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私の消滅 の商品レビュー

3.7

89件のお客様レビュー

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2024/10/03

とある殺人犯がなぜ殺人を犯したのかの考察が、これまで見聞きしたもののどれより客観的でしっくりきた。 自分も暗い過去について鮮明に覚えている声や温度があり、何か忘れているという感覚がある。 その当時の自分はそこに置いてきているつもりだったけど、どこか深いところでまだひとり悲しんでい...

とある殺人犯がなぜ殺人を犯したのかの考察が、これまで見聞きしたもののどれより客観的でしっくりきた。 自分も暗い過去について鮮明に覚えている声や温度があり、何か忘れているという感覚がある。 その当時の自分はそこに置いてきているつもりだったけど、どこか深いところでまだひとり悲しんでいるのだろうか。いい年になっても、何かの拍子に癇癪を起こすのはあの時の私かもしれない。 自分に起きた出来事のはずなのに、他人事に思える。私という曖昧なものを正確に捉えるためのヒントを、この本からもらった気がする。

Posted byブクログ

2024/09/23

「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。」という不穏な一文から始まる1冊。しかし、その一文がピーク。犯罪心理、催眠療法、洗脳、記憶障害、統合失調症、解離性同一性障害などなど、様々な説明はしてくれるけれどそのどれにも興味が湧かない。わざわざこの小説で...

「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。」という不穏な一文から始まる1冊。しかし、その一文がピーク。犯罪心理、催眠療法、洗脳、記憶障害、統合失調症、解離性同一性障害などなど、様々な説明はしてくれるけれどそのどれにも興味が湧かない。わざわざこの小説で教えてもらわなくえも、気になったら自らそういう本を買うしなあと思いながら読んでいた。作者が自分の知識を披露したいだけみたいに思ってしまった。結局何の話なのか最後まであまり掴みきれなかった。

Posted byブクログ

2024/09/08

実際の犯罪者の精神状態や実験例がいくつも書いてありとても興味深かった。自分自身がもしかしたら、誰かにつくられたもので、虚像かもしれない。そんな思いになった作品。『私の消滅』というタイトルをしっかり回収してくれました!

Posted byブクログ

2024/09/03

気持ちが“持っていかれる”作品だった。 終始重たい空気が続くも、読み終えると、切なくやるせない気持ちでいっぱいに。でも、愛がテーマだったと思います。

Posted byブクログ

2024/09/03

前に読んだのは五年前 だったかしら。 物語の中心に精神科医 による記憶操作があり ます。 記憶が揺らげば自分と いうアイデンティティ も揺らぐ。 即ち記憶イコール私で あり記憶が消滅すれば 私も消滅すると。 操作された記憶と現実 の狭間でクルクル翻弄 される主人公たち。 ...

前に読んだのは五年前 だったかしら。 物語の中心に精神科医 による記憶操作があり ます。 記憶が揺らげば自分と いうアイデンティティ も揺らぐ。 即ち記憶イコール私で あり記憶が消滅すれば 私も消滅すると。 操作された記憶と現実 の狭間でクルクル翻弄 される主人公たち。 それはまるで嵐のなか 枝からちぎり取られ、 強風に吹き上げられた 木の葉のようです。 混沌とした記憶に錯乱 しながら自分が何者か 問い続ける彼ら。 その様子は黒い濁流に 呑み込まれ揉みくちゃ にされながら、 浮き沈みする木の葉の ようです。 これは私という木の葉 の儚さを知る物語。 やがて嵐は去るものの そこに残るは寒々しい 裸の枝ばかりです。

Posted byブクログ

2024/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実際あった凶悪事件 1989年の幼児誘拐殺人事件 宮崎勤死刑確定者の生い立ちや精神疾患が書かれてました。(フィクションとはしてないないのでどこまで本当かわかりません)麻原彰晃のマインドコントロールやチラッと書かれてました。 心療内科の医者が催眠術、化学療法、暴行、飢え、暗闇で 脳を宮崎勤死刑者の様に脳をコントロールして恋人を殺した犯人に仕返しをする?!話し‥ 175ページの薄い本なのですぐ読めましたが 催眠術で入れかったりするので 内容がよくわからかった。

Posted byブクログ

2024/07/26

どんどん話が展開していって、 見たこともないようなミステリーだった。 私にしては珍しく何度か読み返しては「どういう意味だろう」と考えたりもした。

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2024/06/25

初めは何の話という感じでしたが、読み進めるに連れ徐々に明らかになる犯行に面白く、一気に読み進めました。 実際にあった、事件を作者の解釈で物語に取り込んでいるのもよく、そんな事件があったのか、あの事件はそんな問題があったのかと勉強にもなりました。 短い話ですが、とても読み応えが...

初めは何の話という感じでしたが、読み進めるに連れ徐々に明らかになる犯行に面白く、一気に読み進めました。 実際にあった、事件を作者の解釈で物語に取り込んでいるのもよく、そんな事件があったのか、あの事件はそんな問題があったのかと勉強にもなりました。 短い話ですが、とても読み応えがあり、良かったです。

Posted byブクログ

2024/06/19

手記を辿りながら少しずつ全体像が見えてくる復讐譚 結末に関してはハッピーとは言えないがバッドエンドでは無いと感じました。 生きているのが辛くなる程の痛みなら、たとえ洗脳でも自分じゃ無くなっても忘れられた方が幸せだと思う。 中村さんの作品暗いけど、最後に少しの希望があるのが好き...

手記を辿りながら少しずつ全体像が見えてくる復讐譚 結末に関してはハッピーとは言えないがバッドエンドでは無いと感じました。 生きているのが辛くなる程の痛みなら、たとえ洗脳でも自分じゃ無くなっても忘れられた方が幸せだと思う。 中村さんの作品暗いけど、最後に少しの希望があるのが好き。

Posted byブクログ

2024/05/22

人間の精神性にサイコキラー、実録事件、人体実験、偏愛。読んでる最中は黒沢清のCUREが脳内再生されてゾクゾクしたし、記憶が確かならCUREで登場した人物名が作中に使用されて意図的なのか?と気にもなった。 600pオーバーの小説を読んだ後に、175pの本作を読むと一瞬で読めてしま...

人間の精神性にサイコキラー、実録事件、人体実験、偏愛。読んでる最中は黒沢清のCUREが脳内再生されてゾクゾクしたし、記憶が確かならCUREで登場した人物名が作中に使用されて意図的なのか?と気にもなった。 600pオーバーの小説を読んだ後に、175pの本作を読むと一瞬で読めてしまうが、禍々しさが凝縮された内容は読み応えがあった。素晴らしい。

Posted byブクログ