明日の食卓 の商品レビュー
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3組の家族、子育てに関する小説。 母親にフォーカスしているが、私は子供に感情移入する事が多かった。 1人目 父親の豊には手をあげるなと豊に手を上げ、子供にも手をあげる母親の留美子。 2人目 父親の太一の不倫を指摘した息子の優に逆ギレする父親と、それを全く気にしない母親のあすみ。 この息子優は、障害のあるクラスメートを唆し友人にイジメを行い、問題になるがなぜか問題から目を背け宗教にハマる母親。 3人目 シングルマザーの母親の加奈が、仕事で家を空けている間にカップラーメンを食べるためお湯を沸かしたがそれをお腹にこぼしてしまい母親に電話で助けを求める息子の勇。 仕事を終え急いで帰るとお腹に火傷を負った息子がいた。 そこで救急車や救急外来を頼る事をせず市販の薬を使い翌日に行った病院で医師に叱られ虐待を疑われる。 そらぞれ、歪んだ家族問題を抱えているように思う。 1人目の留美子はその後、離婚し自立して3人で仲良く暮らしている。 3人目の加奈は、自分の無知が虐待にあたる事を知り新聞で知識を獲はじめる。 しかし、2人目のあすみだけが全く問題解決に向かわず前世からの事だからしょうがないと2人目を妊娠した。 言葉はきついが、このあすみの家にだけは子供として生まれたくないと思った。 なぜ、2人目の家族だけ宙ぶらりんのまま終わったのか… 問題提起する事が目的なのかもしれないが私は少し消化不良だった。
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3人の小学3年生イシバシユウくんと、その家族の話。 冒頭に虐待のシーンがあり、それはどのユウくんでどのお母さんなのかとモヤモヤしつつ読み進めていく。 どのお母さんも必死で一生懸命生き、子育てをしている。 子育てをしていると、一生懸命になりすぎてどうしても余裕がなくなりがち。 ...
3人の小学3年生イシバシユウくんと、その家族の話。 冒頭に虐待のシーンがあり、それはどのユウくんでどのお母さんなのかとモヤモヤしつつ読み進めていく。 どのお母さんも必死で一生懸命生き、子育てをしている。 子育てをしていると、一生懸命になりすぎてどうしても余裕がなくなりがち。 それを指摘されることもイライラしてしまう。 誰もがなりうる可能性を持っていて 誰が悪いわけでもない。 とてもリアルで、面白いと言っていいのかわからないけれど引き込まれて一気読み。 子を持つ全ての人に、読んでほしい。
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表現が上手でこなれた文章だなあと思ったら、傑作「るり姉」の作者だった。小3の息子を持つ3人の母親の3つの物語、結末を楽しみに読み進めたが最後に関連付けは出てくるものの3つの物語は交じり合わなかった。
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小説の後に、映画もみる。 最後のシーンがよかったなぁ。飛行機雲。 以下、小説より 「光一、ごめん。ごめんなさい」と頭を下げた。 光一くんのお母さんが立ち上がってレオンくんのそばに行く。 「どうもありがとう、レオンくん。でも謝るのはこっちです。本当にごめんなさい。痛かったよね。そんなアザになるまで・・・。もう二度としないように、ちゃんと光一に言い聞かせるからね。本当にごめんね。竹内さん、本当に申し訳ございませんでした。大事なお子さんに怪我をさせてしまい、心からお詫び申し上げます。治療費などきちんとお支払いいたしますので」 あすみは頭を下げている光一くんのお母さんを見ながら、ああ、この人はいろんなことを全部わかって、その上で乗り越えて、ああして普段から笑顔でいるのだと思った。なにも考えていないように見えるのは、もう存分に考え尽くしたあとだからだ。自分はなんと浅はかだったのだろうか。我が子のことが気にならない親なんているわけないのだ。 子どもを育てていると、子ども時代をもう一度体験できるからおもしろい。 「加奈ちゃん、堪忍やで。こんなおばちゃんが続けて働いて、加奈ちゃんみたいな若い子が辞めるなんておかしな話や。せやから、人事の人に加奈ちゃんと替わらせてくれ言うてお願いしたんやけど、聞いてもらえへんかった。堪忍やで、加奈ちゃん」 申し訳なさそうに、大和田さんが言った。 「なんで大和田さんが誤るんですか。大和田さんは、この職場に必要な人やから残るんです。大和田さんが気にすることなんてあらへん。全部、自分の責任です」 大和田さんは、いつも気配りを欠かさなかった。誰よりも早く来て職場をチェックし、気になることはすぐに上の人に伝え、毎朝必ずトイレ掃除をしてくれた。みんんが安全に気持ちよく働けるようにいつでも配慮していた。契約更新は当然だ。人事の判断は正しい。 あすみはなぜか、光一くんのお母さんを折に触れて思い出す。夏休み前、レオンくんと光一くんを交えた保護者同伴の話し合いのときの姿だ。やさしくて強くて、どこかさびしそうだった。そして、誰よりもまともだった。 解説 上野千鶴子より この作品から伝わるのは、母であることの恐ろしさだ。そしてその背後にある、父であることの無責任さだ。母はたったひとりで息子を守ろうとし、それに男はなんの役にもたたないばかりか、時には妨害にさえなる。ある人が言った、「父の不在」という暴力、と。それこそが際しの暴力にちがいない。
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母として、加奈から学ぶことが多かった。 子どもが困っていたら、こちらからあれこれしようとするのではなく「お母ちゃんにできること、何かある?」と聞く。 シンプルなのになかなかできないことだ。 日頃思っていることだが、「子どもを育てていると子ども時代をもう一度擬似体験できるからおも...
母として、加奈から学ぶことが多かった。 子どもが困っていたら、こちらからあれこれしようとするのではなく「お母ちゃんにできること、何かある?」と聞く。 シンプルなのになかなかできないことだ。 日頃思っていることだが、「子どもを育てていると子ども時代をもう一度擬似体験できるからおもしろい」と留美子も言っていた。 まさにそうで、一緒に子どもの私も1つ、また1つと成長している。そう思うと昔の私は今ちょうど中学に入学したばかり。希望と緊張に満ちている。
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椰月美智子さん3冊目。ハズレなし、今回も文句なく面白い。子育て中の3家族を交互に話が進みます。途中いろいろな事件が家庭内で起こり、飽きさせずイッキに読ませます。また様々な怒りが虐待にはしる様が、子育てが終わった世代ですが、本当に考えさせられゾッとしました。
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冒頭、イシバシユウが母親に殺されるところから始まる。裕福な生活をし、頭脳明晰で生意気な息子に振り回され悩まされるあすみ,男の子2人の母親で、その子どもたちの暴れっぷりに振り回され悩まされるライターの留美子、弟に、そして息子の保護者に振り回され悩まされる加奈。それぞれが10歳のイシ...
冒頭、イシバシユウが母親に殺されるところから始まる。裕福な生活をし、頭脳明晰で生意気な息子に振り回され悩まされるあすみ,男の子2人の母親で、その子どもたちの暴れっぷりに振り回され悩まされるライターの留美子、弟に、そして息子の保護者に振り回され悩まされる加奈。それぞれが10歳のイシバシユウを育てている。一体誰が息子を殺したのか。全く別の生活,別の場所、何の繋がりもなく、それぞれの生活が描かれていく。子どもは全て男の子。そして3人の夫はそれぞれにだらしなくふがいない。あーなんかわかる。男親って、多かれ少なかれこんな感じ。いくつになっても、こどものままで。女親はバカみたいに子どもをかばう。男親も女親も結局、何やってんだか。留美子と加奈は,それぞれ歩き始める。あすみは浮気したマザコン夫にもかかわらず、2人目を妊娠、変わらぬ生活を続けていく。1番したたかだわ。様々な場面で、食事が取り上げられ、例えば加奈の息子が、やけどをするのはカップ麺。その結果、虐待を疑われたりするけれど…。留美子が、弁当を買う間に夫と子供の喧嘩がはじまり、留美子が、キレて激しい夫婦喧嘩が、起こったり。どこにでもありそうな出来事が、子どもを殺すきっかけにもなりうる。特別なことではないだけに、ぞくぞくして こわくなる。
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虐待がテーマの小説だと聞いて、ちょっと読むの躊躇いつつ読み始めました。 気持ち持ってかれたら嫌だなぁって思ってビクビクだった。 異なる3家族の物語で、前半は子育てストーリーって感じで共感と気づき貰いつつまったり読めました。 途中から展開が一転してハラハラドキドキ。...
虐待がテーマの小説だと聞いて、ちょっと読むの躊躇いつつ読み始めました。 気持ち持ってかれたら嫌だなぁって思ってビクビクだった。 異なる3家族の物語で、前半は子育てストーリーって感じで共感と気づき貰いつつまったり読めました。 途中から展開が一転してハラハラドキドキ。結末はすっきり。 絵に書いたような起承転結のお話で満足感がやばい ネタバレになるので多くは語れないけど、 家族には色んなことが起こる、起こりうる どんな事件にも必ず背景がある ホント、家族って大変すぎるとつくづく実感した小説でした。 椰月さんは3冊目だけど、個人的にはどれもめちゃくちゃヒットしてます。 素敵な作家さんとの出会いに感謝
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小学生のいる3家庭を通して、子育てとは、人生とは、と考えさせられる作品。お母さん達にとっての子育ての大変さを体感させられる一方、とにかく出て来る男たちがダサくてカッコ悪い。映画化もされているのも納得の面白さ。
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ユウくんがいる3つの家庭の物語。 育児、子供を持つ人生を選択する者は、皆大変なんだと思った。 普通に暮らしている、暮らしていけると思っている普通の人間でも親になると児童虐待の加害者になりうる危うさがいつも隣り合わせにあるのかなと思う。 子供が大切なのに手をあげてしまうまでの進み方...
ユウくんがいる3つの家庭の物語。 育児、子供を持つ人生を選択する者は、皆大変なんだと思った。 普通に暮らしている、暮らしていけると思っている普通の人間でも親になると児童虐待の加害者になりうる危うさがいつも隣り合わせにあるのかなと思う。 子供が大切なのに手をあげてしまうまでの進み方がリアルだった。
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