ヤンキーと地元 の商品レビュー
参与観察調査、ひいては異文化理解のための入口のような一冊だった。エスノグラフィーであることもあり会話調で進む場面が多く、普段あまり本を読まない人でも読みやすいのではないかなと感じた。やはり構造が違うため、なかなか違う文化を理解することが出来ないが、その隔たりを繋ぐ架け橋となるので...
参与観察調査、ひいては異文化理解のための入口のような一冊だった。エスノグラフィーであることもあり会話調で進む場面が多く、普段あまり本を読まない人でも読みやすいのではないかなと感じた。やはり構造が違うため、なかなか違う文化を理解することが出来ないが、その隔たりを繋ぐ架け橋となるのではと感じた。感情や過去の背景など顧みられることのない私たちの現在においてとても温かみのある本という印象を持っている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上間陽子さんの「裸足で逃げる」 琉球新報さんの「夜を彷徨う」に名前が出ている打越さんの本が気になり読みました。 10年以上に渡り参与観察した取材の記録。 暴力がありふれている日常で過ごし、仕事の選択しも狭まれざる追えない彼らの実態をしりました。 上間陽子さんの作品は女性の貧困と暴力 打越さんの作品は男性の貧困と暴力の気がします。
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2010年前後の沖縄の記録。特に、人間関係、貧困ということでは沖縄固有のこともあろうが、似た構造は他にもあるかもしれない
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ノンフィクションのような社会学のような書物ゆえ、ノンフィクションとして読んでも、社会学として読んでも、中途半端だ。 ガクモンとしてなのか、沖縄の言葉をそのまま採録していて常に注釈が入り込み、加えて口語体をまったく整えていないので、シンプルに文章が読みづらい。 若者たちの悲惨な...
ノンフィクションのような社会学のような書物ゆえ、ノンフィクションとして読んでも、社会学として読んでも、中途半端だ。 ガクモンとしてなのか、沖縄の言葉をそのまま採録していて常に注釈が入り込み、加えて口語体をまったく整えていないので、シンプルに文章が読みづらい。 若者たちの悲惨な環境の構造は、だいたい共通していて、不仲・虐待親、ヤンキー化、暴走族、建築業or水商売、若くしての結婚・離婚。 これは全国でもほぼ同じはずで、沖縄である特別な理由があまりわからなかった(その深刻度はあるにせよ)。
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地元及びしーじゃとうっとぅ(先輩と後輩)が人生を縛り良くも悪くも形成していくさまに疑問持ちまくりだけど、これも現実。自分とは関わりのない観察対象として読んでしまって、それではいけないと思うものの、どうするのが正解なのかが分からない。部外者からはどこに消えたか分からない人のことでも...
地元及びしーじゃとうっとぅ(先輩と後輩)が人生を縛り良くも悪くも形成していくさまに疑問持ちまくりだけど、これも現実。自分とは関わりのない観察対象として読んでしまって、それではいけないと思うものの、どうするのが正解なのかが分からない。部外者からはどこに消えたか分からない人のことでも、地元のしーしゃは知っているんだろう。
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あるセミナーで打越先生の話を聞いて、わちゃわちゃして面白い人だなーと思って買いました。期待以上の内容で衝撃。 自分が全く知らない世界が同じ日本にあるんだ、と想定もしてなかったことを恥じる感情が沸きました。自分なりに困難な環境で頑張ってきた人生と思ってたけど、こんなん全然綺麗な上...
あるセミナーで打越先生の話を聞いて、わちゃわちゃして面白い人だなーと思って買いました。期待以上の内容で衝撃。 自分が全く知らない世界が同じ日本にあるんだ、と想定もしてなかったことを恥じる感情が沸きました。自分なりに困難な環境で頑張ってきた人生と思ってたけど、こんなん全然綺麗な上澄みでの苦労にすぎないんだなって改めて実感させられたというか。。いや、個々人の痛みは比べられないんですが。。それでも比にならない程のベース環境の過酷さが沖縄に凝縮されてんだっていうことが繰り返し本書に出てきてキツかったです。でも知れてよかった。 どの章も面白いけど、沖組(型枠解体業)で打越先生が一緒に働いた章が一番面白いですね。徹底して理不尽な暴力が支配する世界で、ここに入って働きながら観察し続けるのは凄すぎる。 最後、年齢順の暴力による支配に、最近の若者がついていかず沖組に若い人が入ってこない、という変化が書いてありましたが、コロナ後どうなったのかな。 面白いと思った沖組観察記抜粋 ①あと何分で休憩だ!とか言わない(感覚を麻痺させる) ②重い鉄骨も工夫と互いへの思いやり(先輩が階上から身を乗り出して鉄骨を引っ張ってくれるとか)で運べるようになる ③周囲のこと考えて作業する人は人望が集まる(=後輩に力で勝てなくても反撃されない先輩になれる) 10年ですよ、10年分の他者の観察結果をしかも凝縮したエッセンスを読めるとか、贅沢ですよね。 あとがきの一節も笑えます、笑 ぜひ皆様に読んでいただきたいです。
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うわ~この本、めちゃくちゃ読みにくかった。 なんだろう…なんかもう読んでてツライというか ヤンキーの思考を理解するのに時間がかかるというか… 社会学者の打越正行さんが沖縄で出会ったヤンキーのみなさんにインタビューしたり、一緒に仕事をしつつ聞き取りしたものをまとめたもの。 なん...
うわ~この本、めちゃくちゃ読みにくかった。 なんだろう…なんかもう読んでてツライというか ヤンキーの思考を理解するのに時間がかかるというか… 社会学者の打越正行さんが沖縄で出会ったヤンキーのみなさんにインタビューしたり、一緒に仕事をしつつ聞き取りしたものをまとめたもの。 なんというか… 親や彼氏や先輩からのDV話(これはどのインタビューでもある)やら、仲間の結束の話やら、女遊びの話やら、お金の話やら、仕事の話やら… 10年間も聞き取り調査した著者がすごい…。
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決して読みやすい本ではない(論文が主軸のため)が、長期間に渡る参与観察の内容、アプローチはすごい。欲を言えば「沖縄ならでは」の事象であるのか、その部分が素人にも伝わる(他地域との比較)ように書かれていれば、もっと考えさせられる本となったのではないか。
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沖縄のヤンキーたちと深く関係を構築して得た情報が詰まっていて、圧倒的に一次情報というか、この人でなければ書けない本なんだろう、ということにとても感動しました。 本書に描かれる特有の先輩後輩の関係は会社のパワハラなどにも似ているけど、当事者には、もっと選択肢の狭さに切実なものがあ...
沖縄のヤンキーたちと深く関係を構築して得た情報が詰まっていて、圧倒的に一次情報というか、この人でなければ書けない本なんだろう、ということにとても感動しました。 本書に描かれる特有の先輩後輩の関係は会社のパワハラなどにも似ているけど、当事者には、もっと選択肢の狭さに切実なものがあるんだろうな、と思った。
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これは、おもしろいけど哀しい本だな。暴力と貧困が常に近くにあって、そこから抜け出すことが困難って、もはや途上国状態な印象を受けてしまう。 少し前に読んだ「日本の分断」との共通することも多く、改めて住んでいる世界が分離しているような気持になってしまう。地元が好きで、仲間がいて、そこ...
これは、おもしろいけど哀しい本だな。暴力と貧困が常に近くにあって、そこから抜け出すことが困難って、もはや途上国状態な印象を受けてしまう。 少し前に読んだ「日本の分断」との共通することも多く、改めて住んでいる世界が分離しているような気持になってしまう。地元が好きで、仲間がいて、そこそこの収入があってのマイルドヤンキーとは異なる状況で。もう自己表現として暴走するしかないというのはなんというかよくわからないもどかしさを感じてしまう。
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