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名もなき星の哀歌 の商品レビュー

3.6

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2023/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「バクマン」を思い出す。物語は面白いのに、なぜか入り込めず、ちょっと冷めた感じで読み終えた。記憶の売買というファンタジー要素のある話とは知らなかった。 記憶を売った時買った時どうなるか、値付けのルール、水晶玉や小瓶で持ち出せるというルールがすんなりと入ってこずに、違和感を感じてしまい、最後まで何か引っかかった感じ。 巌の話も、ミゾロケツヨシの話も本筋ではなかった。本筋は、良平が、保科の手紙を良平に渡さずに捨てていた親に嫌気がさし、記憶の入れ替えをしたというあっけないものだった。この両親はほとんど登場しないが、最低最悪。なぜ手紙を渡さずに捨てていたのだろうか。例えば、代議士の一族で一般人とは結婚させないとか、一族全員東大卒だから絶対東大に合格させるとか、そういう理由もなく、捨てている。漫画家目指す普通の大学生になるような息子にそこまでする必要があったのだろうか。 また、ジュンさんは包丁を持って何をする気だったのか。良平が記憶を取り戻すことを邪魔するために警告文送るのはよしとしても、良平と保科を包丁持って追いかけたのはなぜか。理由が理解できなかった。 良平が、高知に住んでいて転校したならわかるが、お盆に行くだけで保科やツヨシと深く関わるのも不自然な気がする。 自分の記憶を消すのは「デスノート」を思い出した。 店にはジュンさん以外にも営業マンがいたような話が出るが、いる気がしない。 店に出入りして、勝手に水晶球を使って記憶を検索できる、という状況が理解できなかった。 また、店が買い取った記憶のなかから検索しているということは、喫茶店のアルバイトの記憶も店が買ったということになるが、そんなものまで買い取るのだろうか。やはりいろいろ気になってしまい入り込めなかった。 子供の頃の記憶を消したが再会するという話は面白かったので、巌の話やミゾロケの話は並行に進めるのではなく、章を分けて、記憶売買の一案件として、それぞれ独立した話にしても良いと思う。あと、良平を天才と認めるくだりが簡単すぎる。もっと実績があった上で認めたのかと思っていたら、出会ってすぐに店主までが認めたのは驚いた。

Posted byブクログ

2022/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

王様のブランチで、作者の最新作が紹介されていたので、ついでにこちらも。新潮ミステリー大賞だそう。こういうSFだと知らずに手を出してしまったが一気に読めた。 ナイト=健太だとしたら、早くに匂わせすぎかなと思っていたら、良平の方でした。 謎が解けるあたりから勢いあるんだけど、ふと、「夢を見続けた僕とひとみに待ち受けていた未来…汚らわしい大人たちにボロボロにされた!!」あたりを読むと、え、そんなに…?と思っちゃう。 もちろん互いの夢を支えに頑張ってきて、親に勝手に手紙渡されなくなって誤解が生まれて…は辛いけども、そこから死、別人に…というところが、うーーん? 私が大事なところ読み飛ばしてるんだろか。 ぶっちゃけ題は、受賞時の「スターダストナイト」の方が良くない?

Posted byブクログ

2022/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 読んだ年齢がもう少し若かったらファンタジーの世界に素直に没入し楽しめたのかもしれませんが、おばさんは、正直、この世界に入りきれませんでした。ただ発想としてはすごく面白いし、結局色々気になってしまい最後まで読んだので、さすが新潮ミステリー大賞を受賞した作品だと思います。  私は30代の頃、老いて動けなくなることや、認知症になることを漠然と考えはじめ、とても怖くなったのを覚えています。きっとそれは無知からの過剰恐怖ではと思い、まずは敵を知ろうとホームヘルパーの資格までとりましたよ、あの頃。(笑)  アラフィフになった今は、「おじいちゃんが認知で」「親の介護が」と散々あちこちから聞くようになりまして、あの頃よりは怖くなくなりましたが、やはり記憶がなくなったり、記憶が曖昧になることは怖くて、辛いことには変わりありません。  そしてそういう未来が私にも起こるかもしれないと思うと、今ある記憶をどこかへバックアップしておきたいなあと思ったりします。それができれば「店」にも行きたいが、バックアップ(コピー)というものはやっていない。残念。  と記憶に関して、この本を通して、さまざまな思いが巡ったので、やはり読んで良かったと思う。  ただ主人公の「ナイト」がそんなに頭が良いのなら、自分の記憶をそう簡単にごっそり無くして「自殺」するとは思えない。いくら繊細な青春時代とは言え、手紙を止められたくらい、どうってことはないんじゃないか?辛いことも淋しいことも、どんな記憶であれ、自分が何かを体験した結果得たその「感触」は自分の宝物で、自分自身と言ってもいいものなのだから。  それに、「健太には『自信』を、ひとみには『金』を遺す〜」と言っているが、記憶が無くなれば、本当に遺せたか確認さへできない。そんな不明確な状態と分かった上で決行するだろうか?  それに死にたくなるような辛い経験を持ったので「自殺」しますでは、「ナイト」を「騎士」とはとても呼び難い。  辛い記憶は簡単に消えないけれど、「消えました!」いうことにして、生きていくのが人間てもんさ!と私は思います。なぜなら、明けない夜はないのだから! 最後に「ナイト」と「night(夜)」もかけてみました(笑)

Posted byブクログ

2021/12/19

「名もなき星の哀歌」 1.購読 読書レビューがきっかけで読了した一冊です。 著者のデビュー作の完成度も評判でしたので、気になってました。 2.読み終えて SF的発想 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ ミステリー ⭐️⭐️⭐️⭐️ タイトル ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ タイトル。...

「名もなき星の哀歌」 1.購読 読書レビューがきっかけで読了した一冊です。 著者のデビュー作の完成度も評判でしたので、気になってました。 2.読み終えて SF的発想 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ ミステリー ⭐️⭐️⭐️⭐️ タイトル ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ タイトル。 こちら、読み終えると、ひとつのトリック、仕掛けに気づきます。 この隠されたタイトルこそが、物語の根幹、全ての始まりと終わりにつながっているのは、なかなかの妙味でした。 3.もしも、記憶が売買できるのが現実ならば。 物語は、記憶の売買の仲介を務める男性ふたりです。 大学時代に、そのアルバイトを始め、1人は漫画家志望、ふたりめは銀行員の傍ら、この副業を続けます。 展開のなかに、アルツハイマーの奥様と生きる男性が描かれています。 彼が介護のために手放した記憶、そして、奥様の記憶を呼び戻すために購買した記憶の記述があります。 本編の中核からは外れた物語に、心が温まる瞬間がありました。

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2021/12/12

設定は面白いが、策に溺れているというか、無理に複雑にしようとしていて読んでいて疲れる。 もう少しスッキリすると素敵なストーリーなのだかが。

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2021/11/10

記憶を操作できるっていいですよね 忘れ去りたい記憶が頭に残ってズーンと落ち込む毎日 そんな記憶を消し去ることが出来る しかもお金が貰える。 お金を払うだけで幸せな記憶を自分の物にできる。 まぁ夢物語ですけど、それがいいのか、悪いのかは、その人の考え方次第ですよね

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2021/07/12

記憶の売り買い出来てもしたくないですねえ。売る事は有っても買う事はまずないと思うなあ。 でもこういう商売本当に有ったら、結構需要あるんでしょうね。ヴァーチャルな物が受け入れられている今ならば、色々な記憶を楽しむ為に買うなんてのも有るのかもしれません。 本としましては、色々ごちゃ...

記憶の売り買い出来てもしたくないですねえ。売る事は有っても買う事はまずないと思うなあ。 でもこういう商売本当に有ったら、結構需要あるんでしょうね。ヴァーチャルな物が受け入れられている今ならば、色々な記憶を楽しむ為に買うなんてのも有るのかもしれません。 本としましては、色々ごちゃごちゃしてしまって、内容を理解しながら読むのがめんどくさいと感じてしまった。これは個人の素養ですけどね・・・。

Posted byブクログ

2021/05/02

レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。 ー俺は「如月楓」こと田中健太。いずれ漫画で世界を「あっ」と言わせる男さ。 ー同じアパートだなんてこれも何かのご縁だ。よろしくな良平くん。 この物語の主人公、大学生の田中健太と岸良平の出会いの場面。 「主人公が、主人公だか...

レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。 ー俺は「如月楓」こと田中健太。いずれ漫画で世界を「あっ」と言わせる男さ。 ー同じアパートだなんてこれも何かのご縁だ。よろしくな良平くん。 この物語の主人公、大学生の田中健太と岸良平の出会いの場面。 「主人公が、主人公だからという理由で助かっていいのは、一度だけ」とかルールを決めるべきだよ。 「死んだはずの主人公が実は生きていた」って最高に面白いじゃん。 この物語のもう一組の主人公である保科ひとみと、ナイトという名の少年時代の思い出の場面。 この作品は漫画家を目指すフリーターの健太と銀行員になった良平が、人間の記憶を売買するという不思議な店で働くことになるところから始まります。 二人は渋谷の駅前で『星名』という『スターダスト・ナイト』という曲を歌うシンガーと出会ったことから彼女の過去を知ろうとすることになり、事件へとまきこまれていきます。 星名は、もうこの世にいない『ナイト』という名の幼なじみを探して歌っているのです。 健太と良平は『ナイト』を探しはじめるうちに二人共おかしなことに次々と気づき始めます。 この物語のストーリーは複雑ですごく伝えにくいのですが、最後はタイトルの『名もなき星の哀歌』の意味が響いてくる内容です。 ラストは最初の健太と良平、ひとみとナイトの会話の意味ももうひとつあったのだと、なんだかじーんとしてしまい、余韻に浸りました。

Posted byブクログ

2021/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ところどころ都合良すぎるように話が進んだり(星名が知らない人に自分の過去を洗いざらい話す不自然、町の人も然り)感じるところはあったけど、それを踏まえてでもなかなかロマンチックなお話だと思う。友人にまで記憶の移植をしたりとか、結構エゴの塊だなって思ったけど、人にとっては些細なことでも本人の精神を打ち砕いてしまうようなことはある。 記憶移植をした後でも銀行員という職業の範囲の中でご老人の夫婦を救ってあげるような策を思いつく人になっていたから、目に見える夢がある人もない人も、みんな特別というのがささやかなテーマだと思う。

Posted byブクログ

2021/01/02

様々に伏線が散りばめられていて読者の思考を操っているような文章だった。山積みになった疑問点を解決したくてページをめくる手が止まらなかった。記憶を売買できるという発想の特異さやパズルのような時系列の組み込みかた、哲学も入っていてとても面白かったです。少しだけ分かりづらい描写もあった...

様々に伏線が散りばめられていて読者の思考を操っているような文章だった。山積みになった疑問点を解決したくてページをめくる手が止まらなかった。記憶を売買できるという発想の特異さやパズルのような時系列の組み込みかた、哲学も入っていてとても面白かったです。少しだけ分かりづらい描写もあった気はするがとてもいい作品だと思います。

Posted byブクログ