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マチネの終わりに の商品レビュー

4.1

658件のお客様レビュー

  1. 5つ

    253

  2. 4つ

    204

  3. 3つ

    127

  4. 2つ

    28

  5. 1つ

    9

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2024/06/24
  • ネタバレ

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美しい話だなというのがまず感想。3回しか会ったことがないとは思えないほど、蒔野と洋子の愛と人生は深いなあ。 すれ違いのシーンからはハラハラしすぎて一気に読んでしまった。三谷ーーー。すれ違いがなければ結ばれていたのかもしれないけど、そしたら今の人生はなかったんだよね。2人は結ばれない運命だったかもしれないし、結ばれなかったからこそ今幸せなのかもしれない。"未来は常に過去を変えている" この言葉が最初から最後まで胸に沁みるお話でした。 最後再会できてよかったけど、その後どうなったのーーー気になる。読者に続きを想像させる、素敵な終わり方でした。

Posted byブクログ

2024/05/25
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感想 大まかな流れ自体はありふれた恋愛小説だが、ここまで人の内面や自分のバックグラウンドと社会情勢を細やかに、そして心情描写と絡めながら書いたものは見たことがなかった。 若い時のように勢いだけでは乗り切れない恋と自分の立場や物理的な距離など二人の恋路を苦労させるものが多いなぁ。 そしてなんで大事な時に携帯落とすかなぁ。 あらすじ クラシックギタリストの蒔野は40歳で演奏者として脂がのってきた時期であったが、自分の最近の演奏に納得がいかず悩んでいた。洋子は40代でジャーナリストとしてフセイン政権後のイラクに赴き、精力的に取材していた。アメリカ人のフィアンセとも結婚間近で充実していたが、イラクで自爆テロに遭いそうになり、人生について見つめ直す。そんな二人は一度の邂逅でなんとなく惹かれあっていた。 単純な恋愛モノではなく、お互いの成り立ちや立場がある程度確立した中で、芸術性や価値観、社会の変化など考慮されつつ、内面が惹かれあってゆく。すれ違い、誤解、それぞれの生活と時の流れ。濃密だった二人の時間は最後に再び邂逅という形になる。

Posted byブクログ

2024/05/22

ただただ切なく美しい。 それぞれの苦悩を感じながらもこの世界観に浸っていたい。 「あの本読みました?」のTV番組で平野氏に興味を持ち読んでみたが、新たな読書体験になった。

Posted byブクログ

2024/05/10

『空白』以来、平野作品二作目。ほとんど読まない恋愛小説だったが、そんな私でも作品世界にどっぷりハマりました!恋愛関係って複雑で本当に些細なことで壊れてしまうものですね…。あのとき二人が少しでも若ければすれ違うこともなく、結ばれていたと思うのですが…。歳をとって、相手のことをより考...

『空白』以来、平野作品二作目。ほとんど読まない恋愛小説だったが、そんな私でも作品世界にどっぷりハマりました!恋愛関係って複雑で本当に些細なことで壊れてしまうものですね…。あのとき二人が少しでも若ければすれ違うこともなく、結ばれていたと思うのですが…。歳をとって、相手のことをより考えられるようになったことがひとつの原因のように思いました。それにしても恋愛要素抜きにしても、世界情勢や音楽、仕事と生活、父と子・・いろんなテーマがあり読み応えのある読書体験でした。最後はこれしかないな!って、終わり方で個人的にはとても良かったです(^^)

Posted byブクログ

2024/05/07
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こんなすれ違いってあるか!? ふたりとも饒舌なんだからもっと追求すればよかったのに!忖度し過ぎだよこれだから日本人は(言い過ぎ) まぁでも5年くらいならいいか(何が?) フィリップが一貫していい男だ

Posted byブクログ

2024/05/11

冒頭は、文章の表現が少し難解で蒔野と洋子の出逢いまでは淡々と読み進めていましたが、その後は惹き込まれました。 人生経験を積み、その人なりの信念、価値観や生活スタイルが固まりつつある年齢で、自分の世界観を広げたり、お互いの感性が響きあい、今まで感じたことのない感情を抱かせてくれる...

冒頭は、文章の表現が少し難解で蒔野と洋子の出逢いまでは淡々と読み進めていましたが、その後は惹き込まれました。 人生経験を積み、その人なりの信念、価値観や生活スタイルが固まりつつある年齢で、自分の世界観を広げたり、お互いの感性が響きあい、今まで感じたことのない感情を抱かせてくれる人との出逢いは、会った回数が問題ではなく、人生に大きな影響を与えると思う。 蒔野と洋子はお互いを想うその感情に素直になりたい衝動を感じつつも、自分だけが勘違いしているのではないかという疑念、それを打ち消す気持ち、冷静に自分の状況、仕事や人間関係を考えて大人としてあるべき対応、理性的であることが賢明と思いつつ、次の扉を開く。 けれども、お互いの歯車は噛み合わずに、すれ違いを重ね、その間にそれぞれが人生の選択を重ねて時が流れる。 どんなに惹かれあった過去があっても、新しい生活により、現在に過去のままお互いの気持ちが留まることはない。感情や気持ちが変わらなくても、その感情は心の奥深くに沈められていく。 早苗が犯した罪の後、洋子の日本滞在中の蒔野と洋子の心情を思い、人の気持ちがすれ違っていくさまを読み進めるのが苦しくて辛すぎました。

Posted byブクログ

2024/05/04

私には話が難しくて、あまりのめり込めなかった。 誰のことも責めない2人がとても大人で、それがまた、切なかった。 終わり方が綺麗だったけど、その先どうなったかすごく気になる。

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2024/04/30

前半はわりと物語のテンポがゆるく、じっとりしっとり進みますが中盤の劇的展開から目が離せなくなりました 作中では40前後の主人公たちですが、余りにも落ち着いた言動から一回り上ぐらいのイメージで読んでいました(出産できる年齢ではないですが)。平野さんの紡ぐ言葉が美しすぎるせいですかね...

前半はわりと物語のテンポがゆるく、じっとりしっとり進みますが中盤の劇的展開から目が離せなくなりました 作中では40前後の主人公たちですが、余りにも落ち着いた言動から一回り上ぐらいのイメージで読んでいました(出産できる年齢ではないですが)。平野さんの紡ぐ言葉が美しすぎるせいですかね、映画のキャストぐらいがしっくりくるほど大人びていました

Posted byブクログ

2024/04/25

平易に書いてしまうととってもベタな40代の恋愛小説なので、そう読まないほうが良いと思います。前段にそう作者が前置きしているのに、私はそのように読んでしまってこの微妙な評価です。(運命的な出会い→ 第三者の嫉妬からすれ違い →なんやかんやそれぞれ苦悩して立ち上がって→再会エンド) ...

平易に書いてしまうととってもベタな40代の恋愛小説なので、そう読まないほうが良いと思います。前段にそう作者が前置きしているのに、私はそのように読んでしまってこの微妙な評価です。(運命的な出会い→ 第三者の嫉妬からすれ違い →なんやかんやそれぞれ苦悩して立ち上がって→再会エンド) 芸術家の苦悩/スランプや、PTSD、嫉妬、情や運命。過去と未来の捉え方等、色々と要素が散りばめられて織りなされる小説として読みましょう。それを加味しても第三者の嫉妬からすれ違いのところで読むのやめようかと思っちゃいましたけどね。

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2024/04/21

人は誰でも、理解されたい では、天才はその願望がみたされるのか? 天才でなくとも誰しも、人とは違う、オリジナリティの意識はあり、理解し合える人との出会いは、一生で一度あるかないか… 本書は、そういう誰でも持つ未熟な願望と、天才ギタリスト、国際的ジャーナリストという稀有な生き方と...

人は誰でも、理解されたい では、天才はその願望がみたされるのか? 天才でなくとも誰しも、人とは違う、オリジナリティの意識はあり、理解し合える人との出会いは、一生で一度あるかないか… 本書は、そういう誰でも持つ未熟な願望と、天才ギタリスト、国際的ジャーナリストという稀有な生き方とを結びつけることにより、人生の選択というテーマを儚なく描いた小説である。 著者の作品は初めてだが、とにかく言葉選びが濃い、なぜそこでそんな比喩が?な表現のオンパレード。小説の核を追うだけなら、はっきり言って余分な気もするし、いちいち気にして味わっていたら数ページで日が暮れる、または夜が明ける…だが慣れてくると、あまりに重ねてくる表現がだんだんクセになって面白い。 物語の先も気になるので、ついページを繰りたくなるが、我慢してじっくり味わいたい。

Posted byブクログ