NHKラジオ深夜便 絶望名言 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
定期的に読んでいる頭木弘樹さん。これはNHKラジオ深夜便の『絶望名言』というコーナーの書籍化だそうだ。字も大きいし、対談形式で読みやすい。あっという間に読み終えちゃう。人生のあらすじだけみたら成功者のゲーテも細かく見ればいろいろ辛いこともあった、というところが一番印象的。ただただ嘆くばかりのカフカより、ゲーテはすごく人間ができている気がする。
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NHKラジオ「ラジオ深夜便」の1コーナーを書籍化したものです。タイトルに惹かれました。 番組ディレクター根田さん曰く 「死が救いに思われるほどの絶望をすくいとって言葉にしていく」 傷口に塩を塗る名言ばかりですが、なぜか笑ってしまいます。あれ、まだ絶望までいってないのかな、って。...
NHKラジオ「ラジオ深夜便」の1コーナーを書籍化したものです。タイトルに惹かれました。 番組ディレクター根田さん曰く 「死が救いに思われるほどの絶望をすくいとって言葉にしていく」 傷口に塩を塗る名言ばかりですが、なぜか笑ってしまいます。あれ、まだ絶望までいってないのかな、って。 象徴的なカフカの名言を。 「将来にむかって歩くことは、僕にはできません。 将来にむかってつまずくこと、これはできます。 いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」
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とてもいい本。 NHKだから大真面目に古典文学についてラジオで語っているのかと思いきや、 あまりに絶望すぎて笑っちゃってる部分もあり。 最初は特番だったが自然に人気が出てレギュラー化したというのもいい。 ラジオなので「絶望音楽」が入るのもいい。 レコード会社の宣伝の為の曲でなく...
とてもいい本。 NHKだから大真面目に古典文学についてラジオで語っているのかと思いきや、 あまりに絶望すぎて笑っちゃってる部分もあり。 最初は特番だったが自然に人気が出てレギュラー化したというのもいい。 ラジオなので「絶望音楽」が入るのもいい。 レコード会社の宣伝の為の曲でなく、パーソナリティが選曲してその歌詞がいかに絶望的かを解説している。 著者がちゃんとした文学者ゆえに各作家の生き様やその言葉の背景なんかの説明を丁寧にしてくれて染みる。 「無能、あらゆる点で、しかも完璧に。」 とかそんな言葉の後に、「カフカは平穏な人生を送っていて、サラリーマンとして順調に出世もしていますし、恋人もいて、親友もいたんですね。」とかギャップもいい。 一方でドストエフスキーは刑務所で死刑判決を経験してたりとか。 「立ち直るんではなく、絶望したまま生きていく」 「倒れたままで生きていく、あるいは半分倒れたままで生きていく。」 弱者に寄り添ってるなあと思う。 登山する時の命綱の例えが説得力あった。 「使っていない時は、ただぶらんと下がっていて、いらないもの」「でも、それがないと、いざという時、大変」 「そういう命綱的なものが、ひとつには読書であり、こういう話をしておくこと」 精神や内臓の病気に対し、メンタルで直せという他者がいかに無理を言っているかの説明も分かりやすい。 「たとえば、強い衝撃を受けたら、どうしたって骨は折れる」「いくらポジティブだって、折れる時は折れる」 「また、いくら前向きなポジティブな気持ちでいても、折れた骨がすぐにつながるというふうにはいかない」 「ところが、内臓の病気とかだと、どうしても、なんか気の持ちようで治るみたいに言われやすいんです。気の持ちようで、骨はすぐつながるよって言う人はいないんですけど、内臓とかは(中略)なんか精神力で治せるような気にもなってしまうんですね。」 人間の多面性の説明も例えが秀逸。 よく明るい人は暗くなくて、暗い人は明るくないと、どっちか一方のように思われるけども、両方を内在している人も多い。 絵画に使用される金色のすごいきれいな輝きを出している部分は、白と黄色の他に黒がベースになっているそうだ。
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なぜ私がこの本にたどり着いたかというと、絶望していたからである。 絶望している人にとってポジティブ系の名言は、正直しんどい、聞いててキツい、暑苦しい、もうやめてくれ、ほっといてくれ、という具合に状況を悪化させかねない。 そこでこの「絶望名言」の出番である。 若くして長い闘病生活を...
なぜ私がこの本にたどり着いたかというと、絶望していたからである。 絶望している人にとってポジティブ系の名言は、正直しんどい、聞いててキツい、暑苦しい、もうやめてくれ、ほっといてくれ、という具合に状況を悪化させかねない。 そこでこの「絶望名言」の出番である。 若くして長い闘病生活を送った著者の救いとなった、文豪たちの「絶望名言」が収められている。 文豪たちの絶望が深すぎて逆に笑えてくるという、今までにないヒーリング体験が味わえる。
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先日読んだ『変身』の作者、カフカの言葉について書かれていたので手に取った。 ラジオ番組のひとつのコーナーを、そのまま書き起こしていて、さらさらと読みやすい。 しかし書かれていることは、絶望を体験しなければ気がつくことない言葉ばかりで、心に響く。 カフカだけでなく、太宰治や芥...
先日読んだ『変身』の作者、カフカの言葉について書かれていたので手に取った。 ラジオ番組のひとつのコーナーを、そのまま書き起こしていて、さらさらと読みやすい。 しかし書かれていることは、絶望を体験しなければ気がつくことない言葉ばかりで、心に響く。 カフカだけでなく、太宰治や芥川龍之介などの作品も紹介されており、かつて読んだ時に受けた言葉の印象は、今違う捉え方に変わったことに気づいた。 その時々で、心に寄り添ってくれる言葉は変わる。 その違いを知り、生きていく杖となる言葉を心に留めたいと思った。
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能天気なほど絶望的。 ってな事で、頭木弘樹の『絶望名言』 文学紹介者の頭木さんとアナウンサーの川野一宇さんがNHKの深夜ラジオ便での放送を活字化したもの 絶望名言の著名者カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア達の絶望名言をお二人が解説、掘り下げ...
能天気なほど絶望的。 ってな事で、頭木弘樹の『絶望名言』 文学紹介者の頭木さんとアナウンサーの川野一宇さんがNHKの深夜ラジオ便での放送を活字化したもの 絶望名言の著名者カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア達の絶望名言をお二人が解説、掘り下げる内容。 お二人共、絶望的な経験をしている中で、励ましや労りの言葉は、実は全く癒されることは無く、絶望感の中に堕ち込んでいる時こそ絶望的名言の方が心を癒して労わってくれたそうです。 読んでるうちになるほどなぁと思う事に。 絶望の中は実は生きたい欲望が強く、もがいている時ではないのかと 数ある名言の内、わしに響いた名言を載せときます このラジオのアーカイブ無いんかな? 文章を読むのもええけど、ラジオも聴いてみたいな 2020年55冊目
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想像よりずっと読みやすく、絶望した者を優しく包み込み、希望を見出すことができた本。 過去の偉人の作品中に出てくる絶望を感じる名言を著者やアナウンサー川野一宇氏が対談形式で解説していく本作は非常に面白い試みだ。 作品名は知っていても内容は知らないものも取り扱っているため、そちらの作...
想像よりずっと読みやすく、絶望した者を優しく包み込み、希望を見出すことができた本。 過去の偉人の作品中に出てくる絶望を感じる名言を著者やアナウンサー川野一宇氏が対談形式で解説していく本作は非常に面白い試みだ。 作品名は知っていても内容は知らないものも取り扱っているため、そちらの作品も興味が湧いた。
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絶望名言というラジオ番組が書籍化されたもの。落ち込んだ時に暗い曲を聴くように、絶望した文豪が形にした言葉を取り込む本です。 紹介されていた中では芥川龍之介の「侏儒の言葉」が好きでした。些細なことで幸せを感じる人は、ささいなことで辛さも感じてしまう。芥川はすごい。 またディレクタ...
絶望名言というラジオ番組が書籍化されたもの。落ち込んだ時に暗い曲を聴くように、絶望した文豪が形にした言葉を取り込む本です。 紹介されていた中では芥川龍之介の「侏儒の言葉」が好きでした。些細なことで幸せを感じる人は、ささいなことで辛さも感じてしまう。芥川はすごい。 またディレクターによるあとがきがよかった。 「1人の苦しみを突きつめていくと普遍性を持つものです。この番組はそのプロセスの実践です」 「言葉の限界を越える絶望が確かにある、その事実に謙虚でありたいと思っています」 綺麗な言葉だと思いました。
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一番得意なのは倒れたままでいることだ、というカフカの言葉を覚えているのだが、著名人達の絶望感を嘆く名言のみならず、それを解説する頭木さんの言葉が面白い。なるほどそんな解釈があるのか、弱った時にはそう響くのかと。 後半、ブハっと噴き出すぐらいの絶望名言があったのだが、メモするのを忘...
一番得意なのは倒れたままでいることだ、というカフカの言葉を覚えているのだが、著名人達の絶望感を嘆く名言のみならず、それを解説する頭木さんの言葉が面白い。なるほどそんな解釈があるのか、弱った時にはそう響くのかと。 後半、ブハっと噴き出すぐらいの絶望名言があったのだが、メモするのを忘れてしまった。もう一回読みたい。
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またまた体調を崩して、久しぶりにゆっくりゆっくりではあるけどなんとか読書ができました、ゆまちです。 それはさておき。 古今東西の文豪の絶望名言を紹介し、その名言について自身らの体験を踏まえて語る本書。 絶望した時には希望に溢れた言葉より絶望に満ちた言葉の方がすんなり身体に降りて...
またまた体調を崩して、久しぶりにゆっくりゆっくりではあるけどなんとか読書ができました、ゆまちです。 それはさておき。 古今東西の文豪の絶望名言を紹介し、その名言について自身らの体験を踏まえて語る本書。 絶望した時には希望に溢れた言葉より絶望に満ちた言葉の方がすんなり身体に降りてくるというのには同感。本書を体調が悪い中読む事ができたのは、その点があるんだろうなあと。 ああ、だめだ。頭がうまく働かなくて全然感想になってない。 でも「明けない夜もある」など、腑に落ちる名言たちに、救われる。 「不幸はひとりではやってこない。群れをなしてやってくる。」にも同感。 私も一つの症状がやっとマシになったと思ったら新たな症状が出て苦しめられたり。 悪い事が今後必ず起こるよりも、次何が来るのかわからないことの方が恐ろしい的な言葉にも頷く。 正直次はどんな症状が来るんだ!?と楽しく過ごせる日々の中でも不安は絶えないため、そこを拾い上げて言葉にしてくれたことにはありがたさすら感じる。 将来に向かって、つまずき倒れながらいこうと思います。 うん、相変わらず意味不明な文章になってしまった。お許しを。
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