ビッグ・クエスチョン の商品レビュー
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患い,車椅子の天才宇宙物理学者と呼ばれ,惜しまれながら2018年3月に亡くなったスティーヴン・ホーキング。 これは彼の最後の著作である。 宇宙はどのように始まったのか?,神は存在するのか?,ブラックホールの内部には何があるのか?,地球外に...
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患い,車椅子の天才宇宙物理学者と呼ばれ,惜しまれながら2018年3月に亡くなったスティーヴン・ホーキング。 これは彼の最後の著作である。 宇宙はどのように始まったのか?,神は存在するのか?,ブラックホールの内部には何があるのか?,地球外に知的生命体はいるのか?などなどわくわくするトピックについて,極めて興味深い視点でわかりやすく語ってくれている。彼は科学者だから当然といえば当然だが,ややもすると情緒的に流されそうなトピックについても,極めて冷静に論理的に,科学的に答えている。 この本の中で彼はいくつもの示唆的な言葉を残しているが,最後のところで,力強いメッセージを残している。 「私はバウンダリー(限界)というものを信じない。個人が私生活のなかでできることについてであれ,限界があるとは思わない。(中略)顔を上げて星に目を向け,足元に目を落とさないようにしよう。それを忘れないでほしい。見たことを理解しようとしてほしい。そして,宇宙に存在するものに興味を持ってほしい。知りたがり屋になろう。人生がどれほど困難なものに思えても,あなたにできること,そしてうまくやれることはきっとある。大切なのはあきらめないことだ。想像力を解き放とう。より良い未来を作っていこう。」 亡くなるまでアツい科学者であったホーキングのこの本を,これからも折に触れて繙こうと思っている。 ところで,私はハッブル宇宙望遠鏡が撮ってきた写真が好きだ。鮮やかに映し出される宇宙の姿に,いつも私は心を奪われる。その中に,宝石箱をひっくり返したように一面,星たちが眩しく輝いている写真がある。こういう写真を見ていると,地球以外に何らの生命体も存在しないと考えるほうが困難だろうな、何らかの地球外生命体は居るんだろうなと思ってしまう。そうした地球外生命体に会ってみたいとは思うけれど,しかしそれは友好的に会うという前提で、である。ホーキングのいうように,「アメリカの先住民族がコロンブスに遭遇したとき」のように,駆逐されるような状況であれば怖いなと思う。 今後ますます,宇宙のいろいろなことが明らかにされていくだろう。日々,宙(そら)を見上げながら,そんな未知との遭遇を楽しみにしている。
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ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう スティーブン・ホーキング 青木薫 訳 2019年5月18日読了。 車椅子の天才、スティーブン・ホーキング博士による最後の著書。博士は2018年3月14日に76歳で逝去。 宇宙、ブラックホール、物理学、人類の未来など10個のビッグク...
ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう スティーブン・ホーキング 青木薫 訳 2019年5月18日読了。 車椅子の天才、スティーブン・ホーキング博士による最後の著書。博士は2018年3月14日に76歳で逝去。 宇宙、ブラックホール、物理学、人類の未来など10個のビッグクエスチョンについて博士の晩年の考えをまとめたもの。 翻訳は青木薫。「宇宙はなぜこのような宇宙なのかー人間原理と宇宙論」など宇宙論に関する著書も出しており物理学、宇宙論にも造詣が深く翻訳も読みやすかった気がする。 人間原理の本も興味深かったです。 物理学、宇宙科学の話は面白いけど理解が追いつかない。動画とかと合わせて読むとより理解が進むと思います。 ただ、この本は複雑な数式とかほとんど出てきません。ホーキング博士が考えていたこと、ブラックホールに関すること、これからの地球に関することなどについて語ったもので文系でもそれなりに興味深く楽しめる本だと思います。
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ホーキング博士の遺作 人類はどこからきてどこへ行くかというビッグクエスチョンは、 ホーキング博士にとっては、宇宙はどう始まりこれから地球はどうなるかなどのビッグクエスチョンになる ビッグバンによって宇宙が始まり、地球ができ人間が生まれた 人間が発生してから今までは、運よく隕石の...
ホーキング博士の遺作 人類はどこからきてどこへ行くかというビッグクエスチョンは、 ホーキング博士にとっては、宇宙はどう始まりこれから地球はどうなるかなどのビッグクエスチョンになる ビッグバンによって宇宙が始まり、地球ができ人間が生まれた 人間が発生してから今までは、運よく隕石の衝突を避けられたが、今後数千~数万年の間に隕石が衝突する可能性は高い それまでに他の惑星に移り住む手段を得る必要がある
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2019年12冊目。 惜しくも去年亡くなったホーキングさんの遺作。「神は存在するのか」「未来を予言することはできるのか」「タイムトラベルは可能なのか」など、スケールの大きい10個のビッグ・クエスチョンへの回答集。 僕たちは、なんて不確定な世界に生きているのだろう。教育過程で一...
2019年12冊目。 惜しくも去年亡くなったホーキングさんの遺作。「神は存在するのか」「未来を予言することはできるのか」「タイムトラベルは可能なのか」など、スケールの大きい10個のビッグ・クエスチョンへの回答集。 僕たちは、なんて不確定な世界に生きているのだろう。教育過程で一通りの物理法則は習ってきて、当たり前のように信じてきた原則から外れたことは「不思議」で信じられないものだと捉えてきたが、この本を読んで考え方が変わった。僕らが学んできた原則の方こそが、宇宙規模で見たら隅っこの隅っこだけで把握されているものに過ぎない。わかっていることの方が例外で、世界はまだまだわからないことに満ちている。それを思えば、時間そのものがなかったビッグバン前のことや、宇宙が11次元なんていう話も、変に頭で考えず、「きっとそういう状態もあるのだろう」と妙に落ち着いて受け入れられるようになった。 今知っている範囲なんてたかが知れている。その範囲内で物事を捉えようとしていては狭すぎる。アインシュタインは、今の知識からの延長で物事を考えず、先にあるかもしれない結論を想像していたという。枠を外した想像力こそが時代を切り開く。その想像力を喚起するものが、ホーキングさんにとっては、途方もないビッグ・クエスチョンに思いを馳せることだったのだろうと思う。 大きく考えよう。
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連休で時間あるときに読むに相応しい、世俗を離れて宇宙や時間などの概念的なものに想いを巡らせることができる本。 ビッグバン以前には時間はない、ということは永遠という概念はないのでは。という気づきがあっただけでも読んだ甲斐があった。
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惹かれるテーマに超有名物理学博士がどう答えるかに惹かれて読み進めるがだんだんわからなくてつらくなっている。。でも今までで一番わからなかった本は「超ひも理論」(著者わすれた) でもこの理論を概説しているこの本のあるレビューが一番よくわかったという落ちでした。これってあるある?(脱線...
惹かれるテーマに超有名物理学博士がどう答えるかに惹かれて読み進めるがだんだんわからなくてつらくなっている。。でも今までで一番わからなかった本は「超ひも理論」(著者わすれた) でもこの理論を概説しているこの本のあるレビューが一番よくわかったという落ちでした。これってあるある?(脱線)
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2018年に亡くなられたホーキング博士が生前に書きおろされた最後の本。「神は存在するのか」、「宇宙はどのように始まったのか」、「宇宙には知的生命は存在するのか」、「タイムトラベルは可能か」、「人工知能は人間よりも賢くなるのか」、「ブラックホールの内部にはなにがあるのか」等々、10...
2018年に亡くなられたホーキング博士が生前に書きおろされた最後の本。「神は存在するのか」、「宇宙はどのように始まったのか」、「宇宙には知的生命は存在するのか」、「タイムトラベルは可能か」、「人工知能は人間よりも賢くなるのか」、「ブラックホールの内部にはなにがあるのか」等々、10の難問に対するホーキング氏の見解が述べられています。 ホーキング氏はこれらの問題の「正解」を読者に与えようとするのではなく、敢えてちょっと過激な見解を述べることで、多くの人々にこれらの問題に関心を持ってもらい、自分なりの見解を持ってもらうことを望んでおられるように感じます。 「ビッグバン以前には”時間”そのものが存在しないのだから、”神”が宇宙を創造する時間もなかった。故に神の存在を問うことは無意味だ」、「コンピューターウィルスは生命であると考えるべきだ」、「核戦争、あるいは気候変動により次の1000年のいずれかの時点で地球は人間が住めない環境になるのは避けられないのではないか」、「人類は地球を離れて宇宙に目を向けなければ絶滅の危険にさらされる」、「人間が制御可能なAIでなければ、増大するテクノロジーの力とそれを利用する知恵との競争に敗れてしまう」など、警鐘を鳴らす見解が多いです。 AIにしても温暖化にしても、多くの人の無関心が最も危険であり、「科学を理解し、勇気をもって解決に向かて力を注ぐ世代が必要だ。勇気を持とう。知りたがりになろう。確固たる意志を持って困難を乗り越えてほしい」という一節が本書を通じて一番伝えたかった事ではないかと思います。 非常に広い分野にわたる問題を扱った本書の翻訳は青木薫さん。自然科学系の翻訳だったら、この人しないない!と思える人です。ホーキング氏と青木薫さんという組み合わせの本書、期待通りの内容でした。
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神の存在、宇宙の始まり、タイムトラベルの実現可能性ー。 これらの「ビッグクエスチョン」とあくまで科学的に向き合い、未来への示唆を提示している。 最晩年にしてなおこの探究心、洞察力を有しているという事実に心を揺さぶられる。
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