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許されようとは思いません の商品レビュー

3.7

305件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    104

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    5

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2024/01/11

同い年の作家さんということをたまたま知り、興味があり読んでみることに。 人間の心理を巧みに表していて、とても引き込まれて読んでしまいました。 特に、『ありがとう、ばぁば』は人の心理の恐さをついていて一番好きでした!

Posted byブクログ

2024/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目撃者はいなかった 自己の保身に走り続けた男が手痛いしっぺ返しを喰らうお話。自分が犯したミスを認めず隠し続けた末の皮肉なオチが読んでてなかなか苦々しい。悪事がバレてそれを指摘された時の嫌な汗、緊張感までこちらまでリアルに伝わってくるようだった。 ありがとう、ばあば 毒親ならぬ毒祖母と子役として活躍中の孫のお話。毒なのは祖母ではなくこの物語そのものだと言いたい。 最後の一行に年相応の無邪気さの中にある祖母への殺意と恨みがありありと表れており、いい意味で読了感はすこぶる後味悪い。 イヤミスの中核に子供を使うのは反則… 絵の中の男 戦後間もない頃、とある女性画家とその家に仕えることとなった家政婦による回想。 自分とその周りに起きた凄絶な不幸を作品に昇華させていた画家の苦悩が家政婦によって語られる。最後の結末は、絵を描くことでしか生きる意味を見い出せないのに苛烈な不幸を背負わなければ絵を描けないというジレンマに苦しんでいた彼女にとって、救いの糸だったのだろうか… 姉のように 自分の姉が犯罪者になってしまった妹が娘の育児に苦悩するお話。叙述トリックが用いられており、妹と読者側の思い込みが実は大きな勘違いであったことが意外なオチ。少しネタバレになるが、妹がママ友たちと集まる場面で一人のママ友が「お財布がない」と告げたシーン。ここで皆の視線が妹に集まったことに違和感を覚えたが、この違和感がオチにも直結する点でなるほどなぁと唸らされた。 短編の中では現実に起こり得そうなストーリーであり、犯罪者の家族が世間や他人からどう見られているかに焦点を当てた話である。 許されようとは思いません 表題作。祖母の遺骨を墓に納めるため母方の実家に帰郷する男とその恋人のお話。閉鎖的で陰湿な村環境の中で生涯過ごしてきた祖母が犯した殺人という罪。その本当の動機がとても切実で居た堪れない。ラスト数ページ、二人の前で起きた怪奇現象は、死してなお自分の生きた証すら故郷に残したくないという強い思いが見せたものであり、少しホラーチックな結末ながら温かな余韻も残してくれた。

Posted byブクログ

2024/01/07

人間の心の闇が生み出してしまった事件や不可思議事をミステリーに仕立てた短編5編集。帯にあるとおり、どれもが「どんでん返し」で終わる仕掛けになっていて面白かった! 全体の分厚さも薄めだし、一つ一つの作品も1時間かからず読み切れるくらいの長さなので、隙間時間の読書にちょうど良かった。

Posted byブクログ

2024/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お気に入りは、以下3話。 ハッピーエンドじゃないんだけど。えっ、もう少しその先知りたい!って気持ちになる。 特にこの3つの話は、どれもヒヤヒヤするんだけど 全部違う種類のヒヤヒヤ、、 【目撃者はいなかった】 自分が体験してるような感覚に陥り、先を読むのが怖くなる。嘘って重ねるほど、悪い状況を引き寄せる。 【ありがとう、ばあば】 ばあばは、部屋に入れてもらえたのかな?? 【姉のように】 お姉ちゃん。そっちだったかー、、、 事件が起きなかったら、こんなことにはならなかったのかな。

Posted byブクログ

2023/12/23

選べるなら4.5にしたかったくらいおもしろかった!短編で読みやすく、どんでん返し感に近い衝撃がラストに待っている作品。想像しながら読み進めたけど、そう来たか!と思わせてくれる結末で、同作者の他の作品も読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2023/12/20

短編集。おもしろかった。 すでに終わってしまった出来事について、残された人たちが推理する話(表題作、絵の中の男)。 あるいは、まさに渦中にある人達が、周囲の心理に翻弄されるような話(目撃者はいなかった、ありがとうばあば、姉のように)。 ジャンルとしては、心理サスペンスかな。 私...

短編集。おもしろかった。 すでに終わってしまった出来事について、残された人たちが推理する話(表題作、絵の中の男)。 あるいは、まさに渦中にある人達が、周囲の心理に翻弄されるような話(目撃者はいなかった、ありがとうばあば、姉のように)。 ジャンルとしては、心理サスペンスかな。 私は「姉のように」が一番気に入った。 こういうどんでん返しもの大好きです。 矛盾も違和感もなく(少し、ん?と思うところはあったけど、私は前提を一切疑わなかったな)、ラストまでかけぬけられる筆力、すごい、と思った。 「絵の中の男」は、使用人が一人語りする文体も含めて、まさに地獄変。 最後の解釈は、なんか肩透かしというか「うーん、大して驚くような推理じゃないな」と思えてしまったけど。 表題作、「許されようとは思いません」とは、殺人を犯した祖母が裁判で語ったセリフ。 なぜ祖母は殺人を犯したのか?なぜ祖母は言い訳をしなかったのか? 多くの人が思いもよらない祖母の動機を想像できる水絵がすごい。 水絵って何者なの?おまけでついてた「なれそめ」も読んだけど、よくわかんなかった。

Posted byブクログ

2023/11/29

短編5話。どれも手練れのうまさを感じる短編。 主人公が精神的に追い込まれていく切迫感で、こちらも早く読まずにはいられない。 悪意や虐待まがいもありちょっと嫌ミス系。 一番好きなのは「ありがとう、ばあば」。 「姉のように」はオチよりも、オチ以前の追い込まれ感が怖く印象的。

Posted byブクログ

2023/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2回目の通読でしたがストーリーは全く覚えておらず、一気読みしました。 この、読んだ後のなんとも言えない重暗い感覚は、きっとそれぞれのストーリーにのめり込まれ共感できる部分があったから…

Posted byブクログ

2023/11/23

後味がちょっと悪い短編集。どの話もラストがピリッとしていて、短いのにやられた感を味わえる。 ■目撃者はいなかった 警察には協力したほうがいいのか?誤発注隠しと交通事故目撃の末路 ■ありがとう、ばあば 年賀状の写真をめぐって母と祖母がいざこざ。ラストの娘のセリフにやられた。 ...

後味がちょっと悪い短編集。どの話もラストがピリッとしていて、短いのにやられた感を味わえる。 ■目撃者はいなかった 警察には協力したほうがいいのか?誤発注隠しと交通事故目撃の末路 ■ありがとう、ばあば 年賀状の写真をめぐって母と祖母がいざこざ。ラストの娘のセリフにやられた。 ■絵の中の男 絵が描けなくなった画家の言い訳と末路。ラストの動機説明にやられた。 ■姉のように 子育てで苦しむ若妻の様子が痛々しい。 ■許されようとは思いません 村十分の話。表題がまさかこんな意味だとは。

Posted byブクログ

2024/01/29

ほんのりイヤミス的短編集。 ひとつ選ぶならば『姉のように』。「●●だったのか!月までブッ飛ぶこの衝撃….」 結末が予想とズレたのは『絵の中の男』「●●が●●●●と思ったのに…」

Posted byブクログ