白昼夢の森の少女 の商品レビュー
あとがきによると『本には収まらずに埋もれていた作品と、アンソロジーに収録された作品をあわせてまとめた』作品集らしい。 なのでページ数もテイストも様々。 個人的には初期作品のような、怖いけれどどこか切なく物悲しいようなテイストが好きなのだけど、パニックSFやブラックな話、ナンセンス...
あとがきによると『本には収まらずに埋もれていた作品と、アンソロジーに収録された作品をあわせてまとめた』作品集らしい。 なのでページ数もテイストも様々。 個人的には初期作品のような、怖いけれどどこか切なく物悲しいようなテイストが好きなのだけど、パニックSFやブラックな話、ナンセンスなものが多かった。 印象的だったのは表題作。 突然伸びてきた植物の蔓に体を貫かれて繋がった人々。繋がったのは体だけでなく意識まで。 大変な事態の筈なのに、人々の意識は静かで穏やかで夢のような世界。 他に永遠に旅をする「銀の船」や、人と違う景色を見る「夕闇地蔵」も良かった。 「和菓子のアンソロジー」は読んだはずなのに「古入道きたりて」はすっかり忘れている。和菓子がテーマだったとは。
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最近のゲームっぽいのはついていけなかったけど この短編集は、「これぞ恒川幸太郎だ」という感じでしょうか。 『布団窟』が、怖くて好き。 『古入道来りて』も好き。和菓子のお題でこう来たか。
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面白かった。未収録の話をまとめたようで、いろんなテイスト・長さの話が混在していたけど、どれも恒川さんらしいリアルな非現実を堪能できた。 特に銀の船が好き。永遠に生きるっていうのは、楽しいもんではないのかもしれないね。
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短編10作。 10年間に放った様々な作品たち。 それぞれにそれぞれ。 「銀の船」にような作品が読みたいなあ。
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待ちに待った恒川光太郎の最新作。いろんな媒体に載ったものを集めた短編集です。媒体によってページ数が違うので残りページで展開を想像しづらいという、わたくし好みのニッチな嬉しさもあります。 さらにいつものふんわりと幻想的なタッチの作品もあれば、なかなかのダークファンタジーっぽいものも...
待ちに待った恒川光太郎の最新作。いろんな媒体に載ったものを集めた短編集です。媒体によってページ数が違うので残りページで展開を想像しづらいという、わたくし好みのニッチな嬉しさもあります。 さらにいつものふんわりと幻想的なタッチの作品もあれば、なかなかのダークファンタジーっぽいものもあり。バラエティに富んでおります。 ただまあ「これが面白かった!!」という強く印象に残ったお話も残念ながらなかったかな、と。。。やっぱり恒川ワールドは長編のがっつりと楽しみたいかなーと。
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なんと想像力豊かな物語の数々なんだろう。 いつも恒川さんの作品には「参りました!」の思いを抱く。 色々なタイプの不思議があり、どの話も凝っている。 タイトル「白昼夢の森の少女」も、どこからこの話を思いつくの?と聞いてみたくなる。 表紙の不思議な絵がまさしくそれを物語っている。
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短編集10編 ふと気づくとそこに広がる異世界,その何気なさが怖い. 蔦と同化してしまう人々を描いた「白日夢の森の少女」ヤハタさんお帰りくださいと言って難を逃れないとダメな「傀儡の路地」,ホラーではないが「平成最後のおとしあな」が良かった.
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怪談にファンタジーに都市伝説に戦争小説といろいろあって、全部好みだった。変わり種で『平成最後のおとしあな』が印象的。
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個人的には表題の白昼夢の森の少女と、銀の船、傀儡の路地が好きだった。現状を抜け出したとしてそれは幸せなのか、自分が思うほどうまくいかないよねという話が多いところが好き
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集だと思わずに読んでいたので、それぞれの物語に出てくる事物がいつか回収される伏線だと信じ、心に留めていました。例えば、四角いコンクリートの建物、20万円、シーサーの置物などなど。 どの物語も幻想的で面白く、これらが回収されるラストにはさぞかし凄まじい傑作になるに違いない!これは間違いなく星5つ!と思っていましたが、あらあら短編集でした。 そんなわけで自分勝手な期待の妄想の喪失により、星4つ。 でも本当に面白かったです。 さすが恒川ワールド、いつも楽しませてくれます。 「古入道きたりて」は既読でした。
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