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両利きの経営 の商品レビュー

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84件のお客様レビュー

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2019/04/29

企業が所謂「イノベーションのジレンマ」に陥ることなく、持続的に成功するためには、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」を両立する必要があり、その実践に向けた経営手法やリーダーシップの要諦を明らかにした一冊。 既存事業が抵抗勢力となって「探索」を阻むのを避けるため、リーダーは「探...

企業が所謂「イノベーションのジレンマ」に陥ることなく、持続的に成功するためには、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」を両立する必要があり、その実践に向けた経営手法やリーダーシップの要諦を明らかにした一冊。 既存事業が抵抗勢力となって「探索」を阻むのを避けるため、リーダーは「探索」と「深化」の両方を重視する戦略的意図を明確に示すとともに、双方に共通するビジョンや価値観を創造する一方、組織的には両者を分離しつつ必要な資源は融通できるような構造によって、探索活動を保護する必要があり、そのためには、矛盾や対立を受け入れながら対話を通じて事業間のバランスを保つとともに、時には理解を示さない幹部チームを刷新するといった荒療治も厭わない「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する覚悟が求められる。 「両利きの経営」自体はそれほど目新しい概念ではないが、日本の富士フィルムを含め、豊富な事例をもとに構築された理論やフレームワークを通じて、なぜ両利きが必要なのか、その実行が難しいのは何故か、その困難を乗り越えるためにどうすればいいのかが明確に示されており、実践的な経営書として極めて優れた一冊となっている。

Posted byブクログ

2019/04/26

exploration(知の探索)とexploitation(知の進化)のambidexterity(両利きの経営)がよくわかる。でも、数年前に入山先生が講義で教えていた内容を超えるインパクトがなかった。

Posted byブクログ

2019/04/23

目先の1つの事業に捉われていると時代の急激の変化や社会構造のパラダイムに順応できず命取りになる。なので、それを見越して複数の新規事業を進めようよ、という話。 そのために幾度と変化する社会環境に対応するために、社内外のリソースや知見を統合、再構成できる知恵が欲しいと思った。

Posted byブクログ

2019/03/12

「イノベーションのジレンマ」を超える最重要理論と帯に書いてあって、さらに入山章栄、冨山和彦ダブル解説とも書いてある。 いわゆる経営戦略系の本は、もう食傷気味になっているのだが、こう書かれるとやっぱ読んでしまう。 「イノベーションのジレンマ」はとても面白い本で、大企業がこれまで...

「イノベーションのジレンマ」を超える最重要理論と帯に書いてあって、さらに入山章栄、冨山和彦ダブル解説とも書いてある。 いわゆる経営戦略系の本は、もう食傷気味になっているのだが、こう書かれるとやっぱ読んでしまう。 「イノベーションのジレンマ」はとても面白い本で、大企業がこれまでの事業の改善を超えて、破壊的イノベーションを起こすことに失敗するという問題を明確にしたという意味で、「イノベーティブ」な本で会った。 が、どうやったら「イノベーションのジレンマ」を超えられるかというと、続編の「イノベーションへの解」などを読んでも、なんだかスッキリしない。 要するに、本体からスピンアウトした組織を作るという方向は、なんだか違う感じがしてならなかった。 というなかで、入山さんによると学会ではクリステンセンより評価高いオライリーはどう考えるかというのは、すごく興味のあるテーマだ。 で、読んでみると、かなりなるほどな納得感はあった。きっと、この本の方が、クリステンセンの一連の本よりも、役に立ちそうな感じがしてくる。 一方、当たり前のことを言っているという感覚もあって、これはリソース・ベースト・ビューとか、ダイナミック・ケイパビリティ論、そして組織行動論や組織開発、「学習する組織」の話と一緒じゃないかな?と思った。 つまり、イノベーションが成功するためには、企業の既存の「強み」や「能力」とのリンクが必要ということで、既存の事業をマネジメントしつつ、その強み・資源をイノベーションにしっかり回していく。イノベーションに取り組む人たちは既存の組織から組織的・物理的に離すことは必要なんだが(ここはクリステンセンの議論と共通)、しっかりとトップのコミットとガバナンスが必要。また、一つの会社としての一体感を維持するための共有ビジョンみたいなのが大事。これらを包括的に推進するリーダーが重要、みたいな話。 ある意味、この当たり前とも言える本が注目されるのは、それだけ「イノベーションのジレンマ」のインパクトが強く、それを超えるのに20年かかちゃったということかな? で、乗り越えてみれば、ある意味、当たり前の答えが見つかりました、みたいな。。。。 成功事例として富士フィルムが取り上げられていて、その辺はとてもわかりやすいのだが、アメリカの事例が多いためか、なんとなく読みにくい感じもする。 重要な本だと思うが、先行する議論を読んでないと、この位置付けは今ひとつわからないかな?

Posted byブクログ