贖罪 の商品レビュー
全ての小説愛好家、必読!ウソから始まった衝撃の結末「贖罪」〜名作ゴン攻め「あいうえお」 https://youtu.be/VSXtHigdqSI
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ブライオニーの若さゆえの突っ走り。 許さないことはできるのに、許すのって本当に難しい。 贖罪とは映画「つぐない」 セシーリア:キーラ・ナイトレー ロビー:ジェームズ・マカヴォイ ブライオニー:シアーシャ・ローナン もう一度映画を見直したくなった。 そして、知らずに手に取った原作...
ブライオニーの若さゆえの突っ走り。 許さないことはできるのに、許すのって本当に難しい。 贖罪とは映画「つぐない」 セシーリア:キーラ・ナイトレー ロビー:ジェームズ・マカヴォイ ブライオニー:シアーシャ・ローナン もう一度映画を見直したくなった。 そして、知らずに手に取った原作が読めてうれしい。
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13歳の夏、作家を夢見るブライオニーは偽りの告発をした。姉セシーリアの恋人ロビーの破廉恥な罪を。それがどれほど禍根を残すかなど、考えもせずに―引き裂かれた恋人たちの運命。ロビーが味わう想像を絶する苦難。やがて第二次大戦が始まり、自らが犯した過ちを悔いたブライオニーは看護婦を志す。...
13歳の夏、作家を夢見るブライオニーは偽りの告発をした。姉セシーリアの恋人ロビーの破廉恥な罪を。それがどれほど禍根を残すかなど、考えもせずに―引き裂かれた恋人たちの運命。ロビーが味わう想像を絶する苦難。やがて第二次大戦が始まり、自らが犯した過ちを悔いたブライオニーは看護婦を志す。すべてを償うことは可能なのか。そしてあの夏の真実とは。現代英文学の金字塔的名作!
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「贖罪」。罪を贖うこと。 このテーマについての物語は古典からはじまり、多種多様なものがある。しかし、これは! 新しい古典、と呼ぶべきか。それとも、フィクションのフィクションと呼ぶべきか。 少女の小さな嘘から始まる物語だが、その物語に囚われている我々は著者の被験者なのでは?と思わさ...
「贖罪」。罪を贖うこと。 このテーマについての物語は古典からはじまり、多種多様なものがある。しかし、これは! 新しい古典、と呼ぶべきか。それとも、フィクションのフィクションと呼ぶべきか。 少女の小さな嘘から始まる物語だが、その物語に囚われている我々は著者の被験者なのでは?と思わされる結末。。贖うべき罪は、果たしてあったのか、なかったのか? どちらにせよ、一度読んだら忘れられない一冊になるのは間違いないだろう。
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奇跡のような傑作、欧米文学賞総なめ、究極のラブストーリー、一生をかけて償わなければならない罪があった…世界文学の新たな古典、と帯に書いてあって読みたいが究極の恋話は怖いと永年積んだままだった一冊。立場が違うも焦れったいまでに惹かれ合う恋人たち。無実の罪を背負って引き裂かれる。さら...
奇跡のような傑作、欧米文学賞総なめ、究極のラブストーリー、一生をかけて償わなければならない罪があった…世界文学の新たな古典、と帯に書いてあって読みたいが究極の恋話は怖いと永年積んだままだった一冊。立場が違うも焦れったいまでに惹かれ合う恋人たち。無実の罪を背負って引き裂かれる。さらに2人を引き離す戦争。再会を夢見る狂おしいほどの恋情と再会。ふたりの愛の行方は。そして呆然のラスト。なんだこれは!アクロイド殺人事件かドグラマグラか!こんな償いは冒瀆だ。元も子もないラストへ全てが解き放たれる、あってはならない恋愛小説、吐きそうなほど苦しい、いや苦しくて吐きそう
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第一部では、小説家の才能に自惚れた少女が、妄想のあまりに意図せず罪を犯してしまうある事件が、関係する複数の人物の視点で描かれる。 第二部では、少女によって冤罪を着せられた青年が、刑務所で過ごした後、戦地に送られてフランスからイギリスへ退却する様子が、青年の視点で描かれる。 第三部では、成長した少女が、見習い看護婦として兵士の治療にあたる様子が描かれ、同時に冤罪を着せてしまった青年とその恋人である自身の姉に対して、謝罪を行い、贖罪の行動を取るところが、少女の視点で描かれる。 人物の感情や思考や、周囲の情景がとても緻密に丁寧に書き込まれている。戦場や病院の様子は非常に迫真に満ちている。一段落がとても長く、その中でじっくりと語られている。 これだけでも十分に感動的で読み応えのある物語だが、実はこれはメタフィクションであるということが、第三部を読み終わると分かる。つまり、ここまではすべて少女が後年に書き上げたものである。 目的は冤罪を着せてしまった相手と姉に対して贖罪を行うためであるが、そのために一部が事実から改変されている。 第三部の後に、「ロンドン、一九九九年」という短い章がある。ここを読むと最も重要な点で何が改変されているかが分かり、そこでも大きく心を揺すぶられることになる。 フィクションというものに何ができるかということに、少女と作家自身の両方の立場で同時に挑んでいる感じがした。
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小説家が、小説の中で過去の罪を告白し懺悔することが「贖罪」となるのか、いわゆるメタフィクション(フィクションの中のフィクション)という形式をとった実験小説です。そもそも懺悔という行為自体が神の存在を前提としたキリスト教的なものなので、欧米人にはピンとくるテーマも、私のような無神論...
小説家が、小説の中で過去の罪を告白し懺悔することが「贖罪」となるのか、いわゆるメタフィクション(フィクションの中のフィクション)という形式をとった実験小説です。そもそも懺悔という行為自体が神の存在を前提としたキリスト教的なものなので、欧米人にはピンとくるテーマも、私のような無神論者にはあまり響いては来ませんでした。 『贖罪』 (原題:Atonement) は、個人的な贖罪についての理解と必要性への対応に関して、イギリスの小説家イアン・マキューアンが2001年に書いたメタフィクション小説である。1935年のイギリス、第二次大戦期のイギリスとフランス、そして現代のイギリスという3つの年代が舞台となっている。小説が描いているのは、上流階級の少女のいくぶん無邪気な過失が生活を破壊したこと、彼女がその過失の影の中で成人したこと、そしてものを書くことの本質についての考察である。 マキューアンの最も良い作品の一つであるとみなされており、2001年に小説部門のブッカー賞最終候補作となった。2010年にはタイム誌が、1923年以来の100の偉大な英語小説のリストに『贖罪』を加えている。 2007年にこの作品は英国映画テレビ芸術アカデミーにより同名の映画に改作され、アカデミー賞作品賞を受賞。出演はシアーシャ・ローナン、ジェームズ・マカヴォイ、キーラ・ナイトレイ、監督はジョー・ライト。(Wikipedia)
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作家を夢見るブライオニーは、自身の偽りの告白で、姉とその恋人を社会的に抹殺した。 ほんの少しの嫉妬、嫌悪、幼い感情の諸々。 償いとは何かを問いかける現代英文学の金字塔、らしいのだが…いや…第1部が、長い長い。 まだ物語は事件を起こさないのか? 流れる田園風景をただひたすら眺めさせ...
作家を夢見るブライオニーは、自身の偽りの告白で、姉とその恋人を社会的に抹殺した。 ほんの少しの嫉妬、嫌悪、幼い感情の諸々。 償いとは何かを問いかける現代英文学の金字塔、らしいのだが…いや…第1部が、長い長い。 まだ物語は事件を起こさないのか? 流れる田園風景をただひたすら眺めさせられているような、あくびの漏れる、などと言ったら大変失礼であるが、ページを繰る指が進まなかった。 ところが、第2部から加速し始め、第3部、ブライオニーが看護師になってからの物語は非常に面白かった。 第2部の戦争の話は火薬や血や、土煙や…爆弾によって消し飛んだ(蒸発してしまった、と402ページにあるように!)母子、農民にリンチされている空軍兵、うごめく物体に目を凝らした時のおぞましさ! どこかの政治家が、戦争で領土を取り戻さないんですか、なんて聞いていたが、その政治家は、蝿が全身にたかった腐乱死体になる覚悟はあるんだろうか。 まあ、それは話がずれる。 わたしとて戦争を知る世代ではない。 第三部、そしてエピローグに当たる「ロンドン、一九九九年」は、ブライオニーの妄想だったのか? 彼女はまた、虚偽の告発を繰り返したのか? ぼんやりとにじむような真実を、読者は何度も目を凝らして見極めようとするに違いない。 おそらく読み手によって結末は違うものになってくるのではないだろうか。 私は、彼女が告発したことを真実と思いたいが、人は見たいものしか見ない。 語られる中の、自分に都合のいい部分だけを切り取っているのかもしれない。 言葉の力と、危うさ、真実の曖昧さなど、深く考えさせられる物語であった。 第1部はとにかく、生あくびと戦ったが、やはり、名作と呼ばれるのは、物語全体を通しての、その深みによるものであろう。
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第一部の舞台は1935年のイギリス。作家を志す13才の少女ブライオニーは、姉セシーリアの恋人であり自らも密かに想いを寄せる幼なじみのロビーに向けて、従妹のローラに対する破廉恥な行為を告発します。しかしそれは彼女の想像で創りあげた偽りの告発だったのでした。第一部で描かれるのはわずか...
第一部の舞台は1935年のイギリス。作家を志す13才の少女ブライオニーは、姉セシーリアの恋人であり自らも密かに想いを寄せる幼なじみのロビーに向けて、従妹のローラに対する破廉恥な行為を告発します。しかしそれは彼女の想像で創りあげた偽りの告発だったのでした。第一部で描かれるのはわずか2日間の出来事ですが、情景描写や内面描写がちょっとやりすぎなんじゃないのと思うくらいに詳細で、かなり読みごたえがあります。 第二部はブライオニーの告発によって刑務所に服役した後、第二次世界大戦に従軍することになったロビーの視点で進みます。異国の地から追われながらの敗走という過酷な状況の中、セシーリアから届く手紙によって互いを想う気持ちを確かめ合うシーンが心に残ります。 第三部は見習い看護師となったブライオニーの視点で進みます。ロビーを貶めた偽りの告発に対する罪の意識にさいなまれるのですが、「作家志望の文学少女」という、普通の人々とはちょっと違った自意識のあり様が面白いです。 と、第三部の途中まで読んで、まあ普通にいい話だけど、詳細な描写にメインのストーリーが負けている気がしたので、世紀の大傑作とまでは・・・と思っていたのですが、ところがどっこい、読者がこの物語に対して思い描いていたであろう世界観を根底から揺さぶるような仕掛けが終盤に待ち受けていました。ミステリの分野ではまれに用いられるこの手法、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、この手の作品でお目にかかれるとは思ってもみませんでした。 この仕掛けの箇所まで読むに至り、「贖罪」という分かりやすいテーマを掲げる一方で、ブライオニーが見た真実、ローラが見た真実、そして読者が思い描いた真実というように、真実はそれを見た人の数だけ存在するというのが本作のもう一つのテーマであると理解しました。あわせて、過剰なまでに詳細な描写に対して抱いていた違和感が納得感にすっと変わったのでした。恐らく多くの読者は読み終えた後、すぐに再読の欲求にかられるのではと想像します。 いやはや、世紀の大傑作と呼ぶにふさわしいたたずまいが確かに本作にはありました。20年近く前の作品が今になって復刊された理由は不明ですが、もっともっと売れて然るべき作品だと思います。せっかくだから映画も観てみようかなあ。
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