うちのレシピ の商品レビュー
結婚する二人の家族それぞれからの短編小説。「真夏のすきやき」の正造さんと芳江さんのお互い控えめだけど、地に足をつけたような人柄がいい。 料理人になりたいと思っていた啓太が気に入って通っていたファミーユの従業員募集の貼り紙を目にした時の興奮がとても伝わった。この貼り紙にあった「ま...
結婚する二人の家族それぞれからの短編小説。「真夏のすきやき」の正造さんと芳江さんのお互い控えめだけど、地に足をつけたような人柄がいい。 料理人になりたいと思っていた啓太が気に入って通っていたファミーユの従業員募集の貼り紙を目にした時の興奮がとても伝わった。この貼り紙にあった「まじめで体力のある方求む」は店長の正造さんが若きころ、前店長の書いた従業員募集と同じく文言。正造さんの前店長への感謝と同じものを大事にしている気持ちにジーンときた。やはり縁ある人は結びついていくんだなと思った。こういうお店が近くにあったらいいな。美味しそうな食べ物と優しい話しで、私の気持ちも満たされた。
Posted by
2つの家族の、6人それぞれの視点から、家族の歴史や温かさを感じるお話。 理解し難いと思うことも、本人の心境や、違う目線から見ると、納得できるような事情が見えてくる。 けれども、そういった事情全てを知ることなく、それぞれが日常を過ごしている様子は、とても現実的だ。 生きている...
2つの家族の、6人それぞれの視点から、家族の歴史や温かさを感じるお話。 理解し難いと思うことも、本人の心境や、違う目線から見ると、納得できるような事情が見えてくる。 けれども、そういった事情全てを知ることなく、それぞれが日常を過ごしている様子は、とても現実的だ。 生きていると家族であっても、相手の事情や気持ちの全てを理解するのは不可能で、相手を誤解したり、わからないまま過ごすことが殆どだと思う。 完璧じゃなくても、お互いが愛情を持っていることが伝わっているからこそ、足りない部分を許し許されながら、家族として過ごしていける。 フィクションでありながら、親近感を感じる内容で、キャラクターの人柄の温かさがあるからこそ、安心感をもって見れるお話だった。
Posted by
全体的にあまり入り込めなかった。 その原因のひとつは美奈子だと思う。 私、約束や時間を守らない人間が本当に無理で美奈子は完全にアウトだった。 なのでそればかり目についてしまって…うーん、という感じだった。 ただ、読みやすい文章だったのは良かった。 目でスキャンした文章がそ...
全体的にあまり入り込めなかった。 その原因のひとつは美奈子だと思う。 私、約束や時間を守らない人間が本当に無理で美奈子は完全にアウトだった。 なのでそればかり目についてしまって…うーん、という感じだった。 ただ、読みやすい文章だったのは良かった。 目でスキャンした文章がそうめんみたいにツルンと脳みそに入ってくる。 家族になるって、そういうことなのかなとふと考えさせられた。
Posted by
なんで優しくて温かい話なんだろう。ある関係性の登場人物それぞれの目線で、少しずつ進んでいく。お母さんのキャラなど、ちょっと掴めないところはあるけれど。 まいは、ただおっとり穏やかなのかと思っていたら、過去に大きな挫折を味わっていたり、正造さんの優しさが垣間見れたり。 辛い時にも穏...
なんで優しくて温かい話なんだろう。ある関係性の登場人物それぞれの目線で、少しずつ進んでいく。お母さんのキャラなど、ちょっと掴めないところはあるけれど。 まいは、ただおっとり穏やかなのかと思っていたら、過去に大きな挫折を味わっていたり、正造さんの優しさが垣間見れたり。 辛い時にも穏やかな時にも読みたくなる作品だと思った。
Posted by
カバーの料理の絵がめちゃ美味しそうで、瀧羽さんだし面白そうだなと読み始めたらまさに!でした。フレンチレストランを経営する両親を持つ真衣と母がバリバリのキャリアウーマンなので、父が家事全般を担っている両親の元で育った啓太のお話ですが、啓太や真衣だけではなく親からの目線の話を織り交ぜ...
カバーの料理の絵がめちゃ美味しそうで、瀧羽さんだし面白そうだなと読み始めたらまさに!でした。フレンチレストランを経営する両親を持つ真衣と母がバリバリのキャリアウーマンなので、父が家事全般を担っている両親の元で育った啓太のお話ですが、啓太や真衣だけではなく親からの目線の話を織り交ぜた6話の短編集です。 2つの家族が、子供達の結婚によって1つになっていく暖かいお話でした。
Posted by
ふと手に取ったら装丁がすてきで、イメージどおりのあたたかい雰囲気のお話だった。 ふたつの3人家族の父、母、子、それぞれの目線でそれぞれが生きた時代を行ったり来たり。最後が娘目線だったのがすごくよかった。 まだ年若いカップルの未来を覗けたり、お店の先代との出会いまで遡ったり、深みが...
ふと手に取ったら装丁がすてきで、イメージどおりのあたたかい雰囲気のお話だった。 ふたつの3人家族の父、母、子、それぞれの目線でそれぞれが生きた時代を行ったり来たり。最後が娘目線だったのがすごくよかった。 まだ年若いカップルの未来を覗けたり、お店の先代との出会いまで遡ったり、深みがあって楽しいお話だった。
Posted by
家族経営の洋食屋で勤める青年がそこの娘さんと結婚することになった。 家族それぞれの思いや生き様を食べものの記憶とともに描いたハートフルな作品。 本当にドラマでも見ているかのような感覚で、スムーズに暖かくて安心して読みきることができた。 それぞれが同じ出来事にも感じ方が異なってい...
家族経営の洋食屋で勤める青年がそこの娘さんと結婚することになった。 家族それぞれの思いや生き様を食べものの記憶とともに描いたハートフルな作品。 本当にドラマでも見ているかのような感覚で、スムーズに暖かくて安心して読みきることができた。 それぞれが同じ出来事にも感じ方が異なっていて、それぞれに越えていく生き様が素敵。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子供から見る親、親から見る子供それぞれの 視点が6つの物語で描かれていて、すれ違いや 勘違い、衝突なんかもあるけど食卓を囲んで 一緒にご飯を食べる時間があれば色々とあった としても何とかなるんだなと思いました。 顔を合わせて食べることや、食べる人の ことを考えて作った食べ物ってすごい力を 持っていますね。そこにはやっぱり見えない 思いが詰まっているからなんだろうな。 作中に出てくる誰かを好きになった事を お祝いする件はすごく素敵だなと思ったけど 自分の子供がもしそうなった時に素直に 祝い事が出来るだろうかwww 個人的には仕事と言えど仕事優先で約束を 守らない人はやだなぁ~
Posted by
住宅街にある洋食屋さんを営む家族、そこに関わる人々を描いた心あたたまる連作短編。 二つの家族がすごく素敵で、とても穏やかな読書時間を過ごせた。美奈子さんにはたまにイラッとするけれど(電話の一本くらいしなよ)。 亜実ちゃんの「キッシュ、おいしかったねぇ」という台詞が、なんか好き。(...
住宅街にある洋食屋さんを営む家族、そこに関わる人々を描いた心あたたまる連作短編。 二つの家族がすごく素敵で、とても穏やかな読書時間を過ごせた。美奈子さんにはたまにイラッとするけれど(電話の一本くらいしなよ)。 亜実ちゃんの「キッシュ、おいしかったねぇ」という台詞が、なんか好き。(味がわかるのと、気を使えるのと、両方かな。)この子が大きくなって、ここでみんなで過ごしているところを見たいなと思った。
Posted by
小さなレストランの家族にまつわる連作短編集。 一編読むごとに人間性に厚みが出てきて、読み終わるときには、こんなお店行きたいなぁ、こんな家族っていいなぁ、と思えました。
Posted by