サブマリン の商品レビュー
私自身、大学時代に家裁調査官に興味を持っていた時期があった。決してメジャーとは言えないこの職業にスポットを当てていて興味を持ったので。 とても難しいテーマを扱っているけど、作者は陣内を通してメッセージを発している。むしゃくしゃした時は曲でも作っちゃえって。笑 重いテーマなはず...
私自身、大学時代に家裁調査官に興味を持っていた時期があった。決してメジャーとは言えないこの職業にスポットを当てていて興味を持ったので。 とても難しいテーマを扱っているけど、作者は陣内を通してメッセージを発している。むしゃくしゃした時は曲でも作っちゃえって。笑 重いテーマなはずなのに陣内のおかげで暗さを感じさせない。武藤とのやりとりは読んでいてとても楽しかった。 続編が出たら絶対読みたいと思える一冊。
Posted by
わざとかわざとじゃないか。 偶然なのかそうでないのか。 むしろ意図的ですらあるのか。 いずれにせよ 結果はひとつ。
Posted by
あらすじをなぞって「これは、私の大好きで大の苦手の伊坂ワールド全開、グレーゾーンを煮立たせたような作品だ!」とアンテナが反応し、久しぶりに読みたいと思い手に取りました。ただし恥ずかしくも、「チルドレン」という前作があることがきっちりと帯に書いてあったのにも関わらず気付きもせず。ま...
あらすじをなぞって「これは、私の大好きで大の苦手の伊坂ワールド全開、グレーゾーンを煮立たせたような作品だ!」とアンテナが反応し、久しぶりに読みたいと思い手に取りました。ただし恥ずかしくも、「チルドレン」という前作があることがきっちりと帯に書いてあったのにも関わらず気付きもせず。まさかの続編から先に読んでしまいました。ちなみに読み終わってみて、前作を読んでいないことで差し支えるものはありませんでした。だから、「とりあえずサブマリンという作品が読んでみたいと思ったんだ!」という人はこちらから読み始めても多分大丈夫です(笑)前作ありきの楽しみが用意されていたのなら、全くもって拾えていないでしょうけれど。また「チルドレン」も読んでみて答え合わせをしてみます。 さて、本作は家庭裁判所調査官という仕事に就いている人が主役の物語です。あらすじを読んでみてすぐに「読みたい」と思わされたもう一つの大きな理由に「家庭裁判所調査官」という今まで意識したことの無い職業がフィーチャーされていることもありました。成人してもこうも日本社会の構造について知らないなままでいられるものか、と自分の状態に日々がっかりしているので、少しでも知見を広められる良い機会だと思ったのです。 少年犯罪、特に未成年が人の命を奪ったような事件は、そのようなことが起きたこと自体に対するショッキングな印象が先行しがちで、問題の機微や世間・マスコミからして不都合な部分、それから少年たちが審判を受けるまでのプロセスや処分などの社会システムの在り方には光が当たらないことが多いのではないでしょうか。少年法の中身など知らないまま大人になったのだろうに一張羅に罪を犯した少年たちのことを非難するような人もいるでしょう。現実の街頭インタビューなどでその代表者のような人達を目にすることが出来ます。そのような人がモチーフかしら、という女性が物語の序盤に登場します。詳しく知りもしない少年のことをつらつらと非難する姿には正直読んでいて虫唾が走りました。無知と想像力の欠如と偏見と独善的な正義感と。その問題に対して更に辛辣に批判することも出来るところですが、本作はその点に熱量を注ぎません。騒がしい外野ではなく当事者たちに集中します。おかげで、読者の方も余計な声に気を取られることなく、あまり知ることのない少年たちの置かれる状況や実際に関わる人々の方に集中出来ます。 人の命を奪う行為は、全人類がシンプルに「アウト」だと判定するはずです。それは「罪」であり「罰」が必要だとして、恐らく全ての社会で法律により罰則を定めているはずです。でも、日本には死刑制度があります。正当防衛は罪に問われません。少年事件の場合の処分は罰則というよりは更生を目的としたものが主です。「ファウルゾーン」の問題を考え出すと頭が痛くて、法律の専門家でもなければ哲学の専門家でもないから、整然と考えるのはとても難しくて、やるせないものです。だからこそ、伊坂さんの物語は貴重です。理路整然とは考えられないけれど、読んでいる間は何か大切なものに触れられている感じがするのです。だから、後味の悪いお話しだと分かっていても、「良薬口に苦し」と、読み進められるのだと思います。本作はそのような物語の中でも、マイルドな方です。温かみがあってとても気に入りました。
Posted by
罪と向き合うことの難しさと曖昧さを思い知る。そして、常に隣り合わせなんだよなと改めて思い知らされる。正解はひとつではないことに気づかされる物語
Posted by
伊坂幸太郎作品を久しぶりに読了。 家庭裁判所の調査官と子どもたちの話。いや上司との話か。 不本意ながら十字架を背負った子どもたちの葛藤と想いがぶつかり合う人間ドラマ。大きな展開はないものの、流れていくストーリーの中で、心の変化が垣間見えて楽しめました。 伊坂作品はよく音楽をモ...
伊坂幸太郎作品を久しぶりに読了。 家庭裁判所の調査官と子どもたちの話。いや上司との話か。 不本意ながら十字架を背負った子どもたちの葛藤と想いがぶつかり合う人間ドラマ。大きな展開はないものの、流れていくストーリーの中で、心の変化が垣間見えて楽しめました。 伊坂作品はよく音楽をモチーフにされているけど、 今回もジャズのプレイヤーを引き合いにしていて、そのあたりも面白い表現だと思った。 【個性心理學分析】 伊坂幸太郎 本質 人間味あふれるたぬき 表面 猿 意志 子守熊 レール ワイルド ⇒ 執筆スピードはまさに「鉱脈」×「鉱脈」細部までこだわるのはお猿さんかな。
Posted by
家裁調査官陣内主任&武藤 未成年が運転する死亡事故、被害者.加害者の想い 連日ワイドショーを賑わせる自動車事故をめぐるタイムリーな一冊。さすがは伊坂幸太郎さまです。あっというまに読了できました。
Posted by
チルドレン、読み返してからこちらへ。 もはや、オール陣内ワールドだね。 少年犯罪を扱った家裁調査官の話。重い題材だけれど、伊坂さんの手にかかれば、ふわっとパンケーキ並みに。 でも決して軽く扱ってる訳じゃないし、適当に見える陣内さんが時々鋭く、真っ直で。やっぱり、陣内さんに泣かされ...
チルドレン、読み返してからこちらへ。 もはや、オール陣内ワールドだね。 少年犯罪を扱った家裁調査官の話。重い題材だけれど、伊坂さんの手にかかれば、ふわっとパンケーキ並みに。 でも決して軽く扱ってる訳じゃないし、適当に見える陣内さんが時々鋭く、真っ直で。やっぱり、陣内さんに泣かされた。 悔しいな。 答えのない難問だから、安易に決めつけずに、ずっと考え続けなきゃいけないことなのかも。
Posted by
少年犯罪を扱っているが、成人の犯罪も同じだと思う。「犯罪者」とは?「罪」とは?「贖罪」とは? 被害者感情、遺族、復讐…。救いの少ない話だが、伊坂幸太郎特有の軽妙な会話、魅力的な登場人物で物語が進む。
Posted by
ものごことは、どこからどう見るか、がほとんど。 絶対的な姿はあるはずなのに、全てを見ることはできない。結局のところ切り取り方次第。 だからそこそ、希望もあるのだ。
Posted by
家庭裁判所調査官の武藤と陣内コンビ活躍。 憎むべき犯罪と情状酌量の余地がある犯罪との境界はどこなのか。 犯意を持って行われた犯罪と偶発的に起こってしまった犯罪のどちらの罪が重いのか。 マニュアル化が不可能であることは考えればわかる。 犯罪を犯す人間の数だけ犯罪の原因となる事情があ...
家庭裁判所調査官の武藤と陣内コンビ活躍。 憎むべき犯罪と情状酌量の余地がある犯罪との境界はどこなのか。 犯意を持って行われた犯罪と偶発的に起こってしまった犯罪のどちらの罪が重いのか。 マニュアル化が不可能であることは考えればわかる。 犯罪を犯す人間の数だけ犯罪の原因となる事情がある。 が、社会的に反響の大きい犯罪がテレビのワイドショーなどで取り上げられる時、コメントを出す識者の多くは常識派あるいは被害者側に立っている。どの番組でも同じような論調である者は激しく、ある者は冷静に正論と思われる言葉を放っている。 そんなに簡単には片付けられないんだよな。 もし自分や自分の身内が犯罪を犯し、TVやネットの俎上に登ったなら多分叫びたくなるだろう、「お前達に何がわかるんだよ!」 ところでタイトル「サブマリン」は何を意味する? そしてこの作品伊坂作品にしては読みづらかったなあ。 文章の流れが私に合わないのだろうな。
Posted by