世にも危険な医療の世界史 の商品レビュー
科学は、このような試行錯誤や、間違った知識・盲信・幻想を乗り越えて、徐々に進歩してきたのだな、と思った。 現代人が読むと、実に愚かで非科学的すぎて笑ってしまう。 それでも、結局「今」の人たちも同じ。 昨今の567騒動・枠珍騒動は、いつかこの本の続編に取り上げられることだろう。 ...
科学は、このような試行錯誤や、間違った知識・盲信・幻想を乗り越えて、徐々に進歩してきたのだな、と思った。 現代人が読むと、実に愚かで非科学的すぎて笑ってしまう。 それでも、結局「今」の人たちも同じ。 昨今の567騒動・枠珍騒動は、いつかこの本の続編に取り上げられることだろう。 人間は、いつまでたっても愚かで感情的で、近視的で、妄想にとりつかれたら逃れにくい滑稽な生き物なのだろう、と思う。 痛々しくてぞっとする恐ろしい話もつまっている。 ロボトミーについては、以前も別の本で調べたことがある。 何度読んでも、恐ろしい。 この内容を知っているだけでも、「ノーベル賞」というものを少し冷めた目で見ることができる気がする。 「ノーベル賞の言うことは信じる」などと言い、外でもマスクをするという恥ずかしいことをすることは、回避できる。 マラソン中に水を飲まない「脂抜き走法」というものがあったらしい。 気温30度台で水を飲まずにフルマラソンとは、命知らずだと思う。 1904年オリンピックマラソンは、非常に爆笑物のエピソードが満載なので、またじっくり調べるのも楽しいかもしれないな、と思った。 よく調べて書かれている本だった。 面白かった。
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瀉血を始まりに、毒物や麻薬、電気や磁気、肉を焼いたり脳みそをかき回し、ついには人肉を薬にする。その一部は現代にも伝わっている。 近世から近代にかけて未検証の医療措置がいかに行われていたのか。途中やや体がムズムズする… 10頁くらいの面白い文章が読み易く楽しめる。 四体液説や身体の...
瀉血を始まりに、毒物や麻薬、電気や磁気、肉を焼いたり脳みそをかき回し、ついには人肉を薬にする。その一部は現代にも伝わっている。 近世から近代にかけて未検証の医療措置がいかに行われていたのか。途中やや体がムズムズする… 10頁くらいの面白い文章が読み易く楽しめる。 四体液説や身体の電磁的バランスなど、思考の基本のところはやや見えてくる。良書。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第一部 元素 水銀 結構日本でも使われてた形跡有りw アンチモン 強制デトックスって・・・ ヒ素 パンにつけて食べる。マジか? 金 アルコール依存を治す・・・だと? ラジウム 光る水は万能薬とか、嘘だ〜 ラドン 軟膏、石鹸、歯磨き粉にまで使用って(-_-;) 第二部 植物と土 アヘン ぐずる子供に。確かにおとなしくなるよね。二度と目を覚まさないかもしれないけど。 ストリキニーネ 殺鼠剤。コレが、エナジードリンク? タバコ 癌に効くと謳われたそうな。 コカイン コカ・コーラのコカが。現代では風味として残っているとか。 コカイン入りのワインは著名人(コナン・ドイル、フロイト等)も愛用・・・ アルコール 寒い地域での穀物からの蒸留にジェニパーを加え、ジンが出来る。 土 ペストになったら粘土を食べよう!ンな馬鹿な!美容に・・・良いんですかぁ? 第三部は器具 瀉血 理髪店のサインポールはここから来てる。けど、死にかけの人から血抜くこと無くね? ロボトミー いやいやいや、これマジに怖いわ。脳をスプーンで掬い出すやら、混ぜる… 最後はコントミンに救われる(1967年)… 熱灼法 皮膚に二焼程度の火傷を負わせて体液を出す。何をそうまでして、拷問のような治療が・・・ 浣腸 いや、流行ってた時があったのは知ってたけど流石にルイ14世が生涯で2000回もしてたって。 何故、そこまで拘ってたのか?謎です。 水治療法 今でも残る治療法。サウナやジャグジー等。 アメリカで、1835年には「3週間に一度に浸かるのは浸かり過ぎか?」という… お風呂文化万歳! 外科手術 いやいやいや、 麻酔ナシでの切断とかないから!悲鳴が響く不衛生なオペ室怖いから! 麻酔 これが無いと外科医は発達できなかったかも…。しかも、ほぼ全員が自分で試している。 第四部は動物 ヒル 瘀血に使われるヒル。…良いのか? 食人 カニバリズム。昔は悪い部分を治すために食べてたのか。 動物の身体 男性としての魅力を増すために、ヤギの睾丸やヒヒの睾丸を移植。スゲー。 セックス ビクトリア朝では男性医師に女性患者が生器をマッサージしてもらって…って(-_-;) 時代なんだ。うん。 断食 38歳、23キロで死亡。当たり前です。当時は悪いものを体に入れないのが流行ってた。 第五分は神秘的な力 電気 電気で筋肉が収縮する事は既に承知だが、当時は「死人が生き返った」と見られたらしい。 動物磁気 ハンドパワー。いわゆる「催眠術」と。 光 青い光は体に良いらしい…よ?? ラジオ・ニクス 遠隔治療が出来るそうで、メスもクスリも要らないって(;´∀`) ローヤルタッチ 王に触ってもらうだけで、頸部リンパ節結核が治ると信じられ。 昔の人達の間違った先入観と、結果を無視した使用法。 Σ(゚Д゚)スゲェ!! の一言。 性的エネルギーでライヒ登場w
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内科医(リディア・ケイン)とジャーナリスト(ネイト・ピーダーセン)の二人がタッグを組んで著した医療の歴史に関する本です。 「トンデモ医療」「インチキ療法」と銘打たれてはいるものの、「未熟だった医療の過程がどのように発展してきたのか?」という面を見ることもでき、一方で「医療にかこ...
内科医(リディア・ケイン)とジャーナリスト(ネイト・ピーダーセン)の二人がタッグを組んで著した医療の歴史に関する本です。 「トンデモ医療」「インチキ療法」と銘打たれてはいるものの、「未熟だった医療の過程がどのように発展してきたのか?」という面を見ることもでき、一方で「医療にかこつけて金儲けをたくらむ人々がどう生きてきたか?」という側面を見ることもできる一冊です。 生きている間はできるだけ楽に過ごしたい。治療となれば一刻も早くと思う人間心理を巧みに突いてくる「流行の薬」や「英雄的医療」。 読み進めるにつれ、人間の業渦巻く世界を上から眺めているような気持ちになりました(自分もその世界にいるにも関わらず……笑)。 流行や時流に乗っかって儲けたい人達のトンデモ医療と、真面目に患者の病気を治癒させたいと願う(未熟な)医師たちの医療行為がごちゃ混ぜになっている歴史のある一点、そしてその経緯を拾い上げている本である。そんな風に思いながら読み進めているのに、ふとある瞬間から、「これって現代も同じかもしれないな」ということに気づきます。 年代が進むにつれて、医師会や学術雑誌などがトンデモ療法を追い詰めていく様も記されていて、医療はどんどん進化しているなと感じさせられるのですが、その一方でいまだに形を変えて残っているトンデモ医療もぽつりぽつりと……がんに苦しむ人達にどんどん迫ってくる「個人の感想です」に縁どられた商品の数々や、今でも残っている、スピリチュアルな度合いの強い〇〇療法などに覚えがありませんか。 そう、現代もまだまだ医療史は続いているというわけです。 個人的には、コロナ禍の真っただ中に読んだことで、この本の意味合いは一層引き立ったように感じられました。「どうすれば用心深くて聡明でオープンマインドな消費者になれるのか?」という問いに答えている「はじめに」(p8~)の項目は必見です。
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「生まれる時代が違ったら あなたも受けていたかもしれない… 科学を知らない人類が試みた、ぞっとする医療の数々」 と書かれている通り 「トンデモ医療」の歴史がぎゅっと詰まった本 梅毒にも効く~!秦の始皇帝も愛した秘薬「水銀」 嘔吐で強制デトックス~!専用杯もあった「アンチモン」 ...
「生まれる時代が違ったら あなたも受けていたかもしれない… 科学を知らない人類が試みた、ぞっとする医療の数々」 と書かれている通り 「トンデモ医療」の歴史がぎゅっと詰まった本 梅毒にも効く~!秦の始皇帝も愛した秘薬「水銀」 嘔吐で強制デトックス~!専用杯もあった「アンチモン」 あなたもすぐに美しく!パンに塗ってどうぞ~「ヒ素」 夜の性生活が不安!?すぐに解決「ストリキニーネ」 ペストになったら聖なる土を食べて健康に!「土食」 体調不良ならこれ!ヒルを肛門に突っ込んで内臓から瀉血 怪我をした?すぐにこれを塗ればOK!「人間の脂」 若くなりたい?ではヤギの睾丸を移植 子供が挙動不審?すぐに脳を切り取りましょう「ロボトミー手術」 断食で全ての体調不良を解決! 読めば必ず「ひ~!」となる治療方法が盛りだくさん 人類のこんな失敗を繰り返して医療って発達してきたんだね~ この本読んで本当に今の時代に生きていることに感謝! なんて思うなかれ! よくよく読んでいると、そんなに遠くない時代まで実行されていたこともあるし、「インチキ医療」なのに効くと信じられて実行されているものもあったりするのよ~。 例えば浣腸 宿便とかなんとかブームになった時に「コーヒー浣腸」ってしてる人もいたし、今も断食道場って人気だし… 汚れた血液をきれいにする「血液クレンジング」とかもアンチエイジングとかでひそかに施術している人もいたりする。 「●●が新型コロナに効く」やら「効かん」やらウワサも色々あるけれど、信じるも信じないもあなたしだい! で、そこに共通してあるのは「病気が治るという希望」 それ考えると「インチキ医療」と宗教は似ている なんてこと言うと非難されるかもだけど… まあこの本を読んで「さあ!水銀風呂に入ろう!」なんて人はいないとは思うけど… で、この本 訳者がすごく上手い! きっと原文もおもしろいんだろうけどそのニュアンスを日本語でもわかりやすく伝えていて素晴らしい!! しゃれたジョークなども交えてテンポよくてとっても読みやすい。 訳者あとがきも見逃せない~!
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生き延びたいという欲求のため、人は長い時間をかけて医療を発展させ、怪我や病気に対処する方法を手に入れてきた。ところが、悲しいかな健康に生きていたいという願いは技術革新だけでなくインチキ療法という形でも現れた。この本はそんなインチキ療法の見本市とでも言うべきもので、著者の皮肉の効い...
生き延びたいという欲求のため、人は長い時間をかけて医療を発展させ、怪我や病気に対処する方法を手に入れてきた。ところが、悲しいかな健康に生きていたいという願いは技術革新だけでなくインチキ療法という形でも現れた。この本はそんなインチキ療法の見本市とでも言うべきもので、著者の皮肉の効いたツッコミを読んでいるうちにページがどんどん進む。水銀や飲用金(言うまでもなく猛毒)を飲んでみたり、放射性飲料水(!)を作ってみたり、ハンドパワーに頼ってみたりとこの本で紹介されている数々の医療行為と称された何かの全てが詐欺目的なのではなく、善意を持って行われたものも多くあるのが複雑な気持ちにさせられる。 往々にして歴史は繰り返すと言われるが、それはインチキ医療にも当てはまるようだ。というのも、何か目新しいものが生み出されるたび、それが「万能薬」として宣伝され、多くの人が飛びつく(そしてしばらくして支持を失い忘れ去られる)という流れが頻出するからだ。確かにどんな病気にも効く薬があったら素晴らしいとは思うし、あったら是非ほしいところだが、現実はそんなに単純ではないということを再確認した。 何よりも最近でもこの手のトンデモな話はいくらでもあり(尻を日光浴させる人たちがいたそうで…)、過ぎ去った過去のことではない。「にせ医者の口車に乗りたくなければ、人間の身体や病気の仕組みについて理解を深める必要がある。新しい治療法や延命法が見つかった時に備えて、オープンマインドを維持する必要もある。それから警戒心を持ち続けることも大切」という『はじめに』に書かれている至極もっともなことを説得力を持って読ませる良書だった。
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章毎で読みたい記事は探しやすいかも。 よく試してみようとしたなってことばかりで、そこから現代の医療が繋がってると思うと信用して良いのか考えてしまう。
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瀉血やヒ素など、今日ではトンデモ医療とわかっているものでも、昔はこんな風に有り難がられていたのだと紹介されている。何となく知っていたものもあったけど、全然知らないものもたくさん載っていたので、とても興味深かった。トンデモ医療のトンデモな内容もさることながら、それをいち早く詐欺に利...
瀉血やヒ素など、今日ではトンデモ医療とわかっているものでも、昔はこんな風に有り難がられていたのだと紹介されている。何となく知っていたものもあったけど、全然知らないものもたくさん載っていたので、とても興味深かった。トンデモ医療のトンデモな内容もさることながら、それをいち早く詐欺に利用する目端の利く人はいつの世もいるんだなあ、と…。あと、何のエビデンスもないのに企業が大々的に「病気が治ります!」と広告を打ったりしていたという、今では考えられないことも載っていて、こちらも非常に面白かった。 内容は思った以上にボリューミー。文章はそれほど難しくはないけど、翻訳ものによくある時々ちょっとシニカルな洋画のような語り口なので、若干人を選ぶかも。
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世にも奇妙な人体実験の歴史の次に読んだ。割と内容は重なっていた部分もあったが、こちらの方はインチキとわかってやってる医療もわりと含まれていた。 この本を読むと、今現在良いとされている治療法にも、きっと後年笑われるようなそんなのも多いのだろう、歴史とは地続きなもの、というのを感じら...
世にも奇妙な人体実験の歴史の次に読んだ。割と内容は重なっていた部分もあったが、こちらの方はインチキとわかってやってる医療もわりと含まれていた。 この本を読むと、今現在良いとされている治療法にも、きっと後年笑われるようなそんなのも多いのだろう、歴史とは地続きなもの、というのを感じられた。
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トンデモ医療というものは現在も存在しているが、医療の科学的知見が乏しかった時代には、目を覆いたくなる医療行為がたくさん(それも権威ある医師によって大真面目に!!)行われていた。本書はあまり電車の中で読まない方がいい。コミカルな表現も相まって、どうしても笑ってしまう。 なかでも、...
トンデモ医療というものは現在も存在しているが、医療の科学的知見が乏しかった時代には、目を覆いたくなる医療行為がたくさん(それも権威ある医師によって大真面目に!!)行われていた。本書はあまり電車の中で読まない方がいい。コミカルな表現も相まって、どうしても笑ってしまう。 なかでも、重要な治療法とされていたのが瀉血(しゃけつ。血を抜くこと)だ。当時、病気の原因は、血液が多すぎて体内のバランスが悪いことだと考えられていた。なので、体調が悪い人からは、とりあえず血を抜いた。失恋で気が滅入った時は、心不全になるまで血を抜くことが良しとされた。極め付けに、怪我で大量出血した人からもやっぱり血を抜いたという。輸血用の血が恒常的に足りてない現代に分けて欲しい。 瀉血は19世紀まで行われた。瀉血が行われなくなると、病院の致死率は下がったそうだ(そりゃそうだ)。ちなみに、モーツァルトも、初代米国大統領のリンカーンも、体調が悪い時にこの治療を行なっており、おそらくこれが決定打となって死んでいる。 いまではゾッとする治療法をもうひとつ。水銀治療だ。水俣病の原因にもなった水銀。もちろん猛毒だ。さて水銀を服用するとどうなるか。まずトイレから溢れるほど便が出る。そして口からもよだれがドバドバ出てくる。犬の比ではない。リットル単位だ。が、これがいいのだ。(!?)さっきの瀉血の原理と似ているが、体液を体から出すことで毒素が出て、体調が良くなると考えられていた。水銀治療がよく用いられたのは梅毒患者(性病のひとつ)だ。患者たちは水銀の蒸し風呂に入ったという。たしかにこの方法だと水銀の吸収は高まるのだが。。。 これらの治療法の根底にあるのは、古代ローマ時代のガノレスが提唱した「四体液説」である。人間の体液は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁の4種類あり、これらのバランスが崩れると病気になるとする説だ。現代医療が発展するまで、かなり長い間この説が信じられていた。いま聞くと、滑稽な説だが、この考え方はある程度現代人の間にも浸透しているのではないかと思った。サウナで汗をかく「デトックス」や、腸内洗浄、血液クレンジングといった療法は程度の差こそあれこれに近いのではないか。 新型コロナウイルス対策でも、いろんな言説が飛び交っている。本書に出てくるほどのヤバいやつは流石にないが、この本を読んで「こんなバカなことしてたのwww」と笑い飛ばすだけでいいのか、現代人に問いたい。
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