1R1分34秒 の商品レビュー
ボクシングを題材にすることで、何故こんなことしてる?わたしはなに?といった自問をくっきり浮かび上がらせている点は面白かった。 芥川賞とる作品ってすぐセックスしたり浮気したりするのは伝統芸なのかなぁ(偏見に満ち溢れていてすみません) 作者が意図的にしているのかは知らないが、素直に読...
ボクシングを題材にすることで、何故こんなことしてる?わたしはなに?といった自問をくっきり浮かび上がらせている点は面白かった。 芥川賞とる作品ってすぐセックスしたり浮気したりするのは伝統芸なのかなぁ(偏見に満ち溢れていてすみません) 作者が意図的にしているのかは知らないが、素直に読みづらい表現の仕方が結構目につき、進みづらいタイミングがままあったように感じた。個人的にあっていなかっただけかな。
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目的意識を見失いつつあるボクサーがいくつかの出来事を通じて決意を新たに前向きになる物語(であってるのかな?)。 同時に受賞したニムロッドと同様、文体は読みやすく親しみがある。がそこは芥川賞作品、一筋縄ではいかない。特に印象的だったのが漢字の使い方。難しい漢字がよく出てくる一方で...
目的意識を見失いつつあるボクサーがいくつかの出来事を通じて決意を新たに前向きになる物語(であってるのかな?)。 同時に受賞したニムロッドと同様、文体は読みやすく親しみがある。がそこは芥川賞作品、一筋縄ではいかない。特に印象的だったのが漢字の使い方。難しい漢字がよく出てくる一方で普通漢字にしそうなところが平仮名になっているところが多数あった。他にも句読点の打ち方が妙に短かったり、文章をどんどん積み上げるような部分があったりと少し変わった文章の印象を受けるがこれがボクサーの混濁した意識を上手く言外で表現している感じもした。 所々にいい言葉が出てくるが、中でも一番印象的だった言葉がこれ。 「明日を放棄したまま未来を夢見るふりをしつづけなければいけないのは、どんなボクサーもおなじか?」 他の作品でもこのような文体上の演出をしてるのかちょっと気になる作家でした
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人間の心理って難しい。 頭の中でいろんなことを考える。 そんなこと、考えなくてもいいと言っても無駄。 考えたくなくたって考える。 表面から分からないボクサーの葛藤。 その殻をさりげなーく崩していくウメキチ。 そのウメキチだっていろいろ考えてる。 でも、人生は続くんだよなあ。
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第160回芥川賞受賞作 ニムロッドに比べたらすごくわかりやすい。普通に読みやすいし、感情移入もしやすい。 ともだちが映画で賞をとったっていったときに嫉妬が勝ったっていうシーンがすごくすき。そのあとともだちが嘘だよっていうのも、どっちが本当かわからないけど、きっととったのかもしれ...
第160回芥川賞受賞作 ニムロッドに比べたらすごくわかりやすい。普通に読みやすいし、感情移入もしやすい。 ともだちが映画で賞をとったっていったときに嫉妬が勝ったっていうシーンがすごくすき。そのあとともだちが嘘だよっていうのも、どっちが本当かわからないけど、きっととったのかもしれないっていう嘘だよって切なくて、すごく好き。 ガールフレンドの描写もいい。 自分の弱さに、人生という儚さに、日々にげんなりしている方へ。
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面白かったし、読んで良かったと思ったし、好きか嫌いかと言われたら好き。 人間関係が希薄で、あらゆる目的を見失いがちな傾向がある現代を示しているのかもしれない。それとも若い世代的なものなのか。 心理描写が細かいと言われればそうかもしれないけれど、嫉妬や悔しさなどえがかれていても、さ...
面白かったし、読んで良かったと思ったし、好きか嫌いかと言われたら好き。 人間関係が希薄で、あらゆる目的を見失いがちな傾向がある現代を示しているのかもしれない。それとも若い世代的なものなのか。 心理描写が細かいと言われればそうかもしれないけれど、嫉妬や悔しさなどえがかれていても、さらっとしていて、伝わってくる熱量や、読後感に迫っていることはあまりなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ボクサーの生理が事細かに綴られていてとても面白かった。また練習のメニューや内容が細かく、ロジカルに描写されていて先日見た『クリード』に物足りなかったのが全部描いてあった気がした。トレーナーとのドライでありながら、それが配慮である感じの関わり方がよかった。 読み進めながら、これはもしかしたら試合に至らずに終わるパターンかと思ってハラハラしたが、短い表現であるにも関わらず納得の行く結末で安心した。
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試合のたびに人生を凝縮して生きているかのようなボクサーのルーティーンが、外側の事情と内側の情緒が、日程に沿って描かれる。 ドキュメンタリーからはどこまでも遠く、主人公の気質を表した夢、変わった友人、主人公の心の繊細な情景が文学たらしめてる。この本、好きだ。 ボクサーという人種のこ...
試合のたびに人生を凝縮して生きているかのようなボクサーのルーティーンが、外側の事情と内側の情緒が、日程に沿って描かれる。 ドキュメンタリーからはどこまでも遠く、主人公の気質を表した夢、変わった友人、主人公の心の繊細な情景が文学たらしめてる。この本、好きだ。 ボクサーという人種のことを好きになる。 心が温度を持つ。 試合前に夢の中で対戦相手とパートナーになってしまう四回戦ボーイ。 熱狂なんてどこにもない粛々とこなすボクシング。 はっきりとした切れ間もなく淡々と流れる日々/思考。 そんな彼に徐々に光が射していった。 ジメジメとした内省が晴れてゆくその様は確かに青春だった。 数々のたらればを振り切って、数々の可能性を束ねて繋げてその先を歩くために、勝利が必要で そんな勝利を欲しがる動機がとてもまっすぐでよかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
プロテストに合格し、デビュー戦はKO勝ちしたもののその後は3敗1分の主人公。 新しいトレーナーに違和感を抱きながらも徐々にそのやり方にはまって行く。 1R1分34秒 は次の試合の妄想。 今回の芥川賞2作 「1R1分34秒」 「ニムロッド」 は何だか似たテイスト。 セフレ的な女性が出てくる所なんかもね。
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デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、三敗一分け。試合前に対戦相手を調べあげ、分析し、親友になってしまう。敗けた後は親友に裏切られた気持ちになる。倒せたポイントを、たらればを考えてしまう。日本チャンピオンが夢だったのに、もう勝ちたいか勝ちたくないかもわからない。 そんな主人...
デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、三敗一分け。試合前に対戦相手を調べあげ、分析し、親友になってしまう。敗けた後は親友に裏切られた気持ちになる。倒せたポイントを、たらればを考えてしまう。日本チャンピオンが夢だったのに、もう勝ちたいか勝ちたくないかもわからない。 そんな主人公が、トレーナーに見捨てられ、奇人の噂もあるウメキチについてもらうことになります。主人公は、ウメキチを手放しで信頼するようになり、練習に励みます。 主人公は日々を記憶していこうとおもわなくなっていましたが、もう記憶を、自分を失いたくない。だから勝つ。 ボクサーの日々の心情が、細やかに描かれていました。
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一気に読む。というか、この本は薄い。 ふとしたきっかけで手にした一冊。 芥川賞の作品読んだのは10年ぶりくらいかも。 不思議な読後感。ボクシングの知識はロッキーとあしたのジョーくらいしかないけど、どちらとも違う世界。主人公の葛藤、心の動き。閉ざされた日常。 あんまり共感できなか...
一気に読む。というか、この本は薄い。 ふとしたきっかけで手にした一冊。 芥川賞の作品読んだのは10年ぶりくらいかも。 不思議な読後感。ボクシングの知識はロッキーとあしたのジョーくらいしかないけど、どちらとも違う世界。主人公の葛藤、心の動き。閉ざされた日常。 あんまり共感できなかったけど、悪い感じはしなかった。 うーむ。やっぱ、不思議な一冊。
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