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歴史戦と思想戦 の商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

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2019/11/14

現在、第二次世界大戦で大日本帝国が行ったことを否定または矮小化する言説が言論界や出版界で繰り広げられている。以前もあったことではあるが、一笑にふされていたのが、大手を振るうようになった。この問題について、歴史的な経過や事実も踏まえて論証した本である。客観的な歴史認識を広げる事自体...

現在、第二次世界大戦で大日本帝国が行ったことを否定または矮小化する言説が言論界や出版界で繰り広げられている。以前もあったことではあるが、一笑にふされていたのが、大手を振るうようになった。この問題について、歴史的な経過や事実も踏まえて論証した本である。客観的な歴史認識を広げる事自体が国益を守る事につながるという事を強調したい。

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2019/11/08

今、本でもネット上でも、歴史問題について日本は正しかったと言う主張があふれている。その一見正しいと見える主張に、どのようなトリックや欺瞞が、そこに隠されているかを、明快に暴いている。 今後、国際社会の中で、まるで説得力のない、日本は正しかった、という主張に固執するのでなく、大日本...

今、本でもネット上でも、歴史問題について日本は正しかったと言う主張があふれている。その一見正しいと見える主張に、どのようなトリックや欺瞞が、そこに隠されているかを、明快に暴いている。 今後、国際社会の中で、まるで説得力のない、日本は正しかった、という主張に固執するのでなく、大日本帝国時代の過ちについて、認めつつ検証していく方が、国としての評価に結び付くということに、賛同する。 どのような学問領域でもそうだが、専門家が、その分野のトンデモ本や、トンデモ発言に、違うと真っ向から否定してくださることが、大切なのでしょう。

Posted byブクログ

2019/09/24

読みながら自分自身の考えが整理されていくようでした。大変分かり易かったです。事実に反する事柄が広まっていくのを黙認するのは、それを支持していることと同じですね。意見が対立することを嫌がらず、対話する努力を持ちたいです。

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2019/09/15

作者は何を言いたいいのだろうか。他の人の解釈を批判しているが、史実をどう読み解くかが書かれていないような気がする。読み方が浅いせいかもしれないが、作者の意図はケントギルバートや井上和彦等の意見の矛盾を指摘するだけに終わっているような気がする。 最後に少しだけこうしたらという部分も...

作者は何を言いたいいのだろうか。他の人の解釈を批判しているが、史実をどう読み解くかが書かれていないような気がする。読み方が浅いせいかもしれないが、作者の意図はケントギルバートや井上和彦等の意見の矛盾を指摘するだけに終わっているような気がする。 最後に少しだけこうしたらという部分もあったが、具体的にこうするのが良いという作者の意見は感じられなかった。前半は他の人の意見の矛盾を指摘するだけで、嫌になって途中で投げ出した人もいたのではないだろうか

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2019/09/12

 本書の題名が気になったのと,帯に「内田樹氏,津田大介氏推薦!」の文字が躍っていたのとで,読んでみたくなったのだが,なかなか面白かった。  産経や日本会議など,アベの支援者(というか,アベもその落とし子だが…ここでアベとカタカナにしたのは,漢字を使うのがもったいないから…金子兜太...

 本書の題名が気になったのと,帯に「内田樹氏,津田大介氏推薦!」の文字が躍っていたのとで,読んでみたくなったのだが,なかなか面白かった。  産経や日本会議など,アベの支援者(というか,アベもその落とし子だが…ここでアベとカタカナにしたのは,漢字を使うのがもったいないから…金子兜太に倣った)たちが発している「大日本帝国バンザイ史観」(これはわたしの造語)は,その「史観」を示すべく,真面目に(たぶん本人たちは真面目なんだと思う)諸外国(中国,韓国はのぞく)に理解を求めようとすればするほど,今の日本国にとり,マイナスにしかはたらかなくなることがよく分かる。本当に,今の日本国と日本の伝統を守りたいのなら,大日本帝国時代に行ったことを,今の日本国の人間がしっかり総括し,それを国際社会に示してこそ,である。  この大日本帝国バンザイ史観のメンバーたちは,今の日本国への愛国心なんかないんだろうな。自分たちの言論や行動が,国際社会から日本国を浮きだたせている事さえ気づかないんだろうな。この人たちが持っているのは,愛「日本国」心ではなく,愛「大日本帝国」心だから,無理もない。  本書を読み終えて興奮してしまって先の文章を書いてしまった。が,本書は,とても冷静に「バンザイ史観」のメンバーたちの著作を読み解き,その中にちりばめられている論理の飛躍や事実の歪曲,プロパガンダなどについて語ってくれる。  バンザイ史観の人たちから見ると,わたしたち現代の日本人は,いまだにGHQに洗脳されているそうだし,コミンテルンにもやられているらしい。そういうことに,大部分の日本人は気づいていないという。そう,それくらい今のわたしたちは馬鹿だと言っている。  自然科学の分野でも,非科学的な著作がでても,プロの科学者たちは,面と向かって批判はしない。それは馬鹿馬鹿しくてやってられないからだろう。「どうせ,消える,ま,娯楽だし」とも思っているのかもしれない。しかし,「水は何でも知っている」といいながら学校現場の道徳の時間にまでそれが入ってきたときには,黙ってはいなかった。おかげで,「水にありがとう」と聞かせる実践は学校から消えた。  社会科学(たとえば歴史学)の分野でも,こういうトンデモ類のことにいちいち反応している暇はないかもしれない。が,最近のように,「従軍慰安婦はいなかった」「南京虐殺はなかった」と言い切るようなことが市民権を得そうになったときには,ちゃんとプロの世界から糺してくれる人が必要だ。教科書にまで影響するようになっては,ね。  それにしても最近の出版状況は気持ち悪い。  日本の経済力が頭打ちになったのを誤魔化そうとして,(大日本帝国の頃のことを持ち出して)韓国や中国を自分たちより下に見て,少しでも優越感を得ようとしているのが見え見えだからだ。この浅ましさが,本来の道徳からはほど遠いことに気づかないのだろうか? 道徳教育の教科化を進めた人たちの心には,どんな道徳心があるのか,本書で引用されている文章を読んでみるとよく分かる。             ☆ 河添 売春婦の経営が好きなのも,中国系や韓国系の黒社会でしょ? …『「歴史戦」はオンナの闘い』より             ☆  日本では,売春婦の経営をしている人,いないの? たくさんいるじゃん! こんな風な決めつけがあちこちに。             ☆ 本当に脳疾患ならお気の毒ですが,呆れてしまいます。 …ケント・ギルバート著『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』             ☆  他国の人をつかまえて「脳疾患なら…」などと言うってどういうこと? これが,「日本人の心を取りもどせ」といっている人なんですが,このような表現をする人に与することなんてできるわけないよ。  論理的な批判ではなく,感情的な批判がいっぱいの大日本帝国バンザイ史観の人たちの本。買って読むのはもったいないので,図書館で借りてみるかな。  山崎雅弘さん,非科学的な文章につきあってくれてありがとうございます。頭の中がスッキリしました。

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2019/09/08

 日本の歴史問題について、論理的に記した本。  特に注目したのは、現在の「日本国」と「大日本帝国」を峻別する点。  確かに、繋がる面があるとはいえ、体制等異なるのだから別の「国家」である。  そこを峻別しきれていない所に、歴史問題の厄介さがあるように思う。

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2019/08/25

著者は近代戦史がご専門の歴史学者。産経新聞などが中心となって展開している「歴史戦」は、戦時中にあった「思想戦」とそっくりな構造になっているという指摘は、かなり興味深いものだった。そしてそれらの主張には、詭弁やゴマカシがたくさん見られ、およそ学問的とはお世辞にも言えない稚拙なもので...

著者は近代戦史がご専門の歴史学者。産経新聞などが中心となって展開している「歴史戦」は、戦時中にあった「思想戦」とそっくりな構造になっているという指摘は、かなり興味深いものだった。そしてそれらの主張には、詭弁やゴマカシがたくさん見られ、およそ学問的とはお世辞にも言えない稚拙なものであることを明らかにしている。ネット上で読みもせずに「左翼」と罵倒しておられる方がいるのは、著者も予想していたと思う。

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2019/08/07

戦争のときの日本は悪くなかったという人たちへの否定の本。 そんな人達への否定が長くてくどくて読みにくい。 もっと素直に事実だけ書いてくれれば、ページも少なくて読みやすくて理解しやすいと思った。 言っていることは間違ってないと思う。

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2019/09/02

愛国者でも昨今の出版・ネットメディア等の主張には胸が悪くなる。よくぞ出版してくれたと思う。 私たちの現実認識を誤った方向に導くプロパガンダ策略というのは昔も今も続いている。 まんまと乗っかる俺たちって。

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2019/07/26

2019/7/26読了。しかし、我が日本国は難しい国だなあ。 未だ国会議員には、八紘一宇だ、美しい国だの大日本婦人会みたいな人がいるんだからな。そんな考えに我慢強く論理で向き合う姿勢には、頭が下がる。しかし、学者や研究者の論争は一筋縄ではいかないことがよく分かった。 自身の歴史へ...

2019/7/26読了。しかし、我が日本国は難しい国だなあ。 未だ国会議員には、八紘一宇だ、美しい国だの大日本婦人会みたいな人がいるんだからな。そんな考えに我慢強く論理で向き合う姿勢には、頭が下がる。しかし、学者や研究者の論争は一筋縄ではいかないことがよく分かった。 自身の歴史への向かい方を考える意味では、良いトレーニングになった。

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