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冬の光 の商品レビュー

3.3

36件のお客様レビュー

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2019/08/30

ザックリに言うと、団塊の世代に生きた男性の過去の恋愛や結婚、男の性を書いた1冊。 正直この手の話は少し苦手で。 学生運動だ、バブルだと言われても今一ピンとこない。 余り期待せず読んだのだけれど、意外にも楽しめた。 主人公の男性目線で読み進めると哀愁を伴う切なさがあるけれど、 妻...

ザックリに言うと、団塊の世代に生きた男性の過去の恋愛や結婚、男の性を書いた1冊。 正直この手の話は少し苦手で。 学生運動だ、バブルだと言われても今一ピンとこない。 余り期待せず読んだのだけれど、意外にも楽しめた。 主人公の男性目線で読み進めると哀愁を伴う切なさがあるけれど、 妻、家族側にピントを合わせるとやはり男の身勝手さが目につく。 特に意識して選んでいる訳ではないのだけれど、ここの所 東日本大震災、お遍路にまつわる本が続いている気がする。

Posted byブクログ

2019/08/10

8月-6。3.0点。 震災後、四国遍路をして、帰宅途中で自ら命を絶った父親。 長年の浮気の果て、家族からは放置される存在に。 本人の視点と、父親の足跡をたどる次女の視点で進む。 うーん、父親の行動にイマイチ共感できない。

Posted byブクログ

2019/06/26

人は人を理解できない、家族においても。 ミステリータッチの、人間存在の危うさを問う小説。 四国遍路を終えた後、海から死体で見つかった父は自殺なのか、それとも事故なのか。 次女が真実を求め、父の足跡を辿り、遍路の旅に出る。 1章、4章、6章は、次女の視点で。2章、3章、5章は父の視...

人は人を理解できない、家族においても。 ミステリータッチの、人間存在の危うさを問う小説。 四国遍路を終えた後、海から死体で見つかった父は自殺なのか、それとも事故なのか。 次女が真実を求め、父の足跡を辿り、遍路の旅に出る。 1章、4章、6章は、次女の視点で。2章、3章、5章は父の視点で。 読者は両方を俯瞰することで、表層でしか自分以外の人間を見ていないことに気づかされる。 解説からの孫々引きになるが、「現代社会における文学の役割は・・・”自分の主張のみが正しい”とする狂信主義へと人々が傾くのを阻止することだ」には、同感の意を強くする。

Posted byブクログ

2019/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ぶ厚い本であるが、字が大きので、読み易い。 最初の出だしから、殺気を感じさせる描写!!! 第1章で、企業戦士で、家庭でも恵まれた人生を送るはずだった父が、四国遍路を終えた後に大型フェリーから自殺したとの通報で、遺体確認へと、娘の碧が、向かう。 父母の別居生活になった過程も書かれている。 第2章の鬼火では、父親が、学生時代に憧れ多女性 紘子との関係が、描かれるのだが、、、、長々と、不倫の話に、少し辟易してしまう。 描かれている2人は、恋焦がれ、引いたり、近づいたりの関係が、ずーと、年代を経ても、繋がっている事に、読んでいても憂鬱である。 第3章 男尊女卑、セクハラ、パワハラ、労災問題、、、の事も描かれているのだが、、、、 紘子も、少しワンマン的であって、子育てもしたことが無いから、理想と現実の違いが、理解せずに、発言をしている所なんかは、素敵な女性に感じられない。 第4章では、娘碧が、父の道をたどっている。 遍路とは、寺を回って参拝することでなく、「無財七施の修行」と、、、佐藤医院の医師が、述べる。 バラモン教の遊行期の男の姿に、人生を4つに時期に分けて、考えると、最後には、子供を妻に託して、今までの築いてきたもの全てを置いて、森に入ると、、、、 家庭も文明をも捨てる・・・・ 断捨離以上の教えである。 遍路の白装束は、死に装束。金剛杖は、墓標を意味するとは、、、初めて知った。 第5章では、父親が、お遍路の道での遭遇した女梨緒との関係。 ここでも、不貞としか言いようがない。 そして、お遍路と、言いつつ、各札での献灯、普請、拝殿、仏像建立への寄付や 札所に群がる商魂たくましさが、少しづつ、真摯な態度で巡礼している者の姿も、新興宗教団体とも同じではという違和感に、康宏は、陥る。 第6章 碧が、フェリーで、帰路に向かうのだが、、、 父親が、フェリーから転落した場所は、昔家族が、クリスマスを楽しんだホテルのイルミネーションであった。 父が、転落前に、20万寄付をした男性の話では、父の死は、事故死だったのだと、、、確信するのだった。 結末は、冬の光で、見てたものは、、、、バブル期の良き思い出の場所のイルミネーションだが、父の自殺が、事故死だったと、結論付けている。 でも、よく読んでみているうちに、家族から疎外され、学生時代から憧れ、愛し続けた女性の死、誰からにも、愛されないし、自分を必要とされていない事を自覚してしまっている。 バラモン教の教えの如く、森へ返れ!でなく、海の上で感じたことは、懐かしむイルミネーションが、見えても、誰もこの場所を思い出す事も無く、そして、又ここへ皆で、来たいと、思わない事に気付いたのかもしれない。 自ら、海へと向かったのかもしれないとも、考えられるのでは、、、、と、思いながら読み終えた。

Posted byブクログ

2020/10/26

62歳で亡くなったサラリーマンが主人公の小説。娘が父親である主人公の足跡をたどる形で四国八十八カ所を巡るが、先入観や予断が繰り返し裏切られ、篠田節子の小説を読む喜びを感じる。主人公の大学時代の恋人が、人生の節目節目で現れ、彼女に接する主人公の価値観の変化がわかり興味深い。バブル崩...

62歳で亡くなったサラリーマンが主人公の小説。娘が父親である主人公の足跡をたどる形で四国八十八カ所を巡るが、先入観や予断が繰り返し裏切られ、篠田節子の小説を読む喜びを感じる。主人公の大学時代の恋人が、人生の節目節目で現れ、彼女に接する主人公の価値観の変化がわかり興味深い。バブル崩壊や東日本大震災などの取り込み方に共感するところもあり、複雑で実に面白い。

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2019/03/14

うーん、 気持ちの悪い小説だった。紘子が嫌な女というか魅力が全くわからない。 青臭い正義ばかり振りかざしてる感じがする。 康宏も最低だったし。 お遍路で知り合う莉緒がもう気持ち悪い。 そんな女相手にする康宏も気持ち悪い。康宏の若い時分の話もイマイチ、中途半端で物語に惹かれず「気持...

うーん、 気持ちの悪い小説だった。紘子が嫌な女というか魅力が全くわからない。 青臭い正義ばかり振りかざしてる感じがする。 康宏も最低だったし。 お遍路で知り合う莉緒がもう気持ち悪い。 そんな女相手にする康宏も気持ち悪い。康宏の若い時分の話もイマイチ、中途半端で物語に惹かれず「気持ち悪さ」ばかりが印象に残ってしまった。

Posted byブクログ