばという安直な連想だが。 ・ネーミングセンス素晴らしい。 ・こやまけんいちで脳内再生。 ・文体が微妙にてにをはが合っているのかどうか。でも中毒性高い。

Posted byブクログ

2024/07/15

どこかでおすすめされてたので。タイトルや表紙や百合だって言葉に惑わされずに読んで良かった。タイトルはあっという間に終わる、呆気なさや戸惑いは補遺で満たされる。

Posted byブクログ

2024/06/23

どこかでオススメされていたので手に取ったが、とんでもない本だった。もはや古典と化した「日本三大奇書」なんかより余程現代人にとって読みやすくも奇書である。数十ページでの確信は舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」を彷彿とさせた。 「あなたもそう?」 読了後に最初のページに戻って見つ...

どこかでオススメされていたので手に取ったが、とんでもない本だった。もはや古典と化した「日本三大奇書」なんかより余程現代人にとって読みやすくも奇書である。数十ページでの確信は舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」を彷彿とさせた。 「あなたもそう?」 読了後に最初のページに戻って見つけるシダコの名前 評価は賛否両論らしく、考察も漁ってみたがしっくりくるものは見つからなかった。まさに奇書

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2024/04/30

読み始めてすぐに「魔女の子供はやってこない」の人か!と気づき座り直して読みました。 果たしてAIにこれが書けるかな。この人がいる限り創作は死なないなって思う。 三大奇書に並ぶのではないか、と褒め倒しそうになる一方で、子供には絶対読ませたくない胸糞本なので、星の数が難しいです。 後...

読み始めてすぐに「魔女の子供はやってこない」の人か!と気づき座り直して読みました。 果たしてAIにこれが書けるかな。この人がいる限り創作は死なないなって思う。 三大奇書に並ぶのではないか、と褒め倒しそうになる一方で、子供には絶対読ませたくない胸糞本なので、星の数が難しいです。 後、著者がこの人だってわかってたらきっと読んでない。鬱になりそう。

Posted byブクログ

2024/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者の凄さは、異常さは、狂気は、普通なら短編で終わらせるべきこのシチュエーションドラマを、〈補遺〉という形で長編にしてしまった点にある。 〔少女庭国〕。そこは卒業式に参加するはずだった少女たちがひとつの教室に一人ずつ眠った状態で取り残された異空間。”卒業条件”として書かれた紙には〈ドアの明けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の数をmとする時、n-m=1とせよ〉とある。 およそ210ページほどあるこの小説は最初の50ページほどで、このシチュエーションにおけるひとつの”結末”を提示するのだが、恐ろしいのはその先にある〈補遺〉の部分で、だいたい本の3/4を占めるこの箇所は、ここで起きた”あらゆる別の結末”を次々と提示していく。 あるときは隣の教室にいる少女を迷いなく殺したり、あるときは自殺することで卒業条件を達成したり、またあるときは話し合いで死ぬ者を選んだり……。やがて少女たちは1000人を超える規模に拡大し、帝国と言えるほどの体制を築き上げ……という思考実験SFのような地点にまで行きついてしまう。 これを何らかのメタファーとして受け止めることも可能だろうが、どちらかと言えば私がこの本を読んでいて感じたのは”禁忌”に対する反応の薄さであり、例えば「食人」であったり、「人体破壊」であったり、「奴隷制度」であったり、およそモラルを逸脱した展開を、それに対する忌避感をほぼ描くことなく、ただ淡々と進めていく点だった。 そのため本作は、これほど時間も場所も広がって行くにもかかわらず、シチュエーションと描き方によって、”誰かに感情移入する”という機会がゼロに近い。それでも果たしてこの先どうなってしまうのか気になって読んでしまうあたり、作者の筆力(変態性と言い換えてもいいだろうけど)は高く、シチュエーションドラマとして強度の高い出来となっている。 この「現象」にどんな理由があって、どんな解決方法があるのか。そういうことを期待しながら読むのはやめた方がいいだろう。最終的に”卒業条件”を達成したどの少女たちも、その後元の世界に還れたのかどうか、一切説明してはくれないし、作者としても書きたかったのは、伝えたかったのはそこには無いと思うから。 さて、ではそろそろこの小説の核心に迫ろう。 と言ってもこれは登場人物の会話や、小説の書き方から何となく感じたことなので、明確な答えではないのだけど。 以下、考察に移る。 この小説を読んでいてなんとなく思い出したのは『異常』という小説で、あの小説は「シミュレーション仮説」という世界の捉え方を物語内に組み込んでいた。例えば『〔少女庭国〕』の世界そのものも、シミュレーションされたのもだとしたらどうだろうか。上記したように登場する少女たちは、殺人や食人といったことを厭わず、通常の倫理観が著しく欠如している。それは、彼女たちの存在自体が一種のプログラムされたモデル――そもそもが現実ではない場所で起こっていることなのではないかと思う。そして、それでもなお、最初の50ページの短編〔少女庭国〕から悪趣味で不愉快で荒唐無稽な展開を読み進めているのは――それが〈補遺〉だと自覚しながら読んでいるのは、読者である我々であり、そのことに気づくと、悪趣味なのは――それでもまた別の”不愉快な死に様”を見ようとする「我々読者の方」ということになるのではないだろうか。この小説がやろうとしたのは、そういう”意趣返し”であり、だから少女たちが捕らわれた原因も解決法も、脱出できたかどうかも書かれることはないのだろう。 とりあえず、よくもまあこんなシチュエーションを考えたものだし、長々とその「果」まで書いたものだなと思う。世の中には色んなことを考える人がいるもんだなあ。

Posted byブクログ

2024/01/14

脱出できるのは一人だけ。 デスゲームであり、シチュエーションノベルであり、文明勃興記であり、青春小説であり、実験小説であり…百合でもあるのか。 無限に増殖する少女。殺すか殺されるか死ぬか生きるか。不条理を超えた先にある感慨。ともかくとんでもない作品。

Posted byブクログ

2024/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

卒業式会場に向かっていた中三の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。部屋は四角く石造りだった。部屋には2枚ドアがあり、内一方には張り紙がしてあった。 "卒業生各位 下記の通り卒業試験を実施する。ドアの開けられた部屋の数をnとし、死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ。時間は無制限とする" 無限に囚われた少女たちの話。以前ハヤカワ文庫さんが行っていた、「ハヤカワ文庫の百合SFフェア」の対象作品のうちの1冊で、先に言っておくとなかなかの奇書、あるいは実験小説の類に近いかと思います。 ちなみに、ここは個人的見解によると思いますが、私はあまり百合味は感じませんでした。 卒業式に向かっていた少女、気が付くとそこは暗い石造りの部屋の中。部屋には2枚のドアと、そのうち一方に貼られた張り紙しかなく、張り紙には「卒業試験」と称する脱出の条件が。ドアを開けても開けても、一部屋につき一人の少女しかおらず、中三の女子は無限に増えていくばかり。 これは、そんな無間地獄に囚われた少女たちの記録です。 即座に隣室の少女を殺害しようとする少女がいれば、ひたすらドアを開け続ける少女、開拓を目指す少女もいる。 表題作は『〔少女庭国〕』ですが、『〔少女庭国補遺〕』がその3倍くらいある。基本的には、ずっと説明したような謎の空間に閉じ込められた少女たちがどう生きたかを追っているだけです。 ストーリー紹介だけをさらっと見るとデスゲーム系小説っぽいのですが、そういう感じではなく、数倍速でみる建国史のような、予想外に壮大な話。 そんな中でも中三女子はやっぱり中三女子で、リアルな口語に近いセリフ(「~~じゃんでも」や「まじだとやだねっつってたのだから」など)が簡単に脳内再生できてしまって、こんな荒唐無稽な話なのに感情移入しやすいのが不気味で何となく嫌な感じ。 それと同時に、知覚できない上位存在に弄ばれる卑小な存在である人類、のような概念を感じ取ってしまい、虚無的な気分になれます。 ちょっと変わった小説を読みたい方にお勧めです。

Posted byブクログ

2023/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の数をmとする時、n-m=1とせよ。 卒業試験として課された命題だけを見ると、脱出ゲーム、デスゲーム、バトルロワイヤルなどが想像されますが、そういうものも含めた人類史のような一冊でした。 意外な広がりもありつつ、核心には触れない。映画CUBEを見たときの感覚に近い。 少女たちを閉鎖空間に閉じ込めて何やかんやという話が好きなんでしょ、ということかな。 五九[東南条桜薫子]のエピソードがこの本のすべてという気がしました。

Posted byブクログ

2023/08/14

脱出ゲーム的な話かと思いきや、なんだか世界が発展する縮図を見たかのように感じ、小説を読んではいるのだが、何か他のことが頭の片隅にずっとへばりつくような小説。 他のどんな小説とも似ない、ある種奇妙で独立しているなぁと感じる。 人が増えれば増えるほど厄介だけど、快適な生活はできる...

脱出ゲーム的な話かと思いきや、なんだか世界が発展する縮図を見たかのように感じ、小説を読んではいるのだが、何か他のことが頭の片隅にずっとへばりつくような小説。 他のどんな小説とも似ない、ある種奇妙で独立しているなぁと感じる。 人が増えれば増えるほど厄介だけど、快適な生活はできるのだと実感。支え合いは必要だけど、もはや依存関係になっているんだよなぁ、と。

Posted byブクログ