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すべての、白いものたちの の商品レビュー

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43件のお客様レビュー

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2019/02/20

作家の母国語で「白い(ヒン)」は、生と死の寂しさをたたえた色であるという。ある年の夏をワルシャワで過ごした作家は、第二次大戦で破壊しつくされた白い石造りの建物の、その「白い」都市の運命と、生まれて2時間で息を引き取った姉の運命を重ね合せる。都市が人々の努力でみごと再生を果たしたよ...

作家の母国語で「白い(ヒン)」は、生と死の寂しさをたたえた色であるという。ある年の夏をワルシャワで過ごした作家は、第二次大戦で破壊しつくされた白い石造りの建物の、その「白い」都市の運命と、生まれて2時間で息を引き取った姉の運命を重ね合せる。都市が人々の努力でみごと再生を果たしたように、姉の生もまた自らの生と体の内に蘇らせることができるのだと悟る。そしてすべての、白い(ヒン)ものたちのなかに姉の生を見出そうとする。祈る思いで…。

Posted byブクログ

2019/02/14

本の上のところがギザギザしてるのも好き。紙の色が違っていたり、文字の感じも所々違うのも好き。 ここに書いてあることばは死と記憶と、詩とアルバムのようだと思った。 美しい本でした。

Posted byブクログ

2019/02/05

大好物ハン・ガンです。 「白いもの」をテーマにした短い作品。彼女の体験を基にしたエッセイでもあるし、ときおり美しい詩のようにもなる。 産まれた二時間後に亡くなってしまい、顔も知らない自身の姉への思慕、「彼女が生きていたらきっと自分はこの世にいないんだ」という思いにもつながる死生観...

大好物ハン・ガンです。 「白いもの」をテーマにした短い作品。彼女の体験を基にしたエッセイでもあるし、ときおり美しい詩のようにもなる。 産まれた二時間後に亡くなってしまい、顔も知らない自身の姉への思慕、「彼女が生きていたらきっと自分はこの世にいないんだ」という思いにもつながる死生観などが、静かに紡がれていく。姉を自分自身の中に憑依させるような感覚で、自分自身を漂白しようとしているようにも思えたり。 この人の文章は個人的に刺さりまくるので、もっと読みたかった。表紙もなんかかっこいいな。

Posted byブクログ