今昔百鬼拾遺 鬼 の商品レビュー
中禅寺敦子が主体のミステリー。 三部作で一作目は鬼。 お兄ちゃんが出て来なかったらこんなにまで サッパリとしたお話になるんだなとw 読み易いけどあの蘊蓄が恋しくもなる……
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久々の百鬼夜行シリーズ。 今昔百鬼拾遺 鬼、河童、天狗の3作が、 3ヵ月連続でそれぞれ異なる出版社で発売されました。 いずれも中禅寺敦子と「絡新婦の理」に登場する呉美由紀がペアで解決する物語となってます。 1作1話の長編ですが、百鬼夜行本体と比べると短く、内容もポップ? な...
久々の百鬼夜行シリーズ。 今昔百鬼拾遺 鬼、河童、天狗の3作が、 3ヵ月連続でそれぞれ異なる出版社で発売されました。 いずれも中禅寺敦子と「絡新婦の理」に登場する呉美由紀がペアで解決する物語となってます。 1作1話の長編ですが、百鬼夜行本体と比べると短く、内容もポップ? なので、気軽に読めます。 一応、鬼・河童・天狗の順で読んだ方がいいでしょう。
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連続通り魔・昭和の辻斬り事件の七人目の被害者は呉美由紀の友人・片倉ハル子だった。既に犯人は逮捕されていたが、何か釈然としない思いを抱えていた美由紀は中禅寺敦子に相談を持ちかける。次第に明らかになる「刀」に纏わる因縁。本当の鬼は誰かーー事件の真相に迫る。敦子と美由紀はなかなか良いコ...
連続通り魔・昭和の辻斬り事件の七人目の被害者は呉美由紀の友人・片倉ハル子だった。既に犯人は逮捕されていたが、何か釈然としない思いを抱えていた美由紀は中禅寺敦子に相談を持ちかける。次第に明らかになる「刀」に纏わる因縁。本当の鬼は誰かーー事件の真相に迫る。敦子と美由紀はなかなか良いコンビ。終盤の美由紀の畳み掛けるような台詞は読んでいて爽快。内容が朧気だけれど、この話はもしかして「鬼談」と繋がっていたりするのかな?
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百鬼夜行シリーズのファンとして、即読了した。 テーマである鬼の知名度に似合わず、事件は本編に比べ小さく、謎も控えめ。登場人物も、敦子が合理的すぎて、めちゃくちゃな榎木津が恋しくなったりする。これまでの登場人物が登場して、スピンオフとしておもしろい。 それでも、怪しさはさすが
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昭和の辻切り事件。七人目の被害者の女学生の友人の話を聞く中禅寺敦子。被害者の彼女はとても怖がっていたという。 久し振りの百鬼夜行シリーズようやく読みました。いやあ面白い! ほぼ会話劇で展開される辻切り事件の真相。ラストシーンの胸のすく啖呵。いやあ面白い。
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いわゆる京極堂シリーズは読破してしまったので、京極夏彦からもしばらく足が遠のいていた。本書を手にしたきっかけは、文庫に書かれている紹介文に「中善寺敦子」の名を目にしたからだ。 タイトルにもあるが、テーマは「鬼」である。憑きもの落としで、その能力、つまり言霊の力を使い、難事件を解...
いわゆる京極堂シリーズは読破してしまったので、京極夏彦からもしばらく足が遠のいていた。本書を手にしたきっかけは、文庫に書かれている紹介文に「中善寺敦子」の名を目にしたからだ。 タイトルにもあるが、テーマは「鬼」である。憑きもの落としで、その能力、つまり言霊の力を使い、難事件を解決してきた京極堂の妹たる中善寺敦子が一体どんな推理を展開するか――興味を持った。日本刀による連続「辻斬り」事件。禍々しくはあるが、昭和という時代に果たして辻斬りなどという事件が起きるのか? 辻斬りと見える事件は、一見明治時代から続く因縁に捕縛されているかのような展開で、物語は進む。ここまでは、タイトルにもある通り「鬼の祟り」とも思える。 敦子と辻斬り事件の最後の被害者であるハル子の友人、呉美由紀の会話を中心に、刑事、刀研ぎ師、被害者片倉ハル子の母親と片倉家の代々の人たちの話が絡みあい、物語は進む。因縁に呪われた一家としか見えなかった片倉家だが、敦子の慧眼により、「因縁」という不合理性の殻は破られ、そこから新たな、合理性に導かれた真実が明らかになる。京極堂ほどの長広舌はないけれども――それが本書を、「読み易い」頁数にしているのかもしれないが――、妹が発する言葉もなかなか力強い。それに畳みかけるように、若さがほとばしる言葉を美由紀が、最後に叫ぶように話す場面はクライマックスにふさわしいだろう。 京極堂シリーズのスピンオフということで、本流のシリーズと比べて、テーマをひたすら深く掘り下げることはしない。深い洞察の結果、「この世に不思議なことなど一つもない」とうそぶく京極堂がいないのは、このシリーズの愛読者からすれば、やや物足りなさを感じるかもしれない。しかし、読み易い長さで、かつ小難しい歴史にまで分け入ることなく事件を解決する「今昔百鬼拾遺」シリーズは、京極夏彦の魅力を手軽に味わいたい読者の入門書として推奨されるべきであろう。これまで、あの千頁を超える物語の長さに敬遠していた者は、本書と続くシリーズで京極夏彦という作家の魅力を知ることになるだろう。 すっかり京極堂シリーズに、つまり中善寺夏彦という拝み屋に魅了された人にとっては薄味であろうが、妹・敦子もなかなか理屈っぽい。しかしその「理屈」が徐々に、絡みあい混沌さを増す事件を解きほぐし、事件の構図を詳らかにしていく過程こそ、京極堂シリーズの真骨頂なのだ。これらのシリーズを通して、読者は言葉が持つ力の強さを知ることになる。 「今昔百鬼拾遺」シリーズは河童、天狗と続くらしい。第一弾の「鬼」を手にした以上、近いうちにこれらも読むことになる。兄の周りほどは癖のある人たちはいないが、本書ではまだ女子高生という美由紀のキャラクターが、新境地を切り開いたように思う。残りのシリーズを読むのが、今から待ち遠しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初京極夏彦です。260ページなので確かに読むのは大変でなかったです。ただ、シリーズものらしいので、この本では登場しない、おそらく本編で出ているらしい登場人物の名がよく出て来るので、やっぱり薄いからと言ってシリーズものの前のを読まないで突然読むのは、本来良くないのかも。 あと、これは私が勘違いしていたのが悪かったのですが、タイトルの響きから、ホラーと思い込んでいて、超常現象がある世界、今に鬼やら魔物やらが登場するのだろうと思い込んでしまっていたため、「あれ?」でした。超常現象は無い、恐ろしいのも犯行を実行するのもあくまで人という世界らしいと気がつけば、犯人自体は予想が当たった感じ、納得いく結末でした。 面白いと思った個所:ネタバレあります。 (p.52)敦子が賀川に語るでっちあげの研究内容、「殺人事件が起きた時、どれくらい距離が離れれば認識が変わるのか」、実際、こんな研究されていたら興味深い。人には共感力があり、他者の不幸や事故に親身になれる一方で、他人事、一瞬後に通常生活に戻り、ご飯も食べたりするのは実際あると思うので。 (p.109)「不幸な諸事は、多く理不尽で不条理なものである」「判り易い原因を用意し、安定した構図に放り込むなら、理不尽も不条理も解消してしまう」「人は安定を求める。時に差別的な眼差しを抱え込んでまでも安定を求めるものである」 この部分は、非常に行動経済学らしいというか、様々な場面で心の安心を得るために、〇〇になったのは××だから(私は××でないから大丈夫)というような、バイヤスは気づかず自己防衛で行っていそうに思います。 (同)「抗えない故に、人は多くその超自然的で神秘的な理念を、今度は信じないと云う方法を取る。この先待受ける不幸を回避するために」「信じようが信じまいが、人の想いとは無関係に起こることは起きる」「用意された構図に当て嵌まってしまうことがある」「信じないようにしていた超自然的で神秘的なものを、信じざるを得なくなる」という流れ、最初に読んだ時には、超常現象有りの世界を語っているのだと思って読んだのですが、読み返すと、なるほどと正反対の理論がキッチリ納得の形であったことに、やっと気づきました。 (p.117)「祟りだとか呪いだとか因縁だとか、そういう話に掏り変えちゃうと」「現実から目が遠退いちゃう」「全部お話にしちゃう感じ」「言葉と云うのはそう云う効果を持っている」「事実も簡単に捻じ曲がる。記憶も改竄される」 同様にココも、読み返すと一層なるほどと印象に残った。挿入されたこういう言葉を、つい作中のことに対する説明としてだけでなく、他に当て嵌まるリアルな世界のことが作中にメッセージとして挿入としているように読めました。
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鬼が悪いのか。人が悪いのか。モノが悪いのか。 京極にしては短すぎるので病院の待ち時間で殆ど読んでしまったぞ。
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やっと読み終わった〜! 去年の10月位から読み始めて、途中で挫折しそうになって……。 京極夏彦さんの本は1度「姑獲鳥の夏」を買ったは良いけど、何となく難しくて手放したから、今度はー!と思ってたけどやっぱ乗るまで時間かかるなぁ。 鬼ってその鬼かー!!って思った(笑) 思わず1人で叫...
やっと読み終わった〜! 去年の10月位から読み始めて、途中で挫折しそうになって……。 京極夏彦さんの本は1度「姑獲鳥の夏」を買ったは良いけど、何となく難しくて手放したから、今度はー!と思ってたけどやっぱ乗るまで時間かかるなぁ。 鬼ってその鬼かー!!って思った(笑) 思わず1人で叫んだ。 そうなると、確かに怖いねぇ、刑事が言うような理屈じゃ通らない事なんだろうね……? 京極夏彦さんの本読みたくなってきたので、探してみようかな〜!
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久しぶりの京極夏彦でした。京極堂シリーズの「絡新婦の理」からのスピンオフ的な中編ですが同書を読んでいなくても大丈夫だと思います。ただ同シリーズ未読だと独特の読みにくいけど癖になる文体がとっつきにくいかもしれません。京極堂シリーズの登場人物は軽く触れられる程度ですがそれでもにやりと...
久しぶりの京極夏彦でした。京極堂シリーズの「絡新婦の理」からのスピンオフ的な中編ですが同書を読んでいなくても大丈夫だと思います。ただ同シリーズ未読だと独特の読みにくいけど癖になる文体がとっつきにくいかもしれません。京極堂シリーズの登場人物は軽く触れられる程度ですがそれでもにやりとしてしまいました。というか新作が読みたいですねー。
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