白昼夢の森の少女 の商品レビュー
すごく読みやすい文体やけど、内容はあんまり好きじゃない話が多かった。 でも、『銀の船』『平成最後のおとしあな』は面白かった。 銀の舟や傀儡の路地は残された側の気持ちが、私にはひしひしと感じられて、なんとなく怖くなった。
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平成最後のおとしあな…シュールである意味怖かった。恒川さんっぽくないような、あるような。 久しぶりに恒川さんの世界を堪能しました。でもできれば長編が読みたいです。
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軽めのホラー&不思議な話の短編集。 世にも気妙な物語の大人向け版、という印象をもった。エログロではないのだが、子どもの頃に読んでいたら、ちょっと暫く引きずりそう(褒め言葉)。奇妙さが一段のフェーズでは完結せずに、もう数段下まで進んでいくというか。。 空飛ぶ船上の町が出てくる「銀の...
軽めのホラー&不思議な話の短編集。 世にも気妙な物語の大人向け版、という印象をもった。エログロではないのだが、子どもの頃に読んでいたら、ちょっと暫く引きずりそう(褒め言葉)。奇妙さが一段のフェーズでは完結せずに、もう数段下まで進んでいくというか。。 空飛ぶ船上の町が出てくる「銀の船」、人の行動を操る“ドールジェンヌ”が出てくる「傀儡(くぐつ)の路地」が好き。
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コンティニューの話と相性が悪くて途中で放りだそうかと思ったが最後まで読んで良かった。緑禍された人は税金を払ってないとか難癖つけてくる人がいるとか、皮肉がきいてて面白い。
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人間の身体を侵食していく植物。それが町を覆い尽くしたその先とは…。美しくも残酷、自由にして哀しい白昼夢。彩りに満ちた10の短編を収録する。作品解説として作者のコメントも掲載。 さすがに10篇もあると玉石混交感は否めなかった。ただ巻末の各作品に関する作者のコメントの中で「ホラー作...
人間の身体を侵食していく植物。それが町を覆い尽くしたその先とは…。美しくも残酷、自由にして哀しい白昼夢。彩りに満ちた10の短編を収録する。作品解説として作者のコメントも掲載。 さすがに10篇もあると玉石混交感は否めなかった。ただ巻末の各作品に関する作者のコメントの中で「ホラー作家という立ち位置でいつもの雰囲気、展開をくり返していると割に早い段階で袋小路にはまることが予測できる」と記しているのが興味深かった。確かに最近はあの作風の作品が鳴りを潜めている。わたしはあの雰囲気が好きだったのだけれど。 (Ⅽ) 2019年の読書はこれで終了。120冊読んでA評価は8冊(前年比+1)、B評価で☆5つが9冊(前年比-14)でした。
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ダークファンタジー短編集で、全編面白かった。「夜市」のような、一昔前の日本独特のじめっとした世界観から、「スタープレイヤー」のようなRPGゲームのような世界観まで、さまざまなテイストの物語に引き込まれた。表題作の「白昼夢の森の少女」は、植物がネット社会のメタファーのような、また新...
ダークファンタジー短編集で、全編面白かった。「夜市」のような、一昔前の日本独特のじめっとした世界観から、「スタープレイヤー」のようなRPGゲームのような世界観まで、さまざまなテイストの物語に引き込まれた。表題作の「白昼夢の森の少女」は、植物がネット社会のメタファーのような、また新しい不思議な世界観を見せてくれた。この短編集で、恒川さんの引き出しの多さに、改めて感服です。
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読後、ちょっと途方に暮れたような不思議な気分になった。これはどういうお話だったんだろう。面白かったねぇというカタルシスはない。でも、なんか最後まで読んでしまったというような、ここが良かったなんてうまく言えないんだけど、不思議な魅力があったのだと思う。いや、これはなあに?というクエ...
読後、ちょっと途方に暮れたような不思議な気分になった。これはどういうお話だったんだろう。面白かったねぇというカタルシスはない。でも、なんか最後まで読んでしまったというような、ここが良かったなんてうまく言えないんだけど、不思議な魅力があったのだと思う。いや、これはなあに?というクエスチョンが、最後のページまで運んでくれた、という感じかなぁ。 『古入道来りて』 読後、目次を見返して、あぁこの話あったなぁ、と。本で最初の作品で、なんかずいぶん前に読んだ話なんだけど、でも強い印象を残しているというか。こういう話とはやっぱり言いづらいんだけど、一番魅力がわかりやすくもあったかな。 『焼け野原コンティニュー』 なるほどこういうのがパニックSFというのか。なんかアイアムアヒーローとか、そういう系統を思い出した。ぜんぜんちがうといえば、ちがうけど。 『白昼夢の森の少女』 SFだなぁ、という話だね。自意識が集団と不分明になっていくあたりを物語として描いてくれるような。 『銀の船』 けっこう、えー?と思いつつ、最後まで行ったような。永遠の命を与えられるというのは、こういうことなのかもしれない。 『海辺の別荘で』 ショートショート感が、けっこうあるね。ショートショートではないのかもしれないけど。このあとどうなったんだろう、実際のところ、彼と彼女はどういう人で、暗示されているようなつながりがあったんだろうか、という奥行きを感じさせてくれる話、かな。 『オレンジボール』 うーん。よくわかんないけど、なんだろうね。 『傀儡の路地』 いやぁ、なんかイヤな怖さだったな。こういうのには会いたくない。 『平成最後のおとしあな』 あぁ、落とし穴ねぇ。奇妙な話ではあったけど、読後なんかシュールな絶望感を感じたな。 『布団窟』 実話なんだ。これもまた、奇妙な、シュールなイメージを喚起させてくれる話ではあったかなぁ。年を取った自分が、なんて奥行きがこの人の魅力なのかもしれない。 『夕闇地蔵』 最後の作品を読んで、ふと思った。『古入道きたりて』とこの作品。本書の最後と最後の話が、『夜市』とかこの著者の本を始めて読んだときの感覚を思い起こさせる作品だったのかもしんないなぁ、と。こういう話とはいえないんだけど、妙に引き込んでくれるというのが魅力なんだろうね。
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単行本未収録をまとめたそうなのでいろいろなテイストがごっちゃになっていますが、それでもすべてが恒川さんらしい短編集でした。「古入道きたりて」「夕闇地蔵」が心をぎゅっと掴まれ泣きそうになるほど特別好き。短編なのに読み終わりたくなかった。表題作や「銀の船」「傀儡の路地」のようなSFも...
単行本未収録をまとめたそうなのでいろいろなテイストがごっちゃになっていますが、それでもすべてが恒川さんらしい短編集でした。「古入道きたりて」「夕闇地蔵」が心をぎゅっと掴まれ泣きそうになるほど特別好き。短編なのに読み終わりたくなかった。表題作や「銀の船」「傀儡の路地」のようなSFもらしくてとてもよかったけれど、印象深かったのは「布団窟」のそこにありそうな怖さと「平成最後のおとしもの」の落としどころ。これは人によって好きな作品が違うだろうから、いろいろ話すのが楽しそうです。何度も読み返したい一冊です。
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植物に侵されたもの同士で共通意識を持つようになった人々の穏やかで奇妙な生活を描いた表題作ほか、年を取ることなく永遠に生きられる船での人間模様を描く「銀の船」、人形を持った女の言葉に逆らえなくなる「傀儡の路地」など、いずれも不可思議さと独創性ある設定が魅力的な短編が揃った一冊です。...
植物に侵されたもの同士で共通意識を持つようになった人々の穏やかで奇妙な生活を描いた表題作ほか、年を取ることなく永遠に生きられる船での人間模様を描く「銀の船」、人形を持った女の言葉に逆らえなくなる「傀儡の路地」など、いずれも不可思議さと独創性ある設定が魅力的な短編が揃った一冊です。 作者といえばやはりホラー、心理的にじわっとひたひたと迫ってくる恐ろしさを描くという印象が強いのですが、今作は恐ろしさよりも、人の脆さや哀しさという「サガ」を、彩りの違う舞台に載せて描いている、という感じがしました。 表題作と「銀の船」は、人ならざるものの力で人の力ではたどり着けない安寧を得つつも、そこから逃れざるを得ない人という器の限界を淡々と描きます。「夕闇地蔵」では己でも制御できないタガの外れた人間の業と怪異を相対させ、やはり人の愚かさがあらわにされます。 これらでは、人間とはこういうものだという限界と、人ではないモノどもの途方もない存在の対比が鮮やかに描かれています。そうして、人はヒトでないものにはけっして敵わない弱い存在だと思わされつつも、それでも、負けていてさえも、間違っていても、人間たちをいとしく、応援したくも感じるのです。 そう感じたのはなぜか。 それは、泥臭くも愚かしくも、人は人として生きるしかなく、手の届く範囲でしか行動できない。そう理解しているからこそ、世界を自在に蹂躙する存在を恐れ、敬う。その「力関係」こそ、科学万能なこの時代にこそ意識しないといけないのかな、などと(これはちょっと飛んだ感想ですが)思ったからかな、などと考えたのでした。
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久しぶりにこの作者の本を読んだけど、 あいかわらずすぐに物語へと引き込む力を持っていて 毎回ハズレがないなと思った。 以前の幻想的な作品と比べると 少々奇想天外な感じのものが増えた気がする。 それでも違和感なく着地するのは やっぱり読んでいて楽しい。
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