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鹿の王 水底の橋 の商品レビュー

4.1

154件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2021/03/25

鹿の王本編に続きこちらを読みましたが、物語としては一番「絵」が浮かぶ内容で、良い展開、終わり方でした。 読み終わった後、現代医療とホスピスの関係を考えずにはいられませんし、自分の人生、家族の人生を考えずにはいられません。色々な想いが込められ、溢れる作品です。

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2021/02/26

鹿の王からかなり時間が空いているので登場人物の関係性や前提とされている背景が中々思い出せず、前作を読み直してから読んだ方が良かったなと。後はメインテーマは何だ?って思いながら読んでたら読み終わってしまって、結局クライマックスはなんだったのかはっきりせず、上橋作品としては盛り上がり...

鹿の王からかなり時間が空いているので登場人物の関係性や前提とされている背景が中々思い出せず、前作を読み直してから読んだ方が良かったなと。後はメインテーマは何だ?って思いながら読んでたら読み終わってしまって、結局クライマックスはなんだったのかはっきりせず、上橋作品としては盛り上がりや物語の緩急に欠ける様に感じました。

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2021/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やっと読めました! 鹿の王の世界の続編!続編と言っても登場人物の焦点はヴァンではなく、前回は助演くらいのホッサルたち一行。 ホッサルとミラルが落ち着くところに落ち着いて良かった。二人を見守るマコウカンの目線が好きです。読者も同じ気持ちですよ〜 守り人シリーズのバルサとタンダもですが、こうあるべき2人、みたいな関係がすごく好きです。羨ましい限りです。 清心教医術の源流が明らかになり、二人も医術の在り方、向き合い方を考えさせられる。 今の知識に固執せず純粋に人を治すことを考えて動けるミラルはすごい。ホッサルも引かれるし、周りの人々も心を動かされる理由がわかります。 欲のない人は強いな。 タイトルにもある水底の橋についてミラルの父・ラハルが語っていたけれど、表に出ずに繋がっているそれはホッサルとミラルの関係か、清心教医術と花部の医術か、渦巻く思惑か、物語の中のいろんなものを示唆しているように感じた。

Posted byブクログ

2020/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『鹿の王』は、致死率のとても高い感染症に罹患しながら症状もなく回復した男・ヴァンと、その病の撲滅のために尽力する医師・ホッサルの二人を書いた話であるが、『鹿の王』という言葉の意味する、人々を救うために還ることのない旅に出たヴァンが話の中心になるのはいかんともしがたい。 今作は、医師・ホッサルの物語である。 ホッサルは医師として患者を治すことにかけては当代一のリムエッルの孫であり、正統な後継者。 ホッサルの出身地オタワルは、東乎瑠(ツオル)帝国に征服された国だが、医療をはじめ技術や技能でかの地に存在感を示している。 東乎瑠の皇帝は、后をリムエッルとホッサルの治療により命を助けられたとして、オタワルの医療に信頼を寄せる。 病気の原因をさぐり、症状を見極め、薬を処方する。 きわめて科学的だ。 対して東乎瑠の国で正式に認められているのは、清心教医術。 心身の穢れを祓い、ある程度の治療で完治が望めない時は、心穏やかに天の国へ向かえるように促す。 この相反する医術が、次期皇帝争いと深くかかわってしまったために窮地に陥るホッサル。 ホッサルが納得できないのは、穢れが厭うため身体に異物を混入することを嫌い、輸血や動物由来の薬を使用するくらいなら死を選ぶ清心教医術の姿勢だ。 手を尽くせば助かる命を、何故諦める? ”人ってのは、良い言い訳が見つかると逃げたくなる生き物だ。それでいて、逃げることは後ろめたいもんだから、いつの間にか言い訳を鉄壁の理屈に祭り上げちまう。” しかし信仰は理屈ではない。 神の国へ行けないという恐怖が、よりよく生きることを妨げるのなら、それは心穏やかに死なせるのが正しいという宗教を背負った医術。 医のオタワル医術と仁の清心教医術。 副題の「水底の橋」というのは、この舞台にある古く朽ちて水底に沈んでいる橋のことだが、普段目にすることがないからといって無いわけではない。 橋は確かに存在する。 そして、その橋を使って行き来していた過去も確かにあったものだ。 ホッサルは、最後に言う。 「中途半端に、ふたつの医術を統合する必要はないように思うのです。むしろ、互いが、互いにとって、思ってもみなかった視点を持ち続ける方がずっと意味があるように思います。」 ふたつの医術に見えない橋を架けよう、と。

Posted byブクログ

2020/11/25

鹿の王の続編、ということは ヴァンとユナのその後がわかるのかなと一瞬期待。 そちらではなく オタワルの医術の方にスポットを当てた物語でした。 ホッサルとミラル。 身分が違うけれど、お互いなくてはならない存在。 その関係に一つの光が見えて本当に良かったと思った。

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2020/10/26

鹿の王は過去読んだ中でもトップ10に入ってくるぐらい面白い。世界観が壮大で作者になんとか付いていくので精一杯。でもついて行った先にすごい面白さが待ってる。今回も感動した。

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2020/10/26

医術と政治と宗教。文字通り人の人生を変えるそれらを巡る物語。 前作の主人公の片や、ホッサルを中心に据え、ファンタジー世界の医療を通じて人の機微を描き出す秀作だった。立場や主義思考による思惑の絡み合いや権謀術策も面白いのだが、詰まる所この作品のテーマは「生きること/死ぬこととは何...

医術と政治と宗教。文字通り人の人生を変えるそれらを巡る物語。 前作の主人公の片や、ホッサルを中心に据え、ファンタジー世界の医療を通じて人の機微を描き出す秀作だった。立場や主義思考による思惑の絡み合いや権謀術策も面白いのだが、詰まる所この作品のテーマは「生きること/死ぬこととは何か」に行き当たるのかもしれない。 医師は人を救うためにその時代で出来る最良を施そうとするが、宗教に基づく思考がそれを拒絶することもある(それは現代でも起こっている)。身体だけではなく、精神も救うとはどういうことかを考えさせられる。‬

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2020/09/24

この作家の作品を読むと、いつも温かい気持ちが湧いてくる。 「鹿の王」を読み終えてからもうずいぶん経つので、 正直、今回の主人公ホッサルがどんな性格の人物だったか 忘れてしまっていて、最初少し戸惑ったけれど、 お話の世界に引き込まれるのにそれほど時間はかからなかった。 描かれていな...

この作家の作品を読むと、いつも温かい気持ちが湧いてくる。 「鹿の王」を読み終えてからもうずいぶん経つので、 正直、今回の主人公ホッサルがどんな性格の人物だったか 忘れてしまっていて、最初少し戸惑ったけれど、 お話の世界に引き込まれるのにそれほど時間はかからなかった。 描かれていないこの先の物語が気になる終わり方だった。 作者はあとがきで、一作を書き終えると 空白になると書いておられたけれど、 ぜひともこの続きの世界を知りたいと思った。

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2020/09/16

続編が出てたんだ。でも、まあ主人公は前作の主人公の一角にはいたけど、特に話は引きずってないので、別作品として読める。私自身は守り人シリーズほどのめり込まなかったので、前作は出足のところくらいしか記憶になかったが、それは余り関係なかった。第2章の中盤くらいまでは人間関係を把握するの...

続編が出てたんだ。でも、まあ主人公は前作の主人公の一角にはいたけど、特に話は引きずってないので、別作品として読める。私自身は守り人シリーズほどのめり込まなかったので、前作は出足のところくらいしか記憶になかったが、それは余り関係なかった。第2章の中盤くらいまでは人間関係を把握するのがほとんで、それからようやく世界観にはまる。肉体的に戦うことはなく、ある意味知的な戦いなので、理解するのが結構大変。でも、最後には、もう少し長くていいのにと思ってしまう私がいた

Posted byブクログ

2021/08/16

大好きな上橋菜穂子作品 鹿の王→獣の奏者→守り人シリーズ と上橋作品の世界は本当にすごい!! そして 久々見ていたら 鹿の王に続編が出ていた!! 前回の中心人物のヴァンもユナも出てこないが、もう一人の主人公だった オタワル王国の末裔の医術師 ホッサルと助手で恋人のミラルが 東乎瑠...

大好きな上橋菜穂子作品 鹿の王→獣の奏者→守り人シリーズ と上橋作品の世界は本当にすごい!! そして 久々見ていたら 鹿の王に続編が出ていた!! 前回の中心人物のヴァンもユナも出てこないが、もう一人の主人公だった オタワル王国の末裔の医術師 ホッサルと助手で恋人のミラルが 東乎瑠帝国の後継者争いの陰謀に巻き込まれていく これが文庫になったのが おりしもコロナ禍の真っただ中 前作の「黒狼熱」を扱った作品はパンデミックの脅威が ありありと表現されていた。 今回文庫版のあとがきに 筆者本人が読み返してみて 登場する医術師である安房那候のことばに驚いていた 「何をしようと 我らの拙い努力をあざ笑うかのように、病が千変万化して、人を苦しめ、死に至らしめていく様を、それをただただ見守るしかない虚しさを知っている」 作品を書いたのは新型コロナなど噂にもなかった頃 作者も「人から人へ感染する感染症」は書きたくなかった。と書いています。 人との触れ合いが 大切な人を殺してしまう行為になる・・・・ 本当に現実に起きているだけに つらい。 単行本で読むよりも ぜひ このあとがきを目指して 文庫本版をお勧めしたいです。

Posted byブクログ