サブマリン の商品レビュー
じんわりと、心に暖かい灯がともるような、少しだけ泣きそうになる、感動があった。 罪を犯してしまった少年たちはそれぞれ重さは違っても、その罪と罰と後悔と将来への不安と、抱えながら生きていかなければいけない。それは当然の報いで、そこから完全に救われることはないけど、自分を気にかけてく...
じんわりと、心に暖かい灯がともるような、少しだけ泣きそうになる、感動があった。 罪を犯してしまった少年たちはそれぞれ重さは違っても、その罪と罰と後悔と将来への不安と、抱えながら生きていかなければいけない。それは当然の報いで、そこから完全に救われることはないけど、自分を気にかけてくれる人がいる、ということで、心が救われるのだと思う。陣内さんに対して「あの人、馬鹿じゃないの」と声を震わせる少年たちに感情移入して、目頭が熱くなってしまう。 爽やかな感動。読んで良かったなあ。
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家裁調査官の陣内と武藤が帰ってきた!といっても、私が前作チルドレンで覚えていたのは永瀬さんと優子さんくらい。とは言え、武藤の正解のない想いに共感し、陣内の常識外れな行動にスカッとしこんな大人がいればいいのに、と思わされる。軽快なテンポで、少年犯罪の問題を突きつけてくる。私も、少年...
家裁調査官の陣内と武藤が帰ってきた!といっても、私が前作チルドレンで覚えていたのは永瀬さんと優子さんくらい。とは言え、武藤の正解のない想いに共感し、陣内の常識外れな行動にスカッとしこんな大人がいればいいのに、と思わされる。軽快なテンポで、少年犯罪の問題を突きつけてくる。私も、少年法なんて、と思っていたクチです。チルドレンも読み直さなければ!
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多くの人が書かれているようにテンポが良く読みやすい。話は重い内容なのに、出てくる登場人物のくせが強く、話が重くなりすぎないバランス感覚が上手いと思う。
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陣内は預言者? それとも、陣内の言葉を実現する神がいる? 少年犯罪。それぞれの事情と要因。 少年犯罪と向き合う場所にその陣内がいる。 正論と現実論を使い分け、訳のわからない言動で、周囲をけむに巻くが、少年犯罪者を嗅ぎ分ける嗅覚は鋭いものがある。 「正義」とは絶対的なものではな...
陣内は預言者? それとも、陣内の言葉を実現する神がいる? 少年犯罪。それぞれの事情と要因。 少年犯罪と向き合う場所にその陣内がいる。 正論と現実論を使い分け、訳のわからない言動で、周囲をけむに巻くが、少年犯罪者を嗅ぎ分ける嗅覚は鋭いものがある。 「正義」とは絶対的なものではなく、相対的なものだということを、改めて意識されられました。 スピード重視で一面だけ見て判断せず、どんなことも、一面からではなく、他の角度からも見て判断しなくては。
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家庭裁判所の調査官の武藤と陣内。罪を償うとはどういうことか。一癖も二癖もある少年たちと向き合っていく。 殺意があったけど未遂に終わった人と偶然にもひとを殺してしまった人。事故なんてそのひとが望んで起きるものではないけどひとつ間違えば自分がその犠牲者にも被告にもなりうる。 調査官の...
家庭裁判所の調査官の武藤と陣内。罪を償うとはどういうことか。一癖も二癖もある少年たちと向き合っていく。 殺意があったけど未遂に終わった人と偶然にもひとを殺してしまった人。事故なんてそのひとが望んで起きるものではないけどひとつ間違えば自分がその犠牲者にも被告にもなりうる。 調査官の陣内さんは破天荒な性格で負けず嫌いな性格。少年たちといつまでも目線が同じだから損な役回りをしてきた少年たちを悪態をつきながらも最後まで気にかける。 少年の時にどんな大人に出会うかは大切だと思う。良い大人だけでなく悪い大人に会うこともバランスをとる上で大切
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前作『チルドレン』は視点や時系列を絶妙に変化させた一風変わった連作短編でしたが、本作は武藤一人が語り手で時系列の変化等もない、ある意味で直球勝負の長編小説になります。 雰囲気に関しても、前作はどちらかといえば軽妙かつ楽しく読めた印象でしたが、本作では少年犯罪、そして交通事故の加害...
前作『チルドレン』は視点や時系列を絶妙に変化させた一風変わった連作短編でしたが、本作は武藤一人が語り手で時系列の変化等もない、ある意味で直球勝負の長編小説になります。 雰囲気に関しても、前作はどちらかといえば軽妙かつ楽しく読めた印象でしたが、本作では少年犯罪、そして交通事故の加害者と被害者をテーマに据えており、それなりに重たいものがあります。とはいえ、伊坂さんが描くだけあってそこはエンタテイメントとしてちゃんと成立しており、読者の心の奥底をナイフで抉るような残酷な展開にはなりませんのでご安心を。それはもちろん本作のメインキャラである陣内の造詣に負うところが大きいです。 いやあ陣内、やっぱりいいですねえ。今回は前作のような印象的な一言、といったものはあんまり残らなかったのですが、結末近くで明かされるある行動なんかは大変素晴らしいと思いました。盲目の永瀬も相変わらずいい味出してます。残念ながら鴨居は登場しませんでしたが、武藤とキャラが被るところがあったし仕方なかったのかも。 『チルドレン』にハマった人であれば必読の一冊だと思います。
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犯罪を犯した少年と向き合う家裁調査官のお話です。 テーマは暗めですが、軽快な文章で読みやすいですし、登場人物もクセが強く面白いので、テンポよく読めました。 前作のチルドレンも5年ほど前に読んだことがあるのですが、内容は全然覚えていません。 でも、周りを振り回す陣内さんのことは何...
犯罪を犯した少年と向き合う家裁調査官のお話です。 テーマは暗めですが、軽快な文章で読みやすいですし、登場人物もクセが強く面白いので、テンポよく読めました。 前作のチルドレンも5年ほど前に読んだことがあるのですが、内容は全然覚えていません。 でも、周りを振り回す陣内さんのことは何となく思い出しました(笑) 家裁調査官って、、、大変なお仕事ですね。 加害少年それぞれの事情に沿った助言や指導を行い、更生に向かわせる… マニュアルがあるわけでもないし、本当に1対1で「人」と向き合う仕事というのは難しいし、悩むことだらけなのだと思いました。 物語の終盤になるにつれ、今までの小さなエピソードが1つにまとまっていく感じは気持ちがいいですね。 さすが伊坂さんだなあ〜と思います。
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少年犯罪といういろいろな意味で境界線上にある事件をコメディタッチで描くミステリー小説だ。陣内という個性豊かな主人公が少しずつリアルな人間像として考えられるようになっていくのが面白い。筋としては登場人物が様々な関係で絡み合っていくのが多分に非現実的ではあるが小説の嘘としては許され...
少年犯罪といういろいろな意味で境界線上にある事件をコメディタッチで描くミステリー小説だ。陣内という個性豊かな主人公が少しずつリアルな人間像として考えられるようになっていくのが面白い。筋としては登場人物が様々な関係で絡み合っていくのが多分に非現実的ではあるが小説の嘘としては許される範囲なのだろう。楽しく読むことができた。
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キャラクター設定は作家得意の… という感じ セリフのテンポもよいが、読後にこれといった響くところはなく。
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陣内さん クセが強いんじゃ(笑) でも嫌いじゃない 普通、そういう時にそういう事言わないでしよ とか、そういう事しないでしょ のオンパレード 例えば、飲酒運転をしようとしている怖そうな若者に いいか、言うことを聞かないと こいつを、その車に投げる と...
陣内さん クセが強いんじゃ(笑) でも嫌いじゃない 普通、そういう時にそういう事言わないでしよ とか、そういう事しないでしょ のオンパレード 例えば、飲酒運転をしようとしている怖そうな若者に いいか、言うことを聞かないと こいつを、その車に投げる と、ポケットから○○○○を取り出す えー!何でそれがポケットに入ってるのー! からの、何でそれが脅しになるのー! ということになる それでも 犯罪を犯した少年と正面から向き合い 真剣にひとりひとりのことを考えているところが いいね
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