エミリの小さな包丁 の商品レビュー
一気に読了しました。森沢明夫さんの世界観、本当好きです。特にこの「エミリの小さな包丁」は、心の底からじわじわと感動が押し寄せてくるような感じがして、読後感がとても良いです。しばらくこの余韻に浸っていたいです。また素敵な本に出会えて感謝(^^)
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※このレビューにはネタバレを含みます
森沢さんの作品、2作目を読了。おじいちゃんの人間性、器の大きさに魅了されました。自分の信念・芯をもった人は、魅力があり、強くて、優しいなと思いました。周りの声に惑わされない強さがあり、家族の過ち・失敗を物ともせず、包み込む優しさがありました。 最後の、おじいちゃんからエミリへの手紙には、全身鳥肌が立ちました。 エピローグも、感動的でした。 【印象に残った言葉】 ・「幸せになることより、満足することの方が大事だよ」(P112) ・「過去の失敗に学ばない人間は阿呆だけど、過去の失敗に呪縛されたまま生きている人間はもっと阿呆だよなって」(P222) ・「人間って、ふたつのことを一度に考えることが出来ない生き物なんだって。だから俺、このブランコに揺られているときだけは、最近あった『小さないいこと』をなるべくたくさん思い出して、そのときの感情をあらためて丁寧に噛みしめるようにしてたの。幸せを味わっている間は、嫌なことを考えられないから、悪い出来事も忘れていられるわけじゃん」(P223) ・「つらいときでも鼻歌を歌っていればさ、世界は変えられなくても、気分を変えることなら出来るからさ」(P224) ・「自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめだよ」「判断は必ず自分で下すことだ。他人の意見は参考程度にしておけばいい」(P249) ・「古来、日本に伝わってきた浦は、心を意味する言葉なんだよ」(P250) ・「どう接していいかは分からなくても、どう接したらいけないかは、もう分かっているだろう。過去に訊けば答えを教えてくれる」(P335)
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最高に好きな世界観でした。 話しを読み進めれば進めるほど、どんどん大好きな世界観に。見たことがないのに、龍浦の街並みや大三おじいちゃんの家が鮮明に頭に浮かんでくる。田舎の懐かしい感じ。素敵な世界観でした。 そして、エミリが少しずつ、まだ完璧ではないけれど確実に前を向いて進んでい...
最高に好きな世界観でした。 話しを読み進めれば進めるほど、どんどん大好きな世界観に。見たことがないのに、龍浦の街並みや大三おじいちゃんの家が鮮明に頭に浮かんでくる。田舎の懐かしい感じ。素敵な世界観でした。 そして、エミリが少しずつ、まだ完璧ではないけれど確実に前を向いて進んでいく姿。 周りの人たちの何気ない、でも気づかされる些細な言葉。 幸せになることより、満足する事 「小さないいこと」を思い出して噛みしめる いい気分を味わう 自分が「うら」を変えればいい 失敗を受け入れた瞬間に新しい人生がはじまる すごく心に残る言葉ばかり。 この小説全体が前向きにしてくれる、そんな内容でした。 とても素敵な本に出会えました。
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魚を捕ったり、散歩をしたり、自然を楽しんだり、ゆったり暮らすことで癒されるというシーンがとてもノスタルジーだった。 祖父の作ってくれる魚料理がどれも美味しそう。 食べるだけでなく、読み終えたあとは大切な誰かと一緒に台所に立ちたくなる。 ♡誰かと肩を寄せ合って料理を作るというのは...
魚を捕ったり、散歩をしたり、自然を楽しんだり、ゆったり暮らすことで癒されるというシーンがとてもノスタルジーだった。 祖父の作ってくれる魚料理がどれも美味しそう。 食べるだけでなく、読み終えたあとは大切な誰かと一緒に台所に立ちたくなる。 ♡誰かと肩を寄せ合って料理を作るというのは、ささやかだけど、まじりっけのない純度百パーセントの幸せだと思う。 ♡幸せになることより、満足することのほうが大事だよ。
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人生の再生がテーマの話だと思うが、私は読後に親が生きているうちに一緒の時間をもっと持とうと思った。 (祖父母が全て他界してしまっているのが悔やまれる) 読み始めは少し退屈だが、3分の1過ぎるあたりから引き込まれる。ラストはいい意味で期待を裏切らず良くて、涙が止まらない。
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幸せになることより、満足することの方が大事 自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめ 重荷を抱きしめたら、沈みこんで、わたし自身になり、空気のように軽くなった 神様は自分自身、自分を思いのままに動かせる万能な存在は唯一自分自身。人生を自由自在に想像していけるの...
幸せになることより、満足することの方が大事 自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめ 重荷を抱きしめたら、沈みこんで、わたし自身になり、空気のように軽くなった 神様は自分自身、自分を思いのままに動かせる万能な存在は唯一自分自身。人生を自由自在に想像していけるのも自分だけ。 海辺の綺麗な景色と、美味しいご飯の情景と匂い、エミリちゃんとおじいちゃんの優しくて静かな会話と空気の中に入り込めたような、本当にあったかくて優しい物語。 綺麗事だけではなくて途中毒も混じるような描写もあって、でもそれすらもやさしく溶かしてくれるようなあたたかさでした。 エミリちゃんの作るご飯が、おじいちゃんや町の人との夏の時間が、これからの私の人生も柔らかくやさしく包んでくれるような気持ちで読みました。 気分よく淡々と生きる。誰かの優しさや時合いを見逃さず受け取れるわたしになりたい。
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うーん、面白くもあったし、おじいちゃんの言葉も感動的だったけど、主人公のウジウジしたところが面倒くさくてあまり好きになれなかった。
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要約すると、ゲス男に騙され傷心の主人公が、田舎の祖父、色々な人と触れ合いながら立ち上がっていく話し。 とても優しい物語だけど、ただ優しいだけでなく、田舎であるが故の悪い部分が(少な目だけど)ちゃんと描かれているのがいい。読者が知りたいこともエピローグにまとめられて、読了感も良か...
要約すると、ゲス男に騙され傷心の主人公が、田舎の祖父、色々な人と触れ合いながら立ち上がっていく話し。 とても優しい物語だけど、ただ優しいだけでなく、田舎であるが故の悪い部分が(少な目だけど)ちゃんと描かれているのがいい。読者が知りたいこともエピローグにまとめられて、読了感も良かった。 たぶん、著者の理想とする祖父像や先生像をこの祖父に投影してるのかなと思ったけど、それにしてもこんなダンブルドアみたいなおじいちゃんいるのかと、そこに少し引っ掛かりを覚えた。
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読書家のおじいちゃんの良い言葉が多く入っているし、食べてみたい料理もいっぱいだった エピローグも良い話だなと、さらに思えるように上手くまとまっていて、読んで良かったと思った
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季節は夏。田舎の海に囲まれた環境に身を移した主人公エミリ。おじいちゃんと一緒に料理をして、田舎の人々と共に過ごして、いろいろなことを経験していく物語。それは、辛い過去を温もりと共に受け入れて、前に歩んでいける、そんなお話。ゆったりとした時の流れをエミリとなって過ぎ去っていき、後半...
季節は夏。田舎の海に囲まれた環境に身を移した主人公エミリ。おじいちゃんと一緒に料理をして、田舎の人々と共に過ごして、いろいろなことを経験していく物語。それは、辛い過去を温もりと共に受け入れて、前に歩んでいける、そんなお話。ゆったりとした時の流れをエミリとなって過ぎ去っていき、後半になるにつれ、彼女の心境の変化が自身に投影されていき、やがて木漏れ日に包まれたように幸せな気持ちになれる。
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