同潤会代官山アパートメント の商品レビュー
ビブリオシリーズ、軽くかじっただけで読了とまでいかなかったが、このお話はぐっと胸に刺さった。 同潤会アパートについても調べるきっかけにもなったし、日本の建物の歴史についても学べてまた新しい世界が広がったように思う。 登場人物がとてもシンプルすぎるくらいにシンプルなのが読みやすかっ...
ビブリオシリーズ、軽くかじっただけで読了とまでいかなかったが、このお話はぐっと胸に刺さった。 同潤会アパートについても調べるきっかけにもなったし、日本の建物の歴史についても学べてまた新しい世界が広がったように思う。 登場人物がとてもシンプルすぎるくらいにシンプルなのが読みやすかったし(笑)、同潤会アパートへの深い思い入れが各世代に受け継がれていたのも感慨深かった。ゆったりとしているけれど、確実に時は流れていてその中で必死に逞しく歩んでいるみんなが最高にいとおしい。 読後感もとてもよく、作家さんの別の作品も気になりだした。
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ビブリオシリーズ以外の作品初読み。 大河ドラマのような話だった。 同潤会アパート、子供ながらに憧れたなぁ。 代官山にあったのは知らなかったけど。 妹の愛子がなくなって、その婚約者と結婚し、子供が産まれて脈々と受け継がれ、家族になっていったんだなぁと思うと、感慨深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1927年から1997年までの70年間、とある家族の歴史が描かれる。 舞台は同潤会代官山アパート。 1923年の関東大震災と1995年の阪神淡路大震災が影を落とす… 家族の変化、アパートの変遷が時代の流れとともに丁寧に描かれ読み応えも十分。 人の優しさ、温かさが感じられる物語。
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私たちは、かなしみを乗り越えるために〝家族〞になった――。関東大震災で最愛の妹を喪った八重は、妹の婚約者だった竹井と結婚したが、最新式の住居にも、新しい夫にも、上手く馴染めない――昭和と共に誕生し、その終焉と共に解体された同潤会代官山アパート。そこに暮らす一家の歳月を通して、時代...
私たちは、かなしみを乗り越えるために〝家族〞になった――。関東大震災で最愛の妹を喪った八重は、妹の婚約者だった竹井と結婚したが、最新式の住居にも、新しい夫にも、上手く馴染めない――昭和と共に誕生し、その終焉と共に解体された同潤会代官山アパート。そこに暮らす一家の歳月を通して、時代の激流に翻弄されても決して失われない《魂の拠り所》を描く。今こそ見つめ直したい家族の原風景。 言葉が足らなすぎる八重にもどかしさを感じていたが、年を取るに従い言葉に重みが増すことに気がついた。こうなりたい・・・
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大切なものを失った八重さんが、別の大切な存在と出会っていく物語。 このアパートを選んだ理由と、最後、八重さんが背中を押すところに感動しました。 嗚呼、好き。読み始めてすぐに感じたことですけれど、好きな物語でした。 幼いころは可愛らしかったのに、歳を重ねて嫌な部分も出てきてしまって...
大切なものを失った八重さんが、別の大切な存在と出会っていく物語。 このアパートを選んだ理由と、最後、八重さんが背中を押すところに感動しました。 嗚呼、好き。読み始めてすぐに感じたことですけれど、好きな物語でした。 幼いころは可愛らしかったのに、歳を重ねて嫌な部分も出てきてしまって、人って哀しい生き物だなぁ……と感じてしまうところもありましたけれど。 基本的にはみんな、いいひと。悪人はいません。考え方・生き方が違うだけ。
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関東大震災で、たった一人の家族だった妹を亡くした八重。 妹の婚約者だった竹井と結婚することになり、 ぎこちない思いで引っ越してきた代官山アパート。 戦中、八重と竹井の一人娘の恵子のクリスマスプレゼントを巡った近所に住む俊平との騒動。 戦後、偶然再会した俊平が戦地で見た記憶と、...
関東大震災で、たった一人の家族だった妹を亡くした八重。 妹の婚約者だった竹井と結婚することになり、 ぎこちない思いで引っ越してきた代官山アパート。 戦中、八重と竹井の一人娘の恵子のクリスマスプレゼントを巡った近所に住む俊平との騒動。 戦後、偶然再会した俊平が戦地で見た記憶と、彼の支えになりたいと思う恵子。 恵子と俊平の息子、浩太と進を預かることになった祖母の八重。 進が起こした火遊びで火事になり、八重がとっさに動いた機転で助かった命。 兄に初恋の人を奪われ、傷心する不器用な進。 一時退院してきた竹井の3階のかつて自分たちが生活していた部屋に行きたいという望みを 叶えてあげようとする八重と進。 高齢の八重と孫の進が住むアパートに家出してきた浩太の娘の千夏の本当の理由。 大人になった千夏が解体された代官山アパートに思いを寄せるのも束の間、 阪神淡路大震災が起こり、関西に住む両親の安否を確かめるために、バイクを走らせて向かったこと。 大切な人が亡くなると、くやしい。 その気持ちは、絶対。 なんか、久々に(?)面白いなあと思えた本。 災害、戦争、それぞれの時代を同じ場所で生きた家族の苦悩と幸福と、積み重ねてきた日々。
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実際にあったアパートを舞台にした四世代に渡る物語。 関東大震災、神戸大震災を経て取り壊されるアパートで暮らした家族の想い、時代背景とともに興味深く読めた。
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日本最初の近代集合住宅「同潤会アパート」 そこに暮らす一家の四世代にわたる物語りです。 昭和と共に誕生し昭和と共に終わりを告げた 代官山のアパート…本当にあったのですね(*_*) 写真を見てびっくりしました。凄かった… 1927年に始まるアパートでの八重さんの暮らし 1997...
日本最初の近代集合住宅「同潤会アパート」 そこに暮らす一家の四世代にわたる物語りです。 昭和と共に誕生し昭和と共に終わりを告げた 代官山のアパート…本当にあったのですね(*_*) 写真を見てびっくりしました。凄かった… 1927年に始まるアパートでの八重さんの暮らし 1997年に終わりを告げるアパートと八重さん… 静かだけど胸が熱くなる八重さんとアパートの歴史でした。 三上延さん初読みでしたが良かった〜(^-^) もの凄くこのアパートに興味が湧きました‼︎
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代官山アパートメントに住む4世代の家族のお話。 1927年から1997年の間、約10年ごとに主人公を変えて物語がつながっていく連作短編集。主人公は変わるものの、全編通しての主役は八重さんだと思う。関東大震災に大事な家族を連れて行かれる所から動き出す物語。震災後、戦前戦後、高度経済...
代官山アパートメントに住む4世代の家族のお話。 1927年から1997年の間、約10年ごとに主人公を変えて物語がつながっていく連作短編集。主人公は変わるものの、全編通しての主役は八重さんだと思う。関東大震災に大事な家族を連れて行かれる所から動き出す物語。震災後、戦前戦後、高度経済成長、学生運動、いじめ、阪神大震災、、、。 世の中の移り変わりを見つめてきた代官山アパートメントも老朽化による建て替え計画が持ち上がる。ときにぶつかり合い、すれ違い、ままならないことも多いのだが、最後には寄り添って支えてくれるのも家族であり、それを見守っているのが皆の住まいであるアパートメントの一室(3室?)。
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同潤会代官山アパートメントに住み続けた、4世代の家族のはなし 最初と最後に、ふたつの大きな地震が描かれている 関東地震のあと、地震や火災に強いからとコンクリートの代官山アパートメントに住むことにした竹井夫妻 おそらく高額だっただろう 地震で亡くなった妹愛子を思いながら、入居を決...
同潤会代官山アパートメントに住み続けた、4世代の家族のはなし 最初と最後に、ふたつの大きな地震が描かれている 関東地震のあと、地震や火災に強いからとコンクリートの代官山アパートメントに住むことにした竹井夫妻 おそらく高額だっただろう 地震で亡くなった妹愛子を思いながら、入居を決めた 竹井の妻、八重の死の間際近くに、阪神淡路大震災が起こる その頃には、代官山アパートメントは、建て替えが決まっていたのだが、竹井夫妻の孫、ひ孫が、建物や街並みが変わっても、先代の思いを受け継いで、大切に住み続けるのだろう 都内の一等地、思い出の詰まったマンション 故郷を離れてしまった私には、同じ場所に住み続けることをうらやましく感じた 読み応えがあった 以前から、ビブリア古書堂シリーズも持っているが、先にこちらを読んでしまった 早くビブリアも読まなくては!
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