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カッコーの歌 の商品レビュー

4.1

32件のお客様レビュー

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2019/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『嘘の木』が良かったのは、ファンタジー要素がありながら、ミステリ、歴史小説、ビルドゥングスロマンとしてよくできているだけでなく、社会の表に出ていけなかった当時の女性たちの苦悩までが描かれていたから。非の打ち所がないという感じだった。 で、これも期待して読んだのだが、ファンタジーが好きな人には良いのだろうけど、あまりにファンタジー要素が多く、ミステリ要素が少なく、歴史的背景はあるものの、『嘘の木』ほど大きく物語にかかわってはおらず、個人的には『嘘の木』を超えるものではなかった。 途中で取り換え子の話と分かるまでは、なかなか話に乗れなかった。取り換え子をカッコーの托卵にたとえたタイトルだということがわかると、上手いなと思ったし、取り換え子自身が主人公というのもすごいなと思った。読み終わって満足感もあり、才能のある作家だと思った。 全編に漂う暗い雰囲気、父親は社会的地位も知能も高いが裏のある人物、妹は(『嘘の木』では弟)精神的に追い詰められている、有能な女性の活躍の場がない(この作品ではヴァイオレット)など共通点も多いが、母親の印象は薄い。この作品が『嘘の木』の前に書かれているので、『嘘の木』はこれより良くなっているのは嬉しい。もう新作がでているらしいので、そちらに期待したい。 しかし、深緑野分の解説はいらないから値段はせめて据え置きでお願いしたかった。高すぎでしょう。図書館や学校に買ってもらえば元が取れる値段設定なのだろうか。 映画になったら面白いようにも思う(アーキテクトの住む映画館やビサイダーたちの住む街の様子など)主人公の姿がグロいところがあるので、子供向け映画では厳しいかもしれない。

Posted byブクログ

2019/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『嘘の木』に続き、2冊目が東京創元社から刊行。 少女(?)を主人公にしたファンタジックな冒険譚。日本での刊行順は『嘘の木』→本書であるが、書かれた順番は逆だったようだ。 本書と『嘘の木』には、『少女が主人公』『一見、普通に見える家庭内に、実は問題がある』など、共通点が多く、それが作中で解かれる謎の重要な伏線になっている。 本国ではかなり評価が高そうなので、他の本も邦訳されるといいなぁ。

Posted byブクログ