1,800円以上の注文で送料無料

両利きの経営 の商品レビュー

3.8

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2021/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやぁ、やっぱり★5つです。 ビジネスの世界に入って20年ぐらいでいろいろ経営に関する本も読んできたところ、昨今のVUCA時代で昨年出版されていた当初から気になっていたのだがようやく読めました。 (というより「両利きの組織をつくる」や「じわじわ死ぬ会社 蘇る会社」「シン・ニホン」「コーポレート・トランスフォーメーション」「世界標準の経営理論」などを経て、この本(おおもと)にたどりついた、というような流れ) 20年ぐらいで、それこそドラッカーだったりD・カーネギーのリーダーシップ本だったり、稲盛さんや松下さんの経営本だったり、もっと昔はソニーの本だったり、そしてシリーズものだと「ビジョナリーカンパニー」シリーズとか、昨今紹介した本だと野中先生の本だとか。(やっぱりそういう意味では複数の企業の栄枯盛衰を分析・考察したビジョナリーカンパニーシリーズは大好き)昨今だとデザインシンキングだったりアート思考DX関連だったりOODAループ思考だったりもする。 そんな感じでいろいろ読み進め、積み上げてきた中での2020年のビジネスパーソンがぜひ読む本だな、と思うところ、正直である。 周辺本をいくつか読んできていて、あぁやっぱり大本にはたどり着かねばね、と思ったけどやはり読んでよかった。 ほっとした。 (もちろんこれから「コーポレート・トランスフォーメーション」「世界標準の経営理論」も読みます。。) あんまりレビューにはなってないですがとにかく読んだほうが(読んでおいたほうが)いいですこの本。 いつもの抜粋としては下記。(ほんとは入山先生のアツイ解説の部分から引用したかったがやめときます) =========== P382  最も成功している企業がイノベーションストリームを構築し、両利きの行動をとっていることはもう明らかなはずだ。深化ユニットでは重視されるのは漸進型イノベーションと絶え間ない改善だが、探索ユニットでは実験と行動を通じた学習である。探索ユニットはスピンアウトせずに、深化ユニットの中核となる資産と組織能力を探索ユニット内で活用する。内部的に矛盾をはらんだ探索ユニットと深化ユニットを共存させるには、包括的で感情に訴える抱負、基本的価値観、幹部チームの強い結束力が必要になる。  こうした要素がすべて合わさると、探索ユニットは未来を見出す権限を与えられ、幹部チームは一定の尺度で有望な実験を行う選択肢(明日の主流事業への道を開くか、別の事業をさらに追加するか)が持てるようになるのだ。 ===========

Posted byブクログ

2020/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【感想】 日本的な企業に勤めてる人は読むべきだなって思った本。 少し幹部層とか経営に携わる人向けかも 具体的な企業例(Amazon)あってイメージつきやすかった。 10年後どうなってるかほんとわからんよねって不安を煽られる。 成熟企業にとって矛盾的な、中核事業を維持しつつイノベーションを起こすという課題について考察し、具体的な組織運営(主に幹部層のやること)を書いた本。 【学び・気づき】 ・要は新規事業と既存事業のバランスとってやってこ ・企業の生存戦略っぽい。環境適応的な話。(2章で意図的なダーウィン理論との記述) ・「採用基準」にも書いてたけど、リーダーとマネージャー違うでええ。 リーダー:方向を示すことが仕事。列車の方向性を決める マネージャー:管理することが仕事。定時で列車運行する。 ・イノベーションのジレンマ(クリステンセン)は不完全 組織・幹部がやらなければいけないこと ・組織として新規にヒトモノカネを導入する覚悟を持つ ・新規と既存はオペレーションが違うので2つを独立する必要 ・文化醸成(イノベーションをたたえる文化) ・探索部隊が深化してきた技術を見渡せ・使いこなせることも重要 ・経営層は既存事業と新規事業の食い合い(カニバリズム)の仲介を行う必要 新規事業をやるにあたり ・収束して事業案作成の際には結構厳密にマイルストーンを置かなきゃ →勉強か専門家に教わる ・リーダーは野心的な目標を! ・6つの質問で事業案を作成(IBM流) 1. どのように競争するか、自社の競争優位性は? 2. どのような顧客セグメントを相手にするか、対象外も含めて 3. 当社の価値提案は何か、なぜ顧客はその事業を選ぶのか 4. どのようにもうけを出すのか、どこから利益がでるか 5. 内部では何を行うのか、どの活動を外注するのか 6. 時間がたった時にどのように収益性を守れるか、優位性は持続可能か

Posted byブクログ

2020/08/15

ジャンルを超えてきた競合との、新たな競争に晒されるなか、成熟企業には「探索」と「深化」、共にマネージできること、すなわち「両ききの経営」が求められる。両立は不可能、せめてスピンアウトを、との論調が一般的なところだが、筆者は構造的には分離させつつ、接点をマネージしながら、運命共同体...

ジャンルを超えてきた競合との、新たな競争に晒されるなか、成熟企業には「探索」と「深化」、共にマネージできること、すなわち「両ききの経営」が求められる。両立は不可能、せめてスピンアウトを、との論調が一般的なところだが、筆者は構造的には分離させつつ、接点をマネージしながら、運命共同体としての共通の報酬制度を通じ「統合」することを説く。 成熟期の日本企業の方向性はこれかと合点した。 “どちらか一方”をとれない、思い切って変わらないことが弱点でもあり、美徳でもある日本企業にとっての得意技ではないかと思う。 ただ具体的なアクションとなると、私たち日本人の苦手な、「ベンチャーの育成と資金共有に関与」し、「その芽を摘もうとする人々から保護するような強いリーダーシップの発揮」と、「基本的課題である実行力(※戦略は実行あってのもの ガースナー)の発揮」が必要で、これらが私たちにとっての最大で困難なチャレンジになるはず。

Posted byブクログ

2020/05/29

価値の源泉となる方法を知るため、読みました。本書の内容を一言でいうと「トップダウンで探索と深化を両立させることがイノベーションに必要」です。人生においても探索と深化を高次元で両立することが必要と感じました。

Posted byブクログ

2020/05/16

成長を続ける大企業と、破綻に追い込まれた大企業。その差は何か? 成長し続ける企業は、 ・既存の資産と組織能力を「深化・有効活用」しながら ・新規事業を「探索・開拓」している。 こうした経営を「両利きの経営」という。 十分な資源や組織能力を保有しながら、破綻もしくは倒産寸前に至っ...

成長を続ける大企業と、破綻に追い込まれた大企業。その差は何か? 成長し続ける企業は、 ・既存の資産と組織能力を「深化・有効活用」しながら ・新規事業を「探索・開拓」している。 こうした経営を「両利きの経営」という。 十分な資源や組織能力を保有しながら、破綻もしくは倒産寸前に至った企業の共通点は、「リーダーシップの失敗」。 これら企業のリーダーは、新しい機会を感じ取れず、企業が繁栄を続けられる形で自社の資産を再構成できない。 ーーーー✂ーーーー クリステンセンによると「破壊的イノベーション」の特徴は、 新たな製品・サービスの導入を通じて新規市場を創造すること。 当初は訴求力に欠けるが、技術が改良され品質が向上すると、既存プレーヤー間で価格崩壊と大規模破壊が起こる。 破壊に直面した組織は、 ・成熟事業で競争しながら(深化) ・新しい技術やビジネスモデルを探求する(探索) 必要がある。 しかしクリステンセンは「探索と深化は同時にできないので、探索にあたるサブユニットをスピンアウトせよ」と言う。 私たちの研究によると、成熟事業と新規部門が断絶していると、新規部門の足が引っ張られ、身動きがとれなくなる。 そのため、両利きの経営が必要になる。 ーーーー✂ーーーー 両利きの経営を成功させるための要素は、次の4つ。 ①探索と深化が必要であることを正当化する、戦略的意図。 ②経営陣の積極的な関与と支援。 ③探索事業と深化事業の距離をとりながらも、企業内の資産や組織能力は活用させる組織構造。 ④探索事業と深化事業にまたがる共通のアイデンティティ。

Posted byブクログ

2020/05/11

知の探索+知の深化 既存/新規の組織能力と既存/新規の市場の組み合わせ 理屈はわかるけど、新規の組織能力ってM&A以外に実現する方法はあるのだろうか。 要としてのリーダーは、 頭の中で二つの対立するアイデアを同時に持つことができ、なおかつ、その力をうまく働かせ続けられる...

知の探索+知の深化 既存/新規の組織能力と既存/新規の市場の組み合わせ 理屈はわかるけど、新規の組織能力ってM&A以外に実現する方法はあるのだろうか。 要としてのリーダーは、 頭の中で二つの対立するアイデアを同時に持つことができ、なおかつ、その力をうまく働かせ続けられることが、第一級の知性の試金石となる。 これは、納得。

Posted byブクログ

2020/05/04

両利きの経営を実践できている企業やリーダーシップに関するケーススタディがとても多く記載されているので、じっくりと読むべき本。 また、両利きの経営において成功率が高まる必要条件が示されている。イノベーションを生み出すための教科書といえる。

Posted byブクログ

2020/05/02

深化と探索 二つの矛盾するケイパビリティを組織に内包するには、どうしたら良いのか、具体例を示しながら非常に分かり易かった。 ①探索と深化が両方必要である事を正当化する明確な戦略的意図 ②経営陣によるベンチャー育成、資金供給への関与、監督、潰そうとする人々からの保護 ③深化的事業か...

深化と探索 二つの矛盾するケイパビリティを組織に内包するには、どうしたら良いのか、具体例を示しながら非常に分かり易かった。 ①探索と深化が両方必要である事を正当化する明確な戦略的意図 ②経営陣によるベンチャー育成、資金供給への関与、監督、潰そうとする人々からの保護 ③深化的事業から十分距離を置くとともに、深化的事業が持つ重要な資産、組織能力に容易アクセスできるよう、組織的インターフェースを注意深く設計する。 ④探索ユニット、深化ユニットにまたがる共通のアイデンティティをもたらすビジョン、価値観、文化による仲間意識の醸成 このフレームワークは新規事業、イノベーションの創出にとどまらず、既存事業における事業変革においても当てはめることができると思った。

Posted byブクログ

2020/04/12

202004/ ベゾスの考えでは、小売業者は二つのタイプに分かれる。より多く課金する方法を探す小売業者と、より安くする方法を見つけようとする小売業者だ。アマゾンが常にめざしてきたのは後者であり、「きわめて低い利益率で、私たちは常に非常に心地よく事業運営を行ってきた」という。 ア...

202004/ ベゾスの考えでは、小売業者は二つのタイプに分かれる。より多く課金する方法を探す小売業者と、より安くする方法を見つけようとする小売業者だ。アマゾンが常にめざしてきたのは後者であり、「きわめて低い利益率で、私たちは常に非常に心地よく事業運営を行ってきた」という。 アマゾンの売上高は2000年には27億ドルとなり、書籍販売から、ベゾスの言葉を借りると「買いたいものを探せば見つかる場所」へと変貌を遂げた。/ アマゾンの戦略を説明する際にベゾスが指摘するのは、顧客志向を打ち出す企業は多いが、そのうちの大半がそうなっていないことだ。その理由として、「企業はスキルを重視する。新しい分野に事業を広げようと考える際に、最初に考えるのは『なぜこれをやるべきなのか。自分たちにはその分野のスキルがない』点だ。こうなうと、企業の寿命は有限になる。というのは、世の中は変わっていくため、かつては最先端スキルだったとしても、すぐに顧客には不要なものとなるからだ。それよりも『自社の顧客には何が必要か』から始まる戦略のほうがはるかに安定している。この問いかけをした後で、自社のスキルとのギャップを調べていくのだ」。/ USAトゥデイの事例から学べること 第一に、カーリーが戦略的意図(「新聞ではなく、ネットワークになr」)をはっきりと打ち出し、探索ユニットと深化ユニットがいずれも同じ組織の一員として協力し合うべき、正当な理由を示した。 第二に、組織全体に適用される共通の価値観(公正さ、正確さ、信頼性)という形で、共通のアイデンティティを与えている。 第三に、最終的に配下の上級幹部チームが足並みを揃え、新戦略に尽力するよう徹底させ、熱心でない人は参加意識の高い人と交代させた。 第四に、探索と深化の両部門を構造的に分離させつつ、重要な接点のマネジメント(日次の編集会議)と運命共同体としての報酬制度を通じて、しっかりと統合が図られている。 最後に、カーリーとそのチームは、新組織を推進する勇気を持っていた。紙媒体の資源を転用して、新しいウェブプロジェクトに資金を回すといった意思決定は物議を醸したが、諸々の反対意見に屈しなかったのだ。/ 経営陣が果たすもう一つの重要な役割は、新規事業と成熟事業の間のインターフェースを管理して、必ず起こってしまう対立を解決することだ。両利きの経営の付加価値は、成熟事業の貴重な資源を新規事業に適用できるところにある。リーダーシップが介入しないと、こうした事業は孤立したユニットとなり、ある事業から別の事業へとスキルや学習を有効活用する機会が持てなくなる。 しかし、最善の意図があったとしても、新規ユニットと既存ユニットの間には対立が起こるものだ。そこで経営陣が間に入らないと、ほとんどの場合、成熟事業が幅を利かせ、スタートアップは不利益をこうむる結果になる。少なくとも、新規ユニットが生き残れる事業だと証明できない限り、そうなるだろう。/ 第三の重要な共通点は、探索ユニットを大組織から分離させることの重要性だ。既存の施設を使うことの効率性については議論が分かれるところだが、前述の事例はいずれも、新ユニットを本社組織から物理的に切り離していた。古い構造やプロセスから解放され、新しいスタートを切るうえで、こうした分離はきわめて重要だったと、新規事業のリーダーたちは協調している。このように距離を置かないと、古いマインドセットから生じる惰性によって、新規事業の成長に必要な焦点がぼやけ、熱量の低下を招きかねないのだ。/ 最も成功している企業がイノベーションストリームを構築し、両利きの行動をとっていることはもう明らかなはずだ。深化ユニットでは重視されるのは漸進型イノベーションと絶え間ない改善だが、探索ユニットでは実験と行動を通じた学習である。探索ユニットはスピンアウトせずに、深化ユニットの中核となる資産と組織能力を探索ユニット内で活用する。内部的に矛盾をはらんだ探索ユニットと深化ユニットを共存させるには、包括的で感情に訴える抱負、基本的価値観、幹部チームの強い結束力が必要になる。/

Posted byブクログ

2020/04/06

『両利きの経営』=探索(自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為)と深化(探索を通じて試したことの中から成功しそうなものを見極めて、磨き込んでいく活動)がバランスよく高い次元で取れていること。 既存組織・サービスで限界まで突き詰めながら、全く新しい領...

『両利きの経営』=探索(自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為)と深化(探索を通じて試したことの中から成功しそうなものを見極めて、磨き込んでいく活動)がバランスよく高い次元で取れていること。 既存組織・サービスで限界まで突き詰めながら、全く新しい領域まで手を伸ばさないと企業は生き残れないということを、様々な事例で紐解く。 日本人には富士フィルムの成功例が理解しやすい。 必要なのは探索と進化を両立させる組織体制と、それを実現しドライブするリーダーシップといったところか。

Posted byブクログ